七年の歳月、四年の嘘 の小説カバー

七年の歳月、四年の嘘

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結婚七年目を迎えた私の日常は、寝室から漏れ聞こえる艶めかしい吐息によって音を立てて崩れ去った。そこにいたのは、愛する夫の涼介と、私が才能を信じて学費まで支援していたインターンの希亜だった。二人の裏切りは四年に及び、献身的に尽くしてきた私の信頼は無残に踏みにじられる。翌朝、涼介は平然と朝食を準備しながら私への永遠の愛を口にするが、その傍らには彼のシャツを纏った希亜が、彼の子を宿して座っていた。私との間には決して望まなかった子供を、裏切り相手との間に作っていたのだ。世界で最も信じていた二人による残酷な共謀を知り、私の心は再生不能なほどに破壊された。復讐という名の執着すら捨て去りたい私は、ある脳科学者に連絡を入れる。目的は、彼が研究する不可逆的な記憶消去手術の被験者になること。夫に関するすべての記憶を脳から抹消し、この地獄のような現実から完全に逃避するために、私は未知の領域へと足を踏み入れる決断を下す。

七年の歳月、四年の嘘 第1章

私の人生が嘘だったと気づいた最初のきっかけは、客室から漏れてきた、あの吐息だった。

結婚して七年になる夫は、私たちのベッドにはいなかった。

私のインターンと一緒にいたのだ。

夫、涼介が、四年もの間、浮気をしていたことを私は知った。

相手は、私が才能を見込んで目をかけ、学費まで個人的に援助していたインターンの希亜。

翌朝、涼介が私たちのためにパンケーキを焼いている間、希亜は彼のシャツを羽織って、私たちの食卓に座っていた。

涼介は私の顔を見て、「君以外、誰も愛さない」と誓った。

その直後、私は希亜が彼の子を妊娠していることを知った。

彼が、私との間には頑なに拒み続けた、子供を。

世界で最も信頼していた二人が、共謀して私を破滅させようとしていた。

この痛みは、到底耐えられるものではなかった。

私の世界の、完全な崩壊だった。

だから私は、ある脳科学者に電話をかけた。

彼の実験的で、不可逆的な手術について聞くために。

復讐なんて望んでいない。

私が望んだのは、夫に関するすべての記憶を消し去り、彼の一番目の被験者になることだった。

第1章

エラリ POV:

私の人生が嘘だったと気づいた最初のきっかけは、叫び声ではなかった。

廊下の先にある客室から漏れてきた、くぐもった吐息だった。

目を開けると、ベッドサイドのデジタル時計が、午前二時十四分という数字を、柔らかく、そして嘲るように映し出していた。

キングサイズのベッドの隣のスペースは、冷たく、空っぽだった。

涼介がいない。

胃のあたりが、きりりと締め付けられるような不安に襲われた。

ここ数ヶ月、彼が立ち上げたIT帝国はますます多くの時間を彼に要求し、帰りが遅くなることが続いていた。

でも、彼はいつも、必ずベッドに戻ってきた。

たとえ、私の額にキスをして、「書斎に戻るよ」と囁くだけだったとしても、彼はいつもまず私の様子を見に来てくれたのに。

私は体を起こした。

シルクのシーツが腰のあたりで滑り落ちる。

崖の上に立つ、人里離れた私たちの家は、深い静寂に包まれていた。

その時、また聞こえた。

低く、甘えたような女性の笑い声。

そして、それを慌てて制するような音。

心臓が肋骨に激しく打ち付けられる。

まるで、罠にかかった鳥のように。

ありえない。

私の家で。

私たちの家で。

ベッドから滑り降りる。

冷たいフローリングの床を、裸足が音もなく進む。

電気はつけなかった。

私たちが築き上げたと思っていた人生の、見慣れた影の中を、まるで幽霊のように移動した。

廊下は、私が直面できるかどうかわからない真実へと続く、長く暗いトンネルだった。

客室のドアに近づくにつれて、声がはっきりしてきた。

彼の声。

深く、聞き慣れた声。

かつて私の命を救い、永遠に愛すると誓ってくれた声。

そして、もう一つの声。

若く、弾むような、熱を帯びた声。

「涼介さん、やめて」

彼女は囁いたが、その声色はふざけていて、むしろ彼を煽っているようだった。

「奥さんに聞こえちゃう」

全身の血が凍りついた。

奥さん。

私が、奥さん。

障害物。

自分の家で、邪魔者扱いされている。

「あいつは寝つきがいいんだ」

涼介が呟き返す。

その声には、ここ数ヶ月、私が聞いたことのないような欲望が滲んでいた。

「それに、疲れてる。一日中アトリエにいたからな」

まるで、避けて通らなければならない家具か何かのように、彼は私のことをこともなげに話す。

その言葉が、私を物理的に打ちのめした。

私は冷たい木のドアに耳を押し付けた。

息が喉に詰まる。

「本当にそんなにすごいんですか?」

少女が尋ねた。

その声には、称賛と挑戦が奇妙に混じり合っていた。

「あの、偉大な一ノ瀬エラリ。建築界の神童」

「彼女は天才だ」

涼介は言った。

その一瞬、吐き気がするような希望の光が私の中に灯った。

彼は私を擁護してくれている。

しかし、彼は続けた。

「だが、希亜…君には、彼女にはないものがある」

希亜。

その名前が、頭蓋骨の中で反響した。

シュミット希亜。

私のインターン。

私の弟子。

私が目をかけ、個人的に指導していた、物静かで才能のある女の子。

彼女が若い頃の私自身を思い出させたから、私は自腹で彼女の最終学年の学費を払っていた。

ハングリーで、野心的で、そして孤独だった頃の私に。

私は児童養護施設で育った。

一時的な家と、条件付きの愛情の世界。

早くから自立することを学び、自分の周りに壁を築き、誰かがそばにいてくれることなど決して期待しないようにしてきた。

そんな時、涼介が現れた。

彼はただそばにいてくれただけじゃない。

彼は私の周りに要塞を築き、彼の愛がすべてのレンガを繋ぎ止めるモルタルとなった。

彼は私の家族だった。

私が本当に持ったことのある、唯一の家族。

そして希亜…私は彼女の瞳の中に、同じ孤独を見ていた。

私は彼女を保証し、彼女の作品を擁護し、私の事務所に、私の人生に迎え入れた。

涼介にも、彼女をどれほど誇りに思っているか、彼女はいつかスターになるだろうと話していた。

どうやら、彼女は彼の目にはすでにスターだったようだ。

ただ、私が意図した形ではなかったけれど。

「へえ?」

希亜の声は、今や猫が喉を鳴らすような甘い声に変わっていた。

「それって、なあに?」

彼の答えを聞く必要はなかった。

想像はつく。

若さ。

畏敬の念。

禁断のスリル。

三十二歳の私が、もはや持ち合わせていないとされる、すべてのもの。

その後に続いた音。

シーツの擦れる音、ベッドの柔らかく、リズミカルなきしみ。

それは、私の全世界の土台を粉々に打ち砕く、確証だった。

これは一度きりの過ちではない。

これは、居心地の良い、確立された日常だ。

彼らは私の家で、私が眠る部屋から廊下を隔てただけの部屋で、私が設計した部屋で、こんなことをしている。

私はドアから後ずさった。

嗚咽を押し殺すために、手で口を覆う。

裏切りという言葉では、生ぬるい。

これは、殲滅だ。

世界で最も信頼していた二人が、私が心を捧げた男と、私が未来を与えようとした少女が、共謀して私を破壊したのだ。

消し去ってしまいたかった。

すべてを。

七年間の結婚生活、私の肌に触れた彼の手の記憶、彼の笑い声、私たちが一緒に建てた家の光景。

私の脳から彼を削り取り、きれいで空っぽの空間だけが残るまで、すべてを消し去りたかった。

私はよろめきながら寝室に戻った。

動きは硬く、ロボットのようだ。

壁にかかった私たちの結婚式の写真は見なかった。

私が設計し、私の名を世に知らしめた街のスカイラインも見なかった。

ベッドサイドのテーブルからスマートフォンをひったくった。

指が震えながら連絡先をスクロールする。

涼介の名前を通り過ぎ、友人たちの名前を通り過ぎ、必要な名前を見つけるまで。

エヴァンズ・カルデロン博士。

大学時代の恩師。

その研究があまりにも画期的で、ほとんどSFの域に達している、第一線の脳科学者。

数ヶ月前、同窓会で食事をした時、彼は最新のプロジェクトについて、声を潜めて秘密めかして話してくれた。

特定の記憶経路を標的として除去するために設計された、極秘の実験的処置。

トラウマを消し去る方法。

その時は、純粋に学術的な観点から魅了された。

今、それが私の唯一の命綱だった。

電話は二回鳴ってから、彼が出た。

眠気でかすれた声だった。

「エラリ?どうしたんだい?真夜中だぞ」

涙が静かに頬を伝う。

熱く、無意味な涙。

「エヴァンズ」

私は声を絞り出した。

それはまるで他人の声のように、かすれて、壊れていた。

「先生が話してくれた実験…記憶を消すっていう…」

電話の向こうで、心配そうな沈黙が流れた。

「それがどうしたんだ、エラリ?」

私は震える息を吸い込んだ。

その決意は、ダイヤモンドのように冷たく、硬く、決定的なものとして、私の魂の中で結晶化した。

「私を、最初の被験者にしてください」

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