
愛が死ぬ時、復讐が始まる
章 3
黒田源一郎は、隆弘の法科大学院時代の恩師だった。
佳蓮は、私たちが結婚するずっと前から、隆弘のそばにいつもいた。
彼女は彼への恋心を隠そうともせず、それが私を苛立たせなかったと言えば嘘になる。
「彼女はただの子供だよ、恵麻」
隆弘は笑い飛ばしながら言った。
「彼女の父親は俺にとって重要なんだ。彼女に親切にしなくちゃいけない。何の意味もないよ」
私は彼を信じていた。
彼が法廷に立ち、私を怠慢な母親、ヒステリックな女、犯罪者と呼んだ時でさえ、彼を信じていた。
何か別の理由が、私には見えない隠された真実があるのだと信じていた。
今、すべてが完璧な、恐ろしいほどの明瞭さで見えた。
彼らの情事は、おそらく何年も続いていたのだ。
その夜、私たちのベッドで眠ることは耐えられなかった。
私は毛布を取り、蓮の空っぽの部屋の、冷たく硬い床に丸くなった。
真新しいペンキの匂いが、鋭く、無機質だった。
夜中のどこかで、私は眠りに落ちていたに違いない。
目が覚めると、もう一枚の毛布、私たちのベッドから持ってきた柔らかいカシミアの毛布が、私にかけられていた。
隆弘。
その仕草は、私が結婚した男、私がソファで眠ってしまったら毛布をかけてくれる男をあまりにも彷彿とさせた。
一瞬、私たちの失ったものへの幻の痛みで、胸が疼いた。
そして、苦々しさが戻ってきた。
彼はまだ役を演じている。
これは、彼の長く、歪んだゲームにおける、また一つ計算された動きに過ぎない。
私は汚染されたかのように、毛布を押しやった。
それは隅に、山となって崩れた。
プリペイド携帯が震えた。
千里からのメールだ。
進展あり。佳蓮の元運転手が話す気になった。あの日の車の情報を持っているかもしれない。家の中も何か探してみて。気をつけて。
私は主寝室の方を見た。
隆弘の書斎の方へ。
そうだ。何か見つけてやる。
階下へ降りた。
階段の底で、陽気な笑い声が私の足を止めた。
佳蓮がいた。
私のキッチンに。
彼女は隆弘の腕に抱かれ、楽しそうに笑いながら頭をのけぞらせていた。
彼は彼女の首筋にキスをしていて、彼の肌についた彼女の口紅の真っ赤な跡が、焼き印のようだった。
私は手すりを握りしめ、指の関節が白くなった。
その光景は、腹に食らったパンチのようだった。
「佳蓮」
私は、張り詰めた声で言った。
「ここで何してるの?」
隆弘が振り返り、彼女から少し身を引いた。
彼は気まずそうな顔をするだけの良識はあった。
「恵麻。佳蓮はただ…君がいない間、いろいろと助けてくれたんだ。家のことを」
「刑務所にも面会に来てくれたわよね」
佳蓮が、病的なほど甘い声で付け加えた。
「それに、毎年蓮くんの誕生日にもお参りに行ってくれた。私たち、彼女を蓮くんの名付け親にする儀式までしたのよ、ねえ、隆弘さん?」
血管の中の血が逆流し、熱く、めまいがするような波となって頭に殺到するのを感じた。
「あなたに権利はない」
私は、煮えくり返る思いで言った。
「彼の名前を口にする権利さえ。人殺しが、殺した相手を悼む権利なんてない」
隆弘は私と目を合わせなかった。
彼は私の肩越しの一点を見つめていた。
「神父様に祝福してもらったんだ、恵麻。それが彼のためになると思ったんだ」
世界が沈黙した。
彼の言葉の、途方もなく、冒涜的な恐怖で、空気が張り詰めた。
血が氷の破片に変わったように感じ、血管の内側を削っていく。
あまりの痛みに、言葉も出なかった。
佳蓮は、自分の勝利を確信し、百合の花束を持って私に近づいてきた。
そのむせ返るような香りが、肌を這うようだった。
「出所おめでとう、恵麻さん」
彼女は喉を鳴らすように言った。
「新しい人生の始まりね」
私は彼女の手から花を叩き落とした。
花びらが床に散らばる。
叫びたい、彼女を引き裂きたい。
でも、私はあまりにも消耗し、空っぽだった。
「疲れてるみたいね」
佳蓮は、目をきらめかせながら言った。
「受刑者734番。刑務所暮らしは、誰にでも合うわけじゃないみたいね」
番号。私の番号。
「はい」
私は自動的に答えた。
その返事は、三年間、点呼と人数確認で叩き込まれた条件反射だった。
佳蓮は甲高く、勝ち誇ったような笑い声を上げた。
「あら、冗談よ!あなたって、本当に神経質ね」
隆弘の眉がひそめられた。
「佳蓮、もういい」
「あら、やめてよ、あなた」
彼女は、ふざけて彼の胸を叩いた。
彼らは私の前でいちゃつき、彼らの親密さを、さりげなく、残酷に見せつけた。
ナイトスタンドの中のランジェリーの箱を思い出した。
魂の中の冷たさが、固い氷の塊になった。
その夜、私はダウンタウンの静かなファミリーレストランで千里と会った。
この苦しみは、もう終わりにしなければならない。
彼らから離れたい。
でも、蓮の正義を果たさずには去れない。
「ひどい顔よ、恵麻」
千里は、心配そうな顔で言った。
彼女は水の入ったグラスを私の方へ押しやった。
「うちに来なさいよ。あんな家に、彼と一緒にいちゃだめよ」
「いいえ」
私は、きっぱりとした声で言った。
「いなきゃだめなの。証拠を見つけるには、それしかない。彼らに近ければ近いほど、いい」
ちょうどその時、レストランのドアが開き、聞き慣れた、耳障りな声が低いざわめきを切り裂いた。
佳蓮。
彼女は、息子の手を引いていた。
私の目は、無意識にその男の子に引き寄せられた。
隆弘の歩き方をしている。
あの頃の蓮に、とてもよく似ていた。
佳蓮は私が見ているのに気づいた。
彼女は男の子を自分の後ろに引き寄せ、まるで私が怪物であるかのように彼をかばった。
そして、彼女は言った。
レストラン全体に聞こえるほど大きな声で。
「あのおばさんから離れてなさい、坊や。あのおばさんは人殺しよ。自分の子供を殺したの」
レストランは静まり返った。
すべての視線が、私に注がれる。
佳蓮は、したり顔で私たちのテーブルにやってきた。
「それで、734番、外の生活には慣れた?食事は美味しい?ベッドは柔らかい?」
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