虐げられた天才令嬢は、闇の底で最強の伴侶に出会う の小説カバー

虐げられた天才令嬢は、闇の底で最強の伴侶に出会う

8.3 / 10.0
すべてを奪われ追放された神崎結月は、九条家の忌み子と呼ばれる盲目の男に嫁がされる。しかし、彼女の正体は建築界のカリスマであり天才創薬者だった。最強の伴侶であるカジノ王と共に、裏切り者たちへの復讐を開始する。『虐げられた天才令嬢は、闇の底で最強の伴侶に出会う』は、現代を舞台にした圧倒的な逆転劇。billionaire romance novelsとしても楽しめる本作は、正体を隠したヒロインが愛と権力を手に入れる本格的なromance fiction booksです。運命を切り拓く彼女の戦いから目が離せません。
「虐げられた天才令嬢は、闇の底で最強の伴侶に出会う」のあらすじ
凄惨な事故が神崎結月の運命を暗転させた。最愛の恋人は記憶を失い、あろうことか彼女の従姉と恋に落ちる。さらに父の暗殺、母の急死によって家門は崩壊。全てを失った結月は、九条家の「忌み子」と蔑まれる男のもとへ厄介払いとして嫁がされた。盲目で歩行不能、残忍かつ狂暴と噂されるその男との初夜を、周囲は彼女が生き延びられるはずもないと冷笑した。しかし、結月には隠された真の姿があった。建築界のカリスマであり、先端IT企業の創設者、さらには天才的な創薬者という顔を持つ彼女は、夫と共にA市を震撼させる。夫の正体もまた、街の富を支配する無慈悲なカジノ王であった。かつて彼女を虐げた伯父一家は、二人の圧倒的な力の前に絶望し、膝をつくことになる。一方、記憶を取り戻し後悔に苛まれる元恋人は、財宝を手に許しを乞うが、九条家の覇王はそれを冷酷に一蹴した。数年後には愛娘を授かる未来を見据える夫婦にとって、裏切り者の執着など、もはや視界に入る価値すらなかったのである。
もっと見る

虐げられた天才令嬢は、闇の底で最強の伴侶に出会う 第1章

「俺は足が不自由だからな。お前を抱くことはできない」

初夜。広くて冷々とした主寝室で、車椅子に座った男は冷たく言い放った。

神崎結月はベッドの端に縮こまって座り、血の気の引いた唇を噛み締めた。

「構いません。私にはそういう欲求はありませんから」

九条朔夜はそれを聞いて、鼻で笑った。

彼は結月に背を向け、横顔だけを覗かせた。スッと通った鼻筋に、キリッとした目鼻立ち。だが、その口から出る言葉はひどく辛辣だった。「俺の言っている意味がわからないのか。金で買われた安っぽい妻なんて必要ない。出て行け」

結月は頬を火照らせ、赤く腫れた目にうっすらと涙を浮かべた。

嫁ぐ前から、この政略結婚が地獄の始まりだってことはわかりきっていた。

だが、これが彼女にとって唯一の生きる道だったのだ。

恋人は交通事故で記憶を失い、あろうことか従姉と恋に落ちてしまった。彼に記憶を取り戻させるため、結月は3年もの月日を費やした。自分の体で人体実験まですることを厭わず、そのせいで太って醜い容姿になってしまったというのに。結局、彼からは二人の仲を引き裂く泥棒猫扱いされ、ひどく憎まれる結果に終わった。

父親が伯父に謀られて命を落とし、母親はそのショックで病床に伏せてしまった。

だが数日前、その母親までもが奴らの手によって命を落とした。

もう、これ以上我慢する必要はない。

目の前にいる冷酷非情な九条家の隠し子。彼こそが、自分の結婚と引き換えに手に入れた「復讐の道具」なのだ。

結月はうつむき、込み上げてくる弱音を噛み殺して飲み込んだ。「私を追い出したところで、九条家はまた別の女を送り込んでくるだけです。誰を選んでも同じじゃありませんか?」

朔夜は口角をわずかに上げた。「そんなに家政婦になりたいのか?」

結月は淡々と答えた。「九条家からはすでに結納金をいただいています。商談が成立した以上、後戻りはできません」

薄暗い照明の下で、朔夜はわずかに目を細めた。

ふと、この女がどんな顔をしているのか見てみたくなり、彼は車椅子を動かして彼女の方へ向き直った。

結月はこれまで一度も朔夜の顔を見たことがなかった。

彼の容姿は悪鬼のように醜いと噂に聞いていた。そのため、彼が振り向いた瞬間、体が勝手に反応して両目をぎゅっと閉じてしまった。

(どうせ彼は目も見えないのだから、私が何をしているかなんて分かりはしない。)

朔夜は目の前にいるぽっちゃりとした女をじっと見つめた。顔は丸いが、目鼻立ちは整っている。肌は異常なほど白く――まるで大福の妖精みたいだった。

思っていたよりずっとマシな顔をしている。

これまでにも大勢の女を無理やり押し付けられてきたが、自ら擦り寄ってきて、しかも追い払おうとしても離れない女は結月が初めてだった。

朔夜の中に、ほんの少しだけ興味が湧いた。

「そこまで覚悟が決まっているなら、ベッドに横になれ」

彼の態度がこれほど急変するとは思わず、結月の体は瞬時にこわばった。「あ、あなたは……その、できないんじゃなかったんですか?」

朔夜は冷ややかな声で言った。「ベッドに入ったら、絶対にヤらなきゃいけないとでも?」

あまりにもストレートで露骨な言葉に、結月はひどく気まずくなった。

一体何をするつもりなのか問い詰める勇気はなかった。余計なことを言って命を落とすのはごめんだ。彼女は薄く目を開け、恐る恐るベッドに横たわった。

朔夜は彼女をチラリと見た。

正直なところ、死後3日経った死体でさえ、ここまでカチコチにはならないだろう。

結月は目を閉じたまま、車椅子の音がだんだんと近づいてくるのを聞いていた。

艶のある低い男の声が、静かに降ってきた。「ズボンを脱げ」

結月は息を呑んだ。「しないって……言ったじゃ……」

その先を口にするのが恥ずかしくて、彼女はブルッと身震いした。「その、アレ……ですか?」

朔夜はさらりと言ってのけた。「お前が処女かどうか確認する」

「……」

結月は慌てて目を見開き、彼に掴みかかろうとした。

だが、その顔を見た瞬間、心臓が止まりそうになった。噂では見るに堪えない醜悪な男だと聞いていたのに、目の前にいるのは息を呑むほど完璧な顔立ちをした男だったのだ。

彼女は驚きで顔をこわばらせた。

「すみません」 結月は慌てて身を起こした。「どうやら部屋を間違えたみたいです。あの、あなたは本当に九条朔夜さんですか?」

朔夜は問い返した。「なぜそんなことを聞く?」

「九条家の他のご令息かと思いましたから」

「マスクを被っているんだ」 朔夜は思いつきで脅かしてみせた。「子供の生皮を剥いで作った特注品だ」

「……」

結月は恐怖のあまり手の力を抜いてしまった。スカートの下に隠し持っていた武器が、パサッとベッドの上に落ちた。

朔夜がさりげなく視線を落とすと、そこに一挺の銃があった。

続きを読む

虐げられた天才令嬢は、闇の底で最強の伴侶に出会う 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

覇王の略奪、裏切られた高貴な令嬢を支配する の小説カバー
9.1
After witnessing her fiancé’s betrayal with her cousin, noblewoman Elena is left shattered. In her moment of despair, she encounters Shoma Nakazawa, a ruthless billionaire and her fiancé’s business partner. He seduces her with a dark proposition: to ruin those who hurt her by descending into a world of sin. Despite her family’s ruinous state and her fiancé’s humiliating demands at a yacht party, Elena finds a dangerous ally. As Shoma touches her in secret while her oblivious fiancé bows to him, she decides to stop being a victim. Embracing Shoma’s cold obsession, she resolves to use this devil to drag her enemies into the depths of hell.
戻れない約束、離れられない心 の小説カバー
8.2
家族から見放され、冷酷な悪党の手に堕ちていた彼を、私はただ同情心から救い出した。地獄から抜け出した彼は、一生をかけて私を大切にすると誓ってくれたはずだった。しかし、彼が本来の家族に受け入れられ、かつての地位を取り戻したとき、現実は無情に崩れ去る。私は偶然にも、彼が友人の前で放った本心を聞いてしまったのだ。「あんな女は愛に飢えた年増に過ぎない。下心を抱いて俺に近づいたんだ。もし命の恩人でなければ、そばに置く価値もない」と。彼にとって私は、救済者ではなく打算的な女に過ぎなかった。真実を知った私は絶望し、彼の望み通りその前から姿を消す決意をする。ところが、いざ私が離れると、彼は激しい後悔に苛まれることになる。かつての傲慢さは消え失せ、彼は充血した瞳に涙を浮かべながら、震える声で私に縋り付いてきた。「お姉さん、僕を捨てないと言ったじゃないか」と。一度壊れた約束と、冷め切った心。すれ違う二人の愛の行方は、あまりにも皮肉な結末へと向かっていく。
彼女の復讐、彼の破滅 の小説カバー
8.6
息子の死は薬物過剰摂取による自殺と断定された。だが鑑識官である私は、自ら検分した遺体が発する「殺人の証拠」を見逃さなかった。真実を求めて七度の再審を請求したが、検事正の榊宗一郎はそのすべてを棄却。二十年尽くした組織は、権力で殺人を隠蔽したのだ。司法に裏切られた私は、法を捨て復讐者となる道を選んだ。榊の娘・麗を拉致し、凄惨な拷問の様子を世界へ配信。かつての恩師や息子の恋人・亜希が説得に現れ、息子の鬱病や遺書を盾に私の正気を疑わせようとする。一時は自責の念に駆られたが、私は遺書に隠された秘密の暗号に気づく。それは幼い頃に愛読した絵本を用いた、息子からの必死の救助信号だった。彼が最後まで抗っていたことを知り、私の迷いは氷解する。神奈川県警の特殊部隊が包囲し、突入の瞬間が迫る中、私は偽りの遺書を拒絶した。息子の叫びを握りつぶした者たちへの怒りを胸に、私は再び麗の肌に鑑識道具を突き立てる。この残酷な儀式は、正義が死んだ世界への、母親としての最期の宣戦布告だった。
植物状態の夫を治した身代わり妻、もはや正体を隠せない の小説カバー
8.3
水野海月は、ある恩義を返すため身代わりとして藤本家に嫁いだ。植物状態だった夫・藤本暁を二年にわたる献身的な看護で救い出したのは、彼への密かな恋心ゆえだった。しかし、暁の意識が戻り元恋人が現れると、彼女の尽くした日々は否定され、無慈悲な離婚届を突きつけられてしまう。海月は潔く署名し、名門から捨てられた女と世間に嘲笑われながらも独り立ち去った。だが、人々は彼女の真の姿を知らない。サーキットを駆ける伝説のレーサー、世界を魅了するデザイナー、闇を支配する天才ハッカー、そして藤本家を幾度も救った神の手を持つ名医。その正体はすべて海月だったのである。真実を悟り、後悔の念に駆られて復縁を乞う元夫。しかし、そんな彼の前に京の実業界を統べる冷徹な支配者が立ちはだかる。彼は海月を抱き寄せ、「俺の妻に手を出すな」と冷然と言い放った。ただの借金関係だと思っていた男の豹変に、海月は困惑するばかり。多才な素顔を隠し持っていた「身代わり妻」の、華麗なる逆転劇が幕を開ける。
彼の裏切り、私のマフィア復讐 の小説カバー
9.6
亡き義弟の愛人を自宅に住まわせ、献身的に尽くす夫。その異様な光景を目の当たりにした時、私の中で夫婦の絆は音を立てて崩れ去った。彼は「極道の務め」と言い訳を並べ立て、妻である私よりも、身籠った他人の女を優先し続けた。そんなある日、女が私の母の形見である首飾りを盗み、目の前で粉々に打ち砕くという暴挙に出る。あまりの冒涜に怒りを抑えきれず彼女を問い詰めた私に対し、夫が向けたのは謝罪ではなく、容赦のない拳だった。他組織の組長の娘である私に手を上げたその瞬間、彼は極道の仁義を完全に踏みにじったのだ。夫の裏切りは、もはや修復不可能な宣戦布告へと変わった。私は母の墓前で、彼の家族すべてを地獄へ突き落とすと固く誓う。父へ連絡を入れたその時から、これまで夫が築き上げてきた帝国の崩壊が始まった。愛が憎しみへと反転し、血で血を洗う苛烈な復讐劇の幕が上がる。裏切り者には、相応の報いを受けさせなければならない。これは誇り高き一族の娘による、冷徹かつ徹底的な報復の記録である。
娘の針が貫いた、母の亡骸 の小説カバー
8.0
凄惨な最期を遂げた私の傍らで、娘は姑の夕食作りに余念がなかった。そんな彼女が私に投げつけた最後の言葉は、退院の日を祝うはずの場に相応しくない不吉なことを言うな、という冷酷な拒絶だった。しかし翌日、病院に運び込まれたのは、原型を留めぬほど無残に損なわれ、修復を必要とする一体の遺体だった。娘は、自らの手で一針ずつ丁寧に縫い合わせているその肉塊が、誰であるのかを全く分かっていない。憎悪の対象として疎んじ続けてきた実の母親が、変わり果てた姿で目の前に横たわっているという事実に。皮肉な運命に導かれるようにして、彼女は知らぬ間に母の亡骸を繕い続けていく。母娘の絆が断絶した果てに待ち受けていたのは、あまりにも残酷で救いのない結末だった。自分の手で母を弔うことになるとは夢にも思わず、娘はただ黙々と針を動かし続ける。その指先が貫いているのが、かつて自分を慈しんだ母の肌であるとも知らずに。逃れられない因果が、静かに、そして確実に彼女の心を蝕んでいく。
今すぐ読む
共有