
私の富、彼の寄生家族
章 3
「本当のお義姉さんは、瑠璃さんだったらよかったのに」
絵美は、皆に聞こえるように、瑠璃に囁いた。
聡子が駆け寄り、その顔は私に向けられたことのない、心からの温かさで輝いていた。
「瑠璃さん、まあ。久しぶりね。相変わらず素敵だわ」
高坂家の一族は、瑠璃に媚びへつらい、私のことは完全に無視していた。
彼らには、恥というものがない。
6年間、痛み、壊れ、そして癒えようとしてきた私の心は、ついに氷と化した。
この人々に抱いていた最後の温もりも、すべて蒸発してしまった。
6年前、高坂家の名にまとわりついていた絶望の匂いを思い出す。
英雄元陸将が関わった大規模な金融スキャンダルが発覚したのだ。
土地は差し押さえられ、口座は凍結された。
彼らはすべてを失う寸前だった。
親しい同盟者だった瑠璃の一家は、残った財産を持ってさっさと逃げ出し、高坂家をハゲタカの餌食にした。
瑠璃は短いメール一本で健吾に別れを告げ、彼が最も暗い時期に彼を見捨てたのだ。
彼は打ちのめされていた。
そして、私がいた。
私はすでに医学界で名を馳せ、莫大な富を築いていた。
健吾と付き合っていた私は、彼の家族の苦しみを見て、介入した。
私は5億円の小切手を書いた。
私一人の力で、彼らの借金を完済し、「名家」としての名前を救ったのだ。
感謝の気持ちからか、あるいは義務感からか、健吾は私に結婚を申し込んだ。
私は、愛が育つことを願って、それを受け入れた。
だが、愛は決して育たなかった。
彼は私を恨んでいた。
私に依存している自分を。
彼の部隊の他の自衛官たちは、妻の財産で暮らしている彼を嘲笑した。
それでも私は希望を抱いていた。
私が持てなかった家庭を築けると信じて、この家族にすべてを注ぎ込んできた。
今、私は彼らを見つめる。
まるで帰還した女王のように、瑠璃を取り囲んでいる。
彼らは私にすべてを負っている。
彼らの家。彼らの評判。彼らの存在そのものを。
私は6年間、絵美の費用を払い続けてきた。
年間1000万円近い学費だけではない。
服代、春休みの旅行代、車代も私が払った。
彼女の初めてのブランドバッグ、健吾の月給以上の価値があるシャネルのバッグを買ってあげたのも私だ。
私は聡子よりも、彼女の母親代わりを務めてきた。
英雄と聡子には、月200万円のお手当を渡していた。
2年ごとに新車を買い与えた。
彼らの健康が衰えた時には、最高の医者と治療費を支払った。
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