フォローする
共有
学園の美少女と同居することになったんだが!? の小説カバー

学園の美少女と同居することになったんだが!?

地味で目立たない高校生活を送っていた一ノ瀬雷斗の日常は、ある日を境に激変する。なんと、学校中の誰もが憧れる美少女・朝宮咲奈と同居することになったのだ。本来であれば接点すら持たないはずの二人が、一つ屋根の下で暮らすという信じられない現実。釣り合わない二人の突飛な共同生活は、戸惑いの連続から幕を開ける。同じ時間を積み重ねる中で、彼らの心の距離は時に近づき、時にすれ違いながらも、次第に変化していく。そんな中、物語を彩る個性豊かな面々も続々と登場。マニアックな趣味を持つオタク美少女や、奔放で生意気な後輩たちが加わり、雷斗の周囲はさらに賑やかさを増していく。さらに、心に秘めた「あの時の約束」が、二人の関係にどのような影を落とし、あるいは光を当てるのか。久遠颯や雪野紅葉といった仲間たちと共に繰り広げられる、笑いと涙に満ちた青春の日々。どこにでもいる少年の日常が、特別な少女との出会いによって鮮やかに色づき始める。波乱万丈で甘酸っぱい、王道の青春ラブコメディーがここに開幕。
共有

1

優しく体を包み込む気持ちの良い風。さわやかなほどに透き通っている川の色。上を見上げれば涼しそうに空を飛ぶ鳥たち。 そんな中で春の桜とともに新しい生活が幕を開けようとしていた。

「おはよー、久しぶり!」

僕の周りから清々しいほどの新しい声が聞こえてくる。そんな朝だった。

そう。今日から学校生活が始まるのだ。

真面目にお勉強をして部活して沢山の青春をみんながおくる場。

つまり陽キャラだけの世界。

学校では何のとりえもなく、ただ授業をうけ部活をしないで帰る影の人々には入るスペースのない場所。楽しくなんてない人生の通過点でしかない場所だ。

とは言ったものの......

陽キャラでも学校早く終わってほしいと思っている人がほとんどだろう。

そりゃ勉強している暇があったら遊びたいって思うだろう。それは誰にだって言えることだ。

だがしかし!!学校での過ごし方が陰キャラとは大違いなのだ。

つまらないの質が違う。

陽キャラはいつもクラスで騒ぎ立ててる.....

い、いや楽しそうに話しているし、女子とも話している。そしてみんなで昼ご飯を食べて放課後は遊びに行く。

その片隅に陰キャラは一人でご飯を食べ、虚しく本を読み、陽キャラのパシリを食らうのだ。

学校生活の差が開きすぎているのだ。

これがつまらないの質の差

故に青春の差だ。

僕から言えば、楽しく話している時間があるだけで幸せだと思うべきと思うのだ。

一回で良いからこちら側の生活をしてほしいくらいだ。

陽キャラには想像絶するくらいのつまらない生活を日々送り続けている。

しかし、中には友達なんて必要ないとか思っている人も少なからずいるだろう。

けどそれはほんの一部に過ぎない。

確かにいらないよ。僕も特別仲間が欲しいわけじゃない。一人なら一人で良いという思考をもっている。

しかし問題が生じてしまう。

本が静かに読むことができないのだ。

陽キャラの楽しい楽しい声が限界を超えて面白い場面や感動する場面を帳消しされてしまい、なんとなく本を読んだorまあまあ面白かった本、みたいな感じで終わってしまうのだ。

つまりは感情が入りずらくなってしまうということ。それは陰キャラにとって命とりみたいなものなのだ。

よ~く考えてみてほしい。

陽キャラだって有名なアニメくらいなら見ている人は多いだろう。

その作品を見ている最中にわ~わ~騒ぎ立てられるのはいらだってくるだろうし、ましてや、いいシーンの時に邪魔されたらひとたまりもないだろう。

それを僕たちは毎日のように受けている。

いやそんなの知るかよ!!って思うやつがほとんどなのはわかっているけど!!

けどうるさいのは誰だってあんまりいい気分ではないだろう、何もしていなくてもうるさいのは嫌なはずなんだ。

んんん???

なにを馬鹿みたいに語っているんだ僕は??

ま、まぁとにもかくにも学校は最悪なのだ。

行きたくないのだ。

僕はその声を遮断するようにため息をつき歩行速度をあげた。しかしそんな僕を現実に引っ張り上げるようにして声をかけてきた奴がいた。

「よう!雷斗!朝からこの世の終わりみてーな顔してんな!」

このやけにニヤニヤしながら話しかけてきた男は僕の自称友達の久遠 颯

中学校の時から付きまとってくる厄介な奴(この説明だといきなり奴の印象が悪くなりそうだから一応友達ということにしておこう)だ。

「朝からテンションが高すぎるんだよ...」

久遠とは中学の時からの付き合いだ。奴は僕とは真逆で友達の幅も広く、コミュニケーション能力の高い、うるさい、つまりは陽キャというわけだ。なぜこんな奴が僕にまとわりついてくるのかはわからない。(僕は君と住んでる世界が違うのに)

「お前がテンション低すぎるだけなんだよ!このヘタレが」

「これが普通だろ、だいたいそんなテンションでいたら一日持たないでしょ、あとヘタレ発言 全世界のヘタレに謝れ」

僕こと 一ノ瀬雷斗は世界を代表するHP節ヤカーである。休みの日は基本 外には出ない。春休みだって2回しか外出していない。そのうちの1回は久遠にムリヤリ遊びに連れていかされて外に出たし、実質自分の意志で外出したのは1回しかない。だいたいは家でゲームしてるか本を読んでいる。

「まぁ雷斗は節ヤカーだもんなー」

「よくわかっているじゃないか」

そんなくだらない話をしていると周りでざわつき始めた。

それは学園一有名で一目置かれている美少女が現れたためだった。

「きたぞー学園の美少女、やっぱりかわいいな~~」

「そうだなー」

「ってなんだよその棒読みは、少しはかわいいと思わないわけ?」

かわいいといわれるとかわいいのかもしれない。しかし、今までアニメや本でしか真面目に女性というものを見てきていなかったため、どのくらいの程度でかわいいに分類するのかが分からなかった。中学時代も現在進行形でも女性とは話していないし顔もまともに合わせたことのない相手からでも良い印象は持たれていなかったから異性の人と話す機会がなかった。そもそも男でも話しかけてくれる人なんて久遠くらいしかいなかった。

「僕らには高嶺の花だよ」

僕は吐き捨てるようにしていった。

「お!また同じクラスだな!俺がいなかったらボッチ確定してたんじゃないか?」

クラスが表記されている貼り紙を見て僕の自称友達が煽りながら言ってきた。

二年生になってこの騒がしい奴と離れられると思ったのも束の間、僕はため息を大きく吐き捨てた。

「まとわりついてくんなよ、僕のボッチ&陰キャライフがどんどん浸食されていくだろ」

「ひでぇなおい!しかもなんでボッチ陰キャを誇りに思ってんだよ!」

久遠がそんなツッコミを入れているとまたもやざわつき聞こえ始めた。

「美少女もD組!?」「おいおいマジかよ!?」「俺ら運いいな!付き合いて~」

そんな男子たちの雄叫びがそこにはあった。

「まさか同じクラスになるとはな~」

久遠が少し驚いた表情で僕に語り掛けてきた。

「いたところで僕らに何か起きるのか?金が降ってくるでもあるまい、高嶺の花には変わりないだろ」

「そんな現実味のないこと言うなよ、ああいう美人さんは見ているだけで癒されるんだよ!わかるか?」

それはわからなくもない。僕にだって癒される推しのキャラクターだっているし、それは現実か二次元かが違うだけであって意味合い的には同じだろう。

「はいはい、わかった、わかった」

思っていたことは口には出さずに素っ気ない言葉を返した。

「なんだよその適当な返しは~」

久遠は僕の言葉に不服そうな顔をしていた。

「ってそんなことしてたらご本人登場したぞ」

彼女がきた瞬間、男子は当然のこと、女子までもが時間が止まったかのようにピタリと止まり一つの方向に目が自然と向いていた。

「こんな近くで見たことなかったから流石に見入っちまったなー」

美しかった。

普段、アニメや本でしか思ったことのないことが自然と頭の中に行き渡った。

他の人にはない何かを持っているような気がした。

綺麗な長い金髪で光に光ったつやつやの肌、それに見合った完璧なスタイル

誰もが羨んで目標にしていてももなんの違和感のないくらいの抜群な人だった。

この一時だけ本当にこの人は僕らと同じ3次元の人なのかと思ってしまった。

3次元なんかに2次元に匹敵する人なんていやしないと思っていたのに、今までずっと思ってきていたのにそれをまんまと一瞬で吹き飛ばされた。

普段はそんなこと思ったりはしないのに...

3次元の異性には耐性が付いていたはずなのにその壁をいとも簡単に壊してしまった。

僕は気づいた。これが学園一の美少女なのだと。

「っておい、いつまで見とれてんだよ」

僕は不意に飛んできた久遠の言葉に自分が彼女に気を取られていたことに気が付いた。

「み、見惚れてねーよ!!ただ、みんなの視線とか気になんないのかなって思っただけだ!!!」

僕は慌てて拾い集めるようにして言葉を並べた。

「これから面白くなりそうだ」

少し笑みを浮かべながら久遠がそんな言葉を発した。

面白いことなんて何も起きやしない。

この後の展開を知りもしない僕は堂々とフラグを回収した。

新しいクラスになって早速、自己紹介と席替えをすることになった。自己紹介では見事に皆から変な目で見られた。

おいおい、なんだこの皆からくる寒い視線は!!僕は言われた通りに自己紹介しただけだろう!!なのになぜこんな冷めた目で見られないといけないんだ!!

偏見だぞ!!!!!「アニメとゲームが好きです。幼馴染系やハーレム系が大好きです」って言っただけじゃねーか!!!...許されないぞ...偏見は嫌いだ!

といった気持ちを抱きながら無事に友達作りに失敗した悲しい奴のお話はそっと胸にしまっておいて......

重要なのは席替えだ。

それがまさかのまさかで美少女と隣の席になってしまった。

「一ノ瀬くん?だよね!よろしくね!」

普段ほとんど異性と話さない(というか避けられている)から話しかけられたことに素直に驚いてしまった。それにさっきの自己紹介で完全にやらかしたのになんの抵抗もなく話しかけてきたっていうこともある。

学園の美少女っていうのは大体偉そうな態度取って気取ってるやつを想像する。

漫画とかラノベとかそういったキャラが比較的多い

現実世界ではないのかと思われるかもしれないがよく考えても見てほしい

学年からチヤホヤされて鼻が伸びないやつがどこにいるだろうか?

そんなのは多分いないと思う。

だがしかし!!!

今その幻想を壊した人はいる!!!

この人もしやいい人なのでは!?これが美少女たる姿なのか!?まるで恋愛小説に出てきそうなヒロインだな

「よ、よろしくおねぎゃいします...」

緊張しすぎて噛んだーーーー!!はいお疲れさまでした!!陰キャの固有スキルがここでまた発揮されてしまった...長年陰キャの弊害が凄いわ...ああああああああ~~~...もういいです。返ってくる言葉予想できました...

出たこの展開。

ライトノベルの作品なら次の言葉はこうだ!!!

「敬語使わなくていいのに~因みに私の名前わかる~?」

おいおい!なんだと!?予想が外れた!?ありえない!

たいていの女子ならば結構な音量で「なぁにこいつキモいんですけどぉ」とかなんとかいうはずだ。それに対し美少女ときたら!!こんなこんなヘタレ陰キャにちゃんとした対応をしている!!これは革命だ!なんていい人なんだ!!こんな素晴らしい美少女がいるなんて!!流石は学園一の美少女!言葉の通りだ!

って感心しすぎた、名前?そんな学園一の美少女の名前を知らないわけないじゃないか!!!

「え、えっとー、お名前伺っても宜しいでしょうか?」

はい、すいません調子に乗りました。すいませんでした。美少女で認識していたため名前とか知りませんでした・・・

貴方のような方の名前を知りもしないなんて...ほんっとうに!!すいませんでした!!!!

「ずっと眠そうな顔してたしね(笑)私の名前は 朝宮咲奈、趣味は本を読んだり~あとはファッション!かな!」

微笑しながら楽しそうに話している彼女が僕には輝いて見えた。彼女がこんなに人気者なのはただ美少女なだけではなく、誰とでも楽しく話せて誰にでも平等に接しているところなのだろうと思った。

「そうなんだ.....ぼ、僕も本...好きです...」

「そうなんだ!!どんな本が好きなの?」

「ライトノベルっていうオタクが買う小説です......」

こんなこと言いたくない~~~~~!!!

僕は陰キャのオタクですって公開処刑してるようなもんだ!!!

誰がこんな恥ずかしいことをいうか.....!!

あぁ......とことん引かれそうだな...

「ライトノベル私も少しだけど持ってるよ!!私はミステリー小説が好きなんだ~~!一ノ瀬くんは?」

「え!あ、あぁ~...僕はラブコメが好きです.....」

ライトノベルっていう言葉も知らなさそうなくらいの陽キャなのに...!

このお方はなんて幅が広いのだろう!!

素直に驚いてしまったじゃないか!

「ラブコメが好きなんだ~~、今度おすすめ教えてね!!これを機にラブコメも好きになるかもしれないし!!」

「あ、うん...また今度......」

学園の美少女という言葉にふさわしいくらいの人だ...!!!

素晴らしいよ!

まさにライトノベルのヒロインだ!!!

「それでね......その~、一ノ瀬くん......やっぱり何でもない!忘れて!」

突然、彼女が顔を少し赤くして僕に何か言いかけた。何を言おうとしてたのかは全く分からなかったが彼女が言いかけて止めたことを聞き返すのも違う気がしたので少し気にはなったが胸に留めた。

その直後に放課後のチャイムが鳴った。

「一ノ瀬くんまた明日ねっ!」

僕に挨拶してから少し慌てた様子でクラスから出て行ってしまった。

「随分と早く帰ってったな、俺たちも帰るか」

久遠の言葉に頷いて返事を返した。

「随分と美少女さんと仲良く話してたじゃないか」

「僕からは話しかけてない、彼女から話しかけてきたんだ。それに何か言いたげだったし」

「何か言いたげだった?お前まさか朝宮さんと知り合いだったのか?」

「そんなのないよ、話したのなんて今日が初めてだ。ただ何かを言いかけて止めたってだけだ」

「ほぅ、それは気になるな~、ガキの頃会ったことあるとか?親同士が仲が良いとかないのか?」

「ガキの頃か~覚えてないな、それに親同士の関係とかよくわからない」

「そっかー、お前に一目惚れしたとか(笑)」

「そんな現実味のないこと起こるわけないだろ」

(一目惚れ?そんなのあるはずがない。美少女に限ってこんなヘタレ陰キャを選ぶわけがない、この理論はまずないな、、、、                   

けど、仮に昔の頃に会っていたら?親同士が仲良かったら?

もしそれが本当だったとしても、それが言いかけて止めたことと関係あるのか?昔に会っていたから?親同士が仲良かったから?この過程から何か言いたいことがあるのか?現実的に考えても「私のこと覚えてない?」とか「私たちの親同士が仲がいいの知ってた?」とか、こんな感じだろう。少なくとも僕が考えることはこんなものだ。

しかし、  重大発表します!!   みたいな勢いで小恥ずかしそうに言うことなのか? 僕は彼女の気持ちや考えていることなんてわからないし、僕に対して何が言いたかったかなんて可能性のありそうなことでしか考えることができない。異性の思っていることなんてわからないし、何で怒って何で泣いてどんなことで喜ぶのかなんて人それぞれだ。

そう。結局人の気持ちなんてものは、自分自身でしかわからないのだ。簡単に人の気持ちが理解できていたら世の中は平和の塊だ。けどそうじゃない。人の気持ちは簡単には理解できないし、できてはいけないと僕は思う。だからみんな考えて、足掻いて、喧嘩しては仲直りする。きっとそれを乗り越えた人たちが友達、心友となるのだろう。)

「まぁ、本当に言いたいことならまた機会が来ると思うぜ、深く考えてもモヤモヤするだけだしな」

僕がすっかり黙り込んでしまい、考えていると察したのだろう。久遠がそんなことを口にした。

「その通りだ」

僕は素直にそう返した。確かにずっと考えていたところで答えが出てくるわけでもないし、考えたらその分だけ頭の中がモヤモヤする。そして結局わからないまま終わるっていう最悪のパターンがある。

今回のことは忘れよう。

僕は自分の胸に言い聞かせた。

「じゃあ、また明日な!」

かけてきたセリフに手をあげて返し久遠と別れた。

「ただいまー      って え????」

思わず声が出てしまった。「あ!雷斗おかえり~」

久しぶりに帰ってきた母にも少しびっくりしたが、それを帳消しにするほどの衝撃とともに鳥肌が僕の体を覆ってきた。

母の隣に学園一の美少女  朝宮咲奈が立っていたのだから。

「雷斗には言い忘れてたんだけど~咲奈ちゃんの両親も忙しくて家に帰れないのよ~やっぱり女の子一人で生活するのも親としては心配でしょ~?だから~家で引き受けることになりました~!」

僕は頭が真っ白になった。

「え?E?e? ちょっと待ってくれよ!?急にそんなこと言われても!?」

「まぁまぁ慣れればどうってことないわよ~」

「どうってことあるでしょ!?そもそも朝宮さんはOKしたの?男と一つ屋根の下で一緒に暮らすことになるんだよ!?」

「一ノ瀬くんはそんなことしないって思ったから...」

「何を根拠にいってるんだー!!!!!!!」

朝宮さん...どうしちゃったの???僕の知ってる朝宮さんじゃないですよ?ほんとにどうなってんのこの状況???どうか正気に戻ってください!!!

「じゃ!そゆことで~仲良くしてね~、母さん仕事に戻らないといけないから~またね~」

などとふざけたことを言い、ソソクサと家を出て行った。

「一ノ瀬くんごめんね...驚かしちゃって...これからよろしくお願いします。」

「よろしく...お願い...します」

僕は脳死で言葉を並べた。

こうして雷斗と学園一の美少女 朝宮咲奈との同居生活がスタートした。

おすすめの作品

すべてを奪われた僕は、帝国の主になった の小説カバー
8.2
15年前、両親の命を奪った張本人である伯父の手によって育てられた主人公。しかし、信じていた肉親からの凄惨な裏切りにより、彼は心血を注いで築き上げた会社も、社会的な名誉もすべてを奪い去られてしまう。命からがら国外へと逃亡したあの日から5年。かつての非力な少年は、世界を裏から支配する巨大な武装組織のトップへと登り詰め、圧倒的な権力と財力を手にして帰還を果たした。最悪の裏切りを経験し、復讐の炎を絶やさず燃やし続けてきた彼は、自分からすべてを奪った者たちに報いを受けさせるべく動き出す。血の繋がりこそが最も深い絶望を招いた皮肉な運命の中で、失ったすべてを奪還するための帝国級の逆襲劇が幕を開ける。かつての絶望を糧に、帝王として君臨する彼の冷徹な復讐が、腐敗した支配構造を根底から揺るがしていく。手に汗握るアクションと、過去の因縁が絡み合うミステリアスな物語が今、ここに始まる。
浮気夫のすぐ裏で、妻は発情する。 の小説カバー
9.3
結婚から4年、妻である私は夫から疎まれ、孤独な日々を過ごしていた。夫は私の脚にある障害を理由に、一度も身体を重ねようとはしない。しかし、拒絶されるほどに私の内側では制御不能な性衝動が膨らみ、深刻な性依存症となって自分を追い詰めていた。ある日、婦人科を訪れた私は、初対面の男性医師による診察を受ける。治療の刺激に耐えきれず、私は思わず秘めた声を漏らしてしまった。その頃、診察室のすぐ外では、夫が初恋の女性を連れて付き添っていた。彼は人目も憚らず、私を「役立たず」と嘲笑い、その尊厳を無残に踏みにじる。一方、診察室の中では、医師が静かに私のスカートを整え、指先で脚のラインをなぞりながら誘惑するように問いかけてきた。「僕に助けてほしいですか?」と。夫の裏切りと冷酷な言葉が響く境界線で、激しい渇望を抱える妻と謎めいた医師の危険な関係が動き出す。
元夫に捨てられたら、逆に儲けまくった〜再婚は、あとでいい〜​ の小説カバー
7.9
周囲から疎まれる存在だった佐藤婉寧は、夫である鈴木原璟からも冷遇され、孤独な日々を過ごしていた。絶え間ない拒絶の末、ついに彼女は離婚を決意。財産の半分を要求し、彼との縁を断ち切った。原璟は喜んで署名したが、その後の展開は予想外だった。慰謝料を元手に事業を成功させ、輝きを増していく元妻。さらには新たな男の影まで現れる。その姿に焦った原璟は、以前の態度を翻して彼女に執着し始める。「全財産を譲るから再婚してくれ」と懇願し、なりふり構わず復縁を迫る。捨てられたはずの女と、後悔に震える元夫。逆転した二人の関係の行方は。
鳥籠の姪を抜け出し、真実の愛に嫁ぎます の小説カバー
7.9
養女として藤堂家に迎えられた柚月は、叔父である藤堂森に長年一途な恋心を抱き続けていた。彼にふさわしい女性になろうと献身的に尽くし、二十歳の節目に三度目の告白を決意する。しかし、そんな彼女を待っていたのは、森がかつて愛した女性・鈴木桜の帰国と、あまりに無慈悲な拒絶の言葉だった。「姪を愛する道理はない」「虫酸が走る」という冷酷な宣告に、柚月の心は完全に打ち砕かれる。絶望の果てに彼女が姿を消すと、皮肉にも森は執着という名の狂気に囚われていく。月日は流れ、二人は二階堂家の次期当主の結婚式で再会を果たす。そこには、純白のドレスを纏い、他人の花嫁として幸せそうに微笑む柚月の姿があった。かつての傲慢さを失い、充血した瞳で「行かないでくれ」と縋り付く森。だが、自分を「叔父様」と呼び、他人の妻になることを選んだ彼女の決意はもう揺るがない。過去の執着を断ち切り、真実の愛を掴み取ろうとする柚月と、失ってから初めて己の愚かさに気づき後悔に身を焼く男。運命が逆転した二人の、切なくも鮮やかな決別の物語。
二度目の人生では、愛なんて信じない の小説カバー
9.3
信頼していた婚約者と親友の残酷な裏切りに遭い、尊厳を奪われ絶望の中で命を落とした前世。しかし、天は彼女に二度目のチャンスを与えた。新たな人生で目を覚ました彼女を待っていたのは、自分を死に追いやろうとする冷酷な夫との生活だった。彼女は迷うことなく離婚届を突きつけ、彼の元を去る決断を下す。周囲は「名家に捨てられた惨めな女」と嘲笑したが、彼女は不屈の精神で這い上がり、誰もが羨む敏腕女社長へと華麗なる転身を遂げた。かつて自分を陥れた者たちを圧倒的な力で屈服させ、仕事も恋も自らの手で掴み取っていく。そんな彼女の変貌ぶりに、かつて自分を捨てた元夫までもが執着を見せ、「俺のところに戻れ」と傲慢に復縁を迫る。だが、彼女はもはや言いなりになっていた過去の小林清和ではない。愛を信じず、自らの足で歩み始めた彼女にとって、あの男の元へ戻る選択肢など存在しないのだ。復讐と再生、そして元夫による執拗な溺愛の行方は――。
ボーさん、あなたの腕の中の女の子は大物です。 の小説カバー
8.5
異国の窮地で絶望に沈んでいた少女を救い出したのは、裏社会までをも支配する帝王・石神竜也だった。彼は二〇〇億という常軌を逸した大金を投じて彼女を地獄から連れ去り、「石神星」という名を与えて自らの庇護下に置く。竜也にとって彼女は、ただ守るべき純粋で愛らしい存在に過ぎなかった。しかし、周囲の者たちは彼女の内に潜む底知れぬ影に怯え、冷酷な殺人鬼として恐れ戦いていた。やがて、平穏を乱そうとする者たちが少女の正体を暴こうとしたとき、隠されていた驚愕の真実が次々と白日の下にさらされることになる。伝説的な神医、世界屈指の暗殺者、さらには謎に包まれた名家の正当なる継承者――。そのあまりに強大な正体が明かされるたび、世間は己の無知を呪い、逆らうことのできない圧倒的な力に震え上がる。これは、一見無垢な少女が、帝王の寵愛を一身に受けながら、あらゆる敵を完膚なきまでに制圧していく華麗なる救済と逆襲の物語である。誰も彼女の行く手を阻むことはできず、不服を唱える者はことごとく沈黙へと追い込まれていく。