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アルファに捨てられ、王冠に抱かれた の小説カバー

アルファに捨てられ、王冠に抱かれた

アルファであるダミアンとの間に真の番としての絆を持ち、その正当な後継者を身籠っていた私。しかし彼は、群れに招き入れたはぐれ者の女・リラと、彼女との間に生まれた仔を優先し、妊娠四ヶ月の私を命名式から排除した。リラが自作自演で負った傷を私のせいにすると、ダミアンは真実を確かめることもなく、私にアルファの絶対命令を下して追い払った。その後、リラの卑劣な襲撃によって私は重傷を負い、お腹の子供の命も危うい状況に陥る。リラはさらに自身の仔を投げ捨てて私が殺そうとしたと叫び、駆けつけたダミアンは、血を流し倒れる私を冷酷に見捨てて彼女たちの元へ去った。死を覚悟したその時、私の心に母の声が届く。縄張りのすぐ外には、私を救うための迎えが来ているという。ダミアンはまだ知らない。彼が身勝手に捨て去ったオメガの正体が、実は世界最強の一族に連なる高貴な姫君であったことを。裏切りに満ちた過去を捨て、私は真の運命へと歩み出す。
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エレナ視点:

私は戸口から背を向け、鉛のように重い心を胸に、長く響き渡る廊下を歩いた。

外に出たかった。

彼の香りと彼らの嘘で満ちた空気ではない、新鮮な空気を吸いたかった。

その時、彼女を見た。

リラがこちらに向かって歩いてくる。

その顔には、独りよがりで勝ち誇った笑みが浮かんでいた。

祝宴からこっそり抜け出してきたに違いない。

「エレナ」

彼女の声は、わざとらしい驚きに満ちていた。

「廊下でこそこそ何してるの?息子の特別な夜を台無しにしに来たわけ?」

乾いた笑いが私の唇から漏れた。

「あなたの息子の特別な夜?はぐれ者がそんな儀式をするなんて知らなかったわ」

彼女の目が細められた。

甘い仮面が剥がれ落ち、その下にある毒が露わになる。

「ダミアンはあの子を愛してる。私を愛してるの。アルファの家に私を住まわせてくれたわ。私の香りが彼を癒すって」

彼女は一歩近づき、声を潜めて共謀者のように囁いた。

「実を言うと、彼は正式に決めるつもりよ」

胃がねじれた。

「何の話をしてるの?」

「彼は私の息子に正式な名前と、この群れでの地位を与えるの。そして、そのためには」

彼女は言葉を味わうように言った。

「あなたを正式に拒絶する。それから私と番の儀式を執り行う。私が彼のルナになるの」

その言葉は、物理的な打撃だった。

ダミアンと私の間の絆、神聖な繋がりが、限界まで引き伸ばされているように感じられた。

痛みはあまりに激しく、私はふらつき、壁に手をついて支えた。

運命の番を拒絶することは、月の女神の顔に唾を吐きかけることだ。

ちょうどその時、廊下の向こうの角をダミアンが曲がってくるのが見えた。

リラも彼に気づいた。

彼女の態度は一瞬で変わった。

顔が恐怖の仮面に歪む。

「ああ!」

彼女は甲高く、芝居がかった悲鳴を上げた。

よろめきながら後ずさりし、自らの腕を爪で引っ掻き、血を流した。

「お願い、エレナ、やめて!」

彼女はそう叫び、床に崩れ落ちた。

彼女は涙を流しながら私を見上げた。

「ごめんなさい!ダミアンを幸せにしてごめんなさい!お願い、私を傷つけないで!」

ダミアンは一瞬でそこにいた。

彼のアルファとしてのスピードは、目にも留まらぬ速さだった。

彼は私を見向きもせず、まっすぐリラの元へ行き、彼女を腕に抱き上げた。

「何をした?」

彼は唸り、その金色の瞳は怒りに燃え、私に固定されていた。

彼は言葉を口にする必要はなかった。

純粋で、抗いがたい力の波が、私に叩きつけられるのを感じた。

アルファの絶対命令(コマンド)。

「家に帰れ。ここで恥をかくのはやめろ」

その命令は絶対だった。

私の思考も、意志も飛び越え、私の体を乗っ取った。

全ての筋肉が抵抗して叫び、全ての神経が抵抗の努力で燃え上がったが、私の足はすでに踵を返し、従うことを強制されていた。

これはアルファの権威の歪んだ使い方だ。

群れを守るための道具が、今や自分の番を支配するために使われている。

痛みは計り知れず、まるで自分の骨が皮膚と戦っているかのようだった。

「彼はあなたの番よ」

私の内なる狼が、混乱し、傷ついて囁いた。

私は歯を食いしばり、彼の命令の圧倒的な重圧の中から言葉を絞り出した。

「忘れたの、ダミアン?私はあなたの番よ」

「理性的じゃないわ、エレナ」

彼はリラを庇うように抱きしめながら、冷たい声で言った。

「ただ家に帰りなさい」

私の心は百万の小さな破片に砕け散った。

私は彼を、運命の人だと思っていた男を見つめ、冷たい静けさが私を包み込んだ。

「チャンスはあげたわ、ダミアン」

私は囁いたが、その言葉は広大なホールに吸い込まれて消えた。

そして、私は彼に背を向けた。

彼の命令の力がまだ私の中を脈打っており、彼から一歩離れるごとに、新たな種類の苦痛が走った。

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