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彼に見捨てられたオメガ:国王との再起 の小説カバー

彼に見捨てられたオメガ:国王との再起

アルファである黒木魁と「運命の番」として結ばれてから七年。しかし、彼がその愛を私に注ぐことは一度もなかった。魁の心にあるのは幼馴染の一条莉央だけであり、彼女が仕組んだ卑劣な狂言にも、彼は盲目的に加担した。莉央が自ら盗んだネックレスの罪を私に着せた際、魁は一切の躊躇なく私を「汚らわしい」と罵倒し、冷酷に地下牢へと追放したのだ。莉央が彼の腕の中で偽りの涙を流す傍らで、私は銀の手錠をかけられ、引きずられていった。連行される刹那、番の絆が断たれる痛みに彼が顔をしかめるのを見たが、救いの手は差し伸べられなかった。その瞬間、長年抱き続けた淡い期待は完全に潰えた。翌日、母の助けで釈放された私の前に現れたのは、魁が率いる帝国の宿敵となる組織のアルファだった。彼から提示されたのは、魁のすべてを破壊するための首席戦略顧問という地位。裏切られた絶望を復讐の炎へと変えるため、私は迷うことなくその手を取り、かつての愛する男を破滅させる道を選んだ。
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七年間、私はアルファである黒木魁(くろきかい)に拒絶された「運命の番(つがい)」だった。

けれど、彼が私を求めたことは一度もなかった。彼が欲したのは、幼馴染である一条莉央(いちじょうりお)ただ一人。

莉央が高価なネックレスを盗んだと私に濡れ衣を着せた時、魁は一瞬たりともためらわなかった。

「汚らわしいオメガめ」と彼は吐き捨てた。「お前には、彼女の靴の泥を舐める価値すらない」

そして彼は衛兵に命じ、私に銀の手錠をかけさせ、地下牢へと引きずっていった。その間ずっと、莉央は彼の腕の中で嘘泣きを続けていた。

連行される途中、彼が一瞬顔をしかめるのが見えた。断ち切られた絆の痛みが、一瞬だけ彼の顔をよぎったのだ。

だが、彼は何もしなかった。その瞬間、七年間抱き続けた愚かな希望が、ついに完全に死んだ。

翌日、母が私を保釈してくれた後、羽田空港でライバル組織のアルファに声をかけられた。

彼は私に、彼の組織の首席戦略顧問の地位を提示した。目的は一つ、魁の帝国を破壊すること。

私は、一秒も考えずにそれを受け入れた。

第1章

紗良(さら)side:

そのメッセージは、冷たく鋭く、私の心に刻み込まれた。声ではない。魂に押された、公式な終焉の烙印のような感覚だった。

「長老会は、月の女神が『番(つがい)』の断絶を見届けたことを、ここに正式に確認する。アルファ黒木魁とオメガ月城紗良との間に設けられた七年間の観察期間は終了した。汝の『ルナ』たる資格は、永久に無効とする」

私は、黒月組(こくげつぐみ)の年次祝賀会が開かれている大広間の片隅、その影の中に立っていた。クリスタルのシャンデリアが放つ光が、まるで私を嘲笑うかのようにきらめいている。私が片付けるべき空のシャンパングラスを乗せたトレイを、指が強く握りしめていた。

部屋の向こうでは、一条莉央が皆の注目の的だった。彼女の笑い声が、ガラスの鈴のように響き渡る。表向きは最近のビジネスでの成功を祝うパーティーだが、本当の祝賀が何なのかは誰もが知っていた。私の、最終的で公式な降格。

「見てよ、あの子」莉央の取り巻きの一人が、嘲るように囁いた。現実世界では囁き声でも、組の共有精神領域(パック・リンク)では叫び声のように響く。「まだ自分がここの一員だと思い込んでる」

莉央の、明るくも残酷な瞳が私を捉えた。彼女はシルクのドレスをまとった捕食者のように、優雅にこちらへ滑るようにやって来た。

「紗良、あなた」と、彼女は猫なで声で言った。その声には偽りの同情が滲んでいる。「まだそんなに一生懸命働いてるのね。疲れたでしょう。でも、あなたみたいな種族には、それがお似合いよ」

彼女は私の質素な使用人の制服を、侮蔑するように目で示した。「本当に残念だわ。あなたのお母様、昔は優秀なヒーラーだったのに…まあ、ご存知の通りだけど」彼女はにやりと笑った。「少なくとも、彼女は組の皆が必要としていることを聞き取れたものね。耳の聞こえないヒーラーなんて。なんて悲劇的な無駄遣い。それに、あの欠陥のある血が、これ以上受け継がれないといいんだけど」

私の胸の奥で、低い唸り声が響いた。何年も出していなかった音。母のことだ。私を侮辱し、貶めるのはいい。だが、母だけは、越えてはならない一線だった。

「やめて」私は言った。使っていなかったせいで、声がかすれていた。「母のことを、そんな風に言わないで」

「言ったらどうなるの?」莉央は笑った。通りかかったトレイから赤ワインのグラスを手に取る。「ちっぽけなオメガが噛み付くのかしら?」

私は彼女を押した。強くはない。ただ、彼女が一歩後ずさる程度に。それは愚かで、衝動的な行為だった。オメガが、地位の高いベータに手を上げるなど、決してあってはならないことだった。

莉央の目は芝居がかった驚きに見開かれ、そして純粋な悪意に細められた。手首を軽く振るうと、彼女はグラスの中身を私に浴びせかけた。

灼熱の激痛が頬を走り、首筋を伝った。ただのワインではない。すぐに匂いでわかった――銀の、鼻をつく焼けるような香り。ほんの数粒。人狼の肌に耐え難い痛みと醜い水ぶくれを作るには十分だが、命を奪うほどではない量。

周りから息を呑む音が響いた。私は顔を押さえた。火傷が、白く燃えるような苦痛となって広がっていく。

「これはどういう意味だ?」

その声は、鞭の一撃のように騒音を切り裂いた。深く、響き渡り、私を含め、その場にいた全ての人狼を凍りつかせる権威に満ちていた。アルファ・コマンド。

アルファ黒木魁がそこに立っていた。その威圧的な体躯は、力と怒りを放っている。嵐の空の色をした彼の瞳が、この光景に釘付けになっていた。

「莉央!」彼が唸った。

莉央の顔は、すぐに崩れた。「魁!彼女が私を押したの!この…このオメガが、私を襲ったのよ!」

「彼女は俺が拒絶した『番』だ」魁の声は、危険なほど低かった。「だが、今も俺の庇護下にある。お前が傷つけることは許さん」

莉央の目に涙が浮かんだ。「あなたの庇護?七年間よ、魁!七年間も、あなたはこの子をここに置いて、あなたの絆を絶えず思い出させてきた。私に嫉妬させて、私が何を失ったか気づかせるためだって、あなたは言ったじゃない!」

魁の顎が引き締まった。彼は一歩前に出て、私の水ぶくれになった肌を一瞥し、再び莉央に視線を戻した。彼の頬の筋肉がぴくりと動く。

「それで、お前はこう思ったのか」彼の声から、突然すべての温かみが消え去った。「俺がお前を、永遠に待っているとでも?」

彼は私の腕を掴んだ。その感触は、お馴染みの、しかし苦痛に満ちた衝撃を私に与えた――私たちの壊れた絆の亡霊。彼は私を呆然と見つめる群衆から引き離し、その固い握力でボールルームから連れ出した。

彼の車の、殺風景な静寂の中、革の匂いと、彼自身の力強いオーラ――雷雨の後の森のような――が私の肺を満たした。彼は車の救急箱から滅菌シートを取り出し、私の頬に当てた。私はびくりと身をすくめた。

「動くな」彼は命じた。声は先ほどより柔らかい。彼は傷の手当てを終えると、その表情は読み取れなかった。

彼はシートを脇に投げ捨て、エンジンをかけた。「莉央のことはすまなかった」彼は私を見ずに言った。「俺が対処しておく」

私は何も言わなかった。

彼は数分間、沈黙の中で車を走らせた。街の灯りが窓の外を流れていく。そして、彼は再び口を開いた。その声には奇妙な響きがあった。「今気づいた…今日は記念日だな」

記念日。私たちが初めて出会った日。私たちの狼がお互いを認識した日。彼が私を嫌悪の目で見つめ、私の世界を粉々にする言葉を口にした日。彼が私を拒絶した日。

「何か買ってやる」彼は言った。まるでそれが全てを解決できるかのように。「埋め合わせだ」

私はようやく彼の方を向いた。私の顔は、感じていない冷静さの仮面をまとっていた。「あの日が、私にとって意味のある日だったことなど、もうありません、アルファ」

驚きか、それとも苛立ちか――何かが彼の顔をよぎった。彼が何かを言う前に、甘ったるくまとわりつくような声が私の心に侵入してきた。それは彼に向けられたもので、私たちの絆の残骸が、まだその反響を感じさせていた。

「魁、お願い、迎えに来て。暗いのが怖いの。知ってるでしょ」

莉央だった。もちろん、彼女だ。

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