フォローする
共有
最強奥様、裏も表も顔を持つ の小説カバー

最強奥様、裏も表も顔を持つ

名門・森田家の「無能な令嬢」として蔑まれ、婚約者にも見捨てられた森田柊音。そんな彼女に執着し、心を奪われたのは国際的な武器商人として恐れられる黒崎零時だった。周囲は零時の正気を疑い、柊音が彼の権力を利用していると罵声を浴びせる。しかし、彼女を破滅させようと過去を暴こうとした人々は、驚愕の事実に直面することになる。掘り起こされた彼女の真の姿は、世界を震撼させた天才科学者であり、伝説的な名医、さらには冷酷な手腕で裏社会を支配する次期ボスという、あまりに強大で多才なものだった。ネットや財閥がその正体に激震する中、当の柊音は、自分を溺愛する零時を敵のように警戒し続けていた。最強の武器商人でありながら、愛する妻に心を開いてもらえず、弱気な悩みを吐露する零時。表と裏の顔を使い分ける最強の令嬢と、彼女に翻弄される冷徹な男。二人の常識外れな関係が、世界の秩序を塗り替えていく。
共有

3

森田雫怜が誘拐された場所に駆けつけた安藤優真と森田家の三兄弟は、まずは雫怜を宥めるように言葉をかけた。ところがその直後、目の前に現れたのは――両手を縛られた状態で、なんとテロ組織の一団を制圧した森田柊音の姿だった。

……これは、冗談か?

そんな馬鹿な話があるか!

そもそも両手を縛られていようが、いまが全盛期だろうが、森田柊音は森田柊音でしかない。荷物ひとつ持てず、腕力も皆無で、格闘術の師範さえも「この役立たずが!」と怒鳴るほどのポンコツだったのだ。そんな彼女が――

銃弾をかいくぐって生き延びてきた、歴戦の誘拐犯たちと互角に渡り合っただって?

そんなの、夢の中の出来事じゃないと説明がつかない!

だからこそ、たったひとつの可能性が浮かび上がる。

――あの連中は本物の誘拐犯なんかじゃない。すべては森田柊音が金を積んで集めた、茶番劇の共演者どもに違いない! この女、またしても昔のように、自分の気を引くためだけに――こんな馬鹿げた芝居を打ったのだ!

だが、よりにもよって雫怜まで巻き込むなんて――なんて無茶を……!

そう思った瞬間、安藤優真の眉間に浮かぶ青筋がぴくりと跳ねた。

怒りという名の感情が、全身を一気に支配していく。

そして、ほとんど噛み殺すような声音で、森田柊音の名を叫んだ。

「いいだろう……いいだろう!全部お前の仕業だったんだな、森田柊音!この一連の誘拐事件も、すべてお前が仕組んだってわけだ!――柊音、俺はてっきり、お前がやっと過ちに気づいて悔い改めたと思ってた。もう少し罰を与えてから助け出すつもりだったが……まさか、まだそんなふざけた真似を繰り返してるとはな! そんなに俺のことが好きなのか? 好きすぎて……雫怜にまで手を出さずにはいられなかったってわけか!?」

雫怜は優真の胸に身を預け、小鳥のように身をすくめながら、信じられないという顔で声を震わせた。「そんな……お姉ちゃん、もう私のことそんなに憎んでたんだ……?でも、私、本当にお姉ちゃんと争いたくなんてなかったのに……もし、もしもそんなに私のことが嫌いなら、私、出ていくよ…… お姉ちゃんの邪魔をしてるのが私だって思うなら、私がこれまでやってきた研究成果、全部……お姉ちゃんに譲ってもいいから……」

「森田柊音!!」力のない囁きのような雫怜の言葉だったが、その一つ一つが鋭く、三人の兄たちの胸を突き刺した。

次に彼らが柊音を見たとき、その目には怒りと失望が燃えていた。まるで彼女を八つ裂きにでもしそうな勢いで。

「俺たち、どれだけ前世の業を積んだら、こんな邪悪な妹を持つ羽目になるんだよ……雫怜が本当の妹だったら、どれだけよかったか。お前なんて、森田家の最大の恥だ!」

立て続けに投げかけられる数々の言葉が、柊音の胸に、この二年間味わってきた屈辱のすべてを呼び覚ました。

続けて視聴する!
物語はいよいよ佳境へ!アプリに切り替えて続きを読む
全エピソードをロック解除
全編を読むには、moboreaderで「95QJN」を検索してください。
コードをコピーし、Moboreaderアプリで検索して続きをお楽しみください。
95QJN
コピー
公式サイトを開く

おすすめの作品

離婚したら大富豪が豹変~「君なしでは生きられない」と執着溺愛が始まりました~ の小説カバー
8.8
結婚から二年、白川明澄は念願の新しい命を授かった。しかし、その喜びは夫から突きつけられた離婚届によって無残に打ち砕かれる。さらに悲劇は続き、交通事故に遭った彼女は鮮血の中で藤原社長に助けを求めた。だが、彼は明澄の懇願を無視し、かつて想いを寄せていた別の女性を抱きかかえてその場を去ってしまう。絶望の淵に立たされた彼女は、深い闇の中へと意識を失っていった。月日は流れ、北城の地で藤原社長が「ある名前」を口にすることを固く禁じているという噂が広まる。そんな中、自身の結婚式を迎えた明澄の前に、かつての夫が変わり果てた姿で現れた。取り乱した様子で地面に膝をつき、血走った眼差しで彼女を凝視する彼は、執念に満ちた声で問いかける。自分の子供を連れて一体誰と結ばれようとしているのか、と。かつての冷徹な態度は消え去り、そこには彼女への異常なまでの執着と、激しく豹変した大富豪の姿があった。失ったはずの絆と過去の因縁が、再び彼女を逃れられない運命へと引きずり込んでいく。
離婚禁止令!冷徹CEOは新妻をずっと前から狙ってた の小説カバー
9.1
父の莫大な医療費を工面するため、浅見乃愛は妹の身代わりとして、耳が不自由で冷酷と噂される男のもとへ嫁ぐことになった。新婚初夜、覚悟を決めて服を脱いでいく乃愛だったが、夫は一瞥もくれず「この結婚はただの契約に過ぎない。一線を越えるな」と冷徹な警告を突きつける。気まぐれな夫の機嫌を損ねぬよう、乃愛は息を潜めるように日々を過ごしていた。周囲は彼女が不幸になるのを嘲笑いながら待っていたが、予想に反して夫は乃愛の窮地を救う最大の理解者となっていく。やがて契約期間が終わり、乃愛が荷物をまとめて去ろうとしたその時、夫の態度は一変した。彼は目を赤く染めて「行くな」と彼女を引き留め、自ら引いた一線を越えて乃愛を激しく求め始めたのだ。夜ごと情熱的に愛される中で、かつての禁欲的で冷徹な面影は消え去っていた。困惑する彼女の耳元で、夫は甘く低い声で囁く。「俺がどれほど長い間、君を想い続けてきたか知っているかい?」――その言葉には、長年秘めてきた深い愛が込められていた。
死んだはずの妻、愛を奪い返しに来た の小説カバー
8.3
かつて命を奪われ、すべてを失った悲劇の女性が、三つ子の母親として奇跡の帰還を果たす。血に染まる手術台の上で「子供は置いていけ」と冷酷に告げたあの男が、再び彼女の平穏な日々を壊そうと姿を現す。運命の歯車が動き出したのは、彼女が他人の花嫁として新たな人生の誓いを立てようとした結婚式の日だった。かつての夫は、三人の幼い子供たちを連れて式場を占拠し、彼女の前に立ちはだかる。死の淵から蘇った女の魂は、激しい怒りとともに復讐の炎を燃やす。「今度こそ、あなたのすべてを壊してやる」――。失われた愛と執着、そして深い憎悪が複雑に絡み合うなか、 billionaireの世界を舞台にした壮絶なリベンジ・ロマンスが幕を開ける。裏切りへの報復を誓う彼女と、過去に縛られた男。一度は死んだはずの妻が仕掛ける、命懸けの愛の奪還劇がいま始まる。二人の間に横たわる深い溝は、果たして何によって埋められるのか。愛憎の果てに待ち受ける衝撃の結末から目が離せない。
虐げられた天才令嬢は、闇の底で最強の伴侶に出会う の小説カバー
8.3
凄惨な事故が神崎結月の運命を暗転させた。最愛の恋人は記憶を失い、あろうことか彼女の従姉と恋に落ちる。さらに父の暗殺、母の急死によって家門は崩壊。全てを失った結月は、九条家の「忌み子」と蔑まれる男のもとへ厄介払いとして嫁がされた。盲目で歩行不能、残忍かつ狂暴と噂されるその男との初夜を、周囲は彼女が生き延びられるはずもないと冷笑した。しかし、結月には隠された真の姿があった。建築界のカリスマであり、先端IT企業の創設者、さらには天才的な創薬者という顔を持つ彼女は、夫と共にA市を震撼させる。夫の正体もまた、街の富を支配する無慈悲なカジノ王であった。かつて彼女を虐げた伯父一家は、二人の圧倒的な力の前に絶望し、膝をつくことになる。一方、記憶を取り戻し後悔に苛まれる元恋人は、財宝を手に許しを乞うが、九条家の覇王はそれを冷酷に一蹴した。数年後には愛娘を授かる未来を見据える夫婦にとって、裏切り者の執着など、もはや視界に入る価値すらなかったのである。
十万の軍勢でプロポーズされ、逃げ場のない溺愛檻 の小説カバー
9.5
神崎雲英は交通事故に遭った夫を三年かけて完治させたが、彼は愛人を呼び寄せ彼女を冷酷に捨てた。愛想を尽かした雲英は離婚を決意し、名門から追放された哀れな女と嘲笑される。しかし、彼女の正体は伝説の神医、天才レーサー、そして一流デザイナーという輝かしい顔を持つ超エリートだった。元夫が彼女の再婚は不可能だと罵る中、予想外の男が現れる。それは元夫の叔父であり、軍を統べる統帥だった。彼は十万の軍勢を引き連れて凱旋し、彼女に跪いてプロポーズする。「私は決して裏切らない忠犬だ。私を選んでくれないか?」と。逃げ場のないほどの執着と溺愛が、ここから始まる。
彼の身代わりの億万長者の秘密帝国 の小説カバー
9.3
無名のミュージシャンだった神谷蓮を、5年の歳月をかけてIT業界の覇者へと押し上げたのは、恋人である私だった。世間には貧しい女を装いながら、裏では彼の帝国を支えるエンジェル投資家として君臨してきたのだ。しかし、成功を収めた蓮が連れてきたのは、私に酷似した過去の女、片桐玲奈だった。玲奈は私の生活を侵食し、蓮の寵愛を奪っていく。私が抵抗を試みると、蓮は豹変した。彼は私を拉致して地下オークションの競売品として晒し、絶望の淵に突き落とした後、救世主を演じて私を支配下に置こうとしたのだ。さらに、彼は玲奈に対し「遥は君の身代わりに過ぎない」と冷酷に言い放つ。蓮は私が自分に依存していると信じて疑わないが、その傲慢さが命取りとなる。彼が知らない間に離婚手続きは完了しており、私は真の協力者である桔平へ連絡を入れた。「準備は整いました。結婚しましょう」。すべてを失うのは、私ではなく彼の方だ。真の力を持つ私の、静かな逆襲が幕を開ける。