
190cmの狂犬は、私を身籠もらせたい。
章 2
私は驛站の隅に山積みされた巨大な荷物を指差した。
「しんれつ、緊張しないで。 あの箱を見える?」
彼は私の指を辿って見た。
少し疑問を抱いたような目をしている。
「見えます。 」
「簡単な仕事だよ。 赤いラベルの箱を全部あの三輪車に乗せて、青いラベルのものは倉庫の奥まで運んでください。 」
しんれつは呆然とした。
彼は振り向いて私を見て、 初めて 「驚愕」 という表情を浮かべた。
「私を買ったのは、箱を運ぶためですか?」
私は当然のように頷いた。
「そうでなければ、あなたを大事に扱うとでも?二千五百円払ったんだから、この金額を取り戻してもらわないと。 」
しんれつは黙ったままだった。
彼の不思議な緑色の瞳には複雑な感情が浮かんでいた。
屈辱のようでもあり、ほっとしたようでもあり、微かな熱狂も混じっているようだった。
彼は何も言わず、荷物の山へ向かった。
両開きの大きな冷蔵庫は、木枠の包装も含めて少なくとも150キロはある。
普段なら二人の作業員を雇って運ばせるところだが、そのたびにタバコ代も払わなければならない。
しんれつは近づき、片手で木枠の端を掴み、腰と背中に力を入れた。
あの巨大な箱を肩に担いでしまったのだ。
まるで綿の袋を担ぐかのように軽々と。
私は目を見張った。
これは思わぬ拾い物だ。
ここにいるのは凶暴な狼男ではなく、 私の福の神だ。
しんれつは冷蔵庫を三輪車の横に運び、そっと置いた。
彼は振り返り、私を見た。
何か指示を待っているようだったり、報酬を求めているようだった。
私は彼に歩み寄り、彼の埃だらけの肩を軽く叩いた。
「よくやった。 続けて、残りの百個も運んで。 」
しんれつの少し上がっていた顎が固まった。
彼は信じられないように私を見た。
「百個?」
「そうだよ、早くね。 六時までに出発しないと。 」
私は急かしながら、書類を確認しに行った。
背後からは重い足音と箱が地面に置かれる音が聞こえてきた。
しんれつはずっと働き続けた。
午後の間ずっと、このエアコンのない蒸し暑い驛站で、彼は一人で三人分の仕事をこなした。
汗が彼の顎のラインを伝い、彼の古びたタンクトップを濡らしていた。
そのホルモンの匂いが汗の香りと混じって空気中に漂っていた。
私は時折顔を上げ、彼が物を運びながら私をじっと見ているのが見えた。
その視線は熱かった。
まるで私の体に穴を開けようとしているかのように。
しかも、彼はずっとあの奇妙な歯ぎしりの音を止めなかった。
ギシギシ。 ギシギシ。
聞いていると歯が痛くなる。
夜になり、仕事が終わった。
私は彼に弁当を渡した。 中には大きな鶏の腿が二つ入っている。
「食べて。 今日よく頑張ったね。 」
しんれつは弁当を受け取ったが、すぐには食べなかった。
彼は私の前に立ち、大きな影が私を覆った。
彼は頭を下げ、鼻先が私の首元に触れそうになった。
その熱気が私の肌にかかった。
「姜離。 」
彼は私の名前を呼んだ。
声はひどくかすれていた。
「とてもきつい。 」
私は驚いて、彼が疲れたのか熱中症になったのかと思った。
「どこが辛いの?腰を痛めたの?」
私は彼の腰に手を伸ばした。
手が彼の筋肉に触れた瞬間、しんれつは全身を震わせた。
彼は突然私の手首を掴んだ。
その力は恐ろしく強かった。
しかし、すぐに力を緩め、軽く握っているだけになった。
彼の瞳の緑色は深くなり、呼吸が荒くなった。
「歯がうずく。 何かを噛みたい。 」
私は安心して息をついた。
「びっくりした!仕事で怪我したかと思った。 歯がうずくのは当たり前、狼だからね、歯ぎしりは本能だよ。 」
私は引き出しから自分用に取っておいた乾燥ビーフジャーキーを取り出し、彼の口に押し込んだ。
「これを噛んで。 噛み応えがあるよ。 」
しんれつはビーフジャーキーをくわえた。
一瞬、彼の表情は空白になった。
そして、あの歯ぎしりの音がさらに激しくなった。
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