愛の任務ー元妻の復讐 の小説カバー

愛の任務ー元妻の復讐

8.5 / 10.0
3年前の過ちにより愛なき結婚を強いられたジュリア。夫テレンスは元恋人であるジョアンの帰国を機に離婚を突きつける。裏切られた彼女は、捨てられた元妻として過酷な運命に立ち向かい、二人への復讐を誓う。愛憎が渦巻く現代のromance novel。裏切りと執着の果てに彼女が選ぶ道とは。愛の任務ー元妻の復讐の物語を、人気のweb novelで今すぐチェック。
「愛の任務ー元妻の復讐」のあらすじ
テレンスとジョアンは、かつて将来を誓い合った婚約者同士だった。しかし三年前、酒に酔ったジョアンの姉・ジュリアがテレンスと一夜を共にするという不測の事態が発生する。この事件をきっかけにテレンスはジュリアとの結婚を余儀なくされ、最愛の人だったジョアンは失意のうちに国外へと去っていった。望まぬ結婚生活の中で、テレンスは一度もジュリアに触れることはなく、彼女への憎悪だけが募っていく日々を過ごす。そして月日が流れ、ジョアンが帰国した知らせを受けるやいなや、彼はジュリアとの離婚を断行しようとする。ジュリアがどれほど必死に愛を乞い、懇願しても、彼の冷徹な決意が揺らぐことはなかった。実の妹と最愛の夫、信じていた二人に裏切られ、すべてを奪われたジュリア。絶望の淵に立たされた彼女の心には、かつての愛情に代わって、二人に対する苛烈な復讐の炎が燃え上がる。裏切りの代償を払わせるため、彼女は孤独な戦いを始めるのだった。
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愛の任務ー元妻の復讐 第1章

今日はジュリア・グーにとってとても重要な日だった。 彼女のエージェントのコンスエラ・シェンは、今夜賞を受け取る予定だということを彼女に知らせたばかりなのだ!

ジュリアはテレンス・チェンにこのことを知らせたくて待ちきれない思いだった。

しかし、何回ビデオ通話をかけても彼は応答しなかった。 ジュリアは気にせず、また掛け続けた。 そして、5回目、ようやく彼は電話に出て、 「どうした?」と言った。

その声は通話画面を見なければ本人かどうかわからないほど冷たかった。

「どこにいるの?」 ビデオチャットが接続された瞬間、ジュリアは目を細めた。 彼のすぐ後ろには、Hシティの悪名高いモーテルの大きな看板–ダブルQがあった。

このモーテルは、ワンナイトの相手を探している人や浮気を楽しむ人にとって有名な場所だった。 ここでは頻繁に不倫が行われていたので、不倫スタジアムとあだながついていた。

偶然にも、ジュリアが演じた新作映画はダブルQで撮影されたため、彼女は非常にその場所に詳しかった。

それを見て、彼女は血管が飛び出しそうなほどの力でスマホを強く握りしめた。

かんしゃくをこらえたジュリアは、微笑みながら、皮肉な声を出した。 「チェンさん、 モーテルに行ったのはビジネスのためなの? 素敵だわ」

彼女がそれ以上話す前に、テレンスは素早く電話を切った。

彼女は歯を食いしばって、足を踏み鳴らしてラウンジから出て行った。 「アビー、車の鍵を頂戴」

「ジュリアさん、パーティーはあと2時間で始まりますよ」アビーは困った風にジュリアを見つめながら答えた。

「私の言ったこと、聞かなかったの?」 ジュリアは問いただした。 不機嫌になった彼女を見て、アビーは凍りつき、手が小刻みに震えた。 その時、コンスエラは彼らに近づき、 アビーに立ち去るよう指示し、不満で口を尖らすジュリアの腕をつかんでラウンジに引き戻した。

「ばかなの? ここにどれだけ人がいるかわかってる? ここに立っていられるのはどれだけ大事なことかわかってるよね。 誰でもあなたのスキャンダルが書けるのよ。 こんな態度でいたら、間違いなく明日のトップ・ニュースになるでしょ!」 コンスエラは両手を挙げて憤慨した。

「もう、 そんなの、どうでもいいわ!」 ジュリアは鼻をならした。 今、この瞬間、夫がバーとかで出会った女と浮気をしているかもしれないのに。 赤の他人の反応を気にする余裕などはなかった。

「お願い、コンスエラ。 1時間だけでもいい。 夫と会わなきゃだめなんだから」彼女はエージェントの手首をつかんで懇願した。 それにしてもコンスエラの態度は変わらなかった。

「ここまでにきて、私がどれだけ工夫したか忘れたの? このイベントが終わるまでは 隕石がふってこようと外には出させないわ」

「コンスエラ...」 嘆願がエージェントに効かないことを知って、ジュリアは正直に話すことにした。 「実は、 テレンスはいま、浮気しているの。 これから2時間も何も知らないふりをしてこのまま黙っていられないのよ!」

「またこのくそ野郎!」 コンスエラは激怒して青ざめた。 そして、ジュリアのほうに向けてこう言った。 「君は素晴らしい女の子よ、ジュリア、でもこんなのばかげてるわ! あの男はあなたを愛していないのよ。 もう結婚して3年になるけど、私以外に あなたたちの結婚を知っている人なんているの? こんな関係今すぐやめるべきよ!」

「それはわかってるよ」 ジュリアは苦々しく笑った。 「私はただ... ただ、彼と一度でも話したいだけ」

ジュリアは目の前のコンスエラをちらっと見た。 「彼のことは大好きだから、別れる決心がなかなかつけなかったのよ。 私... もう13年も彼のことを.. もし他の女と一緒にいるのを見たら、私はあきらめるかも」

「ジュリア」 コンスエラは眉をひそめた。 「ほら、私ならいつでも、どんな問題でも解決できるわ。でも今は適切な時期じゃない。 今夜はおとなしくしてちょうだい」

「お願いだから」 涙が目からあふれ出しそうに、ジュリアは何度も何度も懇願した。

それでも、コンスエラは少しもその場から動くことなく 腕を組んで戸口をふさいでいた。

「君、ダイエットしたほうがいいんじゃない?」 ジュリアは不満そうに言った

しかし、コンスエラは彼女を睨み返しただけだった。

コンスエラはジュリアがどんな人かよく知っていた。 彼女は欲しいものを手に入れるためにはどんなことをやってもいとわないのだ。 「テレンスにもこういう態度だったら、こんなことにはならないでしょ」

コンスエラは時計をちらっと見た。 「ディナーパーティーまであと1時間50分残ってる。 50分よ。 何があっても絶対に戻ってきなさい」

「わかった」 ジュリアは涙をぬぐい、ドアから急いで出た。

気づかないように、彼女はゆったりとしたコート、サングラス、またマスクを身に着け、 一心不乱にダブルQに向かって走った。

ここで撮影していたことがあったから、ジュリアはすぐに受付人からテレンスの部屋番号を手に入れた。 彼女は急いで階段を駆け上がり、怒りに任せて力を込めてドアをとんとんとノックした。

テレンスが別の女性を抱いているところを想像するだけでジュリアは吐き気がこみ上げた。

誰もが何が起こったのかを見るために部屋に群がった。 ジュリアは鼻をならし、 「テレンス、隠れてないで、この臆病者! 私から隠れられると思ってるの? ドアを開けなさい!」と、怒鳴った。

ドンという音と共にドアはきしむように開き、 ジュリアは突然、自分がドアの中に引き込まれていることに気づいた。

顔を上げると同時に目にはテレンスの全く無関心な顔が飛びこんできた。 彼はまるで何も悪いことをしていないかのように彼女の前に立っていた。

「よくやったな、お前!」 彼は腕を組んだ。

「ビデオ通話にも出ずにモーテルで寝る?」 ジュリアは彼を押しのけ、彼を盗った女を見ようとした。

部屋が信じられないほど広かったので、ジュリアはその女を探すのに別の廊下を渡らなければならなかったが、誰かとぶつかった。

痛む額をこすっていると、反対側から悲鳴が聞こえ、 テレンスは急いでその女のところに行って、彼女を助け起こした。

ジュリアはその女を見てあきれた。

「君?」 ジュリアが驚きのあまりすぐには声が出なかった。

「そうよ」 女性は挑発するかのように眉を上げ、テレンスの腕に寄り添った。 「久しぶりね、姉さん」

その女性は彼女の妹、ジーン・グーに他ならなかった。

ジュリアはその女が自分の妹なんて夢にも思わなかった。

「君たち...」 いろいろな考えがジュリアの頭をよぎった。

ジーンはとてもセクシーな服を着ていた。 白いレースが彼女のなだらかな体を包み込むように首の下を飾り、ブラジャーの柄がかすかに見えた。

ジュリアは水から出た魚のように口をあんぐりと開けた。 彼女は他に何を言うべきかわからなかった。

なんといっても、3年前にジーンからテレンスを奪い取ったのはこの自分なわけだった。

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