AMBIVALENCE の小説カバー

AMBIVALENCE

8.1 / 10.0
幼少期から不器用な性格で、周囲との円滑なコミュニケーションを築けずにいた「わたし」。内弁慶で身近な存在に甘えてしまう脆さを抱えながらも、これまでは「普通」という名の平穏な日常をなんとか維持してきた。しかし、中学校生活の中で経験したかけがえのないものの喪失が、平穏を根底から覆す。大きな失望と動揺、そして蓄積された疲労によって、これまで必死に守り続けてきた自分自身の殻は無残に砕け散り、人生の歯車は大きく狂い始めていく。理想と現実が複雑に交錯する境界線上で、大切な何かを失った精神的負荷は、やがて統合失調症という形となって現れた。成人を迎えてからもなお、社会や自己との折り合いをつけられず、出口の見えない苦悩の渦中で足掻き続ける日々。暗闇の中で道を探し求め、迷い惑う一人の女性の姿を描き出す。本作は統合失調症という病と向き合う個人の内面を綴ったフィクションであり、作中に登場する人物や団体、組織などの名称はすべて架空のものです。揺れ動く感情の機微を丁寧に追った、再生への模索を問う物語。

AMBIVALENCE 第1章

幼少の頃から不器用で人とうまく対峙できなくそれでいて自分勝手な内弁慶のわた

し。

…が、人を亡くした。

中3の秋だった。

 学校生活という日常を、それにそぐうように演じて乗り過ごして来ることができた今までだったが、失速した。

どんなに空元気を絞っても

”答え”など取り戻すことができない。

そうして滑り落ちていく日々の中で、いつの間にか、頭の中に何かを住ますようになり、それがわたしを動かし、わたしの目を曇らせ、発狂させた。

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AMBIVALENCE 目次一覧

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