追放された令嬢、実は最強大富豪の娘でした の小説カバー

追放された令嬢、実は最強大富豪の娘でした

9.3 / 10.0
偽の令嬢として追放された絵渡。しかし、再会した実父は城一の資産家であり、彼女自身も伝説的ハッカーや舞踊界のカリスマという真の姿を持っていた。『追放された令嬢、実は最強大富豪の娘でした』は、家族の愛と圧倒的な才能で敵を圧倒する痛快なbillionaire物語。元婚約者や身勝手な養父母の妨害を退け、夜京の権力者と共に頂点へ昇り詰める。最新のromance novelとして、正体を隠したヒロインが運命を切り拓く極上の現代ドラマ。
「追放された令嬢、実は最強大富豪の娘でした」のあらすじ
長谷川家の令嬢として二十年以上も何不自由なく育ってきた絵渡。しかし、血縁関係がないことが発覚した途端、真の令嬢による策略で家を追われ、世間の嘲笑の的となってしまう。行き場を失い、実の両親が待つ農村へ戻った彼女を待ち受けていたのは、予想だにしない真実だった。実は彼女の本当の父親は、国一番の大富豪だったのである。各界の頂点に君臨する天才的な兄たちに溺愛され、平穏な日々を送る絵渡だったが、彼女自身もまた、伝説のハッカーや舞踊界のカリスマといった、驚愕の裏の顔を隠し持っていた。再会したかつての家族や元恋人が彼女を見下し、貧乏人だと罵るなか、絵渡はその圧倒的な実力と財力で次々と報復を果たしていく。さらに、夜京を支配する強大な権力者が夫として現れ、彼女を全力で守り抜くことを誓う。偽りの令嬢という立場を捨てた絵渡が、真の富と才能を武器に、自分を貶めた者たちを震撼させる逆転劇が幕を開ける。華やかな社交界の裏側で、彼女の真の輝きがすべてを圧倒していく。
もっと見る

追放された令嬢、実は最強大富豪の娘でした 第1章

「絵渡、長年うちで育ててきたのに……よくもこんな裏切りができたわね。もううちには置いておけない。出ていきなさい!」

目の前に立つ長谷川夫人は、品のある装いの裏にあからさまな嫌悪をにじませながら、絵渡を睨みつけていた。

「お母さん、違うの……私が階段から落ちたのは、自分の不注意のせいなの。お姉ちゃんは関係ないわ!」

ソファに座る少女が涙ぐみながら訴えた。膝には包帯が巻かれ、どこか儚げなその姿は、見る者の同情を誘う。

ほんの三十分前、長谷川家の本当の娘――恋夏は二階から階段を転げ落ちた。その場にいたのは絵渡ひとり。

誰もが彼女の仕業だと決めつけた。

一週間前、記者会見で「家族同然」と涙を見せていた長谷川家の人々は、今やまるで人が変わったように絵渡を責め立てている。

絵渡は俯いたまま、目の奥に嘲りの光を浮かべた。

――ついこのあいだまで、彼女は長谷川家の「たったひとりの娘」だった。 寵愛はされていなかったが、少なくとも衣食住に困ることはなかった。

だが、ある日、長谷川会長が倒れ、輸血が必要になったことで事態は一変する。家族全員が血液型の検査を受けた結果、絵渡は長谷川家の血を引いていないことが判明したのだ。 驚愕と混乱の中、長谷川会長はすぐにあらゆる人脈を使って真相を突き止め、本物の娘――恋夏を見つけ出した。

快川城でも名の知れた名家、長谷川家。だからこそ、あの騒動のことは瞬く間に広まった。もっとも、長谷川家は昔から世間体を気にする家だ。外にはこう言っていた――「これまで育ててきた娘ですから、すぐに手放すことなどできません。絵渡は、しばらくうちの娘として育てていきますよ」と。

だが実際のところは、世間の耳目が落ち着いた頃合いを見て、彼女をひっそりと元の家に戻すつもりだった。

本当の娘――恋夏が戻ってきてからは、長谷川家の空気は一変した。絵渡の存在こそが、恋夏をこれまで苦しめてきた元凶だと決めつけられたのだ。それ以来、絵渡はかつての自室を追われ、物置部屋に押し込まれた。

家事全般を一手に引き受けさせられ、掃除に洗濯、食事の支度まで。今では、使用人よりも扱いが悪い。

それでも恋夏は、絵渡の存在すら我慢ならなかった。

ここ数日、何度も罠を仕掛けては彼女を陥れようとした。

だが長谷川会長夫妻は、それを見て見ぬふり。どころか、絵渡に対する態度は日に日に冷たさを増していた。

絵渡は、この機に長谷川家の本性をはっきりと見極めた。もう黙って耐えるつもりはない。

顔を上げ、恋夏をまっすぐに見据える。「出ていくわ。でも、なにも知らないまま追い出されるなんてまっぴら。これまでずっと、あなたの代わりに汚名をかぶり続けてきたの。もう十分でしょ、恋夏!」

その鋭く冷ややかな眼差しに、恋夏の背筋がぞくりと震えた。

これがあの、いつも耐えてばかりいた絵渡……?

目の奥に、ねっとりとした陰が差す。

(この女……!)

真の長谷川家の娘は自分なのに、どうしてこいつが長谷川家の栄華を享受しているのか。

絶対にこの偽物を追い出してやるんだから。

恋夏は、何食わぬ顔でか細く訴えた。「お姉ちゃん、なに言ってるのか分からない……。 私、お姉ちゃんに嫌われてるのは知ってるよ。だって、私が戻ってきてから、パパとママの愛情を奪っちゃったみたいで……だから今までずっと我慢してきたの。でも、私の脚……。 ダンスが大好きなの、知ってたよね?どうしてそんなことを……。お姉ちゃんも踊るのが好きだったなら、無理に大会の枠を奪ったりしなかったのに……」

つまり、絵渡が自分を傷つけたのは、全国ダンス協会の大会出場枠を巡ってのことだ――そう言いたいのだった。

その言葉に、長谷川夫人の目にはますます嫌悪がにじむ。「恋夏、あなたには天から授かった才能があるのよ。あんな子とは比べものにならない。 大会の枠なんて、最初からあなたのものじゃないの!それに――絵渡、荷物をまとめて、今すぐ出ていきなさい!」

(絵渡って子は……まるで死人みたいな顔して、一体誰に見せてるのかしらね)

(やっぱり恋夏の方がずっといいわ。性格は素直で聞き分けもいいし、ダンスの才能だって申し分ない。これこそ私たちの娘よ)

黙って話を聞いていた長谷川会長が、深いため息をついた。そして静かに口を開く。「絵渡、元々は世間の目が落ち着いてから改めて送るつもりだったんだが……まさか恋夏にあんな悪意を向けるとは思わなかったよ。 今日、もう連れて行くことにした」

恋夏はその言葉を聞くと、目を輝かせて喜びをあらわにした。

だが絵渡は、表情ひとつ変えずにその場を離れ、荷物をまとめに向かった。

なかなか降りてこない彼女に、恋夏は不安を覗かせる。「まさか、全部持ってくつもりじゃないでしょうね……」

ここは長谷川家。すべて自分のものだ。偽物に好き勝手されてたまるものか。

そんなとき、ちょうど絵渡が階下に現れた。彼女の背には黒いバッグひとつ。それだけで、もともと透き通るように白い肌がさらに際立ち、視線を向けるだけで、くっきりとした黒と白の対比が目を射抜く。その眼差しに射すくめられ、長谷川会長はとっさに視線を逸らした。なぜか胸の奥がざわつく。

そんな様子をよそに、長谷川夫人は眉をひそめた。(……少なすぎじゃない?) 「何を持っていくつもりなのかしら、ちょっと見せてくれる?」

「もういいわ、持っていかせなさい」長谷川会長が制した。仮にカードを持って行っても、自分が渡したものは一枚だけ、それもせいぜい200万円程度だ。

だが絵渡は無言のまま、バッグをテーブルに置き、きっぱりと言い放った。「どうぞ、調べて」

「どうせ、何か高価な物でも……」長谷川夫人は鼻で笑いながらバッグを開けたが、目に入ったのは、ノート一冊、数粒の種、そして少しばかりの現金だけだった。 カードさえ一枚も持っていっていない。悔しさと恥ずかしさをごまかすように、背筋を正して言う。「……運転手に送らせるわ」

長谷川会長は面白くなさそうに目を細め、カードを一枚差し出した。「絵渡、家に戻ったらご両親の言うことをよく聞くんだ。あの人たちは田舎で農業をしているけど、素朴で誠実な人たちだ。しっかり支えてやりなさい」

絵渡は、整った眉目を微動だにさせず、そのカードをきっぱりと断った。「人にはそれぞれの運命があります。けれど私は、曖昧なまま去るつもりはありません。恋夏、あなたはどうやって階段を下りたのか――これが最後の機会。自分で説明しなさい」

恋夏が最も嫌っているのは、どんな時でも揺らがないこの女の態度だった。まるで、生まれつき自分より高みにいるとでも言わんばかりに。

偽の令嬢のくせに。

ただの農民の娘のくせに!

「お姉ちゃん、どういう意味よ?まさか自分で落ちたって言いたいわけ? これは、私の脚よ?一番大事にしてる脚なのよ?もし本当にケガでもしたら、これからどうやって踊るのよ!」恋夏は声を張り上げて泣き出し、「うっ」と母親の胸にすがりついた。

「ガシャン!」

突然、花瓶がひとつ、鋭く彼女のすぐそばに叩きつけられた。その音に驚いた恋夏は、反射的に立ち上がってしまう。

その瞬間――部屋の全員が固まった。長谷川夫人も、長谷川会長も、目を見開いて彼女を見ていた。

……ケガして立てないんじゃなかったのか?ついさっきまで、寝たきりだって言ってたのに。

続きを読む

追放された令嬢、実は最強大富豪の娘でした 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

男装17年、女帝はじめました の小説カバー
8.0
生まれた瞬間、母の野心によって性別を偽る運命を背負わされた皇太子。あるはずの「男の証」を持たぬまま、過酷な胸の締め付けと男装に耐え、十七年もの歳月を皇太子として完璧に演じ抜いてきた。文武両道で聡明な後継者として名を馳せるも、ついにその正体が露見する日が訪れる。裏切られたと感じた忠臣たちが怒りの眼差しを向け、死罪を免れない絶体絶命の窮地に立たされた時、彼女は静かに剣を抜き放ち、世の理を覆す宣言を放った。「女が皇帝になってはならぬと、誰が決めたのか」と。自らの力で帝位を掴み取った彼女を待っていたのは、かつて共に学問に励んだ文官と、武芸を叩き込んでくれた武官による、熾烈な寵愛争いだった。かつての仲間から側室候補となった彼らの肩を抱き寄せ、女帝は不敵に微笑む。後宮にさらなる新人が増える未来を見据え、嫉妬に燃える男たちを軽やかにいなしていく。男装の皇太子から前代未聞の女帝へ。彼女の歩む道には、華やかな恋の火花と波乱の治世が待ち受けていた。
覚醒ヒロイン、IQはタコ超え の小説カバー
8.2
人気俳優との別離を機にダイビングへ向かった私は、巨大なタコから墨を浴びせられるという奇妙な災難に見舞われた。しかし、その瞬間から私の体質は激変する。タコが持つ九つの脳、八本の触手、そして三つの心臓という驚異的な遺伝子が私を侵食し始めたのだ。かつて私を翻弄し続けてきた「恋愛脳」は霧散し、圧倒的な知性を誇る「仕事脳」へと覚醒を遂げる。覚醒した知能は、周囲の人間の本性も残酷なほど明確に映し出した。私は裏表のあるマネージャーを即座に解雇し、自らの人生を完全に支配下に置く。ネット上の論争でも数百人を一蹴するほどの知略を手に入れたある日、元恋人の俳優から連絡が入る。既読無視を責める彼に対し、私は冷徹に、そして誠実に告げた。「今の私は、あなたという存在では満足できないほどに賢くなりすぎてしまったの」と。感情に溺れていた過去を捨て、人知を超えたIQを手にした一人の女性が、自らの意志で世界を再構築していく。
モテが止まらない、狼隊長 の小説カバー
8.1
北方の地で命を落とした一匹の狼が、現代の人間へと転生を果たした。新たな体は、あろうことか五輪選考に漏れたラグビーの補欠選手。しかし、野生の獣としての身体能力は失われていなかった。周囲が驚愕するほどの猛スピードでフィールドを駆け抜け、圧倒的な実力を見せつけた彼は、短距離コーチから種目転向を打診されるほどの逸材として注目を集める。本来ならチームを去るはずの立場から一転、親善試合での大活躍を機に連戦連勝を重ね、ついにはキャプテンの座にまで上り詰めた。その勢いは競技場に留まらず、オフシーズンのテレビ出演をきっかけに、端正な容姿と鍛え上げられた肉体で世の女性たちを虜にしていく。ネット上で熱烈な求婚が殺到し、社会現象を巻き起こすほどの人気を博すが、彼の魂は高潔な狼のままだった。世間を騒がせる人気女優に対しても、彼は臆することなく宣言する。自分たち狼族は、生涯ただ一人の伴侶のみを愛し抜く一途な存在であると。野生の強さと誠実さを併せ持つ男の、前代未聞のサクセスストーリーが幕を開ける。
顧さん、土下座は今更?奥さんは子連れで“新パパ”と挙式秒前 の小説カバー
9.1
結婚から二年、本江安澄が授かった新しい命を顧に告げた瞬間、彼から突きつけられたのは非情な「離婚」の二文字だった。仕組まれた罠によって絶望の淵に立たされ、鮮血に染まりながらも、彼女は必死の思いで夫の番号を呼び出す。しかし、無機質な音声ガイダンスが繰り返されるだけで、最愛の人の声が届くことはなかった。彼への未練を断ち切る決意を固めた安澄は、過去をすべて置き去りにして異国の地へと旅立つ。三年後、彼女はかつての自分とは違う別の顔を持ち、堂々たる帰還を果たした。その傍らには、顧の面影を色濃く残す冷徹な眼差しを宿した幼い息子の姿があった。華々しい再デビューを飾った安澄は、再会した顧に対し、嘲笑を浮かべながら左手の指輪を誇示する。「もう遅すぎるわ。この子はすでに、別の人をパパと呼んでいるのよ」。かつての愛憎を塗り替えるように、彼女は自らの手で掴み取った幸せを見せつける。復讐と再生、そして新たな親子としての人生が、華やかな社交界を舞台に今、幕を開ける。
彼女の犠牲、彼の盲目の憎悪 の小説カバー
9.7
上司である神宮寺朔は、私の幼馴染でもあった。しかし、今の彼に宿るのは私への深い憎悪だけだ。彼は婚約者の姫川玲奈が体に傷がつくのを嫌がったという理由で、私に骨髄提供を強要する。さらに玲奈は私の存在そのものを消そうと画策し、高額な贈答品を破壊した罪や暴行の濡れ衣を次々と着せていく。朔はその言葉を鵜呑みにし、割れた破片の上で私を跪かせ、警察に突き出しては留置場で暴行を受ける私を冷酷に見捨てた。追い打ちをかけるように、彼は私の両親を誘拐し、建設中の超高層ビルから吊るし上げるという蛮行に及ぶ。電話越しに朔の勝ち誇った声が響く中、無慈悲にもロープは切れ、両親は暗闇の底へと消えていった。絶望の淵に立たされた私の口内には、彼が知る由もない病の血の味が広がる。朔は嘲笑いながら「そこから飛び降りればいい」と自害を促した。その言葉を受け、私は静かに「わかった」と囁く。心も体も限界を迎えた私は、愛した男の言葉に従い、何もない空へとその身を投げ出した。
二度目の人生、姉の踏み台にはならない の小説カバー
8.8
実家の破産をきっかけに、私は姉の学費を捻出するため芸能界へと身を投じた。過酷な接待や不本意な仕事に耐え、心身を削りながら金を稼ぐ日々。しかし、清廉潔白を装う姉は、私の献身を「名誉欲に駆られた卑しい行為」と蔑み、私が苦労して得た金を他人の支援に充てて善人面をした。姉を画壇の寵児にするため、私は泥を被りライバルの醜聞を暴いたが、彼女はその恩恵を享受しながらも私を「心根の腐った人間」と非難し続けた。やがて私は姉の宿敵から報復を受け、全てを失い巨額の負債を抱える。絶望の中で姉に助けを求めたが、彼女は「自業自得の報いだ」と冷酷に突き放した。姉の踏み台として利用され、絶望の果てにビルから身を投げた私。だが、目を覚ますとそこは芸能界に入ったばかりの過去だった。自分を犠牲にしてまで姉を支える道はもう選ばない。二度目の人生、私は自分の尊厳を守り、偽善に満ちた姉に依存される未来を拒絶することを誓う。今度こそ、私は私自身のために生きる。
今すぐ読む
共有