最強奥様、裏も表も顔を持つ の小説カバー

最強奥様、裏も表も顔を持つ

9.7 / 10.0
名門のお荷物令嬢と嘲笑される森田柊音は、婚約者に捨てられ窮地に立たされていた。しかし、彼女に執着する武器商人・黒崎零時がその正体を暴き始める。実は彼女こそ、天才科学者や伝説の医師、そして極道の女王という裏の顔を持つ真の強者だった。このmafiaの世界観が交錯するmodernなromance novelでは、正体を隠し財閥を震撼させる彼女と、愛に翻弄される最強の男の駆け引きが描かれる。驚愕の過去が明かされる時、二人の関係は予測不能な結末へ。read novels onlineで注目のスリリングな物語。
「最強奥様、裏も表も顔を持つ」のあらすじ
名門・森田家の「無能な令嬢」として蔑まれ、婚約者にも見捨てられた森田柊音。そんな彼女に執着し、心を奪われたのは国際的な武器商人として恐れられる黒崎零時だった。周囲は零時の正気を疑い、柊音が彼の権力を利用していると罵声を浴びせる。しかし、彼女を破滅させようと過去を暴こうとした人々は、驚愕の事実に直面することになる。掘り起こされた彼女の真の姿は、世界を震撼させた天才科学者であり、伝説的な名医、さらには冷酷な手腕で裏社会を支配する次期ボスという、あまりに強大で多才なものだった。ネットや財閥がその正体に激震する中、当の柊音は、自分を溺愛する零時を敵のように警戒し続けていた。最強の武器商人でありながら、愛する妻に心を開いてもらえず、弱気な悩みを吐露する零時。表と裏の顔を使い分ける最強の令嬢と、彼女に翻弄される冷徹な男。二人の常識外れな関係が、世界の秩序を塗り替えていく。
もっと見る

最強奥様、裏も表も顔を持つ 第1章

「森田柊音、雫怜はこの数年、森田家のためにどれだけの名誉をもたらしたか分かっているのか?それに比べて、家の長女であるお前は何の役にも立たないばかりか、トラブルばかり引き起こしている」

「それに、雫怜はお前の命を救ったこともあるだろう。今こそその恩を返す時だ!」

「俺は雫怜を選ぶ。雫怜を解放しろ。森田柊音のことは……好きにすればいい」

「俺も雫怜だ!」

「俺も……」

郊外の廃工場の中。手足を縛られ、抵抗すらできない森田柊音は、三人の兄たちがそれぞれに森田雫怜を選ぶのを、ただ絶望のなかで聞いていた。

最後に望みを託したのは――幼い頃から共に育ち、十年以上想い続けてきた婚約者、安藤優真だった。

すぐ目の前、ひとりの英明で端正な男が、整ったスーツ姿のまま交渉テーブルにどっしりと腰を下ろしていた。

その男と目が合った瞬間、森田柊音は助けを乞うようなまなざしを向けた。だが、男の薄い唇がわずかに動いただけで、彼の表情には一片の感情も浮かばなかった。

「俺が欲しいのは雫怜だけだ。もし雫怜の髪の毛一本でも傷つけてみろ、お前たちを絶対に許さない。……それ以外の女?好きにしろ。俺には関係ない」

冷たい。あまりにも冷酷で、あまりにも無情。

――この人が、自分が十数年も愛し続けてきた人間なのか?

あのとき、重い病に倒れ、何度も死亡宣告を受けた彼を救うために、命を削ってまで献血し続けた――それが、森田柊音が心から愛した人だったのに。

答えなんて、もうとっくに分かっていた。それでも、実際にその男の口から、あまりにも冷たく、何のためらいもなく見捨てられた瞬間――柊音の胸は、ぎゅうっと締めつけられた。

痛い。

胸が、岩で押し潰されるように痛む。

ひとことですら返す力が、もう残っていなかった。

ただ、茫然と見つめることしかできなかった。救い出された森田雫怜が、涙をこぼしながら安藤優真の胸に飛び込むのを――たった今まで冷たい目で自分を突き放していたはずの婚約者が、その頬の涙を優しく拭ってやるのを。

三人の兄たちは、実の妹のように森田雫怜を囲み、傷ひとつつかないようにと気を配り、声をかける。

誰ひとり、森田柊音に目を向けようとはしない。

――たとえ......

――たとえ、ほんの一瞬でも。

彼女を待っていたのは、救いではなく、ただ醜悪な誘拐犯たちだった。肥え太り、悪臭を放つ彼らの身体がじりじりと近づいてくる。顔には邪悪な笑みが浮かび、まるで獲物を前にした獣のようだった。

「へへっ、まさか森田家が、私生児のために本家のお嬢様を見捨てるとはな。 俺たちみたいなドブの底で生きてきた人間にも、高嶺の花だった森田家の令嬢を抱けるチャンスが回ってくるとは思わなかったぜ」

「兄弟たち、焦るなよ。一人ずつ、順番だ……」

柊音の背は壁に押し付けられ、もはや退く場所すらなかった。

喉はすでに枯れ果て、叫びすぎて血の味さえ感じる。

遠くに見える、温かな笑顔で寄り添う五人の姿が、ただ残酷だった。心が、音もなく砕ける。

希望の灯が、静かに消えていく。

お母さん……

――せめて、最後にもう一度だけ、勇気を……!

柊音は、突如として顔を上げ、壁に向かって勢いよく突っ込んだ。

だが、その自殺めいた衝動は、すぐさま察知されてしまった。 先頭に立っていた誘拐犯が、素早く彼女に追いつき、無慈悲にも頭皮を鷲掴みにすると、容赦なく後方へと引き倒した。

続きを読む

最強奥様、裏も表も顔を持つ 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

クズと結婚したら、世界一の億万長者の妻に!? の小説カバー
9.1
結婚式当日、新郎に逃げられ世間の晒し者となった菊池星奈。土砂降りの雨の中、彼女は偶然通りかかった男のネクタイを掴み、半ば自暴自棄に「私を妻にする勇気がある?」と迫った。こうして彼女が連れ帰ったのは、名家・藤井家の落伍者と噂される「クズ」の藤井勇真だった。周囲は星奈の選択を嘲笑し、逃げた元婚約者までもが「あんな役立たずを選ぶなんて間違っている」と彼女を憐れむ。しかし星奈は、元婚約者に離婚届を叩きつけ、夫を守る決意を固めた。誰もが彼女の不幸を確信していたが、事態は予想外の展開を迎える。なんと勇真の正体は、世界経済を裏で操る伝説的な億万長者だったのだ。正体を明かした彼は、世界中が注視するライブ配信の最中、星奈の前に跪いた。その手に握られていたのは、十億円もの価値があるピンクダイヤモンド。かつて適当に拾われたはずの男は、熱い眼差しで彼女を見つめ、真摯にこう告げる。「今度は本気で、残りの人生を僕に預けてほしい」。最悪の結婚から始まった、世界一贅沢な逆転愛が幕を開ける。
アルファの隠し子、奪われた私の特効薬 の小説カバー
8.2
毒に侵され、三年にわたり死の淵を彷徨っていた私にとって、夫である首領・城島譲は唯一の希望だった。献身的な伴侶を演じる彼を信じ、解毒薬「月華の霊薬」を待っていたが、運命の絆を通じて残酷な真相を知ってしまう。譲は群れの癒し手に、貴重な霊薬を愛人の母親へ与えるよう命じていたのだ。「玲奈が息子を産んでくれた」――彼には隠し子がおり、私への看護はすべて、死を待つための偽装に過ぎなかった。彼は私の両親が遺した神聖な家を愛人との生活で穢し、群れには霊薬が盗まれたと嘘をつき、私の死を自らの利益に利用しようと画策していた。病に伏す私を「病気の雌狼」と蔑み、使い古しのスープを差し出す夫。しかし、彼は気づいていない。虐げられた私がどれほどの怒りを宿したかを。その夜、私は身を引き裂くような痛みに耐え、彼との運命の絆を自ら断ち切った。結婚指輪を捨て、嘘に満ちた家を後にする。私は決して屈しない。裏切り者の世界が燃え尽きるその日まで、執念で生き抜いてみせる。
モテが止まらない、狼隊長 の小説カバー
8.1
北方の地で命を落とした一匹の狼が、現代の人間へと転生を果たした。新たな体は、あろうことか五輪選考に漏れたラグビーの補欠選手。しかし、野生の獣としての身体能力は失われていなかった。周囲が驚愕するほどの猛スピードでフィールドを駆け抜け、圧倒的な実力を見せつけた彼は、短距離コーチから種目転向を打診されるほどの逸材として注目を集める。本来ならチームを去るはずの立場から一転、親善試合での大活躍を機に連戦連勝を重ね、ついにはキャプテンの座にまで上り詰めた。その勢いは競技場に留まらず、オフシーズンのテレビ出演をきっかけに、端正な容姿と鍛え上げられた肉体で世の女性たちを虜にしていく。ネット上で熱烈な求婚が殺到し、社会現象を巻き起こすほどの人気を博すが、彼の魂は高潔な狼のままだった。世間を騒がせる人気女優に対しても、彼は臆することなく宣言する。自分たち狼族は、生涯ただ一人の伴侶のみを愛し抜く一途な存在であると。野生の強さと誠実さを併せ持つ男の、前代未聞のサクセスストーリーが幕を開ける。
元夫に捨てられたら、逆に儲けまくった〜再婚は、あとでいい〜​ の小説カバー
7.9
周囲から疎まれる存在だった佐藤婉寧は、夫である鈴木原璟からも冷遇され、孤独な日々を過ごしていた。絶え間ない拒絶の末、ついに彼女は離婚を決意。財産の半分を要求し、彼との縁を断ち切った。原璟は喜んで署名したが、その後の展開は予想外だった。慰謝料を元手に事業を成功させ、輝きを増していく元妻。さらには新たな男の影まで現れる。その姿に焦った原璟は、以前の態度を翻して彼女に執着し始める。「全財産を譲るから再婚してくれ」と懇願し、なりふり構わず復縁を迫る。捨てられたはずの女と、後悔に震える元夫。逆転した二人の関係の行方は。
元妻の究極の復讐 の小説カバー
8.7
二十年連れ添った夫・神宮寺朔也が自ら命を絶ち、遺した言葉は妻の私ではなく、義妹の鈴原凛に向けられたものだった。夫は最期に、私が心血を注いだIT帝国の全てを、かつて我が子を間接的に死に追いやった憎き凛へと譲り渡したのだ。絶望の淵で人生を終えたはずの私は、気づけば十代の頃、神宮寺家の養子に選ばれる運命の日へと回帰していた。児童養護施設の喧騒の中、私はかつての夫である朔也と再会する。しかし、目の前の彼は驚愕に顔を歪め、私の名を呼んだ。彼もまた、あの凄惨な結末の記憶を抱えたまま過去に戻っていたのだ。「今度こそ君を救う」と、罪悪感に満ちた瞳で誓う朔也。だが、その言葉は空虚に響く。前世で彼の「救済」を信じた結果、私は愛する息子を失い、人生の全てを奪われたのだから。裏切りと後悔に彩られた過去を背負い、二人の二度目の人生が幕を開ける。これは、愛憎の果てに全てを失った女が、運命の歯車を狂わせる男と対峙し、己の矜持を取り戻すための物語である。復讐か、それとも決別か。交錯する記憶の中で、真実の愛の形を問うサスペンス・ロマンス。
社長、今日こそ復縁できますように の小説カバー
8.7
灰原グループが窮地に立たされた時、毛利蘭華は灰原湊の妻として献身的に彼を支え続けた。しかし、夫の心には常に別の女性がおり、蘭華の愛が報われることはなかった。グループを掌握した湊が成功に酔いしれる傍らで、彼女は悲劇的な流産を経験し、冷たい海へと消えていく。九死に一生を得た蘭華は、湊への未練を断ち切り離婚届を手に国外脱出を試みるが、かつての冷酷な夫が豹変して彼女の前に立ちはだかる。湊は蘭華を監禁し、二人の絆は幼少期からの運命だったと説きながら執拗に引き留める。逃れたい元妻と、今更愛を叫ぶ元夫。東都から東南アジアまで続く、逃れられない宿命の物語。
今すぐ読む
共有