天才監察医~美貌と医術を以て異世界を無双する の小説カバー

天才監察医~美貌と医術を以て異世界を無双する

8.5 / 10.0
21世紀の首席監察医・曲蓁は、異世界の顧家の一人娘として転生する。死者の解剖で真実を暴き、赤ん坊を救う彼女の目的は、冤罪の根絶と政界の浄化だ。この『天才監察医~美貌と医術を以て異世界を無双する』は、懸案を断ずる鉄筆で汚職を正す本格fantasy。人質となった皇子との複雑なromanceや宮廷の陰謀が絡み合う中、彼女は慧眼を武器に運命を切り拓く。緻密なmystery要素が光る本作は、webnovelの中でも圧倒的な爽快感。正義と愛の狭間で揺れる彼女が辿り着く結末とは。fiction fantasy novelsの新たな傑作。
「天才監察医~美貌と医術を以て異世界を無双する」のあらすじ
21世紀の国家安全保障局で首席監察医を務めた曲蓁は、その神業とも言える医術で数々の命を救い、死者の声を代弁してきた。しかし任務中に命を落とした彼女の魂は、異世界の医家である顧家の一人娘として転生する。目覚めた直後、彼女は棺桶から赤ん坊が生まれるという怪事件に遭遇するが、卓越した解剖技術と救命術を駆使し、死の淵から生を救い出す。非業の死を遂げた両親の仇を討つため、彼女は真実を見抜く鋭い眼力と鉄筆を武器に、腐敗した役人たちが蔓延る政界の闇へと切り込んでいく。冤罪を晴らし、世に正義を問う彼女の前に立ちはだかるのは、複雑な陰謀と、心を寄せる一人の男だった。大離の皇子や王族の嫡男ら、多くの才俊が彼女の美貌と才能に惹かれる中、彼女が向き合うのは自らを廃人と称して身を引こうとする愛する男の不器用な本音だ。「そばにいてくれ」という切実な願いを受け止め、彼女は愛と正義のために、魑魅魍魎が跋扈する乱世を華麗に突き進んでいく。監察医としての誇りを胸に、彼女は異世界に新たな夜明けをもたらすだろう。
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天才監察医~美貌と医術を以て異世界を無双する 第1章

それは、真夏の6月、雨続きの日だった。

笋渓(じゅんけい)県、東通りにある医館「回春堂」にて。

曲蓁(きょく しん)は最後の患者を送り出すと、店の外に「往診中」の看板を掲げ、城門に向かった。

「あら、曲ちゃん、今日はお前さんがあの未亡人の張さんに薬を届ける番かい? 雨の日は道が滑りやすいから、気をつけておくれ」

青石畳の道の両側に手持ちぶさたに座っている人達は、彼女を見ると笑顔で声をかけた。

曲は丁寧にお辞儀して、小雨の中、傘をさしながらのんびりと歩いた。光陰矢のごとし、ここに来てもう10年も経ったのだ。

彼女は、21世紀最年少の脳外科学の学者として名をはせ、国家安全保障局の主任監察医をも兼任していたが、上からの秘密任務中に流れ弾に当たり、再び目を開けると、なんと笋渓県にある代々医館を経営する顧家の一人娘になっていたのだ。

6歳で医学を学び、13歳で回春堂の主人として働きだし、いつの間にかついたあだ名は「神医」であった。

彼女の父はなぜ娘の才能にもっと早くに気付かなかったのかと嘆いていたが、娘の中身がすでに異世界からやってきた別の人と入れ替わっていることには気づいていなかった。

曲がゆっくりと歩いていると、後ろからだべる声がかすかに聞こえてきた。

「あの未亡人、顧さんたちに出会えるなんて一体前世でどんな徳を積んだのやら。一銭も取らずに看病してくれる上、薬もくれるなんて!それに比べて張さんちときたら…」

「しーっ! 声が大きい!あの女に聞こえたらどうするのよ!この前なんてちょうど陰口言ってるのを聞かれた人がいて、顔を叩かれるわ服を引っ張っぱられるわで大変だったのよ!あの叩かれた後の顔の悲惨さったらないわよ…」

誰かが嘲るようにそう言うと、ため息をついた。「国境付近のあの戦争、何年もやってるけど戻って来れる人なんてほとんどいないでしょう?戦に出た旦那に死なれて、未亡人になった途端、お腹には子供もいるのに兄嫁に家を追い出されたらしいわよ。他の人なら泣いたり喚いたりするだろうに、何も言わないで城外のぼろ屋に引っ越して、洗濯と繕い物で生計を立ててね…まったく可哀想ったらありやしないわ」

「全くだよ」

降りしきる雨の中、声がだんだん遠のいてくのを聞き、曲はわずかに歩みを遅らせ、傘をぎゅっと握ると、ゆっくりと町を出ていったのだった。

彼らが張さんと呼んでいたやもめは名を黄秀蓮といい、大盛の国と離朝の戦争が始まった頃に張勝と結婚したが、のちに大盛の国は鹿野原の一戦で大敗し、戦死した将軍と数万人の兵士はみな雪に埋もれていった。

朝廷はそれに激怒して徴兵を命じたが、その時に兵として徴された張勝は、行ったきり8カ月間もなんの音沙汰もなかった。

やがて待ちに待った夫からの手紙が来たが、なんとも悲しいことにそれは訃報だった。

張勝の死を知った張家の兄夫婦は、黄秀蓮が妊娠していることにすら温情をかけることなく、銀銭はおろか、寒さから体を守る服すら一枚も与えず真冬に離縁状を突きつけ彼女を家から追い出したのだ。せめて持参金は返してほしいと言っても、かえって張王氏に殴られ危うく流産するところだった黄は、お隣さんに止められていなかったら、おそらくとっくに旦那の後を追って逝っていただろう。

それからは、張王氏は黄秀蓮が妊娠を利用して兄嫁である自分をいじめ、甥を殴ったなどと訴え、剰え自分の留守に乗じて義兄を誘惑したとまで周りに言いふらした。

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天才監察医~美貌と医術を以て異世界を無双する 目次一覧

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