追放されたら、私が億万長者の万能チートだった件! の小説カバー

追放されたら、私が億万長者の万能チートだった件!

7.9 / 10.0
20年間、名家のお嬢様として育てられた清辞だったが、DNA鑑定で血縁がないと判明した途端、婚約破棄と追放の憂き目に遭う。SNSで嘲笑され実家を追い出された彼女を待っていたのは、想像を絶する「真の実家」だった。ハスキーボイスが魅力的な実父に加え、金融界の天才やトップ俳優、医学界のエースに敏腕社長という、妹を溺愛する4人の兄たちが彼女を迎え入れる。しかし、清辞自身もただ守られるだけの存在ではない。伝説のハッカー、フォーミュラカー開発者、ダンス界最年少審査員といった驚愕の裏の顔を次々と露わにし、世界を震撼させていく。かつて彼女を蔑んだ元家族が「名前を出すな」と吠えれば、電話一本でその供給網を壊滅させ、浮気した元婚約者が新しい恋人を自慢すれば、京の街を支配する絶対的権力者が彼女の夫として立ちはだかる。偽物という汚名を返上し、圧倒的なスペックと権力で敵を徹底的にねじ伏せる、最強お嬢様の逆転劇が幕を開ける。文句がある奴は全員、その実力で黙らせるのみ。

追放されたら、私が億万長者の万能チートだった件! 第1章

長年手塩にかけて育ててやったというのに、まさかこんな仇で返すとはね。 もはや長谷川家にお前の居場所はない。 とっとと出てお行きなさい」 氷のように冷たい声が、清辞の目の前でそう言い放った。

気品ある顔立ちの貴婦人が、憎悪を宿した侮蔑の眼差しを彼女に向けている。

「お母様、やめて! 私が不注意で階段から落ちただけなの。 お姉様は関係ないわ」

ソファに腰掛けた少女が、か細い声で制止した。 貴婦人とよく似た面影を持つその少女――長谷川恋夏は、潤んだ瞳で必死に訴えている。 膝に痛々しく巻かれた包帯が、震える肩を一層哀れに見せていた。

事の発端は半時間前。 長谷川家の正真正銘の令嬢である恋夏が階段から転落し、その時二階にいたのは清辞ただ一人だった。

それだけの理由で、誰もが彼女の仕業だと決めつけていた。

つい一週間前、記者たちの前で清辞との別れを惜しんでみせたのと同じ人間とは思えない。 今、一家が清辞に向ける剥き出しの嫌悪は、あまりにも醜悪だった。

清辞は俯き、唇の端に自嘲の笑みを刻む。

ほんの少し前まで、自分は長谷川家がただ一人の令嬢だったというのに。 愛されてはいなかった。 それでも、何不自由ない暮らしを与えられてはいた。

しかし、長谷川会長が病に倒れ、輸血が必要になったあの日、すべてが変わった。 血液検査の結果、清辞が実の娘ではないという事実が発覚したのだ。 会長はすぐさま己の人脈を使い、間もなく本物の娘、長谷川恋夏を探し出した。

快川市きっての名家である長谷川家にとって、この事態は一大醜聞だ。 世間体を重んじる一家は、「長年育てた情がある」と表向きは清辞を擁護し、しばらくは養女として家に置き、ほとぼりが冷めた頃に実家へ返す、と発表した。

だが、それは欺瞞だった。

実の娘が見つかって以来、一家の憎悪は清辞一人に向けられた。 恋夏が長年苦労したのは清辞のせいだ――そんな身勝手な理屈で、彼女はそれまで与えられていた部屋を追い出され、物置同然の部屋に追いやられた。

掃除、洗濯、料理と、日に日に増える雑用。 その扱いは、時に使用人以下にまで落ちた。

それでもなお、恋夏は清辞がこの家にいること自体を許さなかった。

この数日、彼女が仕掛けてきた罠は一度や二度ではない。

両親はそれに気づいていながら見て見ぬふりをし、清辞への嫌悪を隠そうともしなかった。

一家の本性を完全に見限った今、清辞はもはや一方的に耐え忍ぶつもりはなかった。

彼女はゆっくりと顔を上げ、射抜くような視線で恋夏を捉えた。 「ええ、出て行くわ。 でも、こんな謂れのない罪を着せられたまま追い出されるのは御免よ。 あなたの茶番に付き合うのは、もう終わり、長谷川恋夏」

清辞の纏う空気が氷のように冷え切っていることに、恋夏は思わず身震いした。

あの言いなりだった女はどこへ行ったのか。

瞳の奥に、どす黒い光が宿る。

この偽物の令嬢が、自分だけが享受すべきだった栄華を貪っていたことが許せない。

必ず追い出してやる、と。

恋夏はたちまち無垢な表情に戻り、涙声で訴えた。 「お姉様、何を言っているの? 私にはさっぱり……。 お姉様が私を快く思っていないのは知ってる。 パパとママを奪われたと思っているんでしょう? だから、何をされても我慢してきた。 でも、私の足だけは……私が何よりダンスを大切にしているって知っているのに、どうして……。 お姉様も出たかったなら、コンクールの出場権だって、譲ってさしあげたのに!」

その言葉は、清辞が全国舞踊大会の出場権欲しさに自分を陥れたのだと、巧みに匂わせていた。

それを聞いた長谷川夫人の瞳に宿る嫌悪が、さらに深くなる。 「恋夏、あなたほどの才能がある子が、あんなのと比べられるわけないでしょう。 あの出場権は、もとよりあなたのものよ!……長谷川清辞、さっさと荷物をまとめて出て行きなさい!」

この女はいつも死人のような顔をして、一体誰への当てつけなのか。

それに引き換え、我が娘の恋夏は素直で心優しく、舞踊の才能にも恵まれている。 これほど優秀な子こそ、自分の娘にふさわしい。

それまで沈黙を守っていた長谷川会長が、重いため息と共に口を開いた。 「清辞、ほとぼりが冷めるまで面倒を見る約束だったが、まさか恋夏にこれほどの悪意を向けるとはな。 今日、あちらへ送り届けることにする」

その言葉に、恋夏の瞳が興奮にきらめいた。

だが、清辞は表情一つ変えず、黙って荷物をまとめに階上へ向かった。

なかなか降りてこない清辞に、恋夏が不安げに呟く。 「お姉様、家の物を根こそぎ持っていったりしないかしら……」

この家の物はすべて自分の物だ。 偽物になど何一つ渡してなるものか。

ちょうどその時、階段を降りてくる清辞の姿が見えた。 背負っているのは黒いバックパック一つ。 その黒が、彼女の白い肌を際立たせ、鮮烈な印象を与える。 白黒のコントラストのように澄んだ瞳が真っ直ぐにこちらを向いた瞬間、長谷川会長はふと気まずさに視線を逸らした。

清辞の荷物のあまりの少なさに、長谷川夫人は不悦に眉をひそめる。 「中身は何? こちらへ寄越しなさい」

「いい、持たせてやれ」会長が制止するのを無視し、清辞は無表情のままバックパックをテーブルに放った。

「お調べになれば」

「高価な物を盗んでいるかもしれないじゃない……」長谷川夫人は冷たく鼻を鳴らし、バッグを開けた。 しかし、中から出てきたのは、一冊のノートと数種類の種、そしてわずかな現金だけ。 期待していたカードの一枚すら見当たらない。 夫人はカッと顔に血が上るのを感じたが、何事もなかったかのように優雅にソファへ座り直した。 「運転手に送らせるわ」 その気まずい空気に、長谷川会長はバツが悪そうに咳払いを一つすると、カードを差し出した。

「清辞、向こうへ行ったらご両親の言うことをよく聞くんだ。 農業は大変だろうが……素朴で善良な人たちだ。 しっかり手伝え」 清辞は美しい顔に何の感情も浮かべず、そのカードを押し返した。

「人の運命はそれぞれ。 でも言ったはずよ、謂れなく追い出されるつもりはないと。 長谷川恋夏、どうやって階段から落ちたのか、自分で説明する最後の機会よ」

恋夏が最も忌み嫌うのは、清辞のその涼しい顔だった。 まるで生まれながらに自分の方が格上だとでも言うような、その態度が。

たかが農家の娘のくせに。

「お姉様、どういう意味? まさか私が自分で落ちたって言うの? これは私の足よ、一番大事な足なのよ! もし何かあったら、もう踊れなくなるかもしれないのに!」恋夏はわっと泣き崩れ、母親の胸に飛び込んだ。

ガシャン!

甲高い音を立てて、花瓶が恋夏めがけて飛んできた。 床に叩きつけられて砕け散り、その衝撃音が恋夏の拙い芝居を断ち切った。 彼女は悲鳴を上げてその場から飛び退いた。

その場にいた全員の時間が、止まる。 ソファに座り込んでいるはずの恋夏が、自分の足で立っている。

その膝は、先ほどまで動かせないと訴えていたはずではなかったか。

続きを読む

追放されたら、私が億万長者の万能チートだった件! 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

戻れない約束、離れられない心 の小説カバー
8.2
家族から見放され、冷酷な悪党の手に堕ちていた彼を、私はただ同情心から救い出した。地獄から抜け出した彼は、一生をかけて私を大切にすると誓ってくれたはずだった。しかし、彼が本来の家族に受け入れられ、かつての地位を取り戻したとき、現実は無情に崩れ去る。私は偶然にも、彼が友人の前で放った本心を聞いてしまったのだ。「あんな女は愛に飢えた年増に過ぎない。下心を抱いて俺に近づいたんだ。もし命の恩人でなければ、そばに置く価値もない」と。彼にとって私は、救済者ではなく打算的な女に過ぎなかった。真実を知った私は絶望し、彼の望み通りその前から姿を消す決意をする。ところが、いざ私が離れると、彼は激しい後悔に苛まれることになる。かつての傲慢さは消え失せ、彼は充血した瞳に涙を浮かべながら、震える声で私に縋り付いてきた。「お姉さん、僕を捨てないと言ったじゃないか」と。一度壊れた約束と、冷め切った心。すれ違う二人の愛の行方は、あまりにも皮肉な結末へと向かっていく。
裏切られた妻の覚醒:天才研究者の華麗なる復讐 の小説カバー
8.1
夫の親族が集まる法事の最中、私は夫の暁と未亡人・絢子の不貞を目の当たりにする。私は研究者としての輝かしいキャリアを捨て、妻として彼を支え続けてきた。しかし夫は、私の研究成果を絢子の手柄として横流しし、心臓病を患う娘が発作で苦しむ夜さえも、嘘をつく絢子を優先したのだ。献身を裏切られた絶望と、愛する娘をないがしろにされた怒りが私を突き動かす。降りしきる雨の中、私は決意した。奪われた研究データと娘の親権を必ず取り戻し、二人には相応の報いを受けさせると。どん底に突き落とされた天才研究者による、冷徹で華麗な復讐劇がいま幕を開ける。
新婚初夜、車椅子の御曹司がいきなり立ち上がってキス!? の小説カバー
9.2
結婚式当日、バージンロードで婚約者に裏切られた星川理緒。隣の式場でも、車椅子の御曹司・一之瀬悠介が花嫁に逃げ出されるという悲劇に見舞われていた。互いに伴侶を失った最悪の状況下、理緒は廊下で出会った悠介に「私たちで結婚しない?」と大胆な提案を持ちかける。世間の嘲笑を背に始まったのは、利害が一致しただけの“契約結婚”だった。悠介は彼女を金目当てのスペアだと蔑み、「足に触れるな、用が済めば即離婚だ」と冷淡に突き放す。しかし、献身的な理緒と過ごすうちに、彼の心には冷徹な態度とは裏腹な感情が芽生え始めていた。ある日、悠介が枕元の離婚届を見つけ、彼女を失う恐怖に焦りを感じた瞬間、物語は急展開を迎える。新婚初夜、動かないはずの足で車椅子を蹴り捨てて立ち上がった悠介は、驚く理緒を強引に抱き寄せた。足の麻痺はすでに完治していたのだ。「離婚なんて認めない。この契約は一生有効だ」と、彼は満面の笑みで宣言する。嘘から始まった二人の関係は、甘く執着に満ちた真実の愛へと変貌していく。
離婚届にサインしたら、私は元夫では手の届かない真の令嬢でした の小説カバー
9.5
交通事故で視力を失い、誰からも見捨てられた蕭明隼人を救ったのは、明石凛ただ一人だった。彼女は彼と結婚し、三年の歳月を費やしてその目を治療する。しかし、視力を取り戻した隼人が彼女に突きつけたのは、あまりに非情な離婚届だった。かつての恋人・秋子との時間を奪ったと凛を責め立てる彼は、三億円の宝飾品を贈り、彼女を冷酷に追い出す。世間からも「身の程知らず」と嘲笑され、全てを失ったかのように見えた凛。だが、彼女こそが隼人の目を治した名医であり、三億のジュエリーを手がけたデザイナー、さらにはウォール街やハッカー界を震撼させる伝説の天才にして、大統領家の真の令嬢という正体を持っていた。真実を知り、後悔に震えながら復縁を乞う元夫の前に、京の実業界に君臨する冷徹な権力者が現れる。「彼女は俺の妻だ」と宣言し、凛を抱き寄せる男。その傍らで、彼女は余裕に満ちた微笑を浮かべる。かつての献身を捨て、真の輝きを取り戻した令嬢による、華麗なる逆転劇が幕を開ける。
五年間の欺瞞、一生の報い の小説カバー
9.8
児童養護施設で育った私、有栖川家の令嬢は、ようやく手に入れた家族の愛と夫・譲の慈しみに包まれ、幸せの絶頂にいた。かつて私を陥れようとした菊池莉奈も施設に収容され、平穏な日々が続くはずだった。しかし、夫の誕生日にサプライズを計画した私は、残酷な真実に直面する。街外れの画廊で、譲は莉奈と、そして五歳になる彼らの息子と共にいたのだ。莉奈は監禁などされておらず、そこには私と同じ日に生まれた息子を囲む、もう一つの「家庭」があった。私が断られた遊園地行きは、息子との先約のためだったのだ。「何でも信じる哀れな女だ」と嘲笑う夫の声。両親の溺愛も夫の献身も、すべてはこの秘密の生活を維持するための資金源として私を利用する、五年間にわたる壮大な欺瞞だった。裏切りを知らぬふりで届く「会いたい」という夫からの嘘のメッセージ。彼らは私を、支配しやすい孤独な孤児だと思い込んでいる。だが、その慢心がどれほどの過ちであったか、私はこれから彼らに思い知らせてやる。道化師の仮面を脱ぎ捨て、私は復讐の幕を上げる。
彼女の犠牲、彼の盲目の憎悪 の小説カバー
9.7
上司である神宮寺朔は、私の幼馴染でもあった。しかし、今の彼に宿るのは私への深い憎悪だけだ。彼は婚約者の姫川玲奈が体に傷がつくのを嫌がったという理由で、私に骨髄提供を強要する。さらに玲奈は私の存在そのものを消そうと画策し、高額な贈答品を破壊した罪や暴行の濡れ衣を次々と着せていく。朔はその言葉を鵜呑みにし、割れた破片の上で私を跪かせ、警察に突き出しては留置場で暴行を受ける私を冷酷に見捨てた。追い打ちをかけるように、彼は私の両親を誘拐し、建設中の超高層ビルから吊るし上げるという蛮行に及ぶ。電話越しに朔の勝ち誇った声が響く中、無慈悲にもロープは切れ、両親は暗闇の底へと消えていった。絶望の淵に立たされた私の口内には、彼が知る由もない病の血の味が広がる。朔は嘲笑いながら「そこから飛び降りればいい」と自害を促した。その言葉を受け、私は静かに「わかった」と囁く。心も体も限界を迎えた私は、愛した男の言葉に従い、何もない空へとその身を投げ出した。
今すぐ読む
共有