彼を捨てて掴んだ、甘い未来 の小説カバー

彼を捨てて掴んだ、甘い未来

8.4 / 10.0
婚約者である真弘の夢を支えるため、パティシエとして七年もの歳月を彼のカフェに捧げてきた主人公。彼の成功こそが自分の幸せだと信じて疑わなかったが、その献身は最悪の形で裏切られることになる。真弘が心から愛していたのは、後輩アルバイトの亜弥だったのだ。さらに彼は、主人公にとって命よりも大切な祖母のレシピノートを無断で亜弥に与え、あろうことかメディアには彼女の功績として大々的に紹介させてしまう。長年積み上げてきた信頼も、パティシエとしての誇りも、すべてを無残に踏みにじられた瞬間、彼女の心の中で何かが静かに終わりを告げた。愛の不在を悟り、尽くしてきた日々の虚しさを痛感した彼女は、迷うことなく決断を下す。テーブルの上にそっと結婚指輪を置き、驚くほど冷めた声で別れを告げた。それは、自分を偽り続けた過去を捨て、本当の意味で自分自身の人生を取り戻すための第一歩だった。裏切りに満ちた関係に終止符を打ち、彼女は新たな未来へと歩み出す。

彼を捨てて掴んだ、甘い未来 第1章

7年間, 婚約者である真弘のカフェを支え続けてきた. 彼の夢は, 私の夢でもあると信じていたから.

しかし, 彼は私を愛してはいなかった. 彼が愛していたのは, 後輩アルバイトの亜弥だった.

パティシエとしての私の夢そのものである, 祖母の大切なレシピノート. 彼はそれを亜弥に渡し, メディアには彼女の手柄として紹介させた.

彼に捧げた7年間は踏みにじられ, 私の心は完全に死んだ.

私はテーブルの上に, 静かに結婚指輪を置いた.

「真弘さん」

私は驚くほど冷静な声で言った.

「別れましょう」

第1章

新垣由紀子 POV:

その結婚指輪を, 私はテーブルの上に静かに置いた. 七年間, 私の左手の薬指を飾るはずだったそれは, 今日, ただの金属の輪として, 私たち二人の間に横たわっていた.

カフェは閉店後の静寂に包まれていた. 真弘はカウンターの奥で, いつものようにグラスを磨いていた.

カラン, カラン, と氷の音が響く.

私が指輪を置いたことに, 彼は気づかないふりをしているのか.

「真弘さん」私の声は, 驚くほど冷静だった. 「別れましょう」

グラスを磨く手が止まった. カラン, カラン, という規則的な音が途切れる. その瞬間, カフェ全体が息を潜めたようだった.

真弘はゆっくりと顔を上げた. その目は, 一瞬にして凍りついた湖面のように硬く, 私の言葉の意味を測りかねているようだった.

「今, なんて言った? 」彼の声は低く, 感情を押し殺しているのが分かった.

「婚約を解消したいんです. そして, この店も辞めます」私は言葉を続けた. 躊躇いはなかった. この七年間, 何度も飲み込んできた言葉だった.

彼はただ, 私を凝視していた. まるで私が, 今まで知らなかった別の生き物であるかのように. 彼の瞳の奥には, 困惑と, ほんの少しの侮蔑が混じっていた.

「冗談だろう? 」彼は鼻で笑った. 「お前が俺を捨てるなんて, ありえない」

「冗談じゃありません」私は首を横に振った. 私の心臓は, まるで深い海の底でゆっくりと拍動しているかのように, 静かに, しかし, 確かに脈打っていた.

窓の外はすっかり暗くなっていた. 店の灯りが, 夜の街にぼんやりと光を投げかけている. その光は, 私たちの間に広がる現実の冷たさを, より一層際立たせるようだった.

「どういうつもりだ, 由紀子」真弘はグラスを置き, ゆっくりとカウンターから出てきた. 「俺たちがどれだけ長く一緒にいたか, 忘れたのか? 」

「七年です」私は答えた. 「そして, その七年間, 私はずっと真弘さんの夢を支えてきました」

彼の眉がぴくりと動いた.

「俺の夢が, お前の夢でもあるだろう? 」彼は言った.

「そう思っていました」私は静かに答えた. 「でも, そうじゃなかった」

彼は私の手を取り, 指輪を置いた場所を示した.

「これを見ろ. 俺はお前との未来を考えていたんだ」彼の声には, まるで私が彼を裏切ったかのような響きがあった.

私は手を引いた. 彼の指先が, 私の肌に触れた瞬間に, まるで火傷したかのような熱さを感じた.

「未来, ですか」私はつぶやいた. その言葉は, 私自身の耳にも冷たく響いた. 「真弘さんの未来に, 私の場所はもうない」

彼は口を開きかけたが, 言葉は出なかった. その表情には, 苛立ちと, 微かな恐怖が浮かんでいた.

「言いたいことはそれだけか? 」彼はようやく言った. その声は, 苛立ちに満ちていた.

「はい」私は答えた.

「分かった」彼はため息をついた. 「勝手にしろ. どうせ, お前一人じゃ何もできない」

彼の言葉は, 私の心を傷つけることはなかった. むしろ, 私の決意を, より一層強固なものにした.

私は何も言わず, 作業エプロンを外してカウンターに置いた. 祖母から受け継いだ, 大切なレシピノートだ. 真弘が勝手に店の看板商品として利用していた, あのノート.

私はそれを手に取った. 真弘は, 一瞬ぎょっとした顔をした.

「それは, 店のものだ」彼が言った.

「いいえ」私は答えた. 「これは, 私の祖母の形見です. 真弘さんに貸していただけ」

私は彼の挑戦的な視線を真っ直ぐに見つめ, 何も言わずにカフェのドアに向かった. ドアノブに手をかけた瞬間, 彼の声が背後から響いた.

「由紀子! 」

私は振り返らなかった.

「どこへ行くつもりだ? お前には, 俺しかいないだろう! 」彼の声には, 焦燥と, 私には理解できない, 彼なりの愛情が混じっていた.

私はドアを開けた. 冷たい夜風が, 私の頬を撫でた.

「私の行く道は, 私が決めます」そう言って, 私はカフェを後にした.

その夜, 私は真弘との七年間の関係を頭の中で整理していた. 全ては, 私が彼の才能を信じ, 彼の成功を願うあまり, 自分自身を犠牲にしてきた結果だった. 彼の店で働き, 私のパティシエとしての夢を後回しにし, 彼のワガママを受け入れてきた.

彼の口癖は, 「由紀子がいるから, 俺は安心して店を任せられる」だった. その言葉を, 私は愛の証だと信じていた. しかし, それは単なる利己的な利用だったのだと, 今ならわかる.

特に, 後輩のアルバイト, 黒木亜弥が入ってきてからの真弘は, まるで別人だった. 彼女を公私にわたって優遇し, 私の祖母から受け継いだ大切なレシピノートを, 断りもなく店の看板商品として利用し始めた. それが, 私の心を完全に壊した.

何度も諦めようとした. 何度も話し合おうとした. でも, 彼はいつも私をはぐらかし, 亜弥への偏愛を止めなかった. その度に, 私の心は少しずつ削り取られていった.

そして, ついに限界が来たのだ. 私の祖母のレシピノートが, 亜弥の名前でメディアに紹介された日, 私の心は完全に死んだ.

「由紀子さん」優しい声が聞こえた.

私はハッとして顔を上げた. そこには, 不動産コンサルタントの大谷慎和さんが立っていた. 彼は, 私がパティシエコンクールで知り合った, 数少ない理解者の一人だった.

「どうかされましたか? 顔色が優れませんよ」慎和さんは心配そうに私を見つめた.

私は彼に, 今日真弘と別れたことを話した. 慎和さんは, ただ黙って私の話を聞いてくれた. 彼の静かな存在が, 私の心を少しだけ穏やかにした.

「新しい道に進むのは, 勇気がいりますよね」慎和さんは言った. 「でも, 由紀子さんなら大丈夫です. 私は, 由紀子さんの才能を信じています」

その言葉が, 私の心に温かい光を灯した. 私が選んだ道は, 決して間違いではなかった.

しかし, その安堵も束の間だった.

翌日, 私は荷物をまとめるためにカフェに戻った. 真弘は店にはいなかった. 亜弥が, 私に意地の悪い視線を送ってくる.

「あら, 由紀子さん. もう来ないのかと思ったわ」亜弥はわざとらしい声で言った. 「真弘さん, 由紀子さんがいなくても全然平気そうだったわよ? むしろ, せいせいしたって言ってたわ」

私の手は, 一瞬止まった. しかし, 私はすぐに気を取り直した. 彼女の挑発に乗るつもりはなかった.

「そう」私は冷静に答えた. 「それはよかったわね」

亜弥は, 私の反応に拍子抜けしたようだった.

「ところで, 由紀子さん. そのレシピノート, 置いていったらどうかしら? 」亜弥は言った. 「真弘さん, あれをとても気に入ってるのよ. 看板商品にするって」

私は亜弥の顔を真っ直ぐに見た. 彼女の目は, 獲物を狙う獣のようにギラついていた.

「それはできません」私はきっぱりと言った. 「これは私のものです」

「由紀子さん, わかってないのね」亜弥は嘲笑った. 「真弘さんの店で働いていたから, 由紀子さんのレシピも価値があったのよ. 店を辞めたら, ただの古いノートだわ」

私の手が, レシピノートをぎゅっと握りしめた. 彼女の言葉は, 私の心を深く抉った.

その時, ドアが開く音がした. 真弘だった. 彼は私と亜弥を見て, 一瞬顔を曇らせた.

「由紀子, なぜここにいる? 」真弘の声は, 以前のような冷たさではなく, どこか動揺しているようだった.

「私物を引き取りに」私は答えた.

「由紀子さん, 真弘さんを困らせちゃダメよ」亜弥が真弘の腕に抱きついた. 「真弘さん, 由紀子さんがレシピノートを持って行こうとしてるの」

真弘は, 亜弥の言葉を聞いて, 私を鋭く睨んだ.

「由紀子, それは店のものだと言ったはずだ」彼の声には, 怒りが混じっていた.

私はレシピノートを抱きしめ, 真弘の目をまっすぐに見つめた.

「これは, 私の祖母のものです. 誰にも渡しません」

真弘は, 一歩私に近づいた. その目に, 私は以前のような支配欲を見た.

「由紀子, 俺が言えば, お前はいつも俺の言うことを聞いてきたじゃないか」彼の声は, まるで私を子供扱いするように響いた.

「もう, 聞きません」私はきっぱりと言った.

真弘は, 私の腕を掴もうとした. その時, 私の携帯電話が鳴った. 画面には「大谷慎和」の文字.

私は真弘の手を振り払い, 電話に出た.

「もしもし, 慎和さん? 」

真弘の顔が, さらに険しくなった.

「由紀子, 俺の話を聞け! 」真弘は苛立たしげに言った.

私は彼を無視し, 慎和さんと話し続けた. 慎和さんは, 私が新しい店を探していることを知っていて, いくつか物件の候補が見つかったと伝えてくれた. その言葉が, 私の心に希望の光を灯した.

「今から, お会いできますか? 」私は慎和さんに尋ねた.

真弘は, 私の言葉を聞いて, 顔色を変えた.

「由紀子, まさかそいつと…」彼の目に, 嫉妬の炎が燃え上がった.

私は電話を切り, 真弘をまっすぐに見つめた.

「私には, もう次の人生が始まっているんです」私は言った. 「真弘さんのような人に, 邪魔されたくない」

真弘は, 私の言葉に衝撃を受けたようだった. 彼の顔からは, 血の気が引いていた.

「由紀子…」彼の声は, 弱々しかった.

私は彼に背を向け, カフェのドアに向かった. 今度こそ, 振り返ることはなかった. 私の心は, 完全に自由になっていた.

だが, 私の背後から, 真弘の叫び声が聞こえた.

「由紀子! 俺は, お前を絶対に手放さない! 」

その言葉は, まるで呪いのように, 私の耳にまとわりついた.

続きを読む

彼を捨てて掴んだ、甘い未来 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

後悔してももう遅い、覚醒した天才妻は輝き出す の小説カバー
9.5
結婚七周年という節目の記念日、園田理穂を待っていたのは夫からの冷酷な拒絶だった。急な会食を理由に約束を反故にされた彼女は、偶然にもデパートで衝撃的な光景を目の当たりにする。そこには、見知らぬ女性と実の息子、そして夫が、まるで理想的な家族のように睦まじく笑い合う姿があった。息子がその女性を「ママより優しい」と慕い、夫が慈愛に満ちた表情を向ける中、理穂は東大博士課程という輝かしいキャリアを捨てて尽くしてきた七年間の無意味さを悟る。さらに、夫が自宅の最新AIロボットに、理穂を侮辱し嘲笑する音声を密かに仕込んでいたという残酷な事実までもが発覚。家庭という名の監獄で精神的虐待を受けていた現実に直面し、彼女の悲しみは鋭利な怒りへと変貌を遂げる。もはや未練などない。理穂は結婚指輪を投げ捨て、自らの足で家を出ることを決意する。敏腕弁護士である親友の助力を得て、かつての天才と呼ばれた彼女は、失われた尊厳を奪還し、裏切った家族へ報いを受けさせるための静かなる反撃を開始した。
妊娠八ヶ月、夫のパイプカットが暴く残酷な真実 の小説カバー
9.0
妊娠8ヶ月の幸せな生活は、夫が結婚前にパイプカットを受けていたという衝撃の事実で崩れ去ります。問い詰めるべく夫の職場を訪れた私は、彼が仲間と私の胎児の父親を当てる賭けをし、薬で私を眠らせては友人たちに共有させていたという戦慄の計画を耳にします。さらに彼は私を流産させる陰謀まで企てていました。パーティーの夜、薬で意識を奪われた私は激痛の中で最愛の子を失います。血の海で絶望した心は冷徹な復讐心へと変わり、私は隠しカメラの映像や録音データなどの証拠を揃えて警察へ向かいました。卑劣な男たちが法の裁きを受ける中、私は過去を断ち切り、自分だけの新しい人生を歩み始めます。
モテが止まらない、狼隊長 の小説カバー
8.1
北方の地で命を落とした一匹の狼が、現代の人間へと転生を果たした。新たな体は、あろうことか五輪選考に漏れたラグビーの補欠選手。しかし、野生の獣としての身体能力は失われていなかった。周囲が驚愕するほどの猛スピードでフィールドを駆け抜け、圧倒的な実力を見せつけた彼は、短距離コーチから種目転向を打診されるほどの逸材として注目を集める。本来ならチームを去るはずの立場から一転、親善試合での大活躍を機に連戦連勝を重ね、ついにはキャプテンの座にまで上り詰めた。その勢いは競技場に留まらず、オフシーズンのテレビ出演をきっかけに、端正な容姿と鍛え上げられた肉体で世の女性たちを虜にしていく。ネット上で熱烈な求婚が殺到し、社会現象を巻き起こすほどの人気を博すが、彼の魂は高潔な狼のままだった。世間を騒がせる人気女優に対しても、彼は臆することなく宣言する。自分たち狼族は、生涯ただ一人の伴侶のみを愛し抜く一途な存在であると。野生の強さと誠実さを併せ持つ男の、前代未聞のサクセスストーリーが幕を開ける。
五年間の欺瞞、一生の報い の小説カバー
9.8
児童養護施設で育った私、有栖川家の令嬢は、ようやく手に入れた家族の愛と夫・譲の慈しみに包まれ、幸せの絶頂にいた。かつて私を陥れようとした菊池莉奈も施設に収容され、平穏な日々が続くはずだった。しかし、夫の誕生日にサプライズを計画した私は、残酷な真実に直面する。街外れの画廊で、譲は莉奈と、そして五歳になる彼らの息子と共にいたのだ。莉奈は監禁などされておらず、そこには私と同じ日に生まれた息子を囲む、もう一つの「家庭」があった。私が断られた遊園地行きは、息子との先約のためだったのだ。「何でも信じる哀れな女だ」と嘲笑う夫の声。両親の溺愛も夫の献身も、すべてはこの秘密の生活を維持するための資金源として私を利用する、五年間にわたる壮大な欺瞞だった。裏切りを知らぬふりで届く「会いたい」という夫からの嘘のメッセージ。彼らは私を、支配しやすい孤独な孤児だと思い込んでいる。だが、その慢心がどれほどの過ちであったか、私はこれから彼らに思い知らせてやる。道化師の仮面を脱ぎ捨て、私は復讐の幕を上げる。
彼女の犠牲、彼の盲目の憎悪 の小説カバー
9.7
上司である神宮寺朔は、私の幼馴染でもあった。しかし、今の彼に宿るのは私への深い憎悪だけだ。彼は婚約者の姫川玲奈が体に傷がつくのを嫌がったという理由で、私に骨髄提供を強要する。さらに玲奈は私の存在そのものを消そうと画策し、高額な贈答品を破壊した罪や暴行の濡れ衣を次々と着せていく。朔はその言葉を鵜呑みにし、割れた破片の上で私を跪かせ、警察に突き出しては留置場で暴行を受ける私を冷酷に見捨てた。追い打ちをかけるように、彼は私の両親を誘拐し、建設中の超高層ビルから吊るし上げるという蛮行に及ぶ。電話越しに朔の勝ち誇った声が響く中、無慈悲にもロープは切れ、両親は暗闇の底へと消えていった。絶望の淵に立たされた私の口内には、彼が知る由もない病の血の味が広がる。朔は嘲笑いながら「そこから飛び降りればいい」と自害を促した。その言葉を受け、私は静かに「わかった」と囁く。心も体も限界を迎えた私は、愛した男の言葉に従い、何もない空へとその身を投げ出した。
隠れ才女は、植物状態の夫と結婚した の小説カバー
8.5
妊娠が発覚した矢先、高橋美咲は恋人の裏切りに遭う。彼の心には帰国した初恋の相手が居座り、美咲は社交界の嘲笑の的となった。周囲は偽の令嬢・優月を称賛し、実の令嬢である美咲を泥にまみれた屑のように蔑む。しかし、一族を裏で操り、家族を著名なデザイナーやスターへと押し上げた真の功労者が彼女であることは誰も知らない。恩を仇で返す高橋家は、利権のために妊娠中の彼女を植物状態の男との政略結婚に追い込む。やがて美咲の正体が露見し、一族が後悔に震える中、元恋人は涙を流して復縁を迫る。だが、そこへ冷徹な声が響き渡った。「俺の子供にお前が何の関係がある?」現れたのは、数多の女性を魅了する鈴木家の当主・鈴木翔太だった。彼は優しく美咲を抱き寄せ、静かに連れ帰る。隠された才能を持つ令嬢と、目覚めた覇道な夫。裏切りから始まる逆転のロマンスが幕を開ける。
今すぐ読む
共有