モラハラ元夫からのグロテスクな求愛は着信拒否で。私は新恋人の腹筋を眺めます の小説カバー

モラハラ元夫からのグロテスクな求愛は着信拒否で。私は新恋人の腹筋を眺めます

8.8 / 10.0
『モラハラ元夫からのグロテスクな求愛は着信拒否で。私は新恋人の腹筋を眺めます』は、裏切りと病を乗り越える女性の再生を描いたromance作品です。胃がんを宣告された長瀬詩織は、自分を蔑んだ夫と兄たちを捨て、テクノロジー業界の頂点へと上り詰めます。自由を手にした彼女の前に、後悔に震える元夫が復縁を迫りますが、詩織は執着を断ち切り新恋人と共に歩む道を選びます。自立と成功を掴む物語をwebnovelで。最新のfiction booksとしても楽しめる、現代女性の逆転劇です。
「モラハラ元夫からのグロテスクな求愛は着信拒否で。私は新恋人の腹筋を眺めます」のあらすじ
長瀬詩織と牧野雄介は、10年来の幼馴染でありながら3年間の結婚生活で破綻を迎えた。夫の裏切りや実兄たちの無関心に晒された詩織は、病に蝕まれた体を引きずり、すべてを捨てる決意を固める。胃がんの中期という過酷な現実を前に、彼女は不屈の精神で這い上がり、平社員からテクノロジー業界の頂点へと登り詰めた。離婚の熟慮期間が終わると同時に夫を出し抜き、鮮やかに自由を手にする。かつて高圧的だった雄介は、立場が逆転すると豹変し「自分の胃をあげるから離婚はしない」と涙ながらに懇願。困窮した兄たちも掌を返して金銭を求めてすがりつくが、今の彼女に彼らを受け入れる余地はない。そんな詩織の背後から、一人の男が力強く歩み寄る。彼は自らの肉体美を誇示しながら、過去に縛られるなと彼女を鼓舞する。遅すぎた愛情や後悔など、路傍の草ほどの価値もない。詩織はかつての執着を完全に断ち切り、新たなパートナーと共に未来を見据えていた。
もっと見る

モラハラ元夫からのグロテスクな求愛は着信拒否で。私は新恋人の腹筋を眺めます 第1章

「長瀬さん……検査の結果ですが、残念ながら進行胃がんが認められました。ご家族へのご連絡ですが、お知らせしない形でよろしいですか?」

「いえ、……大丈夫です」

病院を出た瞬間、熱風が吹きつけてきた。

長瀬詩織は再検査の結果をバッグにしまい込んだ。その顔からは、すっかり血の気が失せている。

牧野雄介に嫁いで三年目、彼は浮気をし、そして彼女はがんに冒された。

なんてひどいシナリオだ。

だが、詩織は死にたくない。ましてや、結婚を簡単に裏切った男のために、長きにわたり精神的な重圧に耐え、そのせいで体を壊してしまったと気づいた今、彼女はようやく吹っ切れた。

手からこぼれ落ちる砂は、いっそ風に飛ばしてしまえばいい。

すべての段取りをつけた後、詩織は車を走らせ会社に出社した。

デスクに戻り、一束の資料を手に取ると、17階のオフィスに向かった。

オフィスのドアをノックした。

「どうぞ」

詩織はドアを押し開けて中に入った。

「何か用か?」

男は顔を上げ、その深い黒い瞳で詩織を一瞥した。

雄介は端正な顔立ちをしていた。きりっとした眉と目元を持ち、ビジネスの世界で数年間揉まれたことで少年の面影は消え、大人の男としての落ち着きと上に立つ者特有の威圧感を漂わせている。

詩織は手にしている書類の束を差し出し、穏やかな口調で言った。「先週受けられた健康診断の結果が病院から届きました。ご確認の上、サインをお願いします」

健康診断の報告書を雄介の目の前に置き、さらに自らサインペンのキャップを外し、彼の手元に添えた。

雄介は気怠そうに眉間を揉むと、内容をろくに確認することもせず、ペンを取ってサインを書き込んだ。

「そういうのは自分でやれ。いちいち俺を通すな」

「承知いたしました」 詩織は従順に頷き、書類を回収した。

だが、踵を返そうとしたその瞬間、広々としたデスクの下から白いスカートの裾がわずかに覗いているのが目に入った。

見覚えのあるスカートだ。義理の妹、長瀬美月のものだ。

詩織は伏し目がちに瞳の奥の嘲笑を押し殺し、大股でその場を後にした。

数秒も経たないうちに、背後からかすかに鍵の掛かる音がした。

(そんなに待ちきれなかったの……)

詩織の心は一気に深い湖の底へと沈み、容赦なく暗闇に呑み込まれた。

重苦しい窒息感が胸を締め付けた。

彼女はうつむき、手に持っている書類の束から最後の2枚を引き抜いた。

もし雄介があとほんの少し注意深く見てさえいれば、その書類の中に彼女の胃がん中期の再診票が挟まれていることに気づいただろう。いや、それだけでなく、最後のページにある……

離婚協議書にも。

詩織と雄介が出会ったのは、彼女が五歳の時だった。その年、父親が浮気をし、母親が離婚を突きつけたのだ。

二人の兄は父親に引き取られ、彼女は母親に引き取られることになった。

両親の離婚後、父親の愛人が隠し子である美月を連れて後妻として収まった。

一方、母親と共に引っ越した詩織は、隣の家に住んでいた雄介と出会ったのだ。

二人は幼馴染として育ち、雄介は彼女を守るために喧嘩をして、肋骨を3本折ったことすらあった。

彼女が風邪を引いて熱を出せば、雄介は胸が痛むほど心配してくれた。

彼のSNSの写真は、彼女の姿で埋め尽くされている。

永遠を誓ったのは彼の方だったのに、真っ先に裏切ったのも彼だ。

続きを読む

モラハラ元夫からのグロテスクな求愛は着信拒否で。私は新恋人の腹筋を眺めます 目次一覧

Ch. 1 Ch. 2 Ch. 3
Ch. 4
Ch. 5
Ch. 6
Ch. 7
Ch. 8
Ch. 9
Ch. 10
Ch. 11
all

おすすめの作品

新着リリース小説

過去に戻り人生をやり直す の小説カバー
9.3
婚約者の斎藤真紀のために身を粉にして尽くしてきた私を待っていたのは、残酷な裏切りだった。真紀とその愛人・堀井愛菜の策略により、私は愛菜を交通事故で殺害したという濡れ衣を着せられ、二十年もの長きにわたり屋敷に監禁される。心身ともに限界を迎え、絶望の中で命を絶とうとしたその瞬間、私は信じがたい光景を目にした。世間から祝福され、幸せそうに寄り添う真紀と、死んだはずの愛菜の姿。すべては私を陥れ、排除するために仕組まれた醜悪な芝居だったのだ。真実を知り、激しい怒りと後悔に震えながら意識を失った私が次に目を覚ますと、そこは見覚えのある自室のベッドの上だった。カレンダーが示す日付は、あの凄惨な地獄が幕を開けるわずか二週間前。神が与えてくれた好機か、あるいは執念が呼び寄せた奇跡か。私は失われた人生を取り戻し、自分を欺いた者たちに報いを受けさせるため、過去をやり直す決意を固める。二度と同じ過ちは繰り返さない。裏切りの連鎖を断ち切るための、孤独で静かな逆襲が今ここから始まる。
彼の“特別”は、私じゃなかった の小説カバー
9.1
8年という長い月日を捧げ、ひたむきに彼を追い続けてきた。しかし、彼のスマホに残された元カノへの愛称を目にした瞬間、私の心はついに限界を迎える。別れを告げた私に対し、彼は登録名を消し忘れただけだと冷笑を浮かべ、周囲の友人たちも「大げさだ」と私を非難した。彼の冷徹な瞳には私への情など微塵もなく、「泣いて縋り付いてくるな」という傲慢な言葉と嘲笑が夜の空気に響き渡る。私は何も言い返さず、コートのポケットに忍ばせた診断書を強く握りしめ、静かにその場を後にした。人生の最期を、せめて彼との甘い思い出で彩りたいと願っていた。けれど、無理に繋ぎ止めていた関係は、喉を焼く薬よりも残酷で苦い後悔へと変わっていく。この苦しみは、もう今世だけで十分だ。来世では二度と、こんなにも報われない愛を口にしたくはない。降りしきる夜の闇の中、私は独り、残されたわずかな時間へと歩み出した。
夫の億万ドルのベビー欺瞞 の小説カバー
9.5
数千億円の資産を抱える巨大財閥の跡継ぎである夫。彼の一族には「愛する妻は出産時に命を落とす」という残酷な呪いが語り継がれていた。私は彼を失いたくない一心で、十五年もの間、母になるという切実な願いを封印し、彼を支え続けてきた。しかし、重病に伏した義祖父が後継者の誕生を強く求めたことで、平穏な日々は崩れ去る。夫は相続権を維持し、かつ私の身を守るという名目で、ある代理母を雇い入れた。その女性は、驚くほど若き日の私に面影が似ていた。夫は「これは事務的な契約に過ぎない」と断言したが、その言葉はすぐに裏切られることになる。「彼女には精神的なケアが必要だ」と理由を並べ、彼は夜ごと彼女の元へ通い詰め、私を顧みなくなった。大切な結婚記念日は忘れ去られ、私の誕生日さえも無視される日々。夫がその女性にのめり込んでいく中で、長年積み上げてきた愛と信頼は音を立てて崩壊していく。献身的に尽くしてきた歳月の果てに待ち受けていたのは、あまりにも残酷な裏切りと孤独だった。守られるはずだった私の居場所は、どこにも残されていなかった。
右手を失い、愛も失った の小説カバー
9.0
「以前のように動かすのは無理でしょう」。医師の無情な宣告が、漆芸家としての私の人生に終止符を打った。事故で自由を失った右手は、もはや自分の一部とは思えないほど感覚がない。追い打ちをかけるように、五年間連れ添った婚約者の新幸は、冷淡に治療費という名の決別を告げた。育ての親である祖父が多額の借金を遺して逝った事実を知らされ、絶望に暮れる私の前に現れたのは、新幸のアシスタント・莉代だった。彼女が突きつけたのは、二人の密会現場を捉えた写真と、事故も借金も私を排除するための策略だったという衝撃の真実。愛も未来も、職人としての誇りもすべて奪われた私は、漆黒の闇の中で復讐を誓う。そんな折、手の外科医である藤岡と出会う。私の手を見つめ「絶望するにはまだ早い」と断言する彼は、再び漆芸の道へ戻れるよう救いの手を差し伸べる。全てを失った底辺から、裏切り者たちへの逆襲と再生の物語が今、幕を開ける。
ヒロインのゴミ箱から最強のイケメン獣人を錬成するお仕事。 の小説カバー
9.0
星間獣人世界で「無能な偽令嬢」の星野千夏に転生した主人公。彼女を待つのは、本物の令嬢が帰還した後に追放され餓死する悲惨な未来だった。運命を変えるため、千夏は残された2年で自立を目指し、ヒロインに切り捨てられる運命の「当て馬」たちを保護し始める。奴隷に堕ちた狼族の少年・蒼真、虐待で心を閉ざした天才治療師・蒼汰、金づるにされていた狐族の拓海。さらには連邦の捨て駒や宇宙海賊の首領まで、ゴミ箱に捨てられるはずだった彼らを救い出し、自らの陣営へと引き入れた。しかし、救済したはずの彼らは千夏に異常な執着を見せ始め、冷徹な義兄・凛太朗の視線までもが熱を帯びていく。やがて千夏は帝国唯一の「SSSランク」へと覚醒し、国交樹立や海賊の統率を成し遂げ、帝国の命運を握る存在へと成長を遂げた。ついに帰還した本物の令嬢がシステムを駆使して男たちを奪おうとするが、千夏の傍に集う最強の獣人たちには一切通用しない。自ら育て上げた夫たちに囲まれ、愛の重さに悲鳴を上げながらも、千夏は運命を覆した新生活を突き進んでいく。
身代わり妻の離婚届 の小説カバー
8.7
仕事でもプライベートでも、彼女は完璧な秘書として彼を献身的に支え続けてきた。公私ともに片時も離れず、彼のあらゆる要求を完璧にこなす姿は、周囲からも理想的な部下として認められている。しかし、二人が夫婦であるという事実は、世間には一切伏せられていた。結婚から三年の月日が流れても、彼女は自分が彼の心に居座る「忘れられない女性」の代用品に過ぎないことを自覚していた。いつか本物の愛を手に入れるため、彼女は密かにその女性の面影を追い、必死に振る舞いを模倣し続けてきたのだ。しかしある日、彼は彼女以上に「あの人」に似た別の女性を連れて現れる。自分の存在意義が完全に失われたことを悟った彼女は、ついに淡い期待を捨て去る決意を固めた。自らの手で離婚届に署名をし、愛する人であり上司でもある彼に対して、彼女は静かに、そして決然と別れを告げる。「社長、離婚しましょう」。身代わりとしての役割を終えた彼女の、新たな人生がここから動き出す。
章
今すぐ読む
共有