画家の復讐 ― 愛の再生 の小説カバー

画家の復讐 ― 愛の再生

9.5 / 10.0
三度目の結婚式を迎えた望月紗奈を待っていたのは、あまりに無慈悲な裏切りだった。誓いの場であるはずの祭壇で、婚約者の桐谷宗佑は紗奈の友人である藤堂詩織の手を取り、式場を去る。連れ去られた山中で紗奈は木に縛り付けられ、詩織を動揺させたという理不尽な理由で、宗佑から激しい暴行を受けた。これまでも紗奈は、詩織に媚びる宗佑によって画家としての命である右手を壊されるなど、数々の地獄を味わってきた。土砂降りの雨の中、血を流し放置された紗奈だったが、家族と父の会社を守るという執念だけで死の淵から生還する。病院で意識を取り戻した彼女は、自らの喉の痛みも顧みず、かつて暗記した国際番号へ連絡を入れた。全財産を対価に、自分と家族の保護、そして国外への脱出を依頼するために。自分を裏切り、尊厳を奪い続けた者たちへの復讐と、愛の再生を懸けた紗奈の新たな戦いが幕を開ける。この絶望の果てに彼女が掴むのは、破滅か、それとも救済か。

画家の復讐 ― 愛の再生 第1章

これは、私にとって三度目の結婚式。そう、なるはずだった。

純白のドレスは、まるで何度も繰り返し演じさせられる悲劇の舞台衣装のよう。

隣には婚約者の桐谷宗佑(きりたにそうすけ)が立っている。

けれど、彼の手は私の「か弱い」友人、藤堂詩織(とうどうしおり)の腕を固く握りしめていた。

突然、宗佑が詩織を連れて祭壇から離れていく。

招待客の前から、そして私の前から。

でも、今回は違った。

彼は戻ってきて、私を無理やり車に押し込み、人里離れた山中の空き地へと連れ去った。

そこで私を木に縛り付けると、さっきまでの青白い顔はどこへやら、詩織が私に平手打ちを食らわせた。

そして、私を守ると誓った男、宗佑が、詩織を動揺させた罰だと言って、私を何度も、何度も、殴りつけた。

土砂降りの雨の中、血を流し、独りきりで木に縛られたまま放置された。

こんなことは初めてじゃない。

一年前の結婚式では、詩織が私に殴りかかってきた。宗佑は血を流す私を放置して、彼女を抱きしめた。

その半年後、彼女は「誤って」私と親友に熱湯を浴びせかけた。宗佑は詩織をなだめるため、親友の手首を折り、私の絵描きの生命線である右手を破壊した。

私のキャリアは終わった。

森の中に置き去りにされ、震えが止まらない。意識が遠のいていく。

だめ。ここで死ぬわけにはいかない。

私は唇を強く噛みしめ、必死に意識を保とうとした。

両親のこと。父が守ってきた会社のこと。

それだけが、私をこの世に繋ぎとめる唯一の鎖だった。

次に目覚めた時、私は病院のベッドにいた。傍らには母が付き添ってくれている。

喉は焼けつくように痛んだけれど、電話をかけなければならなかった。

ずっと昔に暗記した国際番号をダイヤルする。

「望月紗奈(もちづきさな)です」私はかすれた声で言った。

「ええ、結婚の件、お受けします。私の家が持つ全資産を、保護のためにあなた方の口座へ。そして、私たちを国外へ逃がしてください」

第1章

これが、三度目の結婚式。そう、なるはずだった。

純白のドレスは、まるで何度も繰り返し演じさせられる悲劇の舞台衣装のようだった。

婚約者の桐谷宗佑が、私の隣に立っている。

私の手を取るべきその手は、代わりに藤堂詩織の腕を掴んでいた。

「息が苦しいわ、宗佑さん」詩織が青白い顔で喘いだ。「みんなが見てる。彼女が、私を睨んでる」

彼女、というのは私のこと。いつだって、彼女が言う「彼女」は私だった。

宗佑が私の方を向く。その端正な顔には、見慣れた苛立ちと偽りの忍耐が浮かんでいた。

「紗奈、少しだけだ。彼女をここから連れ出さないと。またパニック発作が起きてるんだ」

いつもの台本。決して変わることのない筋書き。

私が何か言う前に、彼はもう詩織を連れて祭壇から離れていく。招待客の前から、そして私の前から。

でも、今回は違った。

彼はただ去るだけではなかった。教会の階段に凍りついたように立ち尽くす私の横に、彼の車が滑り込んできた。

「乗れ」

彼は命令した。

私は動かなかった。

彼は私の腕を掴み、その指が肌に食い込む。そして助手席に私を無理やり押し込んだ。

ドレスのシルクが、小さく悲鳴を上げて裂けた。

街を離れ、何時間も走った気がする。

道は鬱蒼とした森に囲まれた未舗装のトラックに変わった。

彼は人里離れた小さな空き地で車を停めた。

「何をするの、宗佑さん?」私の声は震えていた。

「詩織の鬱憤を晴らしてやるのさ」彼の声は冷たかった。「そして、お前には自分の立場を思い知らせてやる」

彼は車を降り、私の側に回ってきて、私を車から引きずり出した。

その手にはロープが握られていた。

「逆らうなよ、紗奈」

彼は警告した。

彼は私を大きな樫の木に押し付け、両手首を縛り上げると、ロープを幹に固く結びつけた。

ドレスの繊細な生地越しに、ごつごつした樹皮が背中を削った。

数分後、別の車が到着した。

詩織が降りてくる。その顔はもはや青白くも怯えてもいなかった。

残酷な笑みが浮かんでいる。

彼女はまっすぐ私の元へ歩み寄ると、私の顔面に平手打ちを食らわせた。

鋭い衝撃が走る。

「すっきりしたわ」彼女は手を振りながら言った。「でも、手首が痛くなっちゃった。私、デリケートだから」

彼女は宗佑に媚びるように顔を向けた。

「宗佑さん、お願い。手が痛いの。代わりにやってくれる?」

彼は彼女を見た。その表情は、私には決して向けられることのない、深い憂慮に満ちた眼差しへと和らいだ。

「もちろんさ、詩織。君のためなら何でも」

彼は私の元へ歩み寄った。

私は、私を愛し、守ると誓った男の目を見つめた。

そこに映っていたのは、別の女への冷たい義務感だけだった。

「これは詩織を動揺させた罰だ」

彼は静かに言った。

そして、私を殴った。

彼の平手が私の頬を打つ。一度。二度。十回。

殴られるたびに、私の頭が前後に揺さぶられる。世界がぼやけ、口の中に血の味が広がった。

彼はようやく手を止め、少し息を切らしていた。満足げな表情だった。

私はうなだれた。

美しいはずのウェディングドレスは、泥と、そして今や私自身の血で汚れていた。

私の中から、すべての抵抗心が消え失せていた。瞳は虚ろで、もう何も感じなかった。

宗佑が手を伸ばし、親指で私の口の端から流れる血を優しく拭った。

その身の毛もよだつような優しさに、吐き気がした。

「彼女がどれだけ繊細か、お前も知っているだろう、紗奈」彼は低い声で囁いた。「彼女の父親は俺の恩師なんだ。俺は彼女に借りがある。すべてを捧げる義務があるんだ」

彼は立ち上がった。

「後で迎えに来る。詩織の気分が晴れたらな」

彼は自分の車に戻り、勝ち誇った表情の詩織を抱きかかえ、優しく助手席に乗せた。

走り去る車の中から、詩織が振り返り、小さく、勝利の笑みを浮かべて手を振った。

彼らの車が見えなくなった瞬間、吐き気と怒りの波が私を襲った。

咳き込むと、血飛沫が白いドレスに飛び散った。

記憶が蘇る。

一年前、最初の結婚式。私たちは祭壇にいた。招待客だった詩織が突然叫び声を上げ、私に飛びかかってきた。ベールを引き裂き、長い爪で私の顔を引っ掻いた。宗佑は彼女の元へ駆け寄り、彼女を抱きしめながら囁き続けた。私は血を流していた。結局、私は病院に運ばれ、もう少しで顔に傷が残るところだった。医者は運が良かったと言った。幸運だなんて、少しも思えなかった。

半年前、二度目の結婚式。今度は小さな内輪だけの式にした。詩織は「誤って」お茶用の熱湯の入ったポットを運びながら転び、それを私に浴びせかけようとした。親友の友梨(ゆり)が私を突き飛ばし、彼女が火傷のほとんどを腕に負った。詩織自身も数滴かかっただけで、痛みに泣き叫んだ。宗佑は、友梨の重傷と私の恐怖を無視し、詩織に「暴行した」罰として友梨を罰した。私が止めてと懇願する目の前で、彼は彼女の手首を折った。

そして、詩織をなだめるため、彼は「誤って」車のドアで私の右手を挟んだ。

私の絵描きの生命線である右手を。

私の世代で最も有望な若手画家の一人と言われた、その手を。

骨は砕け散った。私のキャリアは終わった。

その夜、私は彼に婚約を解消したいと告げた。

彼は私の両親と私の前で跪き、目に涙を浮かべ、もう一度だけチャンスをくれと懇願した。

「誓うよ、紗奈」彼は声を詰まらせた。「二度とこんなことはしない。愛してるんだ」

私はその時の彼を見た。完璧な、説得力のある演技。

そして悟った。すべてが嘘なのだと。

乾いた笑いが、私の唇から漏れた。

今、森に独り残され、冷気が骨の髄まで染み込んでくる。

空が開き、冷たく激しい雨が降り始めた。破れたドレスを濡らし、髪を顔に貼り付かせる。

体は制御不能に震え始めた。

視界の端が暗くなっていく。意識が遠のいていく。

だめ。ここで死ぬわけにはいかない。

私は自分の唇を強く噛みしめた。鋭い痛みが全身を駆け巡る。

起きていなければ。生きなければ。

両親のこと。もし私がこんな姿で見つかったら…私が死んだら、宗佑が私たちの家業に何をするか…

それだけが、私をこの世に繋ぎとめる唯一の鎖だった。

しかし、寒さは容赦なく、痛みは深く、脈打つように疼く。

私の体は限界だった。

私は目を閉じた。

次に感じたのは鋭い痛み。寒さからではなく、腕に刺さる注射針の痛みだった。

私は暖かく、乾いていた。

ゆっくりと目を開ける。天井は白い。消毒液の匂い。病院だ。

動こうとしたが、体が悲鳴を上げた。

「紗奈?ああ、あなた、目が覚めたのね!」

母の声だった。涙で濡れている。彼女は私のベッドに駆け寄り、その顔は心配と安堵でぐちゃぐちゃだった。

「二度とこんな心配させないで」母は泣きじゃくりながら私の手を握った。「あなたに何かあったら、私、生きていけないわ、紗奈。生きていけない」

私は弱々しく母の手を握り返した。喉がひりつく。

「お母さん」私はかすれた声で言った。「スマホ、取って」

話すのが辛い。喉がガラスで満たされているようだ。

母は憐れみの目で私を見つめ、すぐにベッドサイドのテーブルから私のスマホを手渡してくれた。

震える手でそれを受け取る。指が画面の上で滑ったが、私の決意は固かった。

ずっと昔に暗記した国際番号をダイヤルする。

二度コールが鳴った後、男の落ち着いた低い声が答えた。

葛城誠(かつらぎまこと)の弟、怜(れい)だった。

「はい」

「望月紗奈です」私は嗄れた声で言った。「結婚の件、お受けします」

電話の向こうで、一瞬の沈黙があった。

「条件は」私は痛みを堪えながら付け加えた。「私の家が持つ全資産を、保護のためにあなた方の口座へ。そして、私たちを国外へ逃がしてください」

「承知した」向こうの声は躊躇なく答えた。その深く、落ち着いた響きは、私の混沌とした人生の中で、奇妙な安らぎを与えてくれた。「結婚式は三日後だ。すべてこちらで手配する」

「もう一つ」私は言った。「あなたに、直接迎えに来てほしいの」

「必ず行く」

続きを読む

画家の復讐 ― 愛の再生 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

アルファの隠し子、奪われた私の特効薬 の小説カバー
8.2
毒に侵され、三年にわたり死の淵を彷徨っていた私にとって、夫である首領・城島譲は唯一の希望だった。献身的な伴侶を演じる彼を信じ、解毒薬「月華の霊薬」を待っていたが、運命の絆を通じて残酷な真相を知ってしまう。譲は群れの癒し手に、貴重な霊薬を愛人の母親へ与えるよう命じていたのだ。「玲奈が息子を産んでくれた」――彼には隠し子がおり、私への看護はすべて、死を待つための偽装に過ぎなかった。彼は私の両親が遺した神聖な家を愛人との生活で穢し、群れには霊薬が盗まれたと嘘をつき、私の死を自らの利益に利用しようと画策していた。病に伏す私を「病気の雌狼」と蔑み、使い古しのスープを差し出す夫。しかし、彼は気づいていない。虐げられた私がどれほどの怒りを宿したかを。その夜、私は身を引き裂くような痛みに耐え、彼との運命の絆を自ら断ち切った。結婚指輪を捨て、嘘に満ちた家を後にする。私は決して屈しない。裏切り者の世界が燃え尽きるその日まで、執念で生き抜いてみせる。
裏切り夫を捨てた令嬢の華麗なる復讐 の小説カバー
8.1
財閥令嬢の身分を隠し、夫の起業を支え続けた五年間。献身的に尽くしてきた私を待っていたのは、残酷な裏切りだった。結婚式を目前に、二人の共有口座から五千万円もの大金が消えたのだ。送金先は夫が「友人」と称していた女性。不審に思い調べを進めると、そこにはその女性と幼い子供と共に、幸せそうに笑う夫の隠された家族写真があった。問い詰める私に対し、夫は謝罪するどころか安物のネックレスを投げつけ、「金に汚い」と罵声を浴びせる。その瞬間、彼への愛は完全に冷め、私は復讐を決意した。私は実家の母へ連絡を入れ、かつて断った名家との縁談を受け入れることを告げる。彼が頼り切っていた会社の基幹データを全て奪い去り、未練と共に婚約指輪をゴミ箱へ捨てた。冷え切った夜の空気の中、アパートの前には新たな婚約者が差し向けた高級車、マイバッハが静かに停車している。富も地位も、そして彼が依存していた全てを奪い取る、華麗なる報復劇が幕を開ける。
余命三ヶ月の妻、冷酷な総帥の溺愛に甘える の小説カバー
8.5
末期の胃がんで余命三ヶ月を宣告された静。絶望に打ちひしがれて帰宅した彼女を待っていたのは、怪我を捏造した義妹を盲信し、謝罪を強要する夫と養父母の非情な仕打ちだった。夫に突き飛ばされ、養母からは熱湯を浴びせられ土下座を迫られる静。この六年間、家族のために献身的に尽くしてきたが、誰一人として彼女の誕生日すら覚えていなかった。愛も絆も幻想だったと悟った静は、冷ややかな笑みを浮かべて夫に離婚届を叩きつける。月曜の朝に役所へ来るよう告げ、驚愕する養父母に対しても井上家との絶縁を冷徹に宣言した。すべてを捨て、激しい雨の中で倒れた彼女を救い上げたのは、強大な権力を有する鷹司家の男だった。死を目前にした天才研究員である静は、彼の差し出した手を取り、自分を無価値なゴミのように扱った者たちへの壮絶な復讐を開始する。残されたわずかな時間の中で、彼女は冷酷な総帥の深い寵愛を受けながら、かつての家族を破滅へと追い込んでいく。
ゴミ扱いされた私が、実は世界的権力者だなんて言えない の小説カバー
8.8
幼い頃に全てを奪われ、孤独の中で育った池田新奈。彼女はかつて自分から母や居場所を奪った者たちへ復讐し、本来あるべき権利を取り戻すため、再び上京市へと足を踏み入れる。しかし、世間は彼女を「落ちこぼれの不良娘」と蔑み、冷酷な視線を向けるばかりだった。そんな中、街を牛耳る権力者・横山宴之介が彼女を妻に迎えると宣言し、周囲は「正気か」と騒然となる。だが、宴之介だけは新奈の真の姿を見抜いていた。彼女は伝説の神医、世界屈指のハッカー、そして王室すら畏敬する天才調香師という、世界を揺るがす複数の顔を持つ実力者だったのだ。夫の執拗なまでの溺愛に戸惑いながらも、新奈は彼の手を借りずとも圧倒的な力で敵を追い詰めていく。会議中であっても彼女を離そうとしない宴之介の過保護ぶりに周囲が呆れる中、新奈の隠された正体が次々と暴かれていく。かつて彼女をゴミのように扱った人々は、そのあまりに強大な真実に直面し、絶望と後悔に震えながら跪くことになる。愛と復讐が交錯する中、最強の令嬢による華麗なる逆襲劇が今、幕を開ける。
私は、あの子のママだった五年間 の小説カバー
8.6
かつてフェミニズム活動家として名を馳せた私は、今や世間から「玉の輿狙いの愛人」や「ブラコン」と蔑まれる存在に成り下がっていた。すべては病に苦しむ弟の治療費を工面するため。私は莫大な富を持つ男と結婚し、彼の連れ子である自閉症の少年の継母となったのだ。かつての同志たちは私を裏切り者と罵って去り、私の世界は一変した。昼は献身的に息子を世話し、夜は夫の情欲を受け入れるだけの孤独な日々。そんな生活が5年目を迎えた頃、息子の実母が突如として姿を現す。彼女は名門大学の博士号を持つ才色兼備な女性であり、SNSでは100万人以上の支持を集めるフェミニズムの旗手として輝いていた。地味で誰からも愛されず、彼女の輝きとは対照的な自身の境遇を突きつけられた私は、ついに自ら離婚を切り出す決意を固める。自己を犠牲にして守り続けてきた家庭という居場所さえも、本物の母親の登場によって崩れ去ろうとしていた。富豪の妻という仮面の下で、一人の女性が選ぶ苦渋の決断と、変わり果てた運命の行方を描く現代ロマンス。
アルファに拒絶されたルナ・敵の子を身籠って の小説カバー
8.3
運命の番であるアルファの海斗を、私は人生のすべてだと信じていた。しかし彼は、愛する女性・由良を守るために私を道具として利用した。由良が「はぐれ者」の子を宿したと偽ると、海斗は私にその不名誉を被るよう命じ、彼女の子を自分の子として育てることを強いた。さらに残酷なことに、私が海斗との子を授かったと知るやいなや、彼は由良にストレスを与えないために「その子を殺せ」と冷徹に命じた。海斗がリンクを通じて由良に甘い言葉を注ぐ傍らで、私は絶望の淵に立たされた。その後、彼の母親によって銀の牢獄に幽閉された私は、無惨にも流産し、愛の欠片さえも失ってしまう。心身ともに破壊され、空っぽになった私は、最後の手掛かりとして禁じられていた遠吠えを天に放った。それは、長らく隠していた私の真の素性、白牙一族の王家へと届ける神聖な救助の合図だった。王女としての誇りを取り戻すため、私はかつての家族を呼び寄せる。
今すぐ読む
共有