玉座についたヒーロー の小説カバー

玉座についたヒーロー

8.5 / 10.0
飛行機事故で命を落とした天才科学者のロッキー・バイが、異世界で転生し新たな人生を歩む。彼は神龍帝国で一匹のドラゴンを救い、共に修行を重ねることで、治癒と蘇生の力を持つ究極の相棒へと成長させた。かつての科学者は今、野心溢れる武術の達人、そしてスピリットのマニピュレーターとして覚醒する。『玉座についたヒーロー』は、強大な力で運命を切り拓く王道fantasyであり、手に汗握るadventureが繰り広げられる。この壮大なactionが楽しめるweb novelで、彼らが織りなす伝説と新たな世界の謎に迫る冒険の旅へ出かけよう。
「玉座についたヒーロー」のあらすじ
遺伝子研究の分野で比類なき才能を発揮し、若くして業界の頂点に君臨していたバイ・ロッキー。しかし、学会へ向かう途中の航空機事故が彼の運命を暗転させる。死の淵を越えた彼が目覚めたのは、未知なる異世界だった。第二の生を得たロッキーは、窮地に陥っていた一頭のドラゴンを救い出し、神龍帝国を舞台に過酷な修行の日々に身を投じていく。驚くべきことに、彼が絆を結んだドラゴンには、あらゆる病を癒やし、死者にさえ命を吹き込むという伝説的な力が秘められていた。かつての科学者は、この地で無力な人間であることをやめ、野心に満ちた武術の達人、そして精霊を操るスピリット・マニピュレーターとしての道を歩み始める。比類なき相棒となったドラゴンと共に、ロッキーは新たな世界の理を切り拓き、壮大な冒険の旅へと踏み出す。己の野望を胸に、かつての知識と新たな力を融合させた彼が、異世界の歴史にその名を刻んでいく物語がいま幕を開ける。彼らが辿る波乱に満ちた軌跡と、その先に待ち受ける真実をその目で見届けよ。
もっと見る

玉座についたヒーロー 第1章

目を覚ましたロッキー・バイは汗だくで、その目は困惑を隠せなかった。 悪夢から目覚めた直後のように感じ、 息を切らして、すぐに何かがおかしいことに気づいた。 そして体を起こすと、 目に入った光景に圧倒された。

彼は古典的な装飾の豪華で素晴らしい部屋にいた。 ランプもライトもなかったが、昼のように明るかった。 横たわっていた快適なベッドは金色の絹のキルトと白いチュールで囲まれていて、 おそらく皇帝のベッドもこのようなものではないかと感じた。 白いチュールの向こうのキャビネットには金と翡翠のオブジェがたくさん並んでいて、 どれもかなり高価な品であることが見て取れた。

視界に入るものすべてにロッキーは驚いたが、ふと「僕はどこにいるんだ?」という疑問に襲われた。 彼の最後の記憶は、会議に行く途中だったということだった。 国際動物ゲノムセンターから基調講演をするために招待されていたのだ。 遺伝子研究の分野で若く才能溢れる学者であるロッキーは、仲間の中でもナンバーワンに注目されていて、 彼を超える学者はいなかった。 飛行機でその会場に向かっていたが、航空機事故が発生したので彼が気を失ったのだ。 そして今、彼は不思議な部屋にいた。

地獄でないことは確かだった。 天国だったとしたら、周りの全てをこんなにリアルに感じられなかっただろう。 誰かが死んだら、魂だけが天国へ行くことができると言われているが、 魂は物理的に何も感じることはできないはずだから、 彼の感覚はまさしくリアルそのものだったのだ。 ベッドの柔らかさと心地よさだけでなく、隣のキルトの下には人の温もりも感じた。

突然、ロッキーは隣に人が横たわっているのに気づいて驚いた。 その人を起こさないよう慎重にキルトを上げると、 そこにはエレガントな女性がいた。 彼女はロッキーの腕の中に横たわっていた。 彼からは彼女の顔の半分しか見えなかったが、 その女性が16歳くらいの少女であることは判別できた。

ロッキーはしばらく彼女をみていた。 白いナイトローブを着て、頭、手首、足に金色の装飾品を身に着けていたことから、 良家の子女と思われた。

ロッキーはソワソワしながらつばを飲み込み、 本当に天国にいるのではないかと思った。 そうでなければ、こんな美女が腕の中で眠ってくれるなんてありえないからだ。 天国で他にどれだけいいことがあるのだろうと思うと、彼の唇に笑みがこぼれてきた。

すると、ロッキーの頭に汚い考えが浮かぶと、 突然、眠っている少女はかすかにうなされ、体の向きを変えた。 彼女の顔はロッキーの肩を離れ反対側を向いた。 ロッキーは彼女の顔を見て凍りついた。 彼女の顔は神が作った傑作とも言える美しさだ!

顔はすっぴんだったが、磁器製の人形のように繊細で、 まつげは、長くカールし、息がかかると揺れた。 そして鼻は信じられないほどかわいい形をしていて、バラのつぼみのような唇はキャンディーのように甘そうに見え、ロッキーは味わってみたくなった。 彼女はまだ若いとはいえ、成熟した女性のような魅惑的な雰囲気を醸し出していた。 彼女が成長した暁には何千人もの男が彼女の虜になるだろうとロッキーは確信した。

「ロッキー、やめろ! その子を見つめちゃいけない! まだ若い少女なんだぞ! その子をどうしようって言うんだ?」 ロッキーはそう自分に言いながら、首を振り、すぐに彼女から目をそらした。 心臓の鼓動は高まり、顔は赤く紅潮した。 幸いなことに、彼の年齢はすでに30を超えていたため、 隣に彼女のような美女がいても、自分自身の衝動をコントロールすることができたのだ。 「彼女は僕から見れば幼い少女に過ぎない」と自分に言い聞かせて落ち着こうとし、そして罪悪感が彼の胸に溢れた。

「でも僕は今どこにいるんだ?」 ロッキーは周りを見回しながらつぶやいた。 論理的には、自分は航空機事故で亡くなったはずだが、今は無事で問題ない状態だった。

ロッキーが自分の考えに夢中になっていると、隣の少女が突然目を覚ました。 彼女は丸い目をゆっくりと開けると、 ロッキーは彼女を見て唖然とした。 その魅力的な目に輝く魔力を否定することは世界中の誰もできないほどの美しさだった。

「やあ! 目を覚ましたね! 僕がどこにいるのか教えて欲しんだ。 そして、なぜ僕たちは一緒にここに横たわっているの? 僕たちは... ? 僕たちは... ?」 ロッキーはぎこちなく言葉を詰まらせた。 少女が目覚めるのを見るやいなや、彼は無意識に微笑んだ。

少女はロッキーの声を聞くと動きを止め、 不安げな表情になった。 象牙のような手を伸ばし、ロッキーの熱を確認しようと彼の額に手を置き尋ねた。「バジル、大丈夫? 熱で頭が変になった? 何を言ってるの? 池からハンカチを拾わなくてもいいと私は言ったのに、あなたは私の言うことを無視して拾うと言い張ったのよ。 今の自分をよく見て! 司祭長は、『神様でもこの熱病から彼を救うことはできない。 そして、遅かれ早かれ死ぬことになる』とおっしゃったのに。 神様ありがとう、 あなたは今目覚めたのよ!」

少女の言葉はロッキーをさらに困惑させた。 彼女が言ったバジルとは誰だろう? 僕だろうか? 彼女は僕をよく知っているようだったが、僕は間違い無く彼女には一度も会ったことがなかったのに。

「もう一度司祭長に診てもらう方がいいから、呼んでこようかしら」と少女は言い、ベッドから降りた。 そして服や髪を直しもせずに急いでドアに駆け寄った。

「ねえ! ねえ!」 ロッキーが彼女を呼び止めようとしたが、彼女はすでに部屋を出ていた。

ロッキーもベッドから出て 部屋を見回すと、古代の宮殿の個室にいるように感じた。

突然、ロッキーは自分の体に違和感を感じた。 まるで空中を歩いているようだった。 腕を上げると、たくましかった腕が小枝のように細くなっていて、 おまけに身長も変化していることもわかった。 背が低くなったように感じたのだ。

鏡がベッドの右側にぶら下がっているのに気づくと、自分の感覚を確認すべくその鏡に向かった。 彼が近づくにつれて、か弱く、骨っぽい姿が、ダイヤモンドがはめ込まれた楕円形の鏡に徐々に現れはじめた。 鏡に映った顔は若いが青白く、まるで死人のようで、 体も突風に吹き飛ばされそうな若木のように痩せていた。

「何てことだ! 一体誰なんだ! ?」 ロッキーは鏡に映った自分を見て叫んだ。

続きを読む

玉座についたヒーロー 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

奇跡の命、地獄の愛の果て の小説カバー
8.5
財閥のトップを夫に持つ私は、七年に及ぶ不妊治療を乗り越え、ようやく新しい命を授かった。夫の帰国日に合わせて妊娠という最高の驚きを届けようと、手料理を手に会社を訪れた私を待っていたのは、無残な悲劇だった。夫の秘書である辻村美唄は、私を社長のストーカーだと決めつけ、周囲の嘲笑の中で私の服を切り裂いた。さらに彼女は「目障りだ」と言い放ち、膨らみ始めたばかりの私の腹部を鋭い靴で何度も踏みにじった。ロビーの大理石が鮮血に染まる中、私は愛する我が子の鼓動が消えていく絶望を味わう。異変に気づき駆けつけた夫は、血の海に沈む妻の姿を見て激昂し、秘書の顔を殴打し、傍観していた社員たちにも凄惨な報いを受けさせた。しかし、夫がどれほど残酷な復讐を遂げようとも、失われた命は戻らない。子宮も心も空虚になった私には、もはや夫への愛も憎しみも、いかなる感情も残っていなかった。地獄のような愛の果てに、ただ凍てついた孤独だけが横たわっている。
冷酷な夫に捨てられて――義兄と禁断の再出発 の小説カバー
9.5
夫から冷遇され続けてきた彼女にとって、離婚の申し出はすでに九十九回を数えていた。しかし、最愛の女性から連絡を受けた夫は、非情にも彼女を車から突き飛ばして言い放つ。「頭を冷やして家に戻れ。これが最後のわがままだと思いたい」と。彼は、彼女が自分なしでは生きていけないと傲慢に確信し、本命の女性を守るために何度も彼女を傷つけ、その尊厳を奪ってきたのだ。だが、夫が知らないところで事態は静かに動き始めていた。夫が想いを寄せる女性の兄が、密かに彼女へと近づいていたのである。彼は裏で彼女を巧みに誘い出し、冷酷な夫との縁を完全に断ち切らせるべく、国外への脱出を計画していた。捨てられた妻と、その夫の義兄。禁断の協力関係によって、彼女の人生は予期せぬ方向へと舵を切る。信じていた支配が崩れ去るとき、夫は自らの過ちに気づくのか、それともすべてを失うのか。執着と策略が渦巻く中で、虐げられてきた彼女の切なくも激しい再出発が、今ここから幕を開ける。
私は彼の完璧な代用品 の小説カバー
9.6
浩二と過ごした5年間、私は彼にとっての理想の恋人を演じ続けてきた。ついにプロポーズを受け、幸せの絶頂にいたはずの婚約パーティー。しかし、亡き元カノの妹が現れた瞬間、彼は私を突き飛ばして彼女の後を追った。怪我を負い、病院に一人取り残された私は、彼のパソコンの中に隠された残酷な真実を見つけてしまう。私の服装も髪型も、そして些細な表情までもが、すべて死別したかつての恋人を再現するための「代用品」として仕組まれていたのだ。捧げてきた献身的な愛がすべて虚像だったと悟り、私の心は完全に冷め切った。過去をすべて断ち切るため、私は兄が勧める富豪との縁談を受け入れる決意をする。その後、失ったものの大きさに気づき、涙ながらに復縁を懇願してくる浩二。だが、私の左手にはすでに別の男性との婚約指輪が輝いていた。絶望する彼に対し、私は冷徹に告げる。「これが、私が出した答えよ」。偽りの愛に終止符を打ち、私は新しい人生を歩み始める。
私の正体、レベルMAXにつき。 の小説カバー
9.8
数多の顔を持つ最強の実力者は、素性を隠して貧しい青年との結婚を決めていた。しかし、挙式直前に彼が富豪一族の御曹司であることが発覚。豹変した彼は、彼女を卑しい田舎娘と蔑み、世間の晒し者にした挙句に婚約を破棄する。地位を得た元婚約者から冷酷な屈辱を与えられた彼女だったが、その真の姿は世界を揺るがす圧倒的な権力者だった。国際的な神医、上場企業のCEO、最強の傭兵女王、そして天才科学者。次々と明かされる彼女の華麗なる正体に、世界中の求婚者が列をなす事態へと発展する。かつての傲慢さを失い、復縁を求めて必死に媚びへつらう元婚約者。しかし、そんな彼の前に、誰もが恐れる絶大な富と権力を手にした大富豪が立ちはだかる。「私の妻に手を出す不届き者は誰だ?」契約結婚から始まった二人の関係はやがて真実の愛へと変わり、彼女を傷つけた者たちに鉄槌を下していく。正体を隠した最強のヒロインが贈る、逆転と復讐、そして至高のロマンスが幕を開ける。
禁欲モード崩壊──彼女が黙った夜、俺は壊れた の小説カバー
8.6
京都の由緒正しき名家、青玉家の御曹司である青木浩司は、非の打ち所がないエリートとして知られていた。しかしその本性は、冷徹な自制心で心を凍らせた孤独な男。彼は愛想の良い振る舞いを崩さない妻、石川凪に対して苛立ちを募らせていたが、ある時を境に凪は彼への歩み寄りをやめてしまう。婚前協議の定めに従い、沈黙を貫くようになった彼女。雨が窓を叩く夜、浩司はついに抑え込んできた激情を爆発させる。ガラス越しに彼女を追い詰め、焦がれる想いを吐露する浩司に対し、凪は冷ややかに微笑み、契約書に彼の命を救う義務などないと告げるのだった。常に禁欲的で完璧だった男の理性は、凪という存在を前にして無残にも崩壊した。夜の闇よりも深い口づけを交わし、ブレーキを失った彼の愛は、やがて周囲を驚愕させるほどの執着へと変わっていく。京都の社交界で「妻を溺愛しすぎる男」として語り継がれることになる、一人の御曹司の豹変と、契約から始まる狂おしい愛の物語。
もう一度、私を殺そうとしたあなたへ の小説カバー
9.3
「まだ生きていますが、もう一度轢きますか?」夫とその愛人の手によって、事故死を装い殺されかけた有栖川朱音。愛に溢れていたはずの結婚生活はすべて偽りであり、彼女は身に覚えのない罪まで着せられた末に捨てられたのだ。しかし、絶望の淵から奇跡的に生還した朱音は、復讐を誓い立ち上がる。彼女が再婚相手に選んだのは、街で最も冷酷かつ美麗な男として恐れられる人物だった。目的はただ一つ、自分からすべてを奪い去った者たちを完膚なきまでに叩き潰すこと。協力関係として始まった冷徹な男との電撃的な再婚生活。当初は利害が一致しただけの偽装結婚のはずだったが、ある日、彼は朱音の耳元で甘く囁く。「最初は偽装のつもりだったけれど、本気になってもいいかな?」地獄の底から這い上がった女による、華麗で苛烈なリベンジ・ラブストーリーが幕を開ける。裏切りへの報復の先に、彼女が手にするのは真実の愛か、それとも――。
章
今すぐ読む
共有