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格闘チャンプの異世界無双 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無双する〜 の小説カバー

格闘チャンプの異世界無双 〜地球最強の男、異世界で更なる高みを目指して無双する〜

地球上で最強の称号をほしいままにしていた格闘家、東堂院力也。彼はある日、居眠り運転のトラックから子供たちを救うために自らの命を投げ出した。しかし、次に彼が目を覚ました場所は、現代日本ではなく見知らぬ深い森の中だった。状況を把握しようとする力也の耳に、突如として女性の悲痛な悲鳴が響き渡る。現場に急行した彼が目にしたのは、卑劣な男たちに組み伏せられ、服を剥ぎ取られようとしている無抵抗な女性の姿だった。武器を一切持たない丸腰の力也に対し、賊たちは「消えろ」と嘲笑を浮かべて脅しをかけるが、彼こそが世界を制した拳の持ち主であることを彼らはまだ知らない。異世界の地で、圧倒的な格闘技術を武器に弱きを助け、さらなる強さを追い求める力也の冒険が幕を開ける。数多の強敵をなぎ倒し、未知なる世界をその拳一つで突き進む、格闘チャンプによる異世界無双譚がいよいよ始まる。
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2

「…………む? ここは……?」

 ふと目を覚ますと、知らない場所にいた。

 確か、居眠り運転のトラックと力比べをしたのだったか。

 次に目覚めるとすれば、病院のベッドの上か、死後の世界だと思っていたが。

 俺はあたりを見回す。

 どうやら、何の変哲もない森のようだ。

 なぜこんなところに俺はいるんだ?

 俺が状況を把握しようと、辺りを見回しているとき。

「きゃあああっ!」

「むっ! 女の悲鳴か……。今向かうぞ!」

 俺は森の中を駆け出す。

 とりあえず状況整理は後だ。

 女の悲鳴と言えば、相場は決まっている。

 チンピラに襲われているのだろう。

 もしくは、野生の動物に襲われているかだ。

 ここは森の中だからな。

 別に、女を助けてモテモテになりたいわけではない。

 襲っているのが人であれ動物であれ、俺はそいつと戦いたいのだ。

 わざわざ人を襲うような人や動物は、やや強い傾向がある。

 俺をさらなる高みに導いてくれるかもしれない。

 それにしても、我ながらずいぶんと走るスピードが速い。

 まるで全盛期に戻ったみたいだ。

 いや、ひょっとするとそれ以上かもしれない。

 体の調子がすこぶるいい。

 そんなこと考えながら俺は走る。

 女の姿が見えてきた。

「くっ。ううっ」

 女がそううめき声をあげる。

 数人の男に押さえつけられている。

 服を脱がされ、半裸の状態だ。

 必死に抵抗して、もがいている。

「暴れんじゃねえよ! また殴られてえのか!」

「ひゃはは! ボスに渡す前に、まずは俺たちで味見するぜ!」

「ガバガバにならねえように気をつけないとな!」

 男たちがそう言う。

 まさに今、女を乱暴しようとしているところのようだ。

「そこまでだ! 賊どもめ!」

 俺は大声でそう言う。

 男たちがこちらを見る。

「何だあ? てめえは!」

「けっ。通りすがりの冒険者かと思ったが……。見たところ丸腰じゃねえか」

「消えろ。ぶっ飛ばされんうちにな」

 賊たちが口々にそう言う。

 確かに、俺は丸腰だ。

 別に、武器の不使用に拘っているわけではない。

 かつて、剣道やフェンシングに手を出したこともある。

 しかし……。

 俺が武器を使うと、すぐに壊れてしまうのである。

 壊れないように戦うためには、力を抑える必要がある。

 そうすると、結局は武器を使う意味がなくなってくる。

 俺は、全力で戦える素手のほうが強い。

「ハッハッハ! 御託はいい。かかってきな!」

 クイックイッ。

 俺は賊どもを手招きする。

「ちっ。なめやがって!」

「女を犯すのは中止だ! まずはこいつをぶっ殺すぞ!」

「女ぁ! お前はあとでたっぷりと可愛がってやる。逃げようとするんじゃねえぞ?」

 賊どもが俺ににじり寄ってくる。

 彼らは女性をとりあえずその場に放置することにしたようだ。

「あ……。ひぃ……」

 女性は、半裸のまま座り込んでいる。

 逃げる気力や勇気が湧かないといったところか。

 賊どもは手に剣を持っている。

 ただし、スキだらけだ。

 俺が丸腰だから油断しているのか。

 この状態の相手なら、先制攻撃で一撃で終わらせられるだろう。

 だが、あえてここは受けてみるか。

 防御はスキだらけでも、攻撃には秀でている可能性もなくはないしな。

「見ろよ。こいつ、ビビって棒立ちだぜ!」

「今さら後悔しても遅いんだよお!」

「あの世で後悔しな!」

 賊どもがそう言って、剣を振りかぶる。

 なかなか手慣れた感じだ。

 それなりの経験はあるのだろう。

 しかし残念。

 技術が伴っていない。

 男たちが無造作に剣を振り下ろしてくる。

「おらあっ! ……なにっ!?」

 賊の攻撃を、俺はヒラリと躱す。

「たまたま避けたようだな。次はないぜ!」

「おらおらあ!」

 ヒラリ。

 ヒラリヒラリ。

 俺は賊どもの攻撃を、軽く躱し続ける。

 少しして、賊どもがバテてきたようだ。

 この程度でバテるとはな。

 鍛え方が足りん。

「ぜえ、ぜえ……」

「ち、ちくしょう」

「あ、当たりさえすれば。当たりさえすらばお前なんか……」

 賊どもが息を切らせながらそう言う。

 確かに、避けているだけでは彼らの真の実力がわからないかもしれない。

 攻撃の精度は悪くとも、当たれば高威力の可能性もある。

 一度受けてみるか。

「当ててみろよ」

 俺は仁王立ちし、そう言う。

「なっ!?」

「なめやがって!」

「後悔しやがれーー!」

 賊どもが大きく剣を振りかぶる。

 俺にめがけて振り下ろす。

 俺の体を剣が襲う。

 バキッ。

 剣が折れた。

「ふむ……。やはり、当たってもこの程度か」

 まあ実際に受けてみなくても、おおよその威力の目処はもちろんついていた。

 彼らの身のこなしや剣速では、俺の肉体に傷をつけることはできない。

「バ、バカな……」

「ひいいっ!」

「に、人間じゃねえ! 逃げるぞ!」

 賊どもがそう言って、俺から逃げ始める。

 3人とも同じ方向だ。

 やれやれ。

 残念だ。

 やはり、俺を満足させる強者はなかなかいないか。

 俺は賊どもに対する興味をなくしかける。

 しかし、人としては見逃すわけにもいかないか。

 俺は、最強を目指す傍らで、慈善活動にも少し手を出していたんだ。

「どこへ行く……」

 俺は超速で移動し、逃げる賊どもの前に回り込む。

 俺はもちろん脚力も鍛えている。

 この程度のやつらが俺から逃げることはできない。

 知らなかったか?

 この俺からは逃げられない。

「「「う、うわああああっ!」」」

 賊どもが半狂乱になり、散り散りに逃げようとする。

 この期に及んで諦めの悪い。

「ハッハッハ! マシンガンパンチぃ!」

「「「ぎゃああああっ!」」」

 俺の怒涛の連撃を受けて、賊どもがふっ飛ばされる。

 そして、彼らは意識を失った。

 ……さて。

 人としての責務は果たした。

 この賊どもは、近くの街か村の警察にでも引き渡せばいいだろう。 

 あとは、この半裸で座り込んでいる女性をどうするかだな。

 彼女は、こちらを真っ赤な顔で見ている。

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