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朝目が覚めたとき、私は魔女でした の小説カバー

朝目が覚めたとき、私は魔女でした

現役大学生である姫野雫の日常は、あまりにも唐突に幕を下ろした。大学での講義を終え、疲れ果てて自宅のベッドに身を投げ出した彼女は、抗いようのない眠りに落ちてしまう。しかし、次に目を覚ました彼女を待っていたのは、見慣れた自室の風景ではなかった。差し込む陽光に照らされていたのは、見たこともない調度品や見知らぬ天井。そして傍らには、黒と白が基調のワンピースと、怪しく光る黒紫の三角帽子が置かれていた。さらには、ただの木の棒とは思えない「魔法の杖」までもが彼女の手に届く場所にあったのだ。こうして、朝の目覚めとともに異世界への転生を果たした雫は、伝説に語られるような魔女としての人生を歩み始めることになる。元の世界での常識が通用しない未知の環境で、彼女は魔法の力を糧に広大な世界へと足を踏み出す。果たして、魔女となった雫の行く手にはどのような出会いと試練が待ち受けているのだろうか。新しい自分を受け入れ、一歩ずつ進む彼女の冒険が、今ここから静かに、そして鮮やかに幕を開ける。
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2

転生してから3日経って分かったことは、この街は魔女に対してとても優遇されていて、いろんなものが半額や無料になる事が多く、しかもこの街には私以外の魔女を見たことが無い。もしかしたらいないのかも。

 空を飛んでいる魔女もいないし。

 そういえば、私って飛べないのかな? 飛び方も知らないし、ほうきも無いし。

 そもそもほうきで飛ぶのかどうかもわからないし。

 でも、魔女と言ったらほうきで空を飛ぶと言うのが定番だよな。

 夜に魔法の本を少しずつ読んでいるけど、飛び方すら見つけていないし。

 朝、いつものように朝日で起きて魔女服に着替えて、朝ごはんを作りに行く。

 この家は転生して一日目にすべての部屋を見て回ったから、ある程度把握している。

 見て回って分かったことは、この家は一人で暮らすには、もったいないくらい広い家。

 転生してから思ったけど、この家って家具やいろんな道具がそろっていて「誰か住んでいたのかな?」って思っていたけど、家具と道具が新しいから多分違う。

 でも、冷蔵庫が無いのは不便だけど、異世界だから仕方がないことだとわかっているし、そんなに困っていないから問題ない。

 あ、魔法は毎日少しずつ練習していて、黙々と成長している。

 杖だって魔法の力で刹那の時間で出すことが出来るようになった。

 でも、杖を刹那の時間で出せられるようになっても、ほうきで飛んでみたいな。

 せっかく魔女になったし。

 魔女って言ったら「ほうきで空を飛ぶ!」って言うイメージがある。私だけかな? そんなことないよね。

 さて、今日は何をしよう? 魔法の練習は毎日夕方にやっているし、今日はお昼から始めようかな? 

 とりあえず朝ご飯を食べてから考えよう。

 ゆっくり朝ごはんを食べて、魔女服に着替えて外に出る。

 今日もいい天気だ。まるで5月の上旬のような風と気温。とても過ごしやすい。

「今日もいい天気だな」

 私はいつも一日目にパンを食べた河川敷で魔法の練習をしている。

 意外と広くて、いい風がたまに吹いてきてとっても気持ちいから。

 それにあんまり人はいないから。

 河川敷に行く前にパン屋さんに行って、お昼ご飯を買ってから行こう。

 最近いつもお世話になっているパン屋さんに足を運ぶ。

 今日は何のパンがあるかな。

 このパン屋さんにあるクロワッサンがとっても美味しい。

「こんにちは。今日はどんなパンがありますか?」

「魔女さん。今日も来てくれたのかい。ちょうどバゲットが焼きたてだよ」

 パン屋さんのおばあさんが、バゲットの乗ったプレートを持ちながら言った。

 確かにおばあさんの持っているプレートから「焼きたてだよ!」と言っているかのような匂いがしてきた。

「おいしそうですね。そのバゲットといつもクロワッサンを一つずつください」

「はいよ」

 おばあさんが紙袋にバゲットとクロワッサンを一つずつ入れて、渡してくれた。

「ありがとうございます」

パンを受け取ってお金を払う。

「まいど」

 お金を払って、2種類のパンの入った紙袋を持っていつもの河川敷に向かう。

 そういえば、このお金って無くなる前に稼ぐ方法を考えなくてはいけないな。

 思ったより小袋のお金は沢山あるし、この街は魔女に対して優遇されているから、すぐには無くならないけど、いずれはなくなる代物だからどこかで稼がないといけない。

 転生する前は、近くの喫茶店でバイトをいて生活していたし、大学は両親が亡くなってからは奨学金でないと通えないから、奨学金で通っていた。

 河川敷に到着して、ちょっとだけこの焼きたてのバゲットを食べてみることにする。

 せっかく焼きたてだと言うし、紙袋の上からでも焼きたてだと言うことがわかるくらい温かい。

 紙袋からバゲットの半分より少し少ないくらいの量を千切り取って、ちょっと大きく口を開けて頬張る。

 美味しい。小麦粉の香りがするし、やっぱり焼きたてのパンだから美味しいな。

 朝ご飯を食べたて2時間ちょいくらいして、バゲットを約半分食べてしまった。これは太るかな。

 まぁ、夕飯を減らせばいいだけなんだけど。

 でも、そんなこと言ったら転生してから、転生する前に比べて食べる量が増えたんだよな。

 転生してからも自炊はいているけど、つい作りすぎてしまう。

 転生する前は作りすぎても、冷蔵庫に入れておけばよかったけど、ここには冷蔵庫が無いから作りすぎたら食べちゃわないといけないから、転生前に比べて食べ過ぎてしまう。

 冷蔵庫の有難さがよくわかるな。

 バゲットを食べ終えてやっと魔法の練習を始める。

 最初に昨日練習した魔法を一通りやって、ちゃんと出来るか確認する。

 出来なくなっていたらいざと言う時に困るから。

 昨日出来るようになった魔法を一通りやって、ちゃんと出来ることを確認して、新しい魔法の練習に取り掛かる。

「えっと、昨日はこのページまでやったから、今日は次のページっと」

 本を1ページめくって題名を読むとそこには「ほうきでの飛び方」と書いてある。

 おう、これでようやく魔女らしいことが出来るようになる。

 「ほうきでの飛び方」を読む。

「なになに。【ほうきで空を飛ぶにはほうきが必要です。】・・・・要するにほうきが無いと飛べないということか」

 あれ? 買わないといけない? 

 読み進めていくと「ほうきは魔法協会に売っています」と書いてある。

 魔法協会? そんなものがこの世界にあるとは思わなかった。

 まぁ、魔女がいるくらいだから、魔法協会の一つや二つはあるのか。

 魔法協会ってどこにあるんだ?

 バックから魔女専用の地図を出して魔法協会の位置を調べる。

 魔法協会はこの国「リエルジー」ではなく、隣の国の「魔法国マーキスクロック」という所にあるらしくて、ここから歩くと2日はかかりそうな所にある。

 これは旅の準備をしないと買いに行けないな。

何かネット通販的なものはないかな。

 あったら使いたいけど、流石に無いだろうな。

 もしかしたら、魔法で出来るのかもしれないけど、その方法を探さないといけないな。

 まぁ、一回家に帰って準備をしないと、魔法協会に行けないから家に帰ろ。

 河川敷で魔法の練習をやめて、パンが入った紙袋を持って家に帰る。

 家に着くと、玄関の前に木箱が置いてある。

 そっか、この世界には段ボールなんてないから、箱と言ったら木箱なのか。

 なんの箱だろう?

 木箱を家の中に待ち運んで中を開けてみる。

 すると中には手紙と何やらいつも付けているのと別のバッチが入っている。

 何かよくわからないけど、中に入っている手紙を読んでみよ。

手紙には、

【魔女アリーシャ様。

この世界の魔女は魔法協会の名簿に名前を刻むようになっております。

ですが魔法協会の名簿にアリーシャ様の名前がありませんので通知させて頂きました。

 魔法協会にお越し頂いて、魔法協会の名簿に名前と魔女名を登録して下さい。

 なお、同封してあるバッチは、魔法協会に入るときに必要になりますのでお付けになってから入ってください。

 よろしくお願いします。】

 と、書かれてある。

 魔法協会に名前が刻まれてない? 転生したから?

 転生したときに、そういうこともやっておいて欲しかった。

 てか、私が転生して3日くらいしか経ってないのに、私がいるってよくわかったな。

 魔法の力って言われてしまったら、それまでなんだけど。

 ん? 魔女名? 私にはそんなはないと思うけど?

 ブローチには名前しか書いてないし、魔女名なんて初めて聞いた。

 なんて説明したらいいんだろう。

 勝手に付けていいものなのかな。でも、勝手に付けたらどうせすぐわかるだろうし、でも「転生しました」なんて、誰の信じてくれないだろうし。

 ま、そんなことは行ってから何とかなるかな。

 ほうきを買いに行って、名簿に名前を刻んで帰ってくるか。

 今日は魔法協会に行く準備をして、明日の朝から歩くか、なんか公共交通機関的なのがあったらそれを使って行こう。

 手紙を読んで、お昼を食べて魔法協会に行く準備をしていると、外が徐々に暗くなってきた。

 よし、夕飯を食べて今日はもう寝ようかな。

 魔法国マーキスクロックって一体どういう所なんだろう。楽しみだな。

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