狂犬令嬢の極上ざまぁ の小説カバー

狂犬令嬢の極上ざまぁ

8.3 / 10.0
国家が育てた至宝、藤原涼音。7年ぶりに帰郷した彼女を待っていたのは、叔母に虐げられ家畜同然の扱いを受ける妹の姿だった。怒りに燃える涼音は、圧倒的な戦闘能力と権力を駆使し、家を乗っ取った親族や学園の加害者を容赦なく破滅へと追い込む。正当な後継者としての地位を取り戻す中、冷酷無比な名家当主・北村凌也が彼女の前に立ちはだかり、協力関係を超えた執着を見せ始める。『狂犬令嬢の極上ざまぁ』は、復讐と愛が交錯する痛快なmodernアクション。人気のweb novelで、正体を隠した最強令嬢による極上の逆転劇を今すぐチェック。
「狂犬令嬢の極上ざまぁ」のあらすじ
国家が極秘裏に育成した最高傑作であり、圧倒的な武力を誇る天才少女・藤原涼音。七年間の任務を終え、最愛の双子の妹と再会するために故郷へ帰還した彼女を待っていたのは、あまりにも残酷な現実だった。亡き両親の遺産を強奪した強欲な叔母によって、妹は犬小屋で家畜同然の扱いを受けていたのだ。静かな怒りを爆発させた涼音は、冷徹な手腕で叔母の会社を瞬時に崩壊させ、妹を虐げる者たちを次々と地獄へ突き落とす。学園の陰湿なイジメには、妹になりすまして潜入し、暴力には圧倒的な暴力で対抗。加害者の醜態を全世界に晒し上げ、徹底的な復讐を遂行していく。正体を隠し「一般人」を装う彼女だが、その背後には名門旧家の継承権と国家機関という最強の後盾が控えていた。そんな涼音の前に現れたのは、冷酷無比と恐れられる謎の名家当主・北村凌也。血生臭い噂の絶えない彼だが、涼音に対してだけは執着に満ちた熱い視線を向ける。ビジネス上の協力関係だったはずが、凌也は強引に彼女を追い詰め、その唇を奪う。「まだ他人行儀か?」――最強の狂犬令嬢と孤独な支配者、二人の危険な恋と復讐劇が幕を開ける。
もっと見る

狂犬令嬢の極上ざまぁ 第1章

「長年、本当にお疲れ様でした。 ボス、ご帰国おめでとうございます」

祝賀会の席で、上質なオーダーメイドのスーツに身を包んだ青年が、名残惜しそうに藤原涼音を見つめていた。

彼女の整った顔立ちには、いかなる感情も浮かんでいない。冷ややかに澄んだ切れ長の瞳は、ただ目の前の青年を映すのみ。紡がれた声もまた、硝子の欠片のように冷たかった。「ええ。先に行くわ」

「ボス、お送りしますよ」三浦優一が間髪入れずに申し出た。

涼音は拒まなかった。

車に乗り込むと、三浦が口を開く。「ボス、今回はいつ頃、会社に復帰されますか? おかげさまで業績は絶好調ですよ」

二人はとあるプロジェクトで出会った。わずか19歳の藤原涼音がどれほど恐るべき実力を秘めているか、共に戦場を駆け抜けた三浦が一番よく知っている。だからこそ彼女を誘い、共同で会社を興したのだ。今やその会社は、業界の頂点に君臨している。

涼音は淡々と唇を開いた。「考えがまとまったら連絡するわ。今はただ、家に帰りたいの」

「はいはい、妹さんに会いたいんですよね。ご安心ください、きっとお元気にされてますよ。 ここ数年、良い案件はすべて叔父様に回しておきましたから」三浦は、どこか褒めてほしそうな顔でそう言った。

涼音と妹は6歳の時に両親を亡くし、その後、叔母一家が越してきて姉妹の面倒を見ることになった。

涼音は静かに頷く。「……感謝するわ」

細い指先が、胸元の桜のペンダントに触れる。慣れた手つきで留め金を外し、そっと開くと、中には色褪せた二人の写真が収められていた。

彼女と、妹。

写っている涼音は無表情だが、隣の妹は満面の笑みを浮かべている。 その屈託のない笑顔を見つめるうち、涼音の氷のように張り詰めた表情が、ほんのわずかに緩んだ。自覚のないまま、口元に淡い微笑が浮かぶ。

両親が逝ってから、姉妹は互いだけを頼りに生きてきた。妹は小さな太陽のように、いつも周りを明るく照らす存在だった。

12歳の時、涼音は国にその才能を見出され、極秘プロジェクトから離れられない日々が始まった。あれから7年ーープロジェクトを完遂した今、ようやく家に帰り、妹に会える。

国から支給された給与は、そのほとんどを妹に送金してきた。妹は今頃、何不自由ない暮らしをしているはずだ。

涼音の口元に浮かんだ微かな笑みを見て、三浦は思わず息を呑んだ。

(あの氷の美貌が、笑っているーー? マジかよ。俺もその妹さんに一度会ってみてえな)

車は閑静な住宅街の入り口に停まった。

どの家にも手入れの行き届いた庭があり、見るからに高級住宅地だ。

ここは涼音の両親が遺した家で、現在は叔母一家と妹が暮らしている。

登録のない車両は入れない規則のため、涼音は警備員を煩わせることなく車を降り、住宅街へと足を踏み入れた。

自宅の玄関からは暖かな光が溢れ、楽しげな笑い声が夜の静寂に響き渡っている。

ーーどうやら妹は、元気に暮らしているようだ。

涼音は安堵の笑みを浮かべたまま、庭の門をくぐった。

庭の隅に、犬小屋がある。

その傍らに、うずくまる人影があるのを涼音は鋭く捉えた。

家の明かりが届かない薄暗がりで顔ははっきりと見えないが、椀のようなものから何かを口に運んでいるのが見える。

なぜ、こんな場所に人が?

涼音は眉をひそめ、静かに歩み寄った。

その人影はビクリと肩を震わせ、怯えた小動物のように素早く犬小屋の中へと身を隠す。

訝しむ涼音の耳に、次の瞬間ーー中から、か細く震える声が届いた。「もう、ぶたないで……っ。わ、私、ちゃんとしますから……もっと気をつけるから……」

この声はーー妹!

涼音は瞬時に目を見張り、怒りと衝撃に息を呑んだ。そして躊躇なく、小屋の中にいたその人を引きずり出した。間近で見れば、乏しい光の中でも、その顔ははっきりと判ったーー目に焼きつくほどに。

彼女の妹、藤原杏奈ーー!

「あ……」杏奈もまた、目の前の相手に見覚えがあるかのように、呆然と涼音を見つめている。信じられない、とでも言うように。

「杏奈……あなたなの?」涼音の言葉は、一語一語が刃となって自らの胸を抉る。杏奈がこくりと頷いた、その瞬間ーー

涼音の全身から放たれたのは、世界そのものを凍てつかせるような絶対零度の殺気だった。その瞳に宿った破壊衝動は、街一つを容易に瓦礫へと変えてしまいそうなほど、昏く燃えている。

「お姉……ちゃん……?」杏奈は信じられないといった様子で、震える唇を動かした。

「お姉ちゃん……帰って……きたの……?」

まるで夢でも見ているかのような虚ろな様子に、涼音は我に返り、心配そうにその額に触れたーー熱い。指先に伝わる異常な熱さに驚いたのも束の間、杏奈は糸が切れたように涼音の腕の中で意識を失った。

額は焼けるように熱いのに、身体は氷のように冷たい。

涼音の心も、それにつられるように急速に冷えていく。

その時、屋敷のドアが乱暴に開け放たれた。

「藤原杏奈! このグズ! 何分かかってんのよ、まだ食い終わらないの!? さっさと来て皿洗いしなさい!」 現れた叔母が、甲高い声で罵り立てている。

涼音はゆっくりと振り返り、その女を見据えた。

数年ぶりに見る叔母は、かつてのやつれた面影もなく、高価そうなコートを羽織り、翡翠の装飾品で身を飾り、まるで貴婦人のような佇まいだった。

恵美は、涼音の目に宿る凄まじい殺気に怯み、言葉を失う。「あ、あんた……涼音? い、いつ帰ってきたのよ……」

「お前たち……この子に、何をした」 一歩、また一歩と近づいてくる涼音は、死神そのものだった。

恵美は無意識に後ずさる。その目に宿る昏い光に、本能的な恐怖を感じたのだ。だが、すぐに気を取り直す。ーー目の前にいるのは、まだ十代のガキじゃないのよ!

恵美は嘲るように笑った。「あの子が皿を割ったから、躾けてやっただけよ。あんたがいない間、うちがどれだけ苦労したと思ってんの? それでも住む場所も食事もちゃんと与えてやったわ。兄さんの娘じゃなきゃ、とっくに追い出してるわよ」

ーー次の瞬間。恵美の喉が、氷のように冷たい指に鷲掴みにされた。目の前に突きつけられた、感情の凍りついた美貌。息が、できない。「ぐ……っ、は、放しなさいよ……っ」

涼音の表情は凍てつき、その瞳は塵でも見るかのようだった。「ここは私の家よ。私の妹に皿洗いをさせて、犬小屋で寝かせる……?いい度胸ね!」

屋内から漏れる明かりが、杏奈が食べていたものを照らし出す。ーー正体不明の、どろりとした塊。豚の餌と見紛うばかりの代物。

腕の中の妹は紙のように軽く、その顔はやつれ果て、血の気も失せている。

涼音の心は、鈍い刃でじわじわと抉られるように、血を流していた。

掌中の珠のように慈しんできた妹がーーこんな仕打ちを受けていたとは。

「高橋恵美……! この家に住む時、妹の面倒は必ず見ると約束したはずだ」 涼音の瞳に、明確な殺意が灯った。

呼び捨てにされたことに恵美は憤慨したが、その殺気を前に全身が竦み上がる。

涼音は幼い頃から、どこか常人離れした冷酷さを纏っていた。だからこそ、彼女がいた数年間、恵美も迂闊なことはできず、かろうじて叔母の仮面を被っていたのだ。

ーーまさか涼音が、突然いなくなるとは思わなかったわ。

家に残されたのが気弱な杏奈一人になったのをいいことに、恵美は次第にこの家を我が物顔で使い、杏奈を追い詰めていった。

まさか、涼音が帰ってくる日が来るなんてーー夢にも思わなかった!

「ちゃんと面倒は見てたわよ! 悪いことしたから罰を与えて、何が悪いっていうのーーぐぅっ!」 言い終わらぬうちに、恵美の喉が再び締め上げられた。完全に呼吸を奪われ、死神がすぐそこで手招きしているかのような錯覚に陥る。

「涼音……!?」騒ぎに気づき、屋敷の中から従妹たちが様子を見に出てきた。

涼音の目に映るのはーー広々とした豪華な内装、テーブルに並んだご馳走、そして高価な服に身を包んだ叔父と従妹たち。

その一方で、彼女の妹は犬小屋で寝かされ、豚の餌を食べさせられていた。涼音の目尻が、再び紅く染まった。

続きを読む

狂犬令嬢の極上ざまぁ 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

幼馴染を選んだ元婚約者はご自由に。私はさいこうの男の「永遠」になります の小説カバー
8.1
5年もの献身を捧げた結婚式当日、橘明音は絶望の淵に立たされた。婚約者の長谷川冬樹が「死にたい」と繰り返す幼馴染の機嫌取りを優先し、式を放棄したのだ。彼の心が永遠に氷のままだと悟った明音は、過去を断ち切り江南へと逃亡する。しかし、人生をやり直そうと泥酔した夜、彼女は取り返しのつかない過ちを犯してしまう。一夜を共にした相手は、社交界でタブー視される実兄の宿敵、藤堂修祢だった。逃げ出そうとする明音を屈強な腕で引き戻し、彼は艶やかな声で「食い逃げか?」と責任を迫る。冷徹無比な高嶺の花として知られる藤堂だが、その正体は宿敵の妹である明音を狂おしいほどに欲する偏愛の鬼だった。古都を買い取るほどの巨額を投じ、禁欲主義の仮面を脱ぎ捨てて彼女を執拗に追い詰める藤堂。甘美な罠に囚われた明音の運命は、かつての婚約者への復讐さえも飲み込むほどの情熱に塗り替えられていく。冷徹な支配者が唯一愛した女性にだけ見せる、あまりにも過剰で危険な溺愛劇が今、幕を開ける。
隠れ才女は、植物状態の夫と結婚した の小説カバー
8.5
妊娠が発覚した矢先、高橋美咲は恋人の裏切りに遭う。彼の心には帰国した初恋の相手が居座り、美咲は社交界の嘲笑の的となった。周囲は偽の令嬢・優月を称賛し、実の令嬢である美咲を泥にまみれた屑のように蔑む。しかし、一族を裏で操り、家族を著名なデザイナーやスターへと押し上げた真の功労者が彼女であることは誰も知らない。恩を仇で返す高橋家は、利権のために妊娠中の彼女を植物状態の男との政略結婚に追い込む。やがて美咲の正体が露見し、一族が後悔に震える中、元恋人は涙を流して復縁を迫る。だが、そこへ冷徹な声が響き渡った。「俺の子供にお前が何の関係がある?」現れたのは、数多の女性を魅了する鈴木家の当主・鈴木翔太だった。彼は優しく美咲を抱き寄せ、静かに連れ帰る。隠された才能を持つ令嬢と、目覚めた覇道な夫。裏切りから始まる逆転のロマンスが幕を開ける。
二度目の人生、姉の踏み台にはならない の小説カバー
8.8
実家の破産をきっかけに、私は姉の学費を捻出するため芸能界へと身を投じた。過酷な接待や不本意な仕事に耐え、心身を削りながら金を稼ぐ日々。しかし、清廉潔白を装う姉は、私の献身を「名誉欲に駆られた卑しい行為」と蔑み、私が苦労して得た金を他人の支援に充てて善人面をした。姉を画壇の寵児にするため、私は泥を被りライバルの醜聞を暴いたが、彼女はその恩恵を享受しながらも私を「心根の腐った人間」と非難し続けた。やがて私は姉の宿敵から報復を受け、全てを失い巨額の負債を抱える。絶望の中で姉に助けを求めたが、彼女は「自業自得の報いだ」と冷酷に突き放した。姉の踏み台として利用され、絶望の果てにビルから身を投げた私。だが、目を覚ますとそこは芸能界に入ったばかりの過去だった。自分を犠牲にしてまで姉を支える道はもう選ばない。二度目の人生、私は自分の尊厳を守り、偽善に満ちた姉に依存される未来を拒絶することを誓う。今度こそ、私は私自身のために生きる。
娘の針が貫いた、母の亡骸 の小説カバー
8.0
凄惨な最期を遂げた私の傍らで、娘は姑の夕食作りに余念がなかった。そんな彼女が私に投げつけた最後の言葉は、退院の日を祝うはずの場に相応しくない不吉なことを言うな、という冷酷な拒絶だった。しかし翌日、病院に運び込まれたのは、原型を留めぬほど無残に損なわれ、修復を必要とする一体の遺体だった。娘は、自らの手で一針ずつ丁寧に縫い合わせているその肉塊が、誰であるのかを全く分かっていない。憎悪の対象として疎んじ続けてきた実の母親が、変わり果てた姿で目の前に横たわっているという事実に。皮肉な運命に導かれるようにして、彼女は知らぬ間に母の亡骸を繕い続けていく。母娘の絆が断絶した果てに待ち受けていたのは、あまりにも残酷で救いのない結末だった。自分の手で母を弔うことになるとは夢にも思わず、娘はただ黙々と針を動かし続ける。その指先が貫いているのが、かつて自分を慈しんだ母の肌であるとも知らずに。逃れられない因果が、静かに、そして確実に彼女の心を蝕んでいく。
重生姉の逆襲 ―恩知らずの妹を裁くまで― の小説カバー
9.3
高校入試を終えた妹が突きつけてきたのは、合計百万円にも及ぶ高額な「願いリスト」だった。月収六万円の労働者である私や日雇い生活の両親に、そのような大金を工面できる余裕などない。それでも家族で必死に集めた四十万円を渡したが、妹は感謝するどころか不満を爆発させ、自暴自棄な言葉で家族を責め立てた。私たちは借金返済のために昼夜を問わず働き詰め、ついには両親が過労による交通事故で命を落としてしまう。その悲劇の最中でさえ、妹は恋人と高級ホテルで贅沢三昧に耽っていた。絶望の淵に立たされた私は、重圧に耐えかねて自ら命を絶つ道を選んだ。しかし、目を覚ますと過去に戻っていたのだ。二度目の人生では、私はもう妹の言いなりにはならない。復讐を誓った私は、甘やかされて育った恩知らずな妹を過酷な労働環境のブラック工場へと送り込む。地獄のような日々を味わわせることで、増長しきっていた彼女を徹底的に叩き直し、因果応報の裁きを下す。自らの手で運命を切り拓き、家族を破滅させた妹に真の償いをさせるための逆襲が今始まる。
元夫に復讐、冷徹な独裁者に溺愛される の小説カバー
8.9
死の淵から生還した暁が目を覚ますと、そこはかつての冷え切った主寝室だった。時計が刻むのは「10月14日」。それは、夫である聡・ソーンから非情にも離婚を突きつけられる運命の日である。前世と同じく、聡は自身の世間体を守るために離婚届への即時署名を強要し、「トレーラーパークの娘」と彼女の出自を嘲笑う。しかし、かつての絶望に沈んでいた暁はもういない。今の彼女は、目の前の傲慢な男がいかに凡庸であるかを冷徹に見抜いていた。暁が一切の躊躇なく署名を済ませると、その予想外の落ち着きに聡は言いようのない不安と困惑を覚える。「追い出しているつもりでしょうけど、それは間違いよ」。そう言い放った彼女は、古びたスーツケース一つで豪邸を後にする。午前7時15分、エレベーターの扉が閉まると同時に、彼女の復讐のカウントダウンが幕を開けた。自分を軽んじた男に対し、タダより高いものはないという教訓を骨の髄まで教え込むために。一度人生を終えた暁による、華麗なる逆転劇が今ここから始まる。
今すぐ読む
共有