フォローする
共有
雨が降っていますが、私と結婚しませんか? の小説カバー

雨が降っていますが、私と結婚しませんか?

雨が降りしきるバス停という、日常の何気ない場所から二人の物語は動き出します。偶然の出会いを果たした「僕」と「君」が、互いの存在を通じて、自分たちの心の奥底に眠る真実の感情を模索し、解き明かしていく過程を丁寧に描いた恋愛小説です。本作は、小説投稿サイト「カクヨム」にて公開されている『雨が降っていますが、私と結婚しませんか?』をベースにしながらも、「蒼海本棚バージョン」として再構築された特別な作品となっています。既存のストーリーを単に再掲するのではなく、独自の展開やルートを盛り込むことで、既読の方にとっても未読の方にとっても新鮮な驚きがある内容に仕上げました。雨の日の静かな空気感の中で、揺れ動く二人の関係性と、本当の気持ちとは何なのかという根源的な問いに向き合う姿を追っていきます。洗練された構成で贈る、切なくも温かい現代ラブストーリーをぜひお楽しみください。物語の終着点に何が待っているのか、彼らの選択を見守っていただければ幸いです。
共有

3

「はぁ~、昨日は緊張した。」

私は今、バスの中にいる。

なぜバスの中にいるのかと言うと、学校に向かうためである。

「昨日は私、少し大胆過ぎたかなぁ……」

はあ~‼恥ずかしい‼やっぱり今思い出すと、恥ずかしすぎて、自殺しそう……

「……でも、裕太君もまんざらではなさそうな表情だったけど……」

そう、ちゃんと至近距離じゃないと分からないけど、顔立ちは結構整ってるし、

「何より、優しい所が、いいと思う……」

わぁ~‼何言ってるんだ私‼こんなんじゃだめだね。

「よし、そろそろバス停に着くし、気合い入れておかないと‼」

私は今、この路線の人が少ないことに感謝している。まずもって私以外いないんだけどねっ‼

「よしっ‼今日も一日頑張るぞっ‼」

お~‼

「終点、百日草《ジニア》高校前」

どうやら着いたようだ。

「運転手さんっ‼」

「どうしたんだい雪乃ちゃん?」

「今日も運転、頑張ってくださいねっ‼」

「若い子にそんな事言われると、頑張るしかないねぇ~。よしっ‼今日も頑張ります‼」

「じゃあ、行ってきます。」

「いってらっしゃ~い」

私は運転手さんから見送られ、バスを降りた。

バスを降りると、そこは、昨日、私と裕太君のキスしたバス停でした。

まあ、そうですよね。

だっていつも降りる場所はそこなのですから。

どうしましょう。

「昨日の事がフラッシュバックし、ちょっとドキドキする……」

ダメ、ダメ‼そんな事でドキドキしてたらダメよ。

「私は常に裕太君の理想の先輩でいなくちゃいけないんだから。」

でも、それってちょっとキツイかも知れない……。

私は歩きだした。あまり長居すると、遅刻してしまうからである。

私は、校門の方へ歩いて行った。

「あ、ゆっきーじゃん、おはよっ‼」

「ヒャッ‼出会い頭に胸揉むのやめてって言ってるじゃん、リン‼」

「ダ~メ‼これは私の毎朝の日課で三年間続けてるのっ‼だから~、ゆっきーの胸は、私だけのもの~‼」

「ひぅっ‼」

この現在進行形で私にセクハラしているのは、山沢夏鈴《やまさわかりん》。

ちなみに、彼女は、自分ではBだと言っているが、Aカップである。 

「何で今日は、何時もより強いのっ‼」

私はリンを振り払った。

「だって~、ゆっきーから、男の臭いがしたんだもんっ‼」

「はい?」

「その辺の女の子には分からないかもだけど、私にはわかるのよ。昨日、男子の部屋、しかも年下の2年生の部屋に行ったでしょう?」

「え……、行ってない‼行ったかもしれないけど、行ってないっ‼」

「今行った事の自白いただきました。」

「もうっ‼やっぱり、リンとは絶交っ‼」

「ごめん、ごめん。」

「早くしないと遅れますよ山沢さん。」

「もうすでに他人行儀⁉本当にごめんなさい‼そんなつもりなかったんだよ~、許してぇ~」

「フフッ、ごめんね、リン。ちょっと意地悪したくなってね。」

「も~っ‼」

私たちは、そのまま仲良く登校した。

「あいつが……でさ~、ねえ、ゆっきー聞いてる?」

「えっ、あ、ごめん。それで何だっけ?」

「ちょっと今日おかしいよ。何かあったの。さっきの時間もずっと心ここに有らずだったし。」

「そう、なの?」

どうやら、3時限目が終わりまで、私は、何も微動だにしてなかったらしい。

「あ、そろそろ時間だ。何か相談したくなったら、私を頼ってね。親友なんだから。」

「……うん。ありがとね、リン。」

「そんなのいいって。あ、ちゃんと授業は受けてね。評定落ち着か茂だから。」

「うん、わかったじゃあ、またあとでね。」

それからの授業もなぜか、集中することができなかった。

「ただいま~、て誰もいないんだけどね。」

私は、誰もいない廊下を抜け、リビングに向かった。

「あ、お父さん。居たなら電気くらい……」

「なあ、雪乃。今回の再婚どう思う?」

「え……」

「素直な意見でいい。お前が嫌なら……」

「嫌じゃないよ。お父さんが決めた人なんだもん。絶対いい人だよ。」

この言葉は嘘。私は、あの人の事をよく知らない。正直言うと、どうでもいい。

「そうか。なら質問を変えよう。裕太君はどう思う?」

「え……、そ、それは、どどど、どういう意味なの?」

「やっぱりそうか。お前、完璧主義者のくせに、わかりやすもんな。そこは、お前の母さんに似ているな。」

「でも、私の頑固なところは、お父さんに似たんだよ。」

「そうだな。で、どうなんだ。裕太君。」

「うん……正直言うと、彼の事で、頭の中が一杯なの。」

「そうか。なら、これは再婚してしまうしかない。」

「どうして⁉」

「まだよくわからん義息子に、俺の大事な娘はやらん。」

「なら、私が裕太君を貰ってくるっ‼」

「それもダメだ。私が許さない。」

「やっぱりお父さんは、親バカね。」

「親バカで何が悪い‼」

お父さんは、胸を張って言った。

「フフッ」

「ハハッ」

私たちはいつの間にか笑い合っていた。

やはり親子なのだと言うことを実感した。

「いいよ、再婚して。私たちは別の方法で結婚するから。」

「そうしてくれ。」

「うんっ‼」

私は決意した。

お父さん達の再婚は、最高のものにしようという事を。

翌日。その日も雨だった。傘は持ってきていたため、バス停までは、濡れることなく、たどり着いた。

「今日も、早いですね。そんなにホームルーム短いんですか。」

「いや、3年生は、意外と暇だから、早く終わるの。」

と少し微笑みながら彼女は、答えた。

「ところで、私とやる気になった?それとも結婚?いや、先に、妊娠させてくれるの?」

「あんたほんとに何言っちゃてってるんですか。やる気にはなりませんし、妊娠させる気もありません。でも、先輩が、いいなら、結婚を前提に、付き合いたいと思っています。かなり本気でです。」

「え、本当にいいの?本当に私なんかでいいの?後悔しない?まさか、私で散々遊んだあげくに捨てるとか言わないよね。そういうのも、気持ちよさ……。」

この人まさか、超ドMなんじゃないのか?俺そんな人と付き合っていいのか?

「先輩ってもしかしてMですか?」

「な、何故分かってしまったの?」

「質問を質問で返さないでください。」

「わかったわ。私は、超が付くほどドMよ。で、何故分かったの?」

「先輩の発言を聞いていたら分かりますよ。今度ドM発言したら、知りませんから。あと、この間の返事、ちゃんと言いに来ました。」

「本当に!?ちょっと待って、深呼吸させて。」

と彼女は、深く息を吸って、ゆっくりと吐き出した。

「じゃあ、言って、いいよ。」

「はい。それでは、……」

僕は、そうつぶやくと、少し頬を赤く染めている彼女の眼をまっすぐ見て、

「僕はこの世界でずっと一緒にいたいと思う人は、雨沢雪乃さん、あなただけです」

僕は、一言言った。

「そして、楽しい時は一緒に楽しみ、悲しい時はそばで支えて、泣いたり、笑ったり、時には喧嘩もするかもだけど、僕はずっと、あなたと一緒に居たいです。だから、僕と結婚を前提に付き合って貰えないでしょうか?」

「……いよ」

「えっ?」

「ずるい、そんな事言われたら、もう、断ったりできないじゃん……」

と彼女は言いながら。僕の頬に手を当ててきた。

僕は、そのまま、顔を上げた。

彼女の頬を、一筋の雫が流れ落ちた。

「返事、するね?

私も、世界で一緒にいたい人は、1人だけ、その人は、少し意地悪で、でも、とても優しい人。私はそんなあなたが、大好きです。だから、今、とても幸せです。不束者ですが、よろしくお願いします」

といった。そして僕は咄嗟に彼女を抱きしめた。

「ありがとう、ございます。先輩に気持ちが届いて、とても嬉しくて、嬉しくて、震えが止まらないです。本当に一生大事にします。こちらこそよろしくお願いします」

と、僕は、全力で抱きしめながら答えた。

「やっぱり抱きしめるのは、ズルだよ……」

「先輩の方こそ、涙は、卑怯です。」

僕らは、抱きしめあいながら、

「よろしくね、私の大好きな騎士《ナイト》さん。」

「こちらこそ。かなりMっ気の強いお姫様。」

僕らは、笑いながら、お互いに、言い合った。

「ところで、私そんなにMなのかな?」

と聞いてきた。

「相当ですよ。攻められるのが好みなんですか、先輩。やっぱり結婚やめようかな。」

「ひどい、結婚は、やめないで。攻められるのは、かなり好きかもしれないけど。あと、先輩っていうのもダメ。名字も。」

「じゃあ、何と呼べばいいんですか。」

というと、

「名前で呼んでよ、私の。」

と、さっきよりも頬を赤くして彼女は、言った。

「わかりました、雪乃。これからよろしく。」

「不束者ですが、こちらこそ、よろしくお願いします。」

僕らの物語は、やっと始まりを迎えることができた。

続けて視聴する!
物語はいよいよ佳境へ!アプリに切り替えて続きを読む
全エピソードをロック解除
全編を読むには、moboreaderで「95QEM」を検索してください。
コードをコピーし、Moboreaderアプリで検索して続きをお楽しみください。
95QEM
コピー
公式サイトを開く

おすすめの作品

七年間尽くした秘書ですが、最強の御曹司と契約結婚します の小説カバー
9.2
社長である高橋健の秘書として七年。私は公私ともに彼を支え、誰にも知られぬ秘密の恋人として全てを捧げてきた。しかし、その献身は最悪の形で裏切られる。健は突如、財閥令嬢との婚約を世間に発表したのだ。絶望する私に対し、彼は祖母の多額の医療費を人質に取り、あろうことか自らの結婚式の準備を命じる。さらに、嫉妬した令嬢の手で階段から突き落とされた際、血を流す私を放置して彼は保身のために令嬢を抱き寄せた。その瞬間、七年間の愛情は氷のように冷め、復讐の炎へと変わる。私は額の傷を拭い、健を凌駕する権力を持つ「最強の男」へ、ある決意を込めたメッセージを送った。「私と結婚していただけませんか」。迎えた健の結婚式当日。私は隣の式場を舞台に、彼が築き上げた全てを奪い去り、地獄の底へと突き落とすための華麗なる逆襲を開始する。捨て駒として扱われた女の、誇りを懸けた戦いが今始まる。
慰謝料代わりに渡されたのは、総資産10兆円と禁欲系スパダリでした。 の小説カバー
8.5
結婚から3年、成瀬寧音は自らの輝きを封じ、夫・桐生恒一に尽くす「貞淑な妻」を演じてきた。しかし、夫の心には常に別の女性がおり、寧音は義母からの蔑みや夫の無関心に傷つき、孤独な日々を過ごす。決定的な絶望は、彼女が海外で誘拐され生死を彷徨った際も、夫が愛人の傍にいたことだった。ついに離婚を決意した寧音に対し、恒一は「自分がいなければ生きていけない」と侮るが、彼女の正体は国内屈指の財閥の令嬢だった。迎えに現れた100台の高級車と共に、一族の至宝として社交界へ帰還した彼女。兄たちから千億規模の企業や莫大な資産を譲り受け、エンタメ界や財界を席巻する寧音の前に、最強の覇者・東条嶺央までもが求愛者として現れる。かつての夫・恒一は豹変した元妻の輝きに圧倒され、後悔に震えながら復縁を乞うが、彼女を溺愛する5人の兄たちが鉄壁のガードでそれを阻む。かつて虐げられた薄幸の妻が、真の姿を取り戻して華麗に返り咲き、最高の愛を手に入れる逆転劇が幕を開ける。
妊娠を告げた夜、地獄が始まった の小説カバー
9.0
6年にも及ぶ辛い不妊治療を乗り越え、ようやく新しい命を授かった美心。最愛の夫である春斗にこの喜びを伝えようとしたその時、彼女の元に衝撃的な一枚の写真が届く。そこに写っていたのは、幼馴染である香菜の膨らんだお腹に愛おしげにキスをする夫の姿だった。「春斗の子を授かった」という香菜からの残酷な報告は、長年尽くしてきた美心の心を無残に打ち砕く。しかし、絶望はそれだけではなかった。姑は不倫相手の妊娠を跡継ぎの誕生だと手放しで喜び、実の弟さえもが養子縁組を勧めるという偽善に満ちた言葉を投げかけてくる。信じていた家族全員が自分を裏切り、敵へと変わった瞬間だった。心身ともに限界を迎えた彼女は、深い悲しみを冷徹な怒りへと変えていく。なぜ自分だけがこれほどまでに虐げられなければならないのか。裏切りの代償を支払わせるため、美心は結婚記念日の夜に、夫と不倫相手、そして家族を地獄へと突き落とすための「最高のサプライズ」を計画する。これは、すべてを失った女による、壮絶な復讐劇の幕開けに過ぎない。
彼の見捨てられしオメガ、アルファ王の破滅 の小説カバー
9.4
最強のアルファと謳われる黒崎達臣の「運命の番」として、私は十五年もの歳月を彼に捧げてきた。荒ぶる彼の獣を鎮める唯一の「錨」であると信じて疑わなかった完璧な世界は、ある日、精神感応を通じて伝わってきた裏切りの予感によって脆くも崩れ去る。私の誕生日、パックの緊急事態だと嘘をついて向かった先で、彼はアシスタントの沙美と密会していた。見つけた隠しスマホには私を嘲笑うメッセージが並び、彼が贈った宝飾品を手に悦に浸る愛人の姿があった。この許しがたい不貞は毒となり、私の魂は彼を拒絶し始める。ヒーラーが下した診断は、絆の汚染による魂の拒絶反応だった。さらに沙美から届いた妊娠検査薬の画像が、私に決別を決意させる。彼の血筋さえも奪われた今、私は自ら「錨」の鎖を断ち切ることを選んだ。弁護士へ連絡し、慰謝料すら拒否して望むのは、彼という呪縛からの完全な解放のみ。これは単なる逃走ではない。裏切り者の世界を根底から崩壊させるため、静かに、そして確実に実行される緻密な撤退劇だ。私が火を放つ導火線の先で、王の破滅が幕を開ける。
ハニー、俺の隣に戻っておいで  の小説カバー
9.0
二年前、ニーナは面識のない男性と、ある特別な条件を交わした契約結婚に踏み切った。その契約には、他者との不貞を固く禁じる項目が含まれていた。しかしある夜、運命の悪戯か、彼女は訪ねるべき部屋を間違えてしまう。そこで出会った見知らぬ男性に、守り続けてきた純潔を奪われるという予期せぬ事態が起きてしまった。契約違反によって生じる高額な慰謝料の支払いに追い詰められたニーナは、自ら離婚を決意し、関係を清算するための協議書を作成する。意を決して、それまで一度も顔を合わせたことのなかった夫のもとを訪れた彼女を待っていたのは、あまりにも衝撃的な真実だった。目の前に現れた「夫」の正体は、あの一夜を共にしたあの時の男性だったのである。逃れられない契約と、一夜の過ちから始まった複雑な愛の行方はどこへ向かうのか。億万長者の夫と、何も知らずに飛び込んだ妻が織りなす、波乱に満ちた現代ロマンスが幕を開ける。二人の再会が、隠されていた真実を次々と明らかにしていき、静かだった結婚生活は激動の渦へと巻き込まれていくことになる。
愛妻の命を抜く男〜本命のための生贄結婚〜 の小説カバー
7.8
雪崩に巻き込まれ、絶体絶命の窮地に陥った私。夫は十指から血を流しながら十時間も雪を掘り続け、私を救い出してくれた。献身的な愛に感謝し、一命を取り留めたことを喜んだのも束の間、病室で意識を取り戻した私は衝撃の事実を耳にする。夫と医師が交わしていたのは、私の手足の切断だけでなく、造血幹細胞まで全て抜き取るという戦慄の計画だった。「この女を生かしてきたのは俺の慈悲だ。愛する彼女を救うための代償として、命で借りを返させる」――夫の冷酷な言葉が、かつての愛の誓いを無残に打ち砕く。私を妻に迎えた真の目的は、心から愛する後輩の命を繋ぎ止めるための「生きた血液バンク」として利用することだったのだ。信じていた絆が、ただの生贄を得るための手段に過ぎなかったと知った時、絶望の淵で私の心は静かに冷え切っていく。夫が望む残酷な結末を前に、私はある決意を固める。愛と裏切りが交錯する中、献身という名の仮面を剥ぎ取った男への、命を賭した報復が今始まる。