
年下の男
章 3
涼平とは、小説を書くサイトで知り合った。
「ずっと一位ってすごいね!」
涼平は都道府県ごとのランキングで、何度も一位をとっていた。 独特の世界観の小説に、私もファン登録していた。
『ね、会ってみない?こんなに近所だなんて、これは何かの運命かも?』
涼平は軽いノリで誘ってきた。
『いいけど...がっかりするよ、あなたの周りは若い子ばかりだから』
涼平は、サイトで写真もアップしてた。 金髪で、耳には大きなピアス。 唇にもピアス。 サイトでやりとりしてる分には、なんとでも言える。 でもね、実際会ってしまうと17歳年下だという現実に、落胆してしまうのは私の方だ。
『いいじゃん!俺は絵里ちゃんに興味津々だし、直接会って話がしたいな』
なぜこんなに年上の私に会いたがるのか不思議だったけど 17も年が違うし、おかしなことにはならないだろうなと思った。
そんな感じで、会うことになった。 待ち合わせは、車で15分ほどの喫茶店。 私は涼平の顔を知っているけど、涼平は私の顔をしらない。
『先に行ってるから、絵里ちゃんが俺を見つけてね』
車をとめて中に入る。
カランコロン♬
「いらっしゃいませ、おタバコ吸われますか?」 「あ、えっと、待ち合わせなので...」
くるりと中を見渡す。 窓辺の奥の席に、それらしい人を見つけた。 ゆっくり近づいていく。
「あの...」
「あ、もしかして、絵里ちゃん?」
サラサラと、金髪の前髪が揺れた。
まるで雑誌から 抜け出したモデルのように、綺麗な顔をしていた。
「はじめまして、絵里子です」
「はじめまして、涼平です」
緊張した、少しだけ。 そりゃ、初対面だから。
「写真のまんま、だね」
「そう?絵里ちゃんは、思ってたより...」 「思ってたより、何?おばさん?がっかりした?」 「ちがう、反対だよ、若くてびっくりした。本当に年齢、ごまかしてない?」
「ごまかしてません!涼平くんに会うのにそんな必要ないでしょ?」
「じゃあホントに41歳?」
目を丸くして私を見る。 クルクルの目を見た。
「そうだよ、年は誤魔化す必要ないよ。ね、てか、カラコン?目が青い!」
「ということは、俺の母親とそんなに変わらないじゃん!マジで?あ、これカラコンだよ」 「あー、改めて年の話をされると、ちょっと凹むわ」
テーブルに置かれたアイスオレをゴクリと飲む。
「なんで凹むの?めちゃくちゃ若く見えるんだけど」
「もういいって!年の話は。あ、そうだ、新作読んだよ。あれも評判いいね」
照れ臭くて、涼平の新作の話を出した。
「新作ねー、あれちょっと行き詰まってて...」
ごくありふれた喫茶店で、こんな若い子と話してる。
_____周りから見たら、どう見える? 保護者?
涼平は、24歳だとプロフィールに書いてあったけど、20歳未満にも見える。 これは、親子に見えるかも?そんな気がした。
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