フォローする
共有
実は俺、超絶御曹司でした の小説カバー

実は俺、超絶御曹司でした

極貧の家庭に育った俺は、大学進学の夢を諦めず、深夜までバイトに明け暮れ自力で学費を稼ぎ出した。念願のキャンパスライフが始まり、俺はクラスで誰からも愛される清純な美少女に恋をする。分不相応だと自覚しながらも勇気を出して告白すると、予想外に彼女は交際を承諾。幸せの絶頂にいたが、彼女から最初のプレゼントに高価なスマートフォンを要求される。俺はさらに身を削って働き、同級生の洗濯まで引き受けて必死に金を貯めた。ようやく購入資金が揃ったその日、俺は最悪の光景を目の当たりにする。彼女がバスケ部の主将と浮気をしていたのだ。貧乏人だと嘲笑われ、力でねじ伏せられた俺は、金がないだけで虐げられる理不尽な現実に絶望し、己の境遇を激しく呪った。しかし、寮に戻った俺に父から衝撃の事実が告げられる。「実はうち、とんでもない大富豪なんだ」。その日を境に、貧しさに喘いでいた俺の人生は一変する。かつて最も憎んでいた存在、すなわち世界屈指の資産を持つ超絶御曹司としての逆転劇が、ここから幕を開ける。
共有

3

考えれば考えるほど、胸が苦しくなる。

ふと、ルームメイトがベッドの下に置いている数本のビールが目に入った。浩輔はそれを掴むと、栓を開け、グラスも使わずに呷り始めた。

一本、また一本と飲み干し、頭が朦朧としてくる。普段、感情を抑えつけていた理性が徐々に失われていくと、ついに彼は堪えきれなくなり、床に座り込んで涙を流し、嗚咽した。

「納得できるか、貧乏人が虐げられて当然だって言うのか!?」

「金、金、金……いつか見てろよ、永井瑛美!必ず後悔させてやる!」

浩輔は目を真っ赤にし、心の鬱憤と怒りをぶつけるように叫び続けた。

叫び疲れると、どっと疲労が押し寄せる。浩輔の意識はますます混濁していった。

突然、スマートフォンの着信音が鳴り響く。

浩輔は無意識にそれを取り、通話ボタンを押した。

「浩輔、もうすぐお前の十九歳の誕生日だな。父さんもこれ以上は隠しておけん。実は、うちはものすごい金持ちなんだ。 ただ、一族の決まりで十九歳までは質素に育てることになっていてな、それで真相を伝えられなかったんだ。 うちの事業は世界中に広がっていて、アフリカに金鉱があるだけじゃなく、中東にも油田が持っている」

電話の向こうから、聞き慣れた声が聞こえてくる。

浩輔は自嘲気味に笑った。「親父、まだ寝ぼけてるのか?相変わらず大富豪になる夢でも見てるんだろ。昔からアメリカでヘリコプターを買っただの、ベネチアでクルーザーを買っただのって自慢してたけど、こっちは今、学費すら自分で稼がなきゃならない状況なんだぜ。滑稽だと思わないか!?」

電話の向こうの声は一瞬途切れ、ため息をついた。「浩輔、すぐには信じられないのも無理はない。昔、お前のじいちゃんが同じことを言った時、俺も耄碌したのかと罵ったもんだ。 だが、うちは本当に、とんでもない金持ちなんだ。とりあえず小遣いとして20億ほど送っておく」

浩輔は最初、相手の声が父親によく似ていると感じ、懐かしささえ覚えていたが、聞けば聞くほど、何かがおかしい。

スマートフォンの画面をよく見ると、海外からの見知らぬ番号だった。

(クソっ、これ、詐欺の電話じゃねえか!)

「詐欺師のクソ野郎、消え失せろ!」

浩輔は酔いに任せて怒鳴りつけ、荒々しく通話を切った。

今の一喝で、心に残っていたすべての無念と苦痛を吐き出し、体力も気力も使い果たしてしまった。

浩輔は目を閉じ、ベッドの足元に寄りかかったまま眠りに落ちた。

翌朝、浩輔はズキズキと痛む頭を抱えながら目を覚ました。

昨夜、奇妙な夢を見た。父親から電話がかかってきて、自分が御曹司だと言われる夢だ。

「俺もいよいよ貧乏で頭がおかしくなったか。三代続くド貧乏のくせに、金持ちになる夢を見るなんてな」

浩輔は自嘲の笑みを浮かべた。その目には、やりきれない苦さが滲んでいた。スマートフォンを手に取ると、未読のショートメッセージが一件あることに気づいた。

【お客様の口座(末尾666)の 預金残高は2,000,000,071円……】

20億円だと!?

浩輔は信じられない思いで目を大きく見開いた。もう一度、桁を数え直してみる。見間違いではない。銀行口座に、本当に20億円以上もの大金が振り込まれていた。

寮の部屋で、浩輔はネットバンキングにログインし、口座の残高を確認した。

「マジか、マジかマジか……夢じゃないのか? 俺は本当に御曹司だったんだ!」

そう思うと、浩輔は慌ててあの見知らぬ番号に電話をかけ直した。

「親父?」浩輔はおそるおそる呼びかけた。

「ああ、息子よ。酔いは覚めたか。昨日の電話はどうも様子がおかしいと思ったんだ。まあいい。これから中東へ行って新しい油井の採掘作業を視察してくるから、また着いたら話そう」

電話の向こうから、間違いなく父親の声が聞こえた。

二十年以上も共に過ごしてきたのだ。酔いが覚めた今、それが本物の父親であると確信できた。

「親父、冗談だろ!?言ってみろよ、この20億、どうやって手に入れたんだ?」 浩輔は頭が真っ白になり、この事実を到底受け入れられずにいた。

続けて視聴する!
物語はいよいよ佳境へ!アプリに切り替えて続きを読む
全エピソードをロック解除
公式サイトを開く

おすすめの作品

禁欲系の大物が彼女を誘い込み、抱きしめて甘やかす。 の小説カバー
9.4
如月璃奈と時任悠真の結婚生活が三年目を迎えた頃、璃奈の前にかつての恋人が姿を現します。璃奈は過去を断ち切り他人として接しようと努めますが、元恋人は執拗に付きまとい、公然と復縁を宣言して周囲を騒がせます。ネット上の噂に翻弄され、記者会見の場で窮地に立たされた璃奈。その時、突如現れた悠真が彼女を力強く抱きしめました。彼は結婚指輪が光る手で彼女の指を握り、二人が夫婦であることを世間に知らしめます。嫉妬に狂った元恋人が「愛していないなら返せ」と叫ぶと、悠真は璃奈に口づけを落とし、「愛していないなどと誰が決めた?」と不敵に微笑むのでした。璃奈は、自分たちの間に深い情愛などない、これは単なる体裁だと思い込んでいました。しかし、親戚から子作りを急かされた際も、悠真は彼女の手を引き「すぐにでも」と真っ直ぐに答えます。璃奈はやがて、夫がずっと胸の奥に秘めてきた、自分に対する一途で深い愛情の正体を知ることになるのです。大物実業家の執着と甘い愛に翻弄される、至極のシンデレラストーリーが幕を開けます。
挙式当日に捨てられた私、隣に座っていた御曹司が「待っていた!結婚しよう」と言った。 の小説カバー
8.9
汐見台市屈指の富豪を祖父に持つ瀧ノ上清穂は、交際して三年の北条渉との結婚式当日、最悪の裏切りに遭う。渉は彼女を「しがない田舎娘」と見下し、式を放棄して初恋の女性のもとへ去ったのだ。清穂は未練を断ち切り、隠していた令嬢としての身分を明かすことを決意。数千億円にのぼる莫大な遺産を相続し、華麗なる転身を遂げて人生の絶頂を迎えようとしていた。しかし、彼女の財産や美貌を狙う不届きな男たちが次々と現れる。清穂がそんな有象無象を冷徹に叩き潰していくなか、その姿を愉しげに見つめ、賞賛の拍手を送る一人の男がいた。それは、圧倒的な権力を持ち、世の人々から畏怖される存在である藤原だった。彼は不敵な笑みを浮かべ、「さすが俺が選んだ女だ、最高に面白い」と清穂に告げる。裏切りから始まった彼女の新たな人生は、さらなる波乱と情熱に満ちた展開へと加速していく。捨てられた花嫁から最強の相続人へ、清穂の逆襲劇が幕を開ける。
死んだはずの妻、愛を奪い返しに来た の小説カバー
8.3
かつて命を奪われ、すべてを失った悲劇の女性が、三つ子の母親として奇跡の帰還を果たす。血に染まる手術台の上で「子供は置いていけ」と冷酷に告げたあの男が、再び彼女の平穏な日々を壊そうと姿を現す。運命の歯車が動き出したのは、彼女が他人の花嫁として新たな人生の誓いを立てようとした結婚式の日だった。かつての夫は、三人の幼い子供たちを連れて式場を占拠し、彼女の前に立ちはだかる。死の淵から蘇った女の魂は、激しい怒りとともに復讐の炎を燃やす。「今度こそ、あなたのすべてを壊してやる」――。失われた愛と執着、そして深い憎悪が複雑に絡み合うなか、 billionaireの世界を舞台にした壮絶なリベンジ・ロマンスが幕を開ける。裏切りへの報復を誓う彼女と、過去に縛られた男。一度は死んだはずの妻が仕掛ける、命懸けの愛の奪還劇がいま始まる。二人の間に横たわる深い溝は、果たして何によって埋められるのか。愛憎の果てに待ち受ける衝撃の結末から目が離せない。
見捨てられた妻から、権力ある女相続人へ の小説カバー
7.9
IT界の寵児と称される夫・橘圭吾の妻として、幸せな妊婦生活を送っていた私。しかし、自ら主催した慈善パーティーの最中、世界を揺るがす衝撃的なニュースが飛び込んできた。それは夫と幼馴染の遥の間に子供ができたという残酷な知らせだった。目の前で睦まじく寄り添う二人の姿に、私とまだ見ぬ我が子の存在が公然と否定されたことを悟る。数千億円規模のIPOを控えた橘家は、醜聞を隠蔽するため私を監禁し、精神疾患の汚名を着せた。実の両親同然に信じていた養父母までもが夫と結託し、私に不貞の濡れ衣を着せ、あろうことかお腹の子の中絶を強制しようと手術を予約したのだ。絶体絶命の危機に瀕した私は、従順なフリをして返却させたスマートフォンを手に、長年封印してきた番号へと最後の望みを託す。その連絡先は、夫の権力など塵に等しいほど強大な力を誇る一条家の当主であり、私の実父である一条彰人のものだった。見捨てられた妻から一転、最強の女相続人として、私は自分を裏切った者たちすべてを破滅させるための逆襲を開始する。
彼のポーンから女王へ の小説カバー
7.9
名門政治家一家の令嬢でありながら、反骨心溢れるジャーナリストとして生きる神宮寺詩音。彼女が唯一安らぎを覚えたのは、冷徹な実業家・一条怜との密やかな情事だった。しかし、彼が詩音を求めた真の目的は、恩人の娘である白石華恋への義理を果たすため、詩音を「飼い慣らす」ことに過ぎなかった。怜は常に華恋を最優先し、詩音が危機に陥っても冷酷に見捨て、ついには「教育」と称して彼女を留置場へ送り込み、暴行を黙認する。決定的な別れは、凄惨な交通事故の瞬間に訪れた。怜は迷わず華恋をその身で庇い、詩音だけを衝撃の渦中に置き去りにしたのだ。自分は愛される存在ではなく、単なる「負債」だったと悟った詩音は、病院のベッドで復讐と決別を誓う。彼女は怜の完璧な世界を崩壊させるべく、自分に平穏を約束する別の億万長者からの求婚を受け入れた。かつての愛を燃え殻に変え、彼女は「駒」から「女王」へと這い上がるための新たな人生を歩み始める。
氷の帝王の執着:逃げられない契約結婚 の小説カバー
8.7
切迫流産で入院した主人公は、婚約者である蓮の帰国を信じて待っていた。しかし再会した妹の雅から、自分を薬漬けにし見知らぬ男に抱かせたのは彼女の罠だったと告げられる。さらに雅は自作自演で被害者を装い、蓮は事実を確かめぬまま「目に見えるものしか信じない」と婚約を破棄した。絶望し雨の路上へ飛び出した彼女は、トラックに撥ねられお腹の子と共に命を落としかける。裏切りへの憎悪を胸に五年後、どん底から這い上がった彼女の前に、日本を支配する細川財閥のCEO・暁が現れる。命を救った少年の父である彼から結婚を迫られるが、今の彼女が望むのは誰の庇護でもない。自分から全てを奪った者たちを地獄へ突き落とすため、彼女は冷徹な復讐劇を開始する。