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今日ノソライロ の小説カバー

今日ノソライロ

神奈川県に暮らす中学3年生の本山明日美は、突如として過酷な運命に巻き込まれる。ゾンビが蔓延し崩壊の危機に瀕した世界を救うため、未来からやってきた少女・友里亜が彼女の前に現れたのだ。明日美はこの未曾有の災厄に立ち向かうべく、個性豊かな仲間たちと共に戦いに身を投じていく。クラスメートで剣道の天才・山崎祐太とその兄である弓道の名手・一翔、さらに薙刀を操る村田里沙や杉野奈央、そして少し風変わりな幼馴染といった現代の精鋭たちが集結。それだけではなく、源平合戦の英雄・源義経やその忠臣である佐藤兄弟、伊勢三郎、さらには元寇で名を馳せた竹崎季長といった、時代を超えた伝説の戦士たちも参戦し、最強のチームが結成される。過酷な避難所生活や凄惨ないじめ、歪んだ正義感による葛藤など、一行の前には幾多の困難が立ちはだかる。明日美たちは凄まじい逆境を乗り越え、絶望に染まったこの世界の未来を取り戻すことができるのか。時空を超えた絆と勇気が試される、壮大な冒険と戦いの幕が今、切って落とされる。
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わたし、本山明日美は、死の都を歩いていた。

 友里亜さんからもらった武器の大鎌をその手に握りしめる。

 すると、鼻をつく腐敗臭がした。同時に不規則な呼吸音。

 危険を感じて、振り返ると、一体のスーツを着た、サラリーマンのゾンビが、此方に襲い掛かっていた。

 腐敗して、変色した腕をわたしに伸ばしくる。

 変色した歯をカチカチと不気味にならしながら、噛みつこうとしてくる。

 死者が生者の脳ミソを求めて.....。

 大鎌をゾンビに振り落とそうとしたが、もう遅い。

 ゾンビはわたしの体をがっしりとつかんでいたのだ。

 もうダメだ。わたしは大好きな人の前で死んでしまうだろう。

 ゾンビは顎が外れたように大口を開けながら、わたしに再び、噛みつこうとした。

 わたしは、最期を悟った。

 ・・・みんな、ごめんね・・・。

 死ぬって思ったその時だった。

 ドサッと音を立てて、何かが崩れ落ちた。それにゾンビの気配はもう感じない。

 恐る恐る目を開けてみると、ゾンビが倒れていた。切り落とされたであろう、ゾンビの首が足元に転がっていた。

 ー助かったー

 目の前に日本刀を手に握りしめて立っている義経がいた。

「明日美殿!!」

 日本刀を鞘に戻して、わたしに駆け寄ってくる。

「ありがとう。」

 親しき中にも礼儀あり。せめてものお礼を言ってあげた。

「おい、大丈夫か!?」

 心配して、祐太や、一翔、季長が飛んでくる。

「うん、大丈夫だよ。ありがとね。」

 今まで怖かった。何度も襲われ、死にそうになっていた。でも、ここまでこれたのはみんなのおかげだ。

「里沙と奈央、佐藤君たち、伊勢君、戻って来ないね。」

「大丈夫だって。きっと戻ってくるよ。」

 祐太が優しくなだめてくれる。

「行こっか、明日美ちゃん。」

 一翔が優しく背中を押す。

「きっとまた、平凡な幸せが戻ってくるわよ。」

 未来人の女子高生、友里亜さんが励ましてくれる。

 みんな、ありがとう。わたしは心から誓った。

 この世界を救うって。

 そして分かった。平凡何てものは無いと。みんなが今どこかで過ごしている何気ない日常は、決して何気なくない。

 平凡な日常こそが本当の幸せだってことが分かったのだ。

 でも、誰かがこのゾンビパニックで命を落としてもおかしくはない。

 何があっても後悔しないように伝えたい思いを伝えなきゃ。

 自分だって死んでもおかしくはない。

 そして、義経だって歴史的に永遠の別れを迎えるのだ。

 つまり、みんなと過ごすことは、いつかくる別れへと近づきながら、共に歩むと言うこと。

 すると、この状況に似合わない優しい風が吹き抜ける。

 まるで、その風は、みんなの願いを遠くまで運んでいるようだった。

 思い出すのは、幸せだったあの頃のことだった。

 ーまたみんなで遊びたいな。ー

 うちに明日何てあるのかないのかわからない。

 でも、祐太たちの明日がありますように。

 そう願わずにはいれなかった。

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