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禁断の愛:守護者の憤怒 の小説カバー

禁断の愛:守護者の憤怒

身寄りを失った私を救い、十年にわたり育ててくれた後見人の一条蓮。彼は私の世界の中心であり、同時に密かな恋慕の対象でもあった。しかし、十八歳の誕生日に決死の覚悟で伝えた愛の告白は、最悪の結末を迎える。蓮はかつてないほどの激昂を見せ、祝いのケーキを床に叩きつけると、私が一年を費やして描いた告白の絵までも無残に引き裂いた。「後見人である自分を何だと思っている」という冷徹な言葉が、私の心を深く突き刺す。さらに数日後、彼は婚約者の詩織を連れて帰宅し、かつての優しい約束や「一番星」と呼んでくれた日々を完全に否定した。私を守るはずだった存在は、今や誰よりも私を傷つける存在へと変わってしまった。絶望に焼かれ、十年の恋心が灰になる中、私は手元にある慶應大学の合格通知を握りしめる。この家を出て、彼への想いを断ち切るために。私は震える声で、東京にいる父に電話をかけた。彼を心から消し去り、新たな人生を歩み出すために、私は住み慣れたこの場所を去る決意を固める。
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3

その夜、詩織さんは泊まっていった。

美咲はベッドに横たわっていたが、薄い壁は隣の部屋から聞こえてくる曖昧な音を遮断できなかった。

眠れるはずもなかった。

起き上がってベランダへ出て、煙草に火をつけた。

ずっと前に、こっそり覚えたものだ。

苦い味が口の中に広がる。

まるで、心の中の苦さそのものだった。

翌朝、目の下に濃い隈を作って階下へ降りた。

すっきりとした顔で輝いている詩織さんが、私をソファに引き寄せた。

「美咲ちゃん、もうすぐ蓮の誕生日なの。どんなパーティーがいいと思う? 海辺のテーマとか?」

詩織さんの首筋、襟元から覗く微かな赤い痕。

それが、私の目を突き刺すようだった。

ある日の夕方、蓮さんと一緒に浜辺を歩いたことを思い出す。

私は彼に、海が好きだと伝えた。

彼は、これからの彼の誕生日は、毎年海で祝おうと約束してくれた。

あの頃、彼の瞳には私しか映っていなかった。

今では、彼は私を疫病神のように避けている。

私の好きなものも、嫌いなものも、すべて忘れてしまった。

美咲が口を開こうとした瞬間、キッチンから蓮さんが割り込んできた。

「俺のことが知りたいなら、直接俺に聞け」

詩織さんはふざけて唇を尖らせた。

「だって、美咲ちゃんの方があなたのことをよく知ってると思ったから」

美咲は無理に笑った。胸が痛む。

「私は、彼のことをそんなに詳しくありません」

立ち上がってその場を去ろうとすると、心の中の苦さが溢れ出しそうだった。

「こんなに早くどこへ行くんだ?」

蓮さんの声が、突然冷たくなった。

美咲の心臓が震える。

「ビザの申請に行く約束があるんです」

詩織さんは驚いた顔をした。

「ビザ? 旅行に行くの? 彼氏と?」

蓮さんは眉をひそめ、その口調は disapproval で鋭かった。

「美咲、大学生活が落ち着くまでは、誰とも付き合ってほしくない」

彼の冷たい非難が、私の心を打つ。

説明する気力さえなかった。

詩織さんが笑顔で場を和ませる。

「まあ、蓮、そんなに厳しくしないで。美咲ちゃんももう大人なんだから。恋をするのは普通のことよ」

蓮さんと詩織さんは、手をつないで一緒に出て行った。

美咲はリビングに立ち尽くし、その手はゆっくりと拳を握りしめていた。

私にはたった一度しかない十八歳を、すべて彼に捧げた。

私の青春を、報われない恋の沼に埋もれさせるわけにはいかない。

家を出ると、小雨が降っていて、空気が冷たかった。

雨の日には、蓮さんがいつも傘をさして送り迎えしてくれたことを思い出す。

彼は、私が嵐の中の避難港だと言っていた。

一人で歩くことに慣れなければ、と自分に言い聞かせる。

傘を開き、雨の中へと歩き出した。

ビザを取得した後、タクシーを呼ぼうとした時、無意識に特別通知に設定していた蓮さんのプロフィールをクリックしてしまった。

彼はちょうど新しい投稿をしていた。

『雨の日は、公式発表にぴったりだ』

添えられていたのは、彼と詩織さんのウェディング写真だった。

彼は微笑んでいて、その瞳は優しさに満ちていた。

コメント欄は、祝福の言葉で溢れていた。

胸の左側が、もういつものように痛むことはなかった。

麻痺していた。

私は冷静にコメントを打ち込んだ。

『お似合いの二人ですね』

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