イカした恋とイカレた妖刀の冒険譚 の小説カバー

イカした恋とイカレた妖刀の冒険譚

9.2 / 10.0
武芸の道に全てを捧げ、ストイックに己を磨き続けてきた傭兵時代。しかし、待っていたのは無慈悲な敗北と挫折の記憶だった。そんな過去を持つ主人公が流れ着いたのは、巨大なカイザード帝都。そこで彼は、捨て犬のような境遇からボトマーズギルド・ハニカムに拾われることになる。かつての面影はどこへやら、現在の姿は「怪人イカ男」と呼ばれるイカの姿をした異様な怪人。さらには、何事にも無気力で面倒を嫌い、金欠に喘いでは物事が裏目に出るチンピラのような男へと転生を遂げてしまっていた。本作は、そんな風変わりな主人公を中心に、物語の語り手が次々と入れ替わる独創的な構成で描かれる新感覚のファンタジー・アクションだ。イカした風貌のイカれた妖刀使いが、混沌とした帝都を舞台にどのような冒険を繰り広げるのか。先の読めない展開と独特の語り口が、読者を不思議な世界観へと引き込んでいく。かつての挫折を胸に秘めた男の、斜め上を行く新たな人生が幕を開ける。

イカした恋とイカレた妖刀の冒険譚 第1章

 まとわりつく血煙の中、赤黒い刃が閃く。

 ゼェハァと荒い呼吸‥‥片っ端から斬って斬って斬りまくる。

 意思に関係なく、身体が動いてる!?

<吾妹ハ、何処ダ‥‥?>

 俺の口から、知らない声が発せられた。

 ワギモって、古典表現で恋人を指す言葉だな。

 逃げ出そうとした足を掴まれる。

 血塗れな手の群れが迫りくる。

<全テヲ捨テ、頂点ヲ目指スモ、マタ一興>

 再び、赤黒い刃が閃く。

 亡者共の手を斬り払う不快感は、やがて快感に塗り潰されていく。

 暗闇と血煙の戦場を駆け回り、斬って斬って斬りまくる‥‥。

≪ZuSha‥‥ZaShu‥‥≫

「「僕‥‥? 拙者‥‥? 俺‥‥?」」

 他の誰かとシンクロするような感覚。

 斬る度に、大切な何かが消えていき、塗り替えられていく。

 斬って斬って斬ってきってきってキッテキッテ斬ってきってキッテキッテ斬って

 キッテキッテキッテ斬って斬って斬ってきってきってキッテキッテ斬ってきって

 キッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ斬って斬って斬ってきってきってキッテ

 キッテ斬ってきってキッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ斬って斬って斬って

 きってきってキッテキッテ斬ってきってキッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ

<良イゾ、良イゾ‥‥、砕ケヌ身体。思ウ存分斬レル>

 オマエは誰だッ!

 俺の名は‥‥。

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イカした恋とイカレた妖刀の冒険譚 目次一覧

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