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七年間の愛、裏切りの果て の小説カバー

七年間の愛、裏切りの果て

七年という長い歳月を捧げ、尽くし続けてきた恋人に裏切られた絶望。彼は職場の後輩と密かに愛を育み、あろうことか私を旅行へ追い出している隙に、彼女との結婚式を強行しようと企んでいた。「まほはただの情婦だ」という彼の冷酷な本音を知った時、私の心は完全に崩壊した。誕生日は無視され、心を込めて作った料理は無残に捨てられる日々。大切にしていた記念のネックレスさえ、いつの間にか浮気相手の首を飾っていた。極めつけは火災現場での出来事。彼は私を見捨て、迷わず後輩を助けるために駆け出したのだ。これまでの献身を当然の権利のように搾取し、踏みにじってきた彼への情熱は、その瞬間に冷め切った。もう二度と、彼に振り回される人生は歩まない。私は彼に対する最大の復讐として、彼らが誓いを立てるのと全く同じ日に、別の男性と結婚式を挙げることを決意する。裏切りの果てに選んだのは、かつての愛をすべて捨て去り、新しい幸せを掴み取るための強硬な手段だった。止まっていた私の時間は、今ここから動き出す。
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- 坂東雅穂 POV:

リュウノスケは最近, 異常なほど忙しかった.

朝は早くから出かけ, 夜は私が眠りにつく頃に帰ってくる.

彼の生活は, 私とは完全に別々のものになっていた.

私の誕生日のことも, 彼は忘れていた.

以前の私なら, きっと悲しみに暮れただろう.

でも, 今の私には, もうどうでもいいことだった.

心が, すっかり麻痺してしまっていた.

その代わりに, 彼は珍しい限定品のワインを私に差し出した.

「ほら, これ. お詫びだよ. 」彼はそう言って, 気まずそうに笑った.

その笑顔は, まるで義務を果たしたかのように見えた.

私は, ただ無言でそれを受け取った.

「来週, 旅行に行こう. 君がずっと行きたがっていた温泉旅館を予約したんだ. 」彼は, どこか得意げに言った.

私は, 少し迷ってから, 彼からの誘いを受け入れた.

もしかしたら, まだ間に合うかもしれない.

そんな淡い期待が, 心の片隅に宿っていた.

だが, 旅行当日の朝, リュウノスケは現れなかった.

いくら待っても, 彼の姿は見えない.

私の手元には, 旅行会社のバウチャーだけが残された.

私の心は, 期待から絶望へと突き落とされた.

スマホを開くと, ユイハのSNSが目に飛び込んできた.

「坂口先輩と温泉旅行! サプライズで予約してくれたみたい! 素敵な露天風呂付きのお部屋(´▽`)」

写真には, リュウノスケの車が写っていた.

彼の腕には, 私に贈られたはずの, あの限定ワイン.

私の息が止まった.

ユイハの言葉が耳元でこだまする.

「まほさんは, もうおばさんだからね. 坂口先輩も, 若い女の子の方がいいに決まってる. 」

「それに, まほさんは, もうリュウノスケ先輩を必要としてないんでしょう? 」

私の愚かさに, 吐き気がした.

雨が降り出した.

外は土砂降り.

私は, ぼんやりと雨を見つめていた.

かつて, リュウノスケが私を庇って雨に濡れたことがあった.

あの時, 彼は私のために, 自分の身を挺してくれた.

彼の優しさに, 私は何度も救われた.

彼の温かさに, 私は何度でも恋をした.

でも, もう違う.

今, 彼の腕の中にいるのは, 私ではない.

私を庇う彼の腕は, もう, 私の方には向いていない.

私は, 彼の背中を見送った.

私の心は, 冷たい雨に打たれているようだった.

体中の血液が, 凍りついていくのを感じた.

その時, 母からメッセージが届いた.

「まほ, 来月の上旬に結婚式の日取りが決まったわよ. 」

私は, ただ, 「分かった」と短く返信した.

外は, 大雨で交通機関が完全に麻痺していた.

都市は, まるで混沌の中に沈んでいるかのようだった.

リュウノスケから電話がかかってきた.

「まほ, 今どこにいるんだ? 大丈夫か? 」

彼の声には, 僅かな焦りが含まれていた.

「駅よ. 」私は, 平静を装って答えた.

「電車が止まって身動きが取れないわ. 」

「分かった. すぐ迎えに行く. 」彼はそう言って, 電話を切った.

私は, 心の奥底で冷笑した.

彼は, 決して来ない.

またユイハのSNS更新通知.

「坂口先輩が作ってくれた, あったかい生姜焼き定食! 疲れた体に染み渡る~(´▽`)」

写真には, リュウノスケが作ったであろう, 湯気の立つ生姜焼き定食が写っていた.

私は, 無言でスマホの画面を閉じた.

結局, リュウノスケは迎えに来なかった.

私は, ずぶ濡れになって家に帰り着いた.

熱が出ていた.

体中が, 鉛のように重かった.

リュウノスケに風邪をうつさないように, 私は客間に移動した.

一人, 冷たいベッドの中で, 私は震えていた.

翌日, 珍しくリュウノスケが仕事を休んで, 私の看病をしてくれた.

彼は, 私のお粥を作ってくれた.

額に冷たいタオルを置いてくれた.

彼の優しさは, かつての彼のそれと同じように見えた.

けれど, 私の心は, もう何も感じなかった.

彼のそばにいることが, むしろ苦痛だった.

「もう大丈夫よ. 仕事に行って. 」私は, 彼にそう言った.

私の声は, ひどくかすれていた.

「でも, まだ熱があるだろう? 」リュウノスケは, 困惑した顔で私を見た.

「無理しなくていいんだぞ. 」

私は, 薄く笑った.

「もう, 大人だからね. 大丈夫よ. 」

私の心は, もう彼の言葉に動かされることはなかった.

「分かった. 何かあったら, すぐに連絡してくれ. 」彼は, 心配そうな顔で私を見つめた.

私の顔に, 無理やり笑顔を貼り付けた.

「ええ, もちろん. 」

私は, 早く彼に出て行って欲しかった.

リュウノスケは, 何か異常を感じているようだったが, その理由を理解できないようだった.

彼は深くため息をつきながら, 部屋を出て行った.

「無理するなよ. 」彼の声が, 背後から聞こえた.

私は, ようやく一人になれたことに安堵し, 深い眠りに落ちた.

翌朝, 目が覚めると, 熱はすっかり引いていた.

スマホには, 母からのメッセージが届いていた.

「まほ, ウェディングドレスのカタログを送ったわよ. 気に入ったのがあったら教えてね. 」

私は, 送られてきたドレスの写真を一枚一枚, ゆっくりと眺めた.

純白のドレスは, どれも美しかった.

私の心は, 少しだけ揺れた.

新しい人生が, 本当に始まるのだ.

その時, 部屋のドアが, ノックもなしに勢いよく開いた.

リュウノスケが, 血相を変えて部屋に飛び込んできた.

「まほ, 何を隠しているんだ! ? 」彼はそう叫び, 私の手からスマホを奪い取った.

彼の目は, ドレスの写真に釘付けになった.

「これは, 一体どういうことだ! ? 」彼の声が, 部屋に響き渡る.

私の心臓が, ドクンと大きく跳ねた.

私は, 彼に真実を告げるべきか, 一瞬迷った.

しかし, 彼の顔を見た瞬間, その迷いは消え去った.

「まさか, 君, 僕に結婚を迫っているのか! ? 」リュウノスケは, 顔を真っ赤にして私を睨みつけた.

「そんなことをして, 恥ずかしいと思わないのか! ? 」

彼の言葉は, 私の心を深く傷つけた.

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