
ガンマの裏切り、アルファの復讐に燃える番
章 3
月詩:SIDE
ダンスが終わり、蓮は愛蘭を腕に絡ませたまま、まっすぐ私の方へ歩いてきた。彼の顔は冷たい傲慢さの仮面で覆われていた。
「月詩」
彼の口調は見下すようだった。
「愛蘭に挨拶くらいしたらどうだ。彼女はこの群れの未来の姫君なんだからな」
冷たく、鋭い笑いが私の唇から漏れた。その音は近くのおしゃべりを切り裂き、いくつかの頭がこちらを向いた。
「姫君?」
私は皮肉たっぷりに繰り返した。
「私が知る限り、彼女は父上がまだ正式に認めていない妾の子に過ぎないわ。群れの長老たちはもちろん、認めていない」
私たちの周りの空気が静まり返った。愛蘭の顔は青ざめ、蓮の顎がこわばった。
「口を慎め、月詩」
彼は唸るように言った。彼の目は怒りで光っていた。
「嫉妬しているだけだろう」
「嫉妬?」
私は一歩近づき、声を張り上げた。
「貴方はこういう祝賀会が嫌いだと言ったわよね。私と一緒に見られる資格がない、長老たちに噂されたくないと言った。五年もの間、私の隣に立つことを拒否したじゃない」
私はダンスフロアを指差した。
「なのに今は? 今は『彼女』とオープニングワaltzを踊っているの? 貴方は私との約束を破ったのよ、蓮」
「見世物にするな」
彼は低く、脅すような声で警告した。
「俺は愛蘭の…助けが必要なんだ。俺の地位を固めるために」
その言い訳はあまりにも哀れで、侮辱的で、私の中の何かがぷつりと切れた。
「彼女の助け?」
私は吐き捨てるように言った。その言葉は毒の味がした。
「彼女に何ができるっていうの? 彼女はヴェクシアの娘よ。彼女が這い出てきた泥と同じくらい汚れた血筋の、汚らわしいはぐれの!」
蓮の顔に怒りが爆発した。私が反応する間もなく、彼の手が空を切った。
パァン!
突然の静寂に包まれたホールに、その音が響き渡った。その一撃の力で私はよろめき、一歩後ずさった。頬が燃えるように痛む。しかし、肉体的な痛みは、私の魂を引き裂く苦痛に比べれば何でもなかった。番が番を殴ることは、女神が与えた神聖な絆に対する究極の裏切り、冒涜行為だ。私たちの間の繋がりは砕け散り、吐き気と心痛の波が私の全身を駆け巡った。
私は彼を見つめた。視界がこらえきれない涙で滲む。私の番。私が愛した男。彼が、私を殴った。彼女のために。
私の心はただ壊れたのではない。塵になった。
私は彼の怒りに満ちた目を見つめ、震えながらも折れない声で、人狼が口にできる最も強力で、破滅的な言葉を口にした。すべてを変える言葉を。
「私、高坂月詩は、貴方、佐藤蓮を、我が番として拒jectionする」
おすすめの作品





