おすすめのホラー小説

最恐のホラー小説や不気味な怪談本で、心の底にある恐怖に立ち向かおう。サイコスリラーや超自然的な怪異譚をオンラインで体感。

最新のホラーネット小説

出来損ないの娘が死んだ日 の小説カバー
9.5
ゴミの山から発見された無惨な腐乱死体。現場に駆けつけた刑事の父と監察医の母は、その遺体を「汚らわしい」と蔑み、顔をしかめた。二人は、目の前で横たわる無残な骸が、自分たちが「出来損ない」と冷遇し続けた実の娘、栞であることに全く気づいていない。母は栞の指から、かつて自分が誕生日に贈った手作りの指輪を無造作に引き抜き、安物だと嘲笑う。解剖中も、二人の口から出るのは優秀な養女である妹への称賛ばかり。魂となった私は、両親にとって自分が死してなお「処理すべきゴミ」でしかない現実に絶望していた。しかし、胃の内容物から見つかった一枚のレシートが、平穏な日常を地獄へと変える。鑑識の結果、被害者が実娘であるという残酷な真実が突きつけられた瞬間、父の顔は土気色に変わり、母の悲鳴が解剖室に虚しく響き渡った。ゴミ溜めの中で再会し、実の親から汚物として吐き捨てられたあの瞬間こそが、私と彼らの最後の対面となったのだ。皮肉な運命が、親子の絆を無慈悲に暴き出していく。
死後に君を慕う の小説カバー
8.6
兄にとって、精神を患う妹の存在は疎ましいだけの対象だった。彼は周囲の目に晒される場所で執拗に私を追い詰め、パニックに陥る姿を嘲笑うことを日課としていた。「お前なんて発作で死んでしまえ」という冷酷な言葉を投げつけ、私の尊厳を奪い続けた。しかし、その呪詛が現実となり私が本当にこの世を去ったとき、兄の精神は音を立てて崩壊していく。あれほど忌み嫌っていた私の発作を、今度は兄自らが取り憑かれたように再現し、人前で醜態をさらすようになったのだ。狂気の淵に沈んだ彼は、夜な夜な私の夢枕に立っては「一度でいいから自分を見てくれ」と涙ながらに懇願し続ける。生前は決して交わることのなかった兄妹の絆は、死という断絶を経て、歪な形へと変貌を遂げた。憎悪が執着へと反転し、死者と生者の立場が逆転していく。逃れられない罪悪感と狂気の中で、兄が辿り着く結末とは。死してなお続く、あまりにも残酷で孤独な愛の物語。
愛しい彼は、私の子を「部品」と呼んだ の小説カバー
9.3
結婚三年目、待望の命を授かった私を待っていたのは、愛する夫による残酷な裏切りだった。彼は私の心臓が持たないと偽り、無理やり堕胎手術を強行する。自責の念に駆られる私だったが、カーテン越しに衝撃の真実を聞いてしまう。夫の目的は、病床にある私の姉を救うための臍帯血だった。彼は薬剤で胎児の成長を早め、五ヶ月で我が子を「部品」として処理したのだ。私を私生児として蔑み、姉への献身の道具としか見ていない冷酷な本性。死産だと思い込まされ、骸の価値まで搾取される絶望の中で、私は溢れる慟哭を抑えられなかった。愛した男は、姉を救うためだけに我が子を殺め、私の命さえも利用しようとしていた。
部室感染 の小説カバー
8.7
静まり返った放課後の校舎、その一角にある部室という閉鎖空間から、平穏な日常を根底から覆すような異変が静かに、しかし確実に始まりを告げる。かつては生徒たちの笑い声が絶えなかった憩いの場所は、いつしか正体不明の怪異が蠢く底知れぬ恐怖の深淵へと変貌を遂げていた。壁の向こう側から聞こえてくる不可解な物音、そして影に潜む何者かの気配。誰もいないはずの空間で、目に見えない脅威がまるでウイルスのように次々と伝播し、学校全体を底なしの絶望へと引きずり込んでいく。この場所に一体何が起きているのか。逃げ場のない校内で、生徒たちは正体不明の怪異がもたらす極限の恐怖に直面することになる。それは、決して逃れることのできない呪縛の始まりに過ぎなかった。学校という日常の舞台に突如として現れた異形なる存在。その真実を解き明かす術はあるのか。静寂を切り裂く悲鳴とともに、想像を絶する怪異の全貌が今、白日の下にさらされようとしている。青春の輝きは、抗いようのない闇に飲み込まれ、校舎はかつてない戦慄に包まれていく。
夫が殺した弟の記憶 の小説カバー
9.0
結婚生活7年目、優歌穂は夫・誠也の書斎で一冊の手帳を見つけ、平穏な日常を失う。そこには、かつての恋人であり現夫である誠也が、優歌穂の弟をいじめ抜き、自死へと追い込んだ冷酷な記録が綴られていた。「これで邪魔者はいなくなった」という歪んだ独占欲に、彼女は戦慄する。しかし、悲劇はそれだけではなかった。誠也は優歌穂を弟の「代用品」として扱い、弟の恋人だった美咲と密会を重ねていたのだ。さらに、家族もまた優歌穂を追い詰める。かつて弟から「大嫌い」と首を絞められた記憶が蘇り、自分が狂った家族の中で孤立していることを痛感する。夫の裏切り、弟の病的で歪んだ依存、そして美咲の無慈悲な振る舞い。四面楚歌の状況下で、昏睡状態だった父が目を覚ましたとき、一族がひた隠しにしてきた最も醜悪な秘密が白日の下に晒される。自身の存在意義さえも揺るがすおぞましい真実を知った優歌穂は、腐敗しきった血縁と愛憎のすべてを断ち切り、彼らを捨てて新たな道を歩むことを決意する。
私の彼氏が「人」じゃなくなるまで、あと3日 の小説カバー
8.4
運動を楽しんでいた最中、私は恋人から贈られた愛の証である玉のペンダントを不注意で壊してしまった。その瞬間、彼はこれまでに見たこともないほどの激しい怒りを見せ、我を忘れて豹変してしまう。その恐ろしい形相は、優しかった普段の彼とはまるで別人のようであった。結婚式をわずか三日後に控えたタイミングで起きた不可解な変貌に、私は強い不安を抱き、解決の糸口を求めて恋愛相談を専門とする配信者にオンラインで助けを求める。配信のチャット欄が「結婚すべき」という意見と「別れるべき」という意見で激しく割れ、混沌とした状況になる中、画面越しの配信者は険しい表情を浮かべて私にこう告げた。「今すぐそこから逃げなさい。あなたが持っているそれは、そもそも狐仙玉墜などという縁起物ではない。それどころか……」信じていた恋人の正体と、ペンダントに隠された恐ろしい真実が、幸せなはずの結婚式を目前にして暴かれようとしていた。私はこの絶望的な状況から逃げ延びることができるのだろうか。
絡繰人形 の小説カバー
9.4
長年にわたり、執拗に繰り返される悪夢に精神を削られてきた青年。彼はその忌まわしい夢の連鎖を根本から断ち切るため、かつて少年時代を過ごした思い出の団地へと再び足を踏み入れる。期間限定の再入居という形で、過去の記憶が眠る場所へ戻った彼を待ち受けていたのは、平穏な再会ではなく、逃れられない恐怖の幕開けだった。かつて自分が住んでいた部屋には、その場所から離れることができず、ただひたすらに縛られ続ける不気味な霊が漂っていた。さらに、青年の命を執拗に狙う、得体の知れない小柄なピエロが闇から姿を現す。団地という閉鎖的な空間の中で、過去の因縁と現在の怪異が複雑に絡み合い、青年は絶体絶命の窮地に立たされる。霊が部屋に留まり続ける理由とは何なのか、そしてピエロが彼を殺そうとする目的は何なのか。悪夢の根源に隠された真実を暴き、生き残るための孤独な戦いが今始まる。現実と幻想が交錯する団地を舞台に、逃げ場のない恐怖が青年を飲み込んでいく。
俺本当に邪神の猟犬じゃないから! の小説カバー
9.8
異世界へと転移した林介は、静かな街の片隅で古本屋を営み、平穏な日々を送っていた。彼は持ち前の誠実さと慈愛に満ちた性格で、人生の壁にぶつかり絶望の淵に立たされた客たちを温かく迎え入れる。林介は彼らの傷ついた心に寄り添い、癒やしを与える一冊を勧めたり、時には自作の物語を披露したりして、客たちの孤独な魂を救い続けてきた。救われた人々は林介に深い敬意を抱き、感謝の印としてささやかな贈り物を届けたり、新たな客を紹介したりするようになる。しかし、人々の間で彼の存在が神格化され、広まっていくうちに、林介の意図とは裏腹に不穏な二つ名が定着していく。「邪神の猟犬」「血肉福音書の伝道者」「屍食教典儀の執筆者」そして「群星の羊飼い」――。ただ親切に本を売っていただけのはずが、いつの間にか恐るべき異形の存在として崇拝の対象となっていたのだ。周囲からの過剰なまでの心酔と、自身の認識とのあまりに巨大な乖離に、林介はただ困惑するばかり。勘違いが加速させる、奇妙で恐ろしい異世界ファンタジーが幕を開ける。
アルファの偽りの番、オメガの静かなる戦い の小説カバー
8.7
最下層のオメガである私は、アルファのカイネと「運命の番」として結ばれ、幸せな物語の中にいた。彼の世継ぎを身籠って八ヶ月、その愛を疑うことなどなかった。しかし、偶然見つけた羊皮紙がすべてを覆す。彼は一年前、別の女のために世継ぎを成せぬ体となる儀式を済ませていたのだ。私との日々は、彼とその部下たちが仕組んだ残酷なゲームに過ぎなかった。お腹の子の父親が誰かを賭けの対象にされ、寒い夜には慰みものとして嘲笑われる。さらに彼は私に薬を盛り、最愛の女性であるセイラに私の膨らんだ腹を蹴らせ、意識を失った私の体を部下たちへの褒美として差し出した。信じていた未来は、吐き気を催すほど歪んだ娯楽として踏みにじられた。心も体も無残に引き裂かれた私は、絶望の淵でただ壊れたわけではない。その心は氷のように凍てつき、復讐の炎を宿した。私は禁忌の薬草を煽り、自らの手で胎内の命を断つ。これは絶望による幕引きではない。私を弄んだ者たちすべてを地獄へ引きずり戻すための、孤独で苛烈な戦争の始まりなのだ。
裏切り夫へ、血染めの離婚届 の小説カバー
9.3
夫・浅田慎和は私の後輩である増沢梓紗と不倫に耽っていた。その裏で、私は夫が手を染めた違法取引の代償として反社会的勢力に拉致され、無残に命を奪われる。私が苦悶の中で死を迎えていた時、夫は私たちのアトリエで、私の描いたデザイン画を汚しながら不倫相手と愛を囁き合っていたのだ。奇跡的に七日間の還魂を許され、血と泥にまみれた姿で帰還した私に対し、夫が口にしたのは労りではなく「汚い格好で戻ってくるな」という冷酷な蔑みだった。彼は私の才能を奪い、自らの名声を守ることしか考えていなかった。夢も魂も踏みにじられた絶望の復讐劇は一度幕を閉じるが、再び目覚めると、私は彼と出会う前の高校時代へと回帰していた。鳴り響くチャイムの音を背に、私は迷うことなく決意を固める。もう二度と彼に利用される人生は歩まない。裏切りの代償を血で購わせるため、私はかつての絶望を糧に、未来を自らの手で書き換え始めた。今度こそ、あの男のすべてを奪い去るための戦いが幕を開ける。
幽霊妻、届かぬ愛の叫び の小説カバー
9.6
ガス爆発という悲劇的な事故で命を落としてから4年。幽霊となった私は、愛する娘・結愛を傍らで見守り続けてきた。そんなある日、私たちの前に元夫であり世界的な建築家として名を馳せる高沢遼が姿を現す。彼は私が既にこの世にいないことを知らず、結愛を「自分への復讐のために利用されている道具」だと思い込んでいた。「母親に伝えろ。金目当ての芝居はもうたくさんだ」と冷酷に言い放つ彼は、私を苦しめるためだけに親権を奪い取ろうと裁判を提起する。法廷という公の場で、彼は憎しみを剥き出しにして「あんな女、死んでも構わない」と罵声を浴びせた。その直後、幼稚園の教諭が震える声で衝撃の事実を告げる。「高沢さん、綾乃さんは4年前の事故で亡くなっているんです」と。静まり返る法廷で、これまで傲慢な態度を崩さなかった彼の表情は、絶望とともに脆くも崩れ去った。死してなお娘を想う母の魂と、あまりにも遅すぎた真実を知った男の葛藤が交錯する。
今日ノソライロ の小説カバー
8.8
神奈川県に暮らす中学3年生の本山明日美は、突如として過酷な運命に巻き込まれる。ゾンビが蔓延し崩壊の危機に瀕した世界を救うため、未来からやってきた少女・友里亜が彼女の前に現れたのだ。明日美はこの未曾有の災厄に立ち向かうべく、個性豊かな仲間たちと共に戦いに身を投じていく。クラスメートで剣道の天才・山崎祐太とその兄である弓道の名手・一翔、さらに薙刀を操る村田里沙や杉野奈央、そして少し風変わりな幼馴染といった現代の精鋭たちが集結。それだけではなく、源平合戦の英雄・源義経やその忠臣である佐藤兄弟、伊勢三郎、さらには元寇で名を馳せた竹崎季長といった、時代を超えた伝説の戦士たちも参戦し、最強のチームが結成される。過酷な避難所生活や凄惨ないじめ、歪んだ正義感による葛藤など、一行の前には幾多の困難が立ちはだかる。明日美たちは凄まじい逆境を乗り越え、絶望に染まったこの世界の未来を取り戻すことができるのか。時空を超えた絆と勇気が試される、壮大な冒険と戦いの幕が今、切って落とされる。
娘の針が貫いた、母の亡骸 の小説カバー
8.0
凄惨な最期を遂げた私の傍らで、娘は姑の夕食作りに余念がなかった。そんな彼女が私に投げつけた最後の言葉は、退院の日を祝うはずの場に相応しくない不吉なことを言うな、という冷酷な拒絶だった。しかし翌日、病院に運び込まれたのは、原型を留めぬほど無残に損なわれ、修復を必要とする一体の遺体だった。娘は、自らの手で一針ずつ丁寧に縫い合わせているその肉塊が、誰であるのかを全く分かっていない。憎悪の対象として疎んじ続けてきた実の母親が、変わり果てた姿で目の前に横たわっているという事実に。皮肉な運命に導かれるようにして、彼女は知らぬ間に母の亡骸を繕い続けていく。母娘の絆が断絶した果てに待ち受けていたのは、あまりにも残酷で救いのない結末だった。自分の手で母を弔うことになるとは夢にも思わず、娘はただ黙々と針を動かし続ける。その指先が貫いているのが、かつて自分を慈しんだ母の肌であるとも知らずに。逃れられない因果が、静かに、そして確実に彼女の心を蝕んでいく。
白いスープと雲の街 の小説カバー
8.0
照りつける太陽が眩しい夏の日のこと。裏手の畑で静かに日々を過ごしていた「ぼく」は、平穏を切り裂くような凄惨なバラバラ殺人事件を偶然にも目の当たりにしてしまう。その凄まじい光景に衝撃を受けながらも、純粋な子供たちの未来を守るため、ぼくはたった一人でこの不可解な事件の真相を突き止めることを決意する。しかし、それは想像を絶する恐怖の始まりに過ぎなかった。犯人を追ううちに、少年はやがて街の深淵に潜む、おぞましく巨大な闇へと引きずり込まれていく。本作は、残酷な事件の謎を追うミステリー要素と、背筋も凍るようなホラー、そして幻想的な世界観が複雑に絡み合うホラーファンタジーである。凄惨な殺害現場の描写や、生理的な忌避感を呼び起こすグロテスクな表現、そして精神を追い詰めるような恐怖演出が随所に散りばめられている。孤独な戦いに身を投じた少年が、呪われた街の真実を前に何を見るのか。残酷さと美しさが同居する物語の幕が今、静かに上がる。
禁断のシルク の小説カバー
8.4
袖を通すだけで、いとも容易く難関大学の首席を勝ち取れる……。そんな夢のような衣類が存在するとしたら、あなたはその誘惑に抗えるでしょうか。私の母は、人ならざる「蚕女」という存在です。彼女がその身から吐き出す特殊な糸で織り上げられた服には、どんなに学力に乏しい者であっても、一瞬にして最高峰の秀才へと変貌させる恐ろしい力が宿っています。その奇跡の恩恵を授かり続けた結果、かつては平凡だった私たちの村は、いつしか「首席村」という名で広く世に知れ渡るようになりました。村には合格を渇望する人々が溢れ、栄華を極めているように見えます。しかし、富と名声に酔いしれる者たちは、まだ誰もその代償に気づいていません。合格を手にした若者たちの瞳から、生気が失われ、次第に虚ろな深淵へと沈んでいっている事実に。禁断の糸が紡ぎ出すのは、輝かしい未来か、それとも逃れられない破滅か。村の繁栄の裏側に潜む、底知れぬ恐怖と謎が静かに進行していきます。
裁かれぬ凶行 の小説カバー
9.1
5年前、私はある中学校で起きた凄惨ないじめ事件を担当した。加害者はわずか13歳の少年であったが、その犯行内容は常軌を逸していた。被害者に対して排泄物の摂取を強要し、執拗な性的暴行を繰り返すという、あまりにも残忍で非人道的な手口だったのだ。心身ともに深く傷ついた被害者は、重度のうつ病を発症した末に自ら命を絶つという最悪の結末を迎えてしまった。しかし、事態が明るみに出ると、加害者の両親は反省するどころか、莫大な金に物を言わせて隠蔽工作を図った。彼らは私に対して卑劣な偽証を強要したばかりか、「息子は未成年なのだから、いじめはもちろん、たとえ殺人を犯したとしても刑務所に入る必要などない」と勝ち誇ったように言い放ったのである。法律の壁に守られ、罪から逃れようとする加害者一家。法と倫理が揺らぐ中、裁かれることのない凶行が残した傷跡は、今もなお深く暗い影を落としている。未成年という免罪符を盾に悪行を正当化する傲慢な親子と、救われなかった被害者の悲劇を描く、衝撃の現代ミステリー・ホラー。
夜を狩るもの 終末のディストピア[seven deadly sins] の小説カバー
8.0
雪に閉ざされた街、ホワイト・シティ。その象徴ともいえるノブレス・オブリージュ美術館に飾られた一枚の絵画から、ある青年が産み落とされた。現世に降り立った彼は、表向きは平凡な大学生としての日々を過ごしているが、その実体は闇夜に紛れて魂を刈り取る「死神」という宿命を背負っていた。自らの存在意義や世界の真実を深く追求することもなく、ただ盲目的に生を繋いでいた彼だったが、過酷な運命の中で一人の女性と巡り会う。彼女との出会いは、感情を持たぬ死神の心に大きな変化をもたらし、かけがえのない恋人として彼の孤独な人生を照らし始める。しかし、その先には凄惨な暴力や残酷な現実が待ち受けていた。終末の気配が漂うディストピアを舞台に、愛と死の狭間で揺れ動く青年の戦いと葛藤を描いたダークファンタジー。過激な描写を交えながら、過酷な世界で愛を貫こうとする者たちの物語が今、幕を開ける。青年は大切な人を守り抜き、死神としての呪縛から解き放たれることができるのか。
愛を殺した、彼の後悔 の小説カバー
8.4
体に時限爆弾を仕掛けられた私は、絶望の中で恋人の法医学者・久我修二に助けを求めた。しかし彼は、幼馴染の落とし物を探すことを優先し、私の必死の訴えを狂言だと切り捨てて電話を断つ。その数分後、私はお腹の子供と共に爆死した。皮肉にも、変わり果てた私の遺体を解剖したのは修二だった。彼は目の前の焼死体がかつての恋人であることに気づかず、私が大切にしていた彼からの贈り物を「身元不明者の安物」と蔑み、証拠品袋へ投げ入れる。両親の捜索願すら家出だと嘲笑う彼が真実を知ったのは、数日後のことだった。誘拐犯から「お前が解剖したのは自分の女と子供だ」と告げられ、修二は奈落の底へ突き落とされる。さらに一年後、事件の黒幕が、あの日優先した幼馴染だったことを突き止めた彼は、ある凄惨な復讐を決意する。二人の結婚式の打ち合わせの場で、修二は微笑みを浮かべながら彼女を椅子に拘束した。その胸元には、かつて私を奪ったものと同じ爆弾がセットされていた。
凍てつく地下室の妻 の小説カバー
9.1
幼馴染である美緒の甘い言葉を鵜呑みにした僕は、傲慢な独占欲から妻の翔子をワイナリーの地下セラーに監禁するという過ちを犯した。単なる謝罪を求めるための軽い懲らしめのつもりだったが、数日後に扉を開けた僕を待っていたのは、壁に絶望の爪痕を残して事切れた妻の冷たい遺体だった。世間から愛人のために妻を手にかけた殺人鬼と糾弾される中、僕は隣で泣きじゃくる美緒の姿に騙され、深い罪悪感に沈んでいく。しかし、司法解剖によって翔子が僕との子供を宿していたことが判明し、さらに地下の冷却装置を起動させ彼女を死に追いやった真犯人が美緒だったという戦慄の真実を知る。己の愚かさゆえに愛する妻と未だ見ぬ我が子の命を奪ってしまった僕は、絶望の淵で冷徹な決意を固める。翔子の墓前で誓ったのは、決して許されることのない贖罪ではなく、美緒という女に百倍の苦痛を味わわせるための凄惨な復讐の幕開けだった。この憎しみは、彼女を地獄の底へ突き落とすまで決して消えることはない。
彼女の復讐、彼の破滅 の小説カバー
8.6
息子の死は薬物過剰摂取による自殺と断定された。だが鑑識官である私は、自ら検分した遺体が発する「殺人の証拠」を見逃さなかった。真実を求めて七度の再審を請求したが、検事正の榊宗一郎はそのすべてを棄却。二十年尽くした組織は、権力で殺人を隠蔽したのだ。司法に裏切られた私は、法を捨て復讐者となる道を選んだ。榊の娘・麗を拉致し、凄惨な拷問の様子を世界へ配信。かつての恩師や息子の恋人・亜希が説得に現れ、息子の鬱病や遺書を盾に私の正気を疑わせようとする。一時は自責の念に駆られたが、私は遺書に隠された秘密の暗号に気づく。それは幼い頃に愛読した絵本を用いた、息子からの必死の救助信号だった。彼が最後まで抗っていたことを知り、私の迷いは氷解する。神奈川県警の特殊部隊が包囲し、突入の瞬間が迫る中、私は偽りの遺書を拒絶した。息子の叫びを握りつぶした者たちへの怒りを胸に、私は再び麗の肌に鑑識道具を突き立てる。この残酷な儀式は、正義が死んだ世界への、母親としての最期の宣戦布告だった。
虚空の寄る辺 の小説カバー
8.5
「助けたら助けてもらえる世界」を理想に掲げる少年、直弼レンジは、異能の力《響法》を操る術師。生活に困窮した彼は、相棒の秋月マイカと共に、協会を通さない禁断の「闇営業」に手を染める。依頼主は地方の結社《吾妻桜花》。任務は、霊的所有権が散逸した土地の現所有者を特定し、権利を譲渡させる地上げの工作だった。しかし、現地調査を開始した二人は、その土地と学校が何者かの強力な呪いに蝕まれている事実に直面する。依頼主の影もちらつく中、保証のない闇営業ゆえに陰謀に巻き込まれる危険が高まっていく。逃げ出す選択肢もあったが、そこにはレンジが友人となった少女・原田アオイの姿があった。堕胎の苦悩を抱え、現状を変えようともがくアオイ。そして不思議な力を持つレオ、彼を受け入れたいアキ、意志を持たぬ自分を厭うリサ、権力に固執するサオリといった、複雑な事情を抱える生徒たち。人ならざるもの《タマユラ》が見えるレンジとマイカは、呪いの渦中にいるアオイを見捨てて去るのか、それとも危険な企てに立ち向かうのか。二人の「ズレた」響法師が、閉塞した学校に潜む闇を暴く。
兄の悔恨、炎に消えた妹 の小説カバー
9.5
「助けて、お兄ちゃん」。燃え盛る炎の中、拘束された美桜は最期の力を振り絞り、ポケットの中のスマホを起動させた。煙に巻かれ意識が遠のく中、兄・蒼甫へと繋がった電話。しかし、受話器越しに聞こえてきたのは、救いの手ではなく凍りつくような冷徹な言葉だった。「嘘つきの放火魔が。お前なんか、死ねばいい」。かつて兄を庇って背中に負った火傷の痕が疼く。それは二人にとって全ての始まりであり、絆の証だったはずの傷跡。しかし、妹を狂言自殺の常習犯だと断じる兄の無関心と拒絶が、美桜の生きる希望を完全に断ち切った。熱で溶けゆく携帯電話から漏れる無情な終話音とともに、彼女の命は炎の中に消えていく。自分を愛してくれなかった唯一の肉親によって見捨てられ、絶望の中で息絶えた美桜。肉体を失い、ただの魂となった彼女は、自らを殺したも同然の「英雄」である兄のその後を、静かに見届け始めることになる。血を分けた兄妹の間に横たわる深い溝と、凄惨な死の果てに待ち受ける真実とは。愛憎が渦巻く現代ミステリーホラー。
愛は獣、恨みは檻 の小説カバー
8.9
世界に名を馳せる猛獣使いの夫は、巨大な動物園を経営し、どんな荒ぶる野獣も手なずけてみせる男だった。しかしある日、最愛の息子が夫の目の前でライオンに襲われ、命を落としてしまう。変わり果てた息子の姿を前に慟哭する私をよそに、夫はその日のうちに動物園へ戻り、加害した獣を庇うように「これは不運な事故だ」と冷酷に言い放った。だが、私は監視カメラの映像に隠された真実を見てしまう。そこには、若い女性管理員を抱き寄せ、檻の不備を隠蔽しながら、息子の死を「運が悪かった」と片付ける夫の姿が映っていた。息子を死に追いやった元凶が愛する夫自身であったと知った瞬間、私の心には漆黒の復讐心が宿る。私は夫が何より大切にしていたライオンを国家動物園へ送り、自らのルーツである裏社会の108人の兄たちへ、亡き息子の遺影とともに宣戦布告の合図を送った。最愛の子供を奪った男に、血をもってその罪を償わせるために。静かな怒りとともに、私は夫を追い詰めるための檻を組み上げ始める。愛という名の獣を飼い慣らした男に、今度は絶望という名の罰を与える時を与える番だ。血の報復が幕を開ける。
最悪 ー 絶望・恐怖短篇集 の小説カバー
9.5
人間の心に潜む、目を背けたくなるような暗部を鮮烈に描き出したホラー&ミステリー短編集。本作に収められているのは、絶望や恐怖といった根源的な感情から、執拗なまでの妄執、狂おしいほどの嫉妬、そして深く刻まれた怨恨まで、ありとあらゆる「負の感情」が渦巻く物語の数々です。平穏な日常の裏側に潜む歪みや、一度足を踏み入れたら抜け出せない精神的な地獄を、多角的な視点から精緻にまとめ上げました。読者は、人間という生き物が抱える底知れぬ闇と、そこから派生する逃れられない悲劇を、一編ごとに深く体感することになるでしょう。救いようのない絶望が支配する世界観の中で、負の情動が引き起こす戦慄の展開が次々と繰り広げられます。単なる恐怖体験にとどまらず、人間の業や心の深淵を冷徹に見つめた、濃密な心理的恐怖が凝縮された一冊です。読後、あなたの心には消えない影が落とされるかもしれません。負のエネルギーを極限まで突き詰めた、珠玉の短編たちが、あなたを未知なる恐怖の深淵へと誘います。