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異世界移転した僕たちだけど僕のスキルだけファンタジー感が足りない気がする の小説カバー

異世界移転した僕たちだけど僕のスキルだけファンタジー感が足りない気がする

平凡な中学生だった宇美矢晴兎は、ある日突然、クラスメイトたちと共に未知の異世界へと召喚される事態に見舞われる。周囲の仲間たちが勇者や聖女、賢者といった、まさにファンタジーの王道とも言える強力な希少職や伝説級の能力を次々と発現させていく中、晴兎に授けられた力はそれらとは一線を画す異質なものだった。ファンタジーの世界観にはおよそ似つかわしくない、あまりにも現実的で場違いなその能力に、彼は困惑を隠せない。剣と魔法が支配する過酷な新天地において、華やかなスキルを持つ友人たちと対照的に、地味で特殊な力を手にした晴兎の運命はどう転んでいくのか。異世界召喚という非日常の渦中で、一人だけ毛色の違う能力を与えられた少年の葛藤と、その独自の力を駆使して切り拓く冒険の幕が上がる。定番の英雄譚とは一味違う、異色の異世界サバイバルが今ここに始まる。果たして彼は、ファンタジー感の欠如したそのスキルを武器に、この世界の荒波を生き抜くことができるのだろうか。
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突然だけど僕は宇美矢 晴兎(うみや はると)。

   見た目は真っ黒な少し長めの髪に、『よく眠そうな中性的な顔をしている』とよく言われる。  

  そんななんてことないどこにでもいるようなごく普通の中学1年生だ。

  「……はぁ、今日は月曜日だし頑張らないと」

  そんなことを呟きながら僕は学校の階段を登って『1ー2』と書かれた教室に気怠い気持ちで入った。

  教室の時計をチラリと見て遅刻してないことを確認して席に着いた。

「あっ、晴兎おはよう!」  

「ん? あぁ、おはよう輝羅」

 僕に挨拶をしてくれた彼女は広乃 輝羅(こうの きら)。

 モデルのようなスラリとした体格に腰まである黒く長い髪の毛、学校では三大女神と呼ばれる程の美麗で有名な生徒……なのだが僕と彼女は小学校の頃からとある趣味で意気投合してから親友という関係になっている。

 まぁそれを思春期真っ盛りの中学男子たちが良く思ってる筈もない訳で…………。

 「よぉ宇美矢。今日も機嫌が良さそうだなぁ?」

 と、言った感じに絡んでくる奴もいる。

 ちなみに彼コイツは岡田 猛(おかだ たけし)。

 いわゆるこの中学のガキ大将で目の上のたん瘤な気に入らない僕を心底嫌っている。

 輝羅と話してるとこうやって近寄って来て嫌味を言ってくるのだから、きっと輝羅のことが好きなんだろうなぁ。

 今どきガキ大将なんて流行らないよ?

 なんてことを考えているといつのまにかクラスメートが揃っていた。

「そろそろ先生が来る時間だ」と岡田の奴に伝えると「チッ、後で覚えとけよ!」と言い残して岡田は席に着いた。

 その後、だいたい一分くらい経つと担任の啓成 維池郎(ひろしげ いちろう)先生が教室に入って来て出席を確認し始めた。

 そして朝のホームルームが何事もなく進む。

 はぁ……月曜日のホームルームは怠いなぁ。

 話は長いし、連絡事項も他の曜日に比べて多い。

 なんとかならないかなぁ……。

 なんてことを考えていると朝のホームルームが終わりを迎えていた。

「……と、言うことだ。今週も頑張りましょう」

 啓成先生がホームルームを締めるのとほぼ同時に異変が起きた。

 あたかもタイミングを狙っていたかのように僕を含めたクラスメート全員と啓成先生の足元に青色に輝く魔法陣が現れ、どんどん光が強くなっていく。

 教室のみんなはパニックになったが、足を動かしてみるとどうやら動くことはできた。

 何が起こっているか分からない以上この場を離れるのが一番だ。

 そんなことを考えながら僕は頭に浮かぶ不安を振り払って教室のドアへ向かった。

 既に啓成先生と中学剣道男子で全国優勝するほどの実力者、霧乃 星也(きりの せいや)くんが力を合わせてドアを開けようとするがドアが動かない。

 霧乃くんが部活のカバンから竹刀を出して窓を割ろうとするがどう足掻いても窓はびくともしなかった。

 そして魔法陣の光は激しく輝き、思わず僕たちは目を瞑ったのだった。

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