叔父様は、私の元カレ の小説カバー

叔父様は、私の元カレ

7.8 / 10.0
失踪した元恋人が今カレの叔父として現れる衝撃作『叔父様は、私の元カレ』。カリスマ経営者・宗谷颯介の異常な独占欲から逃れるため、芳村智子は冷徹な実業家・六条今安に助けを求めます。しかし、彼もまた彼女を罠に嵌める野獣でした。二人の支配者に翻弄される過激な三角関係を描くbillionaire romance novelsの決定版。無料のweb novelとして、権力と狂気が交錯する愛の結末を読み進めてください。最後に彼女の足元に跪くのは誰か。逃れられない運命が動き出します。
「叔父様は、私の元カレ」のあらすじ
芳村智子の前に現れたのは、二年間消息を絶っていた元恋人の宗谷颯介だった。しかし彼は、智子が現在交際している相手の叔父という驚愕の立場で再会を果たす。表向きは冷徹なカリスマ経営者を装う颯介だが、その本性は智子を病的に追い詰め、永遠に幽閉しようと企む狂気に満ちていた。彼の異常な執着から逃れるため、智子は車椅子に揺られながら強大な権力を振るう実業家、六条今安に助けを求める。今安の庇護を利用して自由を掴もうとした智子だったが、それは新たな罠の始まりに過ぎなかった。優しさの裏に冷酷さを隠し持つ今安もまた、彼女を捕らえて離さない野獣のような本性を秘めていたのだ。二人の危険な男たちの間で翻弄される智子。狂った独占欲を露わにする颯介は、涙を浮かべて跪き、自由の代償として自らに首輪をかけるよう懇願する。一方で今安は、彼女を抱き寄せながら「俺たちを支配してくれ」と支配権を委ねる言葉を囁く。かつて彼女を追い詰めた男たちは、今や喜んで彼女の足元にひれ伏す存在へと変貌していた。逃げ場のない三角関係の果てに、彼女が手にする運命とは。
もっと見る

叔父様は、私の元カレ 第1章

芳村智子と宗谷晴真は二年という月日を共にしていたが、彼が唐突に結婚を切り出した。今日の宗谷家当主の葬儀を機に、彼女を親族に紹介し、その立場を確固たるものにしようという算段だったのだ。

しかし、一時間ほど前のこと。葬儀に現れた一人の女を目にした途端、晴真は血相を変え、智子に「少し用ができた」とだけ告げると、慌ててその女の後を追っていってしまった。

「智子さん、あちらは他の者に任せて、晴真が休憩室にいるか見てきてちょうだい。叔父様がもうすぐお見えになるから」

姑となる紀村琴子は、息子が連れてきたこの恋人を快く思っていなかった。家柄は平凡、その上、まるで狐に化かされたような妖艶な顔立ち。玄関で客を出迎えさせるなど、家の格が下がる、と。

智子は、未来の姑の言葉に、素直に「はい」と頷いた。

ホールを抜け階段を上り、晴真の私室の扉を開ける。中は静まり返り、誰の気配もなかった。

他の場所を探そうと踵を返した、その時。浴室から漏れ聞こえる妙な音に、智子はぴたりと足を止めた。

ハイヒールを脱ぎ捨て、音を殺して半開きの扉へと近づく。

その隙間から見えたのは——二年間、愛し続けた恋人が、女の脚を担ぎ上げ、洗面台に押し付けている光景だった。浴室には、生々しい水音と嬌声が満ちていた。

「帰ってこなきゃよかった……」女は泣きじゃくりながら喘いだ。「あなたに弄ばれて、他の女と結婚するところを見せつけられるなんて……離して!」

「離さない。君が黙って消えたのが悪いんだ。もう戻らないと思って、俺は智子と付き合うことにしたんだ」 晴真は彼女を慰めるように腰を動かしながら囁く。「あいつは、ただの気晴らしの……代用品だよ」

「じゃあ、その子と別れてよ」 女は彼の首に腕を回し、潤んだ瞳で訴える。「私はもう昔の私じゃないの。六条家の娘になった今、あなたの妻になる資格があるはずよ」

晴真は、一瞬ためらった。智子と過ごした二年間は、たとえ相手が犬であったとしても情が湧くほどの時間だ。

「そんな簡単な話じゃ……」

彼が言い終わる前に、裏切られた智子は冷静にドアを押し開けた。そして、悲しみの色を浮かべた瞳で告げる。「ええ、別れてあげる」

彼女の堂々とした登場に晴真は度肝を抜かれ、女の内にあったものは見る影もなく萎んでしまう。その顔には、ありありと動揺が浮かんでいた。「……智子」

智子は、無様に絡み合う二人の裸体を一瞥し、まるで初めてこの男を見たかのような目を向けた。

みるみるうちに瞳に涙を溜め、二、三歩あとずさる。「結婚したら、あなたに私のすべてを捧げるつもりだった……なのに、二年間も愛した人が、私をただの代用品としか見ていなかったなんて」

彼女は背を向け、しかし一度だけ、感情を押し殺した声で振り返った。「ズボン、穿きなさい。叔父様がお戻りよ」

晴真は狼狽えながらズボンを穿くと、六条玲奈のスカートの裾を雑に下ろし、後は自分で何とかしろと目で合図して、急いで智子の後を追った。

廊下で追いつき、彼女の腕を掴む。何度か口を開きかけては閉じ、やがて途方に暮れたように弁解を始めた。 「玲奈は、俺の初恋の相手なんだ。昔、本当に幸せな時を過ごした。……今もまだ彼女を愛していて、突然目の前に現れたものだから、どうかしてたんだ……」

智子は彼の手を振り払い、彼の後ろから現れた玲奈に視線を投げると、堪えていた涙を絶妙なタイミングで一筋、流してみせた。「あなたにはたくさん助けていただきました。感謝しています。でも、私の二年という貴重な時間を無駄にした今回の裏切りで……ええ、お互い、貸し借りなしにしましょう」

「智子、待ってくれ!別れるなんて思ってない!」 晴真は必死に彼女の行く手を阻む。玲奈に誘われ、彼女の身体を貪っていた時でさえ、彼の頭には智子と別れるという選択肢は微塵もなかったのだ。

「今日は、お祖父様の葬儀です。私は、まだ『あなたの恋人』を演じきります」

智子は二人を置き去りにした。そして、顔を背けた瞬間、ぴたりと感情を切り替え、涙を拭うと、口の端を微かに吊り上げた。

大学二年の時、海外から帰国した智子の生活は困窮を極めていた。学費と生活費のために昼夜を問わず働き詰めだった彼女を救ったのが、晴真だった。学費、家賃、そして塾の費用まで、すべて彼が工面してくれたのだ。

彼は智子に惜しみなく金を使い、彼女が見たこともない世界をたくさん見せてくれた。

その恩に報いるため、彼女は彼の猛アプローチを受け入れ、物分かりが良く、決して我儘を言わない恋人を演じてきた。

ただ、身体の関係だけは別だった。愛していない相手とはどうしても一線を越えられず、「結婚するまで」を口実に、二年間清い関係を保ってきた。

思えば、今回晴真が結婚を急いだのも、あまりに長く待たされ、欲求が限界に達していたからだろう。

そして今、彼の浮気によって別れに至る——これは、好都合にも智子の思惑通りだった。非は晴真にあるのだから、円満に、そして傷一つなく身を引ける。恩返しという重荷からようやく解放されたような、晴れやかな気持ちさえあった。

続きを読む

叔父様は、私の元カレ 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

新婚初夜、車椅子の御曹司がいきなり立ち上がってキス!? の小説カバー
9.2
結婚式当日、バージンロードで婚約者に裏切られた星川理緒。隣の式場でも、車椅子の御曹司・一之瀬悠介が花嫁に逃げ出されるという悲劇に見舞われていた。互いに伴侶を失った最悪の状況下、理緒は廊下で出会った悠介に「私たちで結婚しない?」と大胆な提案を持ちかける。世間の嘲笑を背に始まったのは、利害が一致しただけの“契約結婚”だった。悠介は彼女を金目当てのスペアだと蔑み、「足に触れるな、用が済めば即離婚だ」と冷淡に突き放す。しかし、献身的な理緒と過ごすうちに、彼の心には冷徹な態度とは裏腹な感情が芽生え始めていた。ある日、悠介が枕元の離婚届を見つけ、彼女を失う恐怖に焦りを感じた瞬間、物語は急展開を迎える。新婚初夜、動かないはずの足で車椅子を蹴り捨てて立ち上がった悠介は、驚く理緒を強引に抱き寄せた。足の麻痺はすでに完治していたのだ。「離婚なんて認めない。この契約は一生有効だ」と、彼は満面の笑みで宣言する。嘘から始まった二人の関係は、甘く執着に満ちた真実の愛へと変貌していく。
九条夫人はもう辞めた!~離婚後、冷徹総裁の修羅場~ の小説カバー
8.1
九条奈央は三年間、夫への献身を尽くす「良妻」として過ごしてきた。深夜の看病や家事の一切を担い、冷え切った家庭に温もりを灯そうと努めてきたが、現実は残酷だった。夫は愛人を抱き寄せ、彼女を「財産目当ての卑しい女」と蔑み、実の息子までもがその女に懐いて奈央を拒絶する。離婚届を突きつけられ罵倒されたことで、彼女の心はついに決した。未練を断ち切り、家を去った奈央は、封印していたデザイナーとしての才能を開花させ、瞬く間に華やかな社交界の主役へと上り詰める。政財界の権力者たちがこぞって求婚するほど輝きを放つ彼女の前に、かつて自分を捨てた夫と息子が現れた。土砂降りの雨の中、膝をついて許しを請い、ようやく彼女の尊さに気づいたと嘆く九条。しかし、傍らに寄り添う新たな伴侶と共に、奈央は優雅な微笑みを浮かべて冷たく言い放つ。自分を蔑ろにした者たちに、もはや差し出す慈悲など残っていない。「すべては手遅れよ」と。失ってから気づいても、かつての献身的な妻が戻ることは二度とないのである。
彼女の復讐、彼の破滅 の小説カバー
8.6
息子の死は薬物過剰摂取による自殺と断定された。だが鑑識官である私は、自ら検分した遺体が発する「殺人の証拠」を見逃さなかった。真実を求めて七度の再審を請求したが、検事正の榊宗一郎はそのすべてを棄却。二十年尽くした組織は、権力で殺人を隠蔽したのだ。司法に裏切られた私は、法を捨て復讐者となる道を選んだ。榊の娘・麗を拉致し、凄惨な拷問の様子を世界へ配信。かつての恩師や息子の恋人・亜希が説得に現れ、息子の鬱病や遺書を盾に私の正気を疑わせようとする。一時は自責の念に駆られたが、私は遺書に隠された秘密の暗号に気づく。それは幼い頃に愛読した絵本を用いた、息子からの必死の救助信号だった。彼が最後まで抗っていたことを知り、私の迷いは氷解する。神奈川県警の特殊部隊が包囲し、突入の瞬間が迫る中、私は偽りの遺書を拒絶した。息子の叫びを握りつぶした者たちへの怒りを胸に、私は再び麗の肌に鑑識道具を突き立てる。この残酷な儀式は、正義が死んだ世界への、母親としての最期の宣戦布告だった。
隠れ才女は、植物状態の夫と結婚した の小説カバー
8.5
妊娠が発覚した矢先、高橋美咲は恋人の裏切りに遭う。彼の心には帰国した初恋の相手が居座り、美咲は社交界の嘲笑の的となった。周囲は偽の令嬢・優月を称賛し、実の令嬢である美咲を泥にまみれた屑のように蔑む。しかし、一族を裏で操り、家族を著名なデザイナーやスターへと押し上げた真の功労者が彼女であることは誰も知らない。恩を仇で返す高橋家は、利権のために妊娠中の彼女を植物状態の男との政略結婚に追い込む。やがて美咲の正体が露見し、一族が後悔に震える中、元恋人は涙を流して復縁を迫る。だが、そこへ冷徹な声が響き渡った。「俺の子供にお前が何の関係がある?」現れたのは、数多の女性を魅了する鈴木家の当主・鈴木翔太だった。彼は優しく美咲を抱き寄せ、静かに連れ帰る。隠された才能を持つ令嬢と、目覚めた覇道な夫。裏切りから始まる逆転のロマンスが幕を開ける。
私のアルファの新しいルナ:奪われた人生、見捨てられたメイト の小説カバー
9.3
五年の長きにわたる呪いの眠りから覚めた私が目にしたのは、最愛の番でありアルファである海斗が、見知らぬオメガと口づけを交わす姿だった。彼は否定したが、真実は残酷だった。記録によれば私は三年前、両親の同意と海斗の執行により法的に死亡したと見なされ、彼はすでにその女を新たなルナに据えていたのだ。実の息子からさえも「死んだままでいればよかった」と拒絶され、絶望の淵に立たされた私をさらなる悲劇が襲う。新ルナの策略で崖から突き落とされた際、海斗が救いの手を差し伸べたのは私ではなく彼女の方だった。瀕死の状態で運ばれた病院でも、海斗はアルファの権限を行使し、彼女を救うための輸血台として私の命を使い果たすよう命じる。愛する夫も、両親も、息子も、全員が彼女のベッドを囲んで幸せを享受する光景を見せつけられ、私はついに悟った。この世界に私の居場所など最初からなかったのだ。彼らの前から永遠に姿を消し、二度と見つからない亡霊になること。それが、すべてを奪われた私に残された最後の願いだった。
舞い降りた最強の妹!3人の大物兄による溺愛計画 の小説カバー
8.6
鈴木瑠香は5年間、家族の愛を求めて尽くし続けてきた。しかし、妹のついた嘘によって「偽の令嬢」の烙印を押され、婚約破棄と追放という非情な運命を辿る。罵声を浴びせられながら家を去った彼女は、ついに未練を断ち切り、自らが与えていた恩恵をすべて回収することを決意した。だが、誰もが予想だにしない真実が隠されていた。「田舎の百姓」と蔑まれていた彼女の実の両親は、実はY国の富を支配する超大富豪一族だったのだ。一夜にして本物の令嬢へと返り咲いた瑠香を待っていたのは、三人の兄たちによる過保護なまでの溺愛。CEOの長兄、世界的科学者の次兄、そして天才音楽家の三兄は、すべての仕事を投げ打って妹のもとへと駆けつける。かつての家族が後悔に震え、元婚約者が復縁を迫るなか、社交界にはさらなる衝撃が走る。名門・加藤家の御曹司であり海軍大将の称号を持つ男が、彼女に婚姻届を突きつけたのだ。どん底から頂点へと登り詰める、華麗なる逆転劇が幕を開ける。
今すぐ読む
共有