
炎の終末世界、私はペットと氷菓を
章 2
「お義母さん、どうか怒らないで」
「わかったわ、お義母さん。明日、あの子たちを捨ててくるから。それでいいでしょう?」
私はわざと王雲珍に媚びへつらうような笑みを向けた。案の定、彼女の顔には満足げな表情が浮かぶ。
「それでこそ話がわかるというものだ。いいかい、遠くに捨ててくるんだよ。二度と戻って来られないようにな」
彼女は以前にも一度、豆豆と魚絲を捨てたことがある。だが、賢いあの子たちは一日も経たずに自力で帰ってきたのだ。
「ご心配なく。二度と会えなくしてやりますから!」
私は作り笑いを浮かべた。
彼女は知らない。私が捨てると言ったのが、愛しいペットのことではないということを。
――彼女の可愛い孫のことだということを!
話を聞いていた唐暁忠がそばに来て、私の腰を抱いた。
「おまえ、今日はどうして急にそんなに素直なんだ?」
私は表情を変えずに彼の手を振りほどくと、テーブルの上を片付けるふりをした。
「お義母さんの言う通りだと思う。最近、動画で見たんだけど、専門家が言うにはペットは妊婦によくないんですって」
まったくのデタラメである。
きちんと衛生管理されたペットから、得体の知れないウイルスに感染することなどあり得ない。
それどころか胎児に良い影響さえあり、赤ん坊の免疫力を高め、病気のリスクを低減させるという研究結果もあるのだ。
しかし、王雲珍はこうした事実に一切耳を貸さず、どこの馬の骨とも知れない三流専門家の情報を鵜呑みにしている。
そして唐暁忠は、ただ自分の母親の味方をするだけだ。
こんな家族に嫁いでしまったとは、自分の不運を呪うほかない。
私は、昔の同級生が豆豆と魚絲を引き取りたいと言ってくれていると嘘をついた。届けに行くついでに、しばらく彼女の家に泊めてもらうと口実を作ったのだ。
唐暁忠は疑う様子もなく、ただ「気をつけてな」と言うだけだった。
実際には、そんな同級生など存在しない。
あと二ヶ月もすれば、この世は終わる。今、逃げ出さなくて、いつ逃げ出すというのだ?
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