「イカした恋とイカレた妖刀の冒険譚」のあらすじ
武芸の道に全てを捧げ、ストイックに己を磨き続けてきた傭兵時代。しかし、待っていたのは無慈悲な敗北と挫折の記憶だった。そんな過去を持つ主人公が流れ着いたのは、巨大なカイザード帝都。そこで彼は、捨て犬のような境遇からボトマーズギルド・ハニカムに拾われることになる。かつての面影はどこへやら、現在の姿は「怪人イカ男」と呼ばれるイカの姿をした異様な怪人。さらには、何事にも無気力で面倒を嫌い、金欠に喘いでは物事が裏目に出るチンピラのような男へと転生を遂げてしまっていた。本作は、そんな風変わりな主人公を中心に、物語の語り手が次々と入れ替わる独創的な構成で描かれる新感覚のファンタジー・アクションだ。イカした風貌のイカれた妖刀使いが、混沌とした帝都を舞台にどのような冒険を繰り広げるのか。先の読めない展開と独特の語り口が、読者を不思議な世界観へと引き込んでいく。かつての挫折を胸に秘めた男の、斜め上を行く新たな人生が幕を開ける。
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イカした恋とイカレた妖刀の冒険譚 第1章
まとわりつく血煙の中、赤黒い刃が閃く。
ゼェハァと荒い呼吸‥‥片っ端から斬って斬って斬りまくる。
意思に関係なく、身体が動いてる!?
<吾妹ハ、何処ダ‥‥?>
俺の口から、知らない声が発せられた。
ワギモって、古典表現で恋人を指す言葉だな。
逃げ出そうとした足を掴まれる。
血塗れな手の群れが迫りくる。
<全テヲ捨テ、頂点ヲ目指スモ、マタ一興>
再び、赤黒い刃が閃く。
亡者共の手を斬り払う不快感は、やがて快感に塗り潰されていく。
暗闇と血煙の戦場を駆け回り、斬って斬って斬りまくる‥‥。
≪ZuSha‥‥ZaShu‥‥≫
「「僕‥‥? 拙者‥‥? 俺‥‥?」」
他の誰かとシンクロするような感覚。
斬る度に、大切な何かが消えていき、塗り替えられていく。
斬って斬って斬ってきってきってキッテキッテ斬ってきってキッテキッテ斬って
キッテキッテキッテ斬って斬って斬ってきってきってキッテキッテ斬ってきって
キッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ斬って斬って斬ってきってきってキッテ
キッテ斬ってきってキッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ斬って斬って斬って
きってきってキッテキッテ斬ってきってキッテキッテ斬ってキッテキッテキッテ
<良イゾ、良イゾ‥‥、砕ケヌ身体。思ウ存分斬レル>
オマエは誰だッ!
俺の名は‥‥。
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イカした恋とイカレた妖刀の冒険譚 目次一覧
新着リリース小説

8.9
無敗の弁護士「ネメシス」としての輝かしい経歴を封印し、私は三年間、東京地検のエース検事・神宮寺圭を支える献身的な妻として生きてきた。しかし、結婚記念日の夜に彼が口にしたのは、かつての恋人の名前だった。決定的な決別はレストランで訪れる。ウェイターが熱湯をこぼした瞬間、圭は私を顧みず、元カノのほのかを身を挺して守った。重傷を負い、水ぶくれに苦しむ私に彼が投げつけたのは、一枚のカードと冷淡な言葉だけ。その冷酷な仕打ちに、愛を捧げた妻としての私は死んだ。三ヶ月後、私はかつての伝説的な弁護士として再び法廷に立つ。対峙するのは、自身のキャリアを懸けた重要事件を担当する検事の圭だ。物静かな主婦が裏の世界で恐れられる「ネメシス」本人だとは、彼は知る由もない。私は法曹界の頂点から、愛を裏切り、私を捨てた男の完璧な無敗記録を完膚なきまでに叩き潰すことを誓う。これは、すべてを失った女が、自らの知性と実力で過去を清算し、誇りを取り戻すための復讐劇である。

9.2
二十年以上も「優等生」として生きてきた彼女が、人生で初めて二つの大胆な過ちを犯した。一つは親友との約束を果たすため、その双子の兄弟に猛烈なアプローチを仕掛けたこと。そしてもう一つは、泥酔した勢いで派遣された男性モデルに「フルコース」の夜を求め、挙句の果てには入籍まで済ませて自宅へ迎え入れてしまったことだ。親友は「罠に嵌められた」と憤慨するが、彼女が夫から渡された銀行カードの残高を確認すると、そこには見たこともない桁数の「0」が並んでいた。モデルという職業でこれほどの巨万の富を得られるものなのか。疑問を抱く間もなく、彼は全国を飛び回る多忙なスケジュールの合間を縫って、執拗なまでに「夫婦の義務」を求めてくる。そんなある日、遅れて参加した家族との食事会で、彼女はさらなる衝撃の事態に直面する。なんと、自分の「モデルの夫」が、自分よりも親友と親しげに接しているのだ。果たして、一夜の過ちから始まった新婚生活の裏に隠された、彼の真の正体とは。

9.6
新年会の帰り際、主人公はマネージャーを名乗る女から、身に覚えのない不当な支払いを強要される。架空請求だと断固として拒絶するが、女は傲慢な態度を崩さず、言葉の暴力で畳み掛けてきた。「我が財閥の名誉を汚す気か」と毒づく女は、さらなる衝撃の事実を突きつける。なんと、彼女はこのグループの頂点に君臨する総帥の妻、すなわち「会長夫人」だと自称したのだ。その言葉を聞いた主人公は、あまりの荒唐無稽さに思考が停止してしまう。なぜなら、冷徹と恐れられるあの会長と正式に結婚し、真の妻として日々を共にしているのは、他でもない自分自身だったからだ。目の前で赤の他人が堂々と正妻の座を騙るという異常事態。この女は一体何者なのか。事の真相を確かめるべく、主人公はすぐさま最愛の夫へと電話を繋ぐ。「初耳だわ。いつから私の他に『二番目の妻』を囲っていたの?」静かな怒りを湛えたその問いかけが、偽りの平穏を打ち砕き、巨大財閥を揺るがす波乱の幕開けとなる。真実の愛と権力を巡る、スリリングな物語が今始まる。

9.4
結婚3年目を迎えた如月璃奈と時任悠真の夫婦。平穏な日々は、璃奈の元恋人が現れたことで一変する。執拗に付きまとう男は「復縁する予定だ」という嘘を世間に流布し、璃奈は記者会見の場で窮地に立たされてしまう。非難の目が向けられたその時、会場に現れたのは冷徹な社長として知られる夫の悠真だった。彼は毅然とした態度で璃奈を抱き寄せ、結婚指輪を誇示しながら「彼女は私の妻だ」と宣言する。激昂する元恋人を前に、悠真は衆人環視の中で璃奈に深い口づけを落とし、彼女への独占欲を露わにした。璃奈はこの振る舞いを窮地を脱するための演技だと思い込もうとするが、高鳴る鼓動を抑えきれない。さらに親族から跡継ぎについて問い詰められた悠真は、璃奈の手を強く握り「すぐに作ります」と宣言し、彼女を翻弄していく。冷徹な仮面の裏に隠されていたのは、悠真が長年抱き続けてきたあまりにも熱烈な純愛だった。契約に近い関係だと思っていた夫の、甘く危険な本性を知った璃奈の運命は大きく動き出す。

8.5
七年の歳月、四年の嘘
8.5
結婚七年目を迎えた私の日常は、寝室から漏れ聞こえる艶めかしい吐息によって音を立てて崩れ去った。そこにいたのは、愛する夫の涼介と、私が才能を信じて学費まで支援していたインターンの希亜だった。二人の裏切りは四年に及び、献身的に尽くしてきた私の信頼は無残に踏みにじられる。翌朝、涼介は平然と朝食を準備しながら私への永遠の愛を口にするが、その傍らには彼のシャツを纏った希亜が、彼の子を宿して座っていた。私との間には決して望まなかった子供を、裏切り相手との間に作っていたのだ。世界で最も信じていた二人による残酷な共謀を知り、私の心は再生不能なほどに破壊された。復讐という名の執着すら捨て去りたい私は、ある脳科学者に連絡を入れる。目的は、彼が研究する不可逆的な記憶消去手術の被験者になること。夫に関するすべての記憶を脳から抹消し、この地獄のような現実から完全に逃避するために、私は未知の領域へと足を踏み入れる決断を下す。

8.9
妊娠8ヶ月の身でありながら、土砂降りの雨の中で夫に土下座したあの日。実家の破産を救ってほしいと縋る私に、夫は初恋の女性を抱き寄せながら残酷な真実を告げた。「お前の家を潰したのは俺だ」と。復讐のために愛を演じていたと嘲笑われ、私はお腹の子と共に絶望の淵で命を落とした――はずだった。しかし、意識を取り戻すと、そこは妊娠が判明したばかりの「過去」だった。目の前では、夫がかつてのように優しくエビの殻を剥き、「どんな指輪が欲しい?」と甘い言葉を囁いている。その献身的な振る舞いも、全ては私を地獄へ突き落とすための偽善。吐き気がするほど醜悪な夫の微笑みを前に、私は静かに決意する。同じ悲劇を繰り返すつもりはない。今度は私が、この男が築き上げた全てを奪い、完膚なきまでに破滅させてやるのだ。二度目の人生を懸けた、壮絶な復讐劇が今幕を開ける。












