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彼に見捨てられたオメガ:国王との再起 の小説カバー

彼に見捨てられたオメガ:国王との再起

アルファである黒木魁と「運命の番」として結ばれてから七年。しかし、彼がその愛を私に注ぐことは一度もなかった。魁の心にあるのは幼馴染の一条莉央だけであり、彼女が仕組んだ卑劣な狂言にも、彼は盲目的に加担した。莉央が自ら盗んだネックレスの罪を私に着せた際、魁は一切の躊躇なく私を「汚らわしい」と罵倒し、冷酷に地下牢へと追放したのだ。莉央が彼の腕の中で偽りの涙を流す傍らで、私は銀の手錠をかけられ、引きずられていった。連行される刹那、番の絆が断たれる痛みに彼が顔をしかめるのを見たが、救いの手は差し伸べられなかった。その瞬間、長年抱き続けた淡い期待は完全に潰えた。翌日、母の助けで釈放された私の前に現れたのは、魁が率いる帝国の宿敵となる組織のアルファだった。彼から提示されたのは、魁のすべてを破壊するための首席戦略顧問という地位。裏切られた絶望を復讐の炎へと変えるため、私は迷うことなくその手を取り、かつての愛する男を破滅させる道を選んだ。
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紗良side:

魁はハンドルを握る手に力を込めた。ダッシュボードの光に照らされた彼の端正な顔に、苛立ちの影がよぎる。

「莉央、自分の立場をわきまえろ!」彼の精神的な返答は鋭く、アルファから部下への明確な叱責だった。

私は暗い満足感を覚えた。彼がようやく彼女を然るべき場所に置こうとしている。

だが、彼女の返答は、計算され尽くした弱々しさに満ちていた。「わかっています、アルファ。理解しています。あなたと…あなたのオメガが、素敵な夜を過ごされることを願っています」

「オメガ」という言葉には毒が込められていたが、見せかけの服従は功を奏した。魁の肩が落ち、彼の怒りが風船のようにしぼんでいくのが見えた。彼はいつも、彼女のか弱い乙女を演じる芝居に弱かった。

彼は重く、疲れたため息をついた。彼は私の方を向き、その嵐のような灰色の瞳は、口に出せない謝罪で曇っていた。

「すまない、紗良。アルファとして、組内の争いを仲裁するのは俺の義務だ。このままにしておくのは…不適切だろう」

その言い訳は、あまりにも薄っぺらで透けて見えた。

「一緒に来てくれ」彼は言った。言葉は誘いだったが、口調は命令だった。「彼女を迎えに行って、彼女の立場を理解させる」

私の胸の中で、小さく、愚かな希望の火花が散った。也许、彼は私をそこに連れて行くことで、何かを表明したいのかもしれない。今夜は私と一緒にいるのだと、莉央に見せつけるために。それは七年間、私がしがみついてきた愚かな希望だったが、死ぬことを拒んでいた。

「わかりました」私は囁いた。

彼は車をクラブハウスへと戻した。莉央は歩道で待っていて、涼しい夜気の中で大げさに震えていた。車が止まるやいなや、彼女は魁のそばに駆け寄り、彼の胸に顔を埋めて身を投げ出した。

彼は一瞬ためらった後、彼女の背中を慰めるように軽く叩いた。彼はその抱擁を許した。

そして、車の中から、私はそれを嗅いだ。魁の香り――雷雨の後の森のような、あの心を惑わす香り――が、すでに彼女にまとわりつき、彼女自身の甘ったるい花の香水の香りと混じり合っていた。それは私のものになるはずだった香り。アルファが彼のルナとだけ分かち合い、彼女を自分のものだと示す香り。その光景、その匂い…それはまるで物理的な打撃のように、私の肺から空気を奪った。

魁は優しく莉央を自分から引き離した。彼は彼女のために後部座席のドアを開け、そして私を見た。

「紗良、頼めるか?」彼は運転席を指差して言った。それは質問ではなかった。

私は麻痺したように、硬い動きで車を降りた。私は車の前を回り、外にまだ残っている数人の組員の同情的で軽蔑的な視線を避けた。魁が莉央と一緒に後部座席に落ち着くと、私は運転席に滑り込んだ。彼が革シートに残した温もりが、残酷な嘲笑のようだった。

一条家の屋敷までのドライブは、私の人生で最も長い十分間だった。後部座席で魁に寄り添う莉央は、独身の男性を誘惑するための甘く、暗示的なフェロモンを微妙に放ち始めた。彼女は低い、喉を鳴らすような声で話した。

「魁、私が大好きなあの湖畔の別荘、覚えてる?プライベートドック付きの。明日、もう一度見に一緒に行ってくれないかしら?新しい巣が欲しいの、ちゃんとしたやつが」

「もちろん、莉央」魁の声が後部座席から響いた。柔らかく、甘やかしている。「お前の望む通りに」

私はバックミラーに目をやると、魁の目と合った。彼は申し訳なさそうな顔をしていて、まるで「こんなところを見せてすまない」とでも言うかのように、かすかに眉をひそめていた。

だが、謝罪だけではもう十分ではなかった。七年間、打ちのめされ、傷つけられてきた私の心は、ついに冷たく暗い深淵へと沈んでいった。

私は一条家の広大な屋敷の門の前に車を停めた。莉央の両親、組の筆頭ベータとその伴侶が待っていた。彼らは車に駆け寄り、降りてきた魁に媚びへつらった。

「アルファ!莉央を無事に送り届けてくださり、ありがとうございます!」

彼らは魁を中に案内し、ぺちゃくちゃと喋り続けた。その体で、私の視界を物理的に遮った。彼らはアルファの車の運転席に座っているオメガに、一瞥だにしなかった。私は見えなかった。道具。運転手。

私はそこで、エンジンが静かに唸る中、永遠に感じられるほど長く座っていた。五分が過ぎた。十分。

そして、魁の声が私の心に響いた。遠く、無関心に。

「もう戻っていい」

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