フォローする
共有
裏切りの愛、復讐の旋律 の小説カバー

裏切りの愛、復讐の旋律

重い血液疾患を抱えながらも、夫・秀夫への献身的な愛を貫いてきた主人公。彼女は奇跡的に子宝に恵まれるが、その命は病に伏せる妹・心歌穂への骨髄提供を強いるための残酷な道具として利用される。夫にとって妻の命は何の価値もなく、ただ妹を救うためだけの存在に過ぎなかった。秀夫に突き飛ばされ、下腹部の激痛と出血に苦しむ彼女に対し、彼は「自分を悲劇のヒロインに見せかける芝居だ」と冷酷な言葉を投げかけ、嘲笑いながら妹の元へと去ってしまう。愛も、未来も、そして宿ったばかりの小さな命さえも踏みにじられた絶望の淵で、彼女の心には冷徹な決意が宿る。彼らが最も欲しがっているものを、自らの手で永遠に奪い去るという復讐の誓いだ。彼女は一人、中絶手術を受けるために病院の予約を入れ、冷たい手術台へと向かう。すべてを捧げた愛は憎悪へと反転し、残酷な裏切りに対する凄絶な報復の幕が今、静かに上がる。
共有

1

稀な血液疾患を抱えながらも, 夫・秀夫のために全てを捧げ, 奇跡的に彼の子供を身ごもった私. しかし, その妊娠は, 病気の妹・心歌穂への骨髄提供を強いるための道具に過ぎなかった.

「お前の命など, どうでもいい! 心歌穂の命が, 何よりも大切なのだ! 」

夫はそう叫び, 私を突き飛ばした. 下腹部に激痛が走り, 足元に血が広がる.

「また芝居か? 本当にお前は, いつも自分ばかり可哀想な人間だと思い込んでいるな. 」

彼は私の苦しみを嘲笑い, 妹の元へと去っていった. 私の愛, 夢, そしてお腹の子の命さえも, 彼らにとっては何の価値もなかったのだ.

絶望の淵で, 私は冷たく微笑んだ.

「分かったわ. あなたたちが最も欲しがるものを, 私がこの手で奪い去ってあげる. 」

私は病院の予約を入れ, 中絶手術台へと向かった. これが, 私の復讐の始まりだった.

第1章

松原百合紗 POV:

「松原さん, 本当にこの選択でよろしいのですね. まだ引き返せます. 一度決行すれば, もう後戻りはできませんよ. 」

目の前の医師が, 私をまっすぐに見つめて尋ねた. 彼の言葉は, まるで私の心をえぐる鋭いナイフのようだった. 私は無言で, ただ首を縦に振った.

「これはあなたの体です. ご自身の意思で決断してください. 」

医師はそう言いながら, 一枚の書類を差し出した. 私の目の前に広がるのは, 私自身の健康診断書だった. そこにはっきりと記されていた. 私の血液は, 希少な疾患を抱えている. この体で妊娠し, 出産することは, 医学的に見ても奇跡に近いことだった. そして, この奇跡が, 今, 私の手によって終わろうとしている.

「この胎児は, あなたの病気を抱えながらも, 驚くほどの生命力を見せています. 医学的には, 信じられないほどのことです. 」

看護師が, 少し興奮気味に付け加えた. 彼女の言葉は, 私の心をさらに締め付けた. この子には, 生きる力がある. それでも, 私はこの子を, 自らの手で葬ろうとしている.

「分かっています. 」

私の声は, 震えていた. しかし, その決意は揺るがなかった.

「今日, 手術をお願いします. 」

私は書類にサインし, ペンを置いた. 私の指先は, 冷たくなっていた. この子を失うことが, 夫と妹に与える最大の苦痛だと知っていた. 彼らが最も欲しがるものを, 私が奪い去る. それが, 私の復讐だった.

「この子は, 生まれてくる価値のある命です. しかし, もしその命が, 不健全な愛と裏切りの産物であるならば, その存在自体が苦しみになるかもしれません. 」

医師の言葉が, 私の心に深く響いた. 私はこの子の存在を否定しているのではない. ただ, この子が生まれてくるべきではない環境を, 私が許さないだけだ.

思考が途切れた. 私は予約を済ませ, 重い足取りで家路についた. 外は, 夕暮れ時だった. 空は灰色に染まり, 私の心のように沈んでいた.

アパートのドアを開けると, 秀夫がソファに座っていた. 彼は手にビールを持ち, テレビの野球中継に夢中になっていた. 私の顔を見ることもなく, 彼は言った.

「遅かったな. 」

彼の声は, 疲れた私をさらに突き放すようだった. 私は今日, 人生で最も重い決断をしてきたばかりなのに, 彼は私の疲労に気づくこともない.

「夕食は? 」

彼は, 私の方を一瞥もせずに尋ねた. その言葉は, まるで私の存在が, 彼の食事を作るためだけに存在しているかのようだった.

「まだ. 」

私は答えた. 私の声は, か細く, 自分でも驚くほどだった.

「早く作れよ. 腹減ってんだ. 」

彼の言葉に, 私の心はさらに冷え込んだ. 私は彼の妻であり, 彼の子供を身ごもっている. なのに, 彼の私への扱いは, 召使いと何ら変わらない.

「どこか出かけていたのか? 」

ようやく, 彼は私の方を見た. しかし, その目は, 探るような, 疑いの眼差しだった.

「病院に. 」

私は正直に答えた. 彼の顔が, 一瞬にして凍りついた.

「病院? 何しにだ? 」

彼の声は, 急に鋭くなった. その変化に, 私の心臓は締め付けられるような痛みを覚えた.

「定期検診. 」

私は嘘をついた. 彼に, 今日の手術のことを話すつもりはなかった. この復讐は, 私一人で完遂しなければならない.

「定期検診でこんな時間までかかるわけないだろう. 何か隠しているのか? 」

彼はソファから立ち上がり, 私に詰め寄ってきた. 彼の顔は, 怒りで歪んでいた.

「隠すことなんて何もないわ. 」

私は顔を背けた. 彼の視線が, 私を焼き尽くすようだった.

「嘘をつくな! どうせ, またお前の病気のことだろう! 心歌穂の骨髄移植に影響が出るようなことでもあったのか! ? 」

彼は私の腕を掴み, 強く揺さぶった. 私の体は, 彼の力に抗うことができなかった. 私の頭の中には, 白い病室の光景がよぎった. 白いシーツの上で, 弱々しく横たわる心歌穂の姿. そして, その傍らに立つ秀夫の, 優しい眼差し.

「私には関係ないわ. 」

私の声は, 震えていた. しかし, その言葉は, 私の心からの叫びでもあった. 私の体は, 心歌穂の治療のためだけに存在しているわけではない.

「関係ないだと? お前は心歌穂の姉だろう! お前が骨髄提供を拒んだせいで, 心歌穂はまだ苦しんでいるんだぞ! 少しは姉としての自覚を持て! 」

彼は私の言葉を遮り, さらに激しく私を責め立てた. 彼の目は, 私を軽蔑しているかのように見下していた.

「私が, どれだけお前のために尽くしてきたか, 分かっているのか? 俺のキャリアを支えるためだと言って, お前はヴァイオリンを捨てた. その恩を, お前はこんな形で返すのか? 」

彼の言葉は, 私の心を深くえぐった. 私がヴァイオリンを捨てたのは, 彼のためだった. 彼の成功を信じ, 彼の夢を叶えるために, 私は自分の全てを犠牲にした. なのに, 彼はそれを「恩」だと. 私の献身は, 彼にとってただの道具でしかなかったのだ.

「私の命が, 心歌穂の命より軽いとでも言うの? 」

私は, 心の奥底に押し込めていた痛みを, ようやく口に出した. 私の体は, 希少な血液疾患を抱えている. 骨髄提供は, 私の命を危険に晒す行為だった.

「何を被害者ぶっているんだ! 所詮お前は, 病気を言い訳にして, 心歌穂を助けようとしない冷血な人間だ! 」

彼は私の言葉を嘲笑った. その顔には, 一切の慈悲もなかった. 私は彼に, 私の苦しみを理解してほしいと願っていた. しかし, 彼の心には, 心歌穂のことしか映っていなかった.

私の体は, 突然の痛みに襲われた. 下腹部に, 鋭い痛みが走った. 私は思わず, お腹を抱えた.

「痛い... 」

私の声は, もはや蚊の鳴くようなものだった.

「また芝居か? 本当にお前は, いつも自分ばかり可哀想な人間だと思い込んでいるな. 」

彼は私の苦しみを, またしても嘲笑した. 彼の言葉は, 私の心を深く傷つけた. 私は彼に, 私の存在を否定されているようだった.

「分かったわ... 分かったから, もう話さないで... 」

私は, 彼の言葉に耐えかねて, 顔を覆った. 私の体は, 震えていた.

「お前は本当に冷たい人間だ. 心歌穂がどんなに苦しんでいるか, 少しも考えたことがないだろう. 」

彼の視線は, 私を嫌悪しているようだった. 私は彼に, 私の存在を肯定してほしいと願っていた. しかし, 彼は私を, 心歌穂の障害物としてしか見ていない.

「私が, どれほどお前を嫌いになったか, 分かっているのか? お前のその薄汚い体が, 俺の目の前から消えてくれればいいと, 何度思ったことか! 」

彼は私の腕を掴み, 私の顔を無理やり持ち上げた. 彼の目には, 憎悪が宿っていた. 私の心は, 彼の言葉によって, 粉々に砕け散った.

「私が, お前を愛していたことなど, 一度もなかったのだ. お前のヴァイオリンの才能に嫉妬し, お前を支配下に置きたかっただけだ. お前はただの道具でしかなかった. 」

彼の言葉は, 私の耳元で響いた. 私は彼の言葉を聞きながら, まるで自分が, 彼の憎しみの対象であるかのように感じた. 彼の言葉は, 私の心に深く刻み込まれた. 私は彼に, 私を愛してほしいと願っていた. しかし, 彼の心には, 私への愛は微塵もなかった.

「もう... 何も, 話したくない... 」

私は, か細い声で答えた. 私の体は, 痛みと絶望で, もはや動くことができなかった.

「俺は, 心歌穂のところへ行く. お前のような冷血な人間と一緒にいるより, ずっとマシだ. 」

彼は私の肩を突き放し, 背を向けた. 彼の足音は, 私の心をさらに引き裂くように, 遠ざかっていった. 私はその場に立ち尽くし, ただ彼の去っていく後ろ姿を見送ることしかできなかった. 彼の言葉は, 私の心に深く突き刺さり, 私の全てを破壊した. 私の体は, 痛みと絶望で, もはや動くことができなかった. 私の心は, 彼の言葉によって, 完全に砕け散った.

「道具... 道具でしかなかったのね... 」

私は, 虚ろな目で, そう呟いた. 私の頬を, 熱い涙が伝った. 私は彼の言葉を何度も心の中で反芻した. 私の全てを捧げた愛は, 彼にとってただの道具でしかなかったのだ. 彼の言葉は, 私の心を深く傷つけ, 私の存在を否定した. 私は彼に, 私を愛してほしいと願っていた. しかし, 彼の心には, 私への愛は微塵もなかった.

「うっ... 」

下腹部に, 再び激しい痛みが走った. 私は思わず, 呻き声を上げた. 足元に, 温かいものが流れ出すのを感じた. 私は震える手で, スカートの裾をめくった. そこには, 赤黒い血が滲んでいた. 私の目から, さらに熱い涙が溢れ出した.

「この子は... この子まで... 」

私は, その場に崩れ落ちた. 私の頬には, 血と涙が混じり合っていた. 私の心は, 絶望の淵に沈んでいた. 私は, この子を, 自らの手で葬ろうとしていた. しかし, この子は, 私にまで見捨てられようとしているのか.

「違う... 違うわ! これは, 私が選んだ道なのよ! 」

私は, 自分自身に言い聞かせるように, そう叫んだ. 私の声は, 震えていた. しかし, その決意は, 揺るがなかった. 私はこの子を, 自らの手で葬る. それが, 私の復讐なのだ.

私は, かすかに残る意識の中で, 冷たい笑みを浮かべた.

「秀夫... 心歌穂... あなたたちが最も欲しがるものを, 私が奪い去る. それが, 私からの最高の復讐よ. 」

私の心には, 冷たい復讐の炎が燃え上がっていた.

おすすめの作品

魔王(の子ども)育成記録 の小説カバー
9.2
長きにわたる激闘の末、ついに世界を救った最強の勇者。しかし、倒すべき宿敵であった魔王が、息を引き取る直前に遺した最後の願いは、あまりにも意外なものだった。それは、自らの血を引く幼き子供を育ててほしいという、切実な託託であった。かつての仇敵との約束を果たすため、世界最強の力を誇る勇者は、剣を振るう戦いの日々から一転、不慣れな育児に奮闘することになる。魔王の子という宿命を背負った幼子を抱え、勇者は新たな冒険の旅へと踏み出す。血の繋がりを超えた絆、そして魔王の遺志を継ぐ子供の成長を軸に描かれる、異世界子育てファンタジー。最強の守護者として、時に厳しく、時に優しく子供を導く勇者の姿は、周囲の人間や世界にどのような影響を与えていくのか。剣と魔法が交錯する王道のアクション要素と、心温まる育成ストーリーが融合した、これまでにない新たな冒険譚が幕を開ける。勇者と魔王の子、数奇な運命に導かれた二人の行く末には、果たしてどのような未来が待ち受けているのだろうか。
追放された“クズ婿”は、世界を震わす絶世の王 の小説カバー
9.0
周囲から「無能な落ちこぼれ」と蔑まれ、肩身の狭い思いをしながら生きてきた一人の婿養子がいた。妻の家族からも人間以下の扱いを受け、犬にも劣る存在として虐げられる日々。そんな彼をさらなる悲劇が襲う。卑劣な陰謀に嵌められた彼は、身に覚えのない罪を着せられ、屈辱にまみれたまま妻の家を追放されてしまったのだ。すべてを失い、どん底に突き落とされた男。しかし、この理不尽な追放劇こそが、眠れる獅子を呼び覚ます引き金となる。彼こそは、かつて世界を震わせた伝説の王者であり、その真の姿を知る者は誰もいなかった。静かに牙を剥き、再び表舞台へと姿を現した絶世の覇者。裏切りと蔑みの果てに、彼は己を貶めた者たちへの逆襲を開始する。隠されていた圧倒的な力とカリスマ性が解放されるとき、世界は未曾有の衝撃に包まれることになる。これは、最底辺まで堕とされたクズ婿が、真の王として覚醒し、運命を自らの手で切り拓いていく壮大な復讐と再起の物語である。彼が歩む道の先には、驚愕の真実と新たな秩序が待ち受けている。
高温末世、私だけが生き延びる理由 の小説カバー
9.2
養子として育った私は、育ての親への恩義から実の両親の遺産を拒み、家族に尽くしてきた。しかし、未曾有の酷暑が世界を襲う中、私の善意は最悪の形で裏切られる。弟の妻が「跡継ぎを産むための薬」を捨てるきっかけを作ったとして、家族から家系を絶やした元凶だと激しく非難されたのだ。灼熱の地獄へと無慈悲に追い出された私は、焼けつくような暑さの中で孤独に命を落とした。ところが、目を覚ますと終末が訪れる前の過去に遡っていた。二度目の人生では、かつて辞退した莫大な遺産をすべて受け取り、最新鋭の設備を備えた完璧なシェルターを建設。来るべき酷暑への備えを万全に整える。冷房が完璧に効いた快適な部屋で、贅を尽くした料理を堪能しながら、私はただ静かにその時を待つ。自分を死に追いやった身勝手な家族たちが、外の世界で灼熱に喘ぎ、絶望の淵に沈んでいく姿を特等席で見届けるために。今度は私が彼らを突き放し、冷徹にその最期を見送る番なのだ。
元は地球の俺ですが、無双してます の小説カバー
8.5
現代の地球から異世界の「元武界」へと転生を果たした青年、黒川隼人。しかし、新たな人生の幕開けに彼を待っていたのは、周囲からの「バカ」という不名誉な評価と冷ややかな嘲笑だった。理不尽な蔑みに晒されながらも、隼人の強靭な精神が屈することはない。彼は己の信念を貫き通し、過酷な修行に身を投じることで、着実に圧倒的な力を手に入れていく。その道のりの中で、彼は個性豊かな美少女たちと巡り合い、絆を深めながら世界の中心へと歩みを進めていくことになる。常識に縛られない型破りな手法で、どん底の評価から異世界の頂点へと駆け上がる、一人の男の壮絶な成り上がり劇。周囲の予想を裏切り、自らの実力で運命を切り拓く隼人の冒険が、今ここに幕を上げる。異世界の理を塗り替える、前代未聞の無双ファンタジーが始まる。
炎の終末世界、私はペットと氷菓を の小説カバー
8.5
姑によって七年共にした愛犬を毒殺され、五年間慈しんだ愛猫を撲殺された主人公。夫からも「子供とペットのどちらが重要か」と詰め寄られ、家族の絆は完全に崩壊していた。そんな中、世界は灼熱の炎に包まれる終末の日を迎える。彼女は出産を終えた直後、用済みと言わんばかりに家を追い出され、容赦なく照りつける太陽の下で焼き尽くされるという悲惨な最期を遂げた。しかし、意識を取り戻すと、そこは世界が滅びる直前の過去だった。今度こそ大切な家族を守り抜くと誓った彼女は、迷わず堕胎を選択し、犬や猫を連れて地獄のような家から脱出する。極限の高温によって姑一家が飢えと渇きに苦しみ、絶望的な生活を強いられる一方で、彼女は自ら築き上げた強固なシェルターへと逃げ込んでいた。外の世界が灼熱の地獄と化す中、彼女は涼しい冷房の効いた部屋でアイスを堪能し、愛する猫や犬と心穏やかに戯れる。かつての裏切り者たちを尻目に、誰よりも贅沢で幸福な終末生活を謳歌していく。
インターン枠を奪われて、母は修羅と化す の小説カバー
9.0
国家機密に関わる極秘任務を完遂した直後、私の元に娘から歓喜の報告が届いた。一年間の努力が実り、念願だった国連事務局のインターンに合格したというのだ。準備に勤しむ娘の姿を誇らしく思っていた矢先、事態は急転する。娘のGPSが校内で途絶えたことに胸騒ぎを覚え駆けつけると、そこには屈辱的な光景が広がっていた。娘は壁際に繋がれ、一人の少女から「身の程知らず」と嘲笑されていたのだ。傍らの教員も、少女の親が国内屈指の富豪と国家級の専門家であることを理由に、娘のポストを奪うことを当然のように肯定していた。しかし、その少女が誇示する両親の肩書きを聞いた瞬間、私は激しい違和感に襲われる。全国一の富豪と国家級の専門家——それは他ならぬ、私と私の婿養子の夫のことではないか。娘の未来を無残に踏みにじった者が、まさか身内の隠し子だというのか。私は怒りを抑え、真実を確かめるべく夫へと電話をかけた。愛する娘の尊厳と、必死に掴み取った夢を取り戻すため、修羅と化した母の反撃が今ここから始まる。