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ムリゲーの世界をバグと乱数調整で切り抜ける の小説カバー

ムリゲーの世界をバグと乱数調整で切り抜ける

「初回プレイでの死亡率4000%」という驚愕の数値を叩き出し、ゲーム史上類を見ない理不尽さで知られる超高難易度RPG『ムーンリカバリー』。魔王側の視点からリアリティを追求しすぎた結果、最初の町に辿り着くまでのわずか数歩で、初期レベルでは到底太刀打ちできない強敵と遭遇し、確実に命を落とすという絶望的な仕様が組み込まれていた。開発者は親しみを込めて『ムンリバ』と呼んだが、あまりにも過酷な死の連鎖から、プレイヤーたちからはいつしか『ム・リ』という不名誉な略称で恐れられるようになった。そんな、クリアすることなど到底不可能と思われた「ムリゲー」の異世界に、吉弘鑑理(ナオ)と流川斉子(リュウセイ)の二人は突然放り込まれてしまう。普通に挑めば10万回死んでも終わらない絶望的な状況下で、彼らが生き残るために選んだのは正攻法ではなかった。本作は、ゲームの根幹を揺るがす裏技的なバグや乱数調整という名のチート級のテクニックを駆使し、理不尽な世界の法則を鮮やかに切り抜けていく二人の型破りな冒険譚である。
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何で、たかが7歩離れた町に行くだけなのに死亡率が4000%なのか?

それは、7歩の間に魔王軍から派遣された精鋭部隊と戦闘になって平均40回は殺されるためである。

「あのデビルナイトから逃げ回れるわけがないだろ!呼び出すならもっとマトモな世界に呼び出せや!責任者!」

俺は絶叫した。

ここで出会う敵の名前はデビルナイト。

強そうな名前の敵である。

それもそのはず。こいつはゲーム後半にも登場する敵であり、特殊攻撃は全て無効。2回攻撃に全体攻撃まで持つ凶悪すぎる強さに、ここで出会ってしった瞬間リセットを押すのは確定だ。

そしてやりなおすと、また途中でデビルナイトに出会ってリセット。

運良くこの地方に住んでいるゴブリンと出会えば死なずに住むので、やっと町にたどり着けるという凶悪具合だ。

ムンリバは このゴブリンに運よく遭遇できる確率が2.5%とも言える。

これにより「魔王軍ってさー、何で序盤の町に強力なモンスターを配置しないのかなー」という陰口を完璧に叩き潰す『リアルさ』を実装したと開発者は言っていた。

開発者はリアルじゃないとか言ってた奴らへの仕返しにこのゲームを作ったのだろう。

「ナオ君。ここってムンリバの世界なのかな?」

絶望敵世界にたたき込まれて頭を抱える俺に、リュウセイが目をキラキラ輝かせて聞いてくる。

「たぶんな」

「うわー。異世界だよ!すごいね!」

すごくねぇよ。こんな極悪非道難易度のゲーム世界 絶対に来たくなかったよ。

特に最悪なのが職業だ。

このゲームは戦死…もとい戦士や魔法使いなどの職業があるが俺の職業は『補助魔法使い』である。

よしひろあきなお 職業;『補助魔法使い』

HP;15 MP;25 

力;2 体力;2 知恵;7 早さ;6 魔力;6

スキル;補助魔法LV1 攻撃力強化LV1 防御力強化LV1

ごらんの通り、攻撃力は皆無。パーティーの補助役としてサポートに回る職である。

これに対して唯一のパートナーであるリュウセイは

流川斉子 職業 吟遊詩人

HP; 9 MP;15 

力;3 体力;4 知恵;5 知識;によてふ 早さ;5 魔力;3

スキル;うたってみた 全ての行動に4%の補助効果

こちらも攻撃力は皆無に近い。(一部ステータスがおかしいが…)

ちなみに、デビルナイトのステータスは以下の通りである。

デビルナイト 属性 悪魔

LV66

HP;666 MP;666 

力;666 体力;666 知恵;666 早さ;666 魔力;666

スキル;悪魔の雷(防御無視の全体攻撃) おたけび(相手を行動不能にする)

これが序盤、それも装備すら整えてない勇者パーティが遭遇する敵なのだ。

運営は頭が悪いと言われるのがおわかりいただけるだろうか?

「スタートと同時に終わってんじゃねぇか!!!!」

改めて、現実の酷さに絶叫する。

「ねぇナオ君。せっかくゲームの世界にきたのになんでテストで0点取った時みたいな顔してるの?」

「だって、『あの』ムンリバ世界だぞ。あの凶悪難易度で死んだら終わりのムリゲーだぞ!どんなに上手くやっても死亡エンド確定じゃねぇか!!!」

説明すればするほど絶望的な状況に頭が痛くなってくる。そんな俺にリュウセイは不思議そうな顔で

「えー。このゲーム、それほど難しくはないよー」

などと言った。

 ………………え?

「ムンリバの最初の町でしょ?ミスなしでいくのはコツがあるんだよ」

大したことでもないかのようにリュウセイが言う。

まじか?

「そんなのムンリバプレイヤーなら基本中の基本だよ」

と大して大きくもない胸をはって答える。そんなニッチな基本あるのか?

「じゃあ、さっそく始めるね」

そういうとリュウセイはその場にしゃがみ、地面を調べだした。

なるほど、これは盲点だった。

スタート地点に何かアイテムでも埋まっていたのだろうか?『ノーヒントで見つけられるわけがないだろ』と突っ込みたいが、命が助かるなら何でもいいや。

「ううん。何もないよ」

ないんかい。

じゃあ、何で地面なんてみてるんだよ。

「乱数を調整してるんだよ」

「乱数?」

なんか聞いたことのある言葉をリュウセイは話す。

それと、この凶悪な荒野の踏破(約7歩)に何の関係が有るのだろうか?

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