
アルファに捨てられ、王冠に抱かれた
章 3
エレナ視点:
私はよろめきながらアルファの家、かつて我が家と呼んだ場所に戻った。
空気は彼の香り――松と雷雨――で満ちていたが、今やそれは汚染されていた。
リラと彼女の仔の乳の、むせ返るような甘い匂いが混じっている。
胃がむかむかした。
耐えられなかった。
必死のエネルギーが湧き上がり、私は部屋を片付け始めた。
彼の服、彼の本、彼の香りが染み付いたものすべて。
私はそれらを腕いっぱいに掴み、玄関から手入れの行き届いた芝生の上へと放り投げた。
誰に見られようと構わなかった。
彼のお気に入りの革ジャンを山の上に投げつけた時、滑らかな黒い車が私道に入ってきた。
ダミアン。
彼は車から降り、助手席側に回り、リラのためにドアを開けた。
その優しさに、喉が詰まった。
彼は眠っている仔を彼女の腕から慎重に受け取った。
その動きは優しく、手慣れていた。
「もう休んでいい」
彼が彼女に囁くのが聞こえた。
「ここが君の家だ」
年配の戦士、群れの尊敬される長老の一人が通りかかった。
彼はその光景を見て、満面の笑みを浮かべた。
彼は彼らに近づき、軽く頭を下げた。
「未来のルナ」
老狼はリラを見つめ、心からの温かさに満ちた声で言った。
「我らがアルファに、かくも強き後継者をお与えくださり、おめでとうございます」
私の血が凍った。
これだ。
こうやって起こるのだ。
何度も繰り返された嘘は、真実になる。
ダミアンは彼を訂正しなかった。
彼は微動だにしなかった。
代わりに、彼はリラの肩に腕を回し、彼女をより近くに引き寄せ、ただ頷いた。
彼は彼女のためにその称号を受け入れた。
彼は嘘を受け入れた。
彼の群れの目には、私はもういないも同然だった。
彼はようやく私に気づいた。
私が作り出した混乱の真っ只中、戸口に立っている私に。
彼は眉をひそめ、その目には苛立ちがちらついた。
「エレナ」
彼は張り詰めた声で言った。
彼はリラを車に残し、私に向かって歩いてきた。
「心配したんだ。なぜ待っていてくれなかったんだ?」
「なぜ真実を言わなかったの?」
私は感情のない平坦な声で尋ねた。
「なぜ彼に彼女をあなたのルナと呼ばせたの?」
「ただの称号だ、エレナ。騒ぎ立てるな」
彼はそう言って、明らかに我慢の限界に近づいていた。
彼の腕の中の仔がぐずり始め、小さな泣き声を上げた。
ダミアンの注意は即座にそちらに向けられた。
「ほら見ろ。仔が不安がっている」
彼の口調は最終通告のそれに変わった。
「リラと赤ん坊はこれからここに滞在する。それが我慢できないなら、オメガの居住区に移ってもいい」
オメガの居住区。
彼は妊娠中の、運命の番を、群れの最下層のメンバーと一緒に住まわせようとしている。
私の中にあった最後の希望の光が、死んだ。
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