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舞台の女神さま! の小説カバー

舞台の女神さま!

さいたま学院演劇部のスターとして脚光を浴びる松本梓は、華やかな舞台姿とは裏腹に、過去の壮絶ないじめが原因で男性恐怖症と自身の同性愛傾向に深く苦しんでいた。その弱みに付け込んだのが、学院に多額の融資を行う銀行頭取の娘である生徒会長・城ケ崎茜だ。父がその銀行に勤める梓は抗うことができず、部活動を守るために茜との歪な「偽りの愛」を強いられていた。そんな中、演劇部はかつて部員の不祥事で潰えかけた全国大会への再挑戦を決意する。梓にとってその舞台は、自分を救って自死した恩師・青井春香への想いを刻む場所でもあった。脚本家不在という苦境に立たされた時、梓の前に現れたのは、春香の面影を持つ転校生の妹・美咲だった。ラノベ作家としての才能を持つ彼女との出会いが、停滞していた運命を動かし始める。しかし、部が全国制覇という目標に向かって結束を強める一方で、梓を独占しようと執着する茜と生徒会による卑劣な陰謀が静かに、そして確実に牙を剥こうとしていた。過去の傷と禁断の束縛を抱えた少女たちの、光と影が交錯する青春群像劇が幕を開ける。
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「松本さん。君も良かったら一緒にやらない?」

「ボクも先生の様に輝きたい」

そうだ。もっと先生のことが知りたい。大好きな先生に近づきたい。先生とずっと一緒にいたい…… ボクの心臓は張り裂けそうだ。

真剣な眼差しでボクが答えると春香先生はコクリと頷いて、差し伸べた手を引いてボクを光り輝く舞台へ上げた。

「ようこそ演劇の世界へ」

こうしてボクは演劇と言う異世界へ足を踏み入れるきっかけとなった。

だけどそれから間もなく、ボクの好きな先生は若くしてこの世から居なくなってしまった……

数か月後

冷たい雨が降り注ぐ午前10時。ボクの目の前には頭から血を流して俯せに倒れている先生の姿があった。頭から流れるおびただしい鮮血は雨水に混ざってボクの足元に広がった。

「せ、先生…… 春香先生! 」

先生は校舎の屋上から身を投じた。ボクのせいで大切な人を死なせてしまった。集まる人だかり、遠くから聞こえるサイレンの音と同時に虚しく鳴り響くチャイムの音がスローモーションで耳に入る……

そして僕の頭に響き渡る「さようなら」の一言でボクの瞳から雨の雫と混ざって涙がこぼれた。

「う、うわああああああ! 」

ボクは大切な人を救えなかった。ボクのせいで先生を死なせてしまった……

そして、あの辛い事件から約、6年後…… 

時は過ぎて高校1年の夏

物陰に隠れた草花にも光が射すときは来るんだ。

世界は周っている、そして秒針と一緒にボク達の青春も時を刻んで廻っているんだ。

先生の母校でボクは今、光と闇が綺麗に調和するステージ上でボクらの青春と言う名の舞台公演が始まったんだ。

「やっと居場所を見つけられたんだ」

今のボク違う。先生が果たせなかった夢と想いを受け継いで必ず夢の舞台に立って見せる。

ボクはそっと胸に手を当ててゆっくりと瞼を閉じた。

「先生の遺志はココで生きているんだ」

そう…… それは高校演劇最高のステージ。全国高等学校演劇大会に行くことだ!

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