
ハーレムだと思ったけど違うのかな?
ごく普通の男子高校生として、穏やかで代わり映えのしない日常を謳歌していた桐嶋綾乃。しかし、そんな彼の平穏な日々はある朝を境に一変することになる。いつものように目を覚ました綾乃が視界に捉えたのは、あろうことか自分のベッドの上に佇む一人の美少女の姿だった。あまりに非現実的な光景に、最初は質の高い夢でも見ているのかと疑う綾乃。しかし、頬を撫でる空気も目の前の少女の存在感も、すべてが残酷なほどに現実であることを物語っていた。混乱する頭で事態を整理しようとするものの、目の前の状況は好転するどころか深まるばかり。もしもこの光景を他の男子生徒たちが知れば、間違いなく嫉妬の嵐に晒され、羨望の眼差しを向けられるに違いない。そんな夢のような、あるいは波乱の幕開けとも取れる奇妙な同居生活が唐突に幕を開ける。憧れのシチュエーションが現実となった時、平凡だった綾乃の毎日はどのような方向へと動き出していくのか。美少女の正体と、彼女がなぜそこにいたのかという謎を抱えたまま、綾乃の予測不能な新しい日常が今、静かに、そして劇的に始まりを告げる。
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章 3
今日、謎の美少女が家に来た。いや、昨日か......?
朝から結構刺激の強いものを......ま、まあ、別にいいけどさ......。
「......ふぅ」
学校に来て自分の席に着いたかと思えば、まずは外の景色を見てため息。
その日によって考えることは違うが......今日は、氷空について考えていた。
氷空は童顔に小柄な体躯たいく、優しい性格と言う......朝会っただけだが、まあそんな感じ。
そんなことを考えつつも、教室を見渡してみる。
本を読んでいる人、少人数のグループになって話をしている人たち......と、一人の少女と目が合ってしまった。
その少女は俺と目が合った後会釈をし本読みに入っていった。
「あれ......あんな子いたっけか......?」
そう。俺はこのクラスになり数カ月過ごしているが、その少女だけは初めて見た。
間違って別の教室から入ってきたのかなと思ったが、そんなことはなかった。
というか、始業式にあんな子いたか......?いや、俺が忘れているだけだ......うん......。
と、そこへ。
「――おーすっ、元気か綾乃?」
俺の友人である、佐藤吉柳さとうきりゅうは、笑いながら俺に話しかける。
「まあ一応」
「一応ー?どういうことだってば、朝からなーんか憂鬱そうなしやがってよー」
「いや、昨日......」
そこまで言って、氷空が言っていたことを思い出した。
言ったとしても別になにかある訳は......と思ったが、氷空の言うことは守らないと。
「昨日?何があったんだよ?」
「え、ああいや、ちょっとハマってるゲームを朝までやっててさ......ははっ」
俺は適当な理由をつけ、最後には乾いた笑いを返した。
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