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最強は最高にわがままな証 の小説カバー

最強は最高にわがままな証

魔王を凌駕する強者が跋扈し、弱肉強食の理が支配する過酷な「修羅の世界」。その頂点に君臨し、覇王として名を馳せた人間グレーステ・シュテルケは、かつて心から愛した者と交わした大切な約束を果たすため、新たな旅立ちを決意する。彼が向かった先は、かつての戦場とは対照的な、穏やかな時間が流れる「普通の異世界」だった。修羅の地で磨き上げた圧倒的な武力と、他者の追随を許さない規格外の魔力を秘めたまま、覇王は未知なる地へと足を踏み入れる。たとえ環境が変わろうとも、彼の本質が変わることはない。立ちはだかる困難や敵対する存在をその圧倒的な力でねじ伏せながら、グレーステは約束の地を求めて自由奔放に突き進んでいく。最強の証を刻みつけるかのように、わがままなまでに己の道を貫く覇王の冒険譚が、今ここに幕を開ける。異世界の常識を打ち破る圧倒的な無双劇と、愛する者への想いを胸に秘めた一人の男の軌跡を描く、至高のファンタジーアクション。
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3

『修羅の世界』そこは普通の世界の魔王より強い物がゴロゴロといる世界

そんなヤバイ所に俺は飛ばされてしまった、

だが、思ったよりも平和だった。

回りは背の高い木々が生い茂っており、生物の気配さえ感じない、もしかして生命体その物の数が少ないのかも知れない

と思ったのは束の間だった、背後でミシッ! っと音が聞こえる。振り返るとそこにはクモに似た生物その大きさからクモと呼んでいいのかはわからない

全長5mほどはると思われるクモが高い木から糸を垂らしぶら下がっていた

全身から冷や汗が噴き出る、前世でも手のひらサイズのクモでさえ無理だったのにこんな...

だが大丈夫、クモは巣で獲物がかかるのを待つ習性があるはず...網にさえかからなければ...

襲ってこない...はず,,,ん?

違和感を感じ足元を見ると白いねばねばとしたまるで...糸のようなものに足が絡めとられていた

「あ...終わった...」

血の気が引いていくのをリアルに感じていた、絶望しもう一度クモの位置を確かめようとすると

先ほどクモがぶら下がっていた木にクモはいなかった。

安心できたわけではない...なにか生暖かい息が首筋に当たっている...

意を決して後ろを振り返ると目の前にクモの9つの巨大な目が現れた

うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!

腰に力が入らなくなり、地面にへたり込む

クモは威嚇するかの様に大声をだした

グァァァァァァ!!!!

叫び越えと共に、クモの唾液のようなものが飛んでくる、後ろから何かが溶けるかのようなジュッ! っという音が聞こえるががもはやどうでもよかった

クモっと少しの間見つめあう謎の時間が経過した、クモは狙いを定め俺に噛みつこうとして来る

やられるっ!反射的に目を背けるその瞬間何かが俺の前をものすごい速さで通り過ぎた

俺にはそれがはっきりとわかった、桃色の髪を靡かせ赤い残像を残しながら移動する女騎士の姿が。

「『|審判の剣《ジャッジメント》』」

女騎士が剣を振り下ろすとまばゆい光と共にものすごい爆音と爆風が体を通り抜けていった

爆風が収まったころにはクモは既に真っ二つになっていた

女騎士が剣を鞘に納めこちらに向かってくる

「怪我はないか?私は元ノエル王国王国戦士長エミール・べオーラだ」

胸に手を当て自己紹介をしてくれた、黙っていては失礼なのでこちらも自己紹介をしないと、それにしても綺麗だなこの人

「えっと、さ...グレーステ・シュテルケといいます、怪我は無いみたいです、ありがとうございます」

危ない...前世の名前を言ってしまうとこだった、こうゆうのも気を付けないとな、それに見た目はほんとに変わってるのか?

恐る恐る自分の髪を触ってみるとさらさらのロングヘア―が腰の方まで伸びていた

本当に...本当に俺、グレースになってる!

なら、口調も前世と変えた方がいいのか?この見た目で|遜る《へりくだ》のは不自然だもんな...頑張れ俺!

「貴方はどうしてここに?それにまさか私以外に人間が生き残ってるとは思わなかったわ」

え?どゆこと?エミールさん?人間滅んでんの?そんなやばい世界なの?

「なに?人間の生き残りとはどうゆう意味だ?」

我ながらいい感じに喋れたんじゃないか、これなら自分の見た目に合ってるはず

「え?人間は魔族によって滅ぼされたの...まさか知らないの?」

「ここで目が覚めたんだ、ここはいったいどこなんだ?」

「ここで目覚めた?それに貴方『ジャイアントタランチュラスの子供』の毒をまともに喰らってどうして毒に侵されていないのかしら?」

ん?毒?俺、今、毒に蝕まれてるの?でもなんも痛み無いけど、もしかして俺のHPが高すぎて痛みがないのか?

待て....いま、この人、子供って言ったか?あれで子供?それに子供がいるってことは...

グァァァァァァッッッッ!!!!!!

周囲の大地が大きく揺れる、まるで地震かと思うぐらいの咆哮だ。

エミールが驚いたような顔をして叫ぶ

「あれは!さっきの子の親...違う!!あれは|キ《・》|ン《・》|グ《・》ジャイアントタランチュラスよ!!急いで逃げましょう!走れる?!!」

エミールが俺の手を握り必死に走る

後ろから顔の様子を伺うとかなり真剣な眼差しをしていた、やっぱり...この人でも敵わないのか

「君はあれに勝てないのか?」

「あれだけなら問題ないわ、ただキングは一夫多妻制なの、だから...」

よく見るとキングの後ろには無数の巨大なくもがひしめいていた...キモッ...

キングの図体は子供よりも圧倒的にでかくその全長は20mを超える

でも、何故か勝てる気がしてきた、自分でも根拠のない自信だと思う

俺が転生するときに得た力、ここで試してみよう、でも武器が...借りれるのかな...でもやるしかない、かっこよく!自分というキャラのイメージを守れるように

「エミールお前の剣を貸せ、俺が蹴散らしてやろう」

「あんたレベルはいくつよ!私の剣はレベル5000を超えてないと扱えないの!」

「いいから早く剣を!」

「もう!仕方ないわね!ハイッ!」

走りながらエミールが武器を渡してくれる、さっきの事がほんとなら俺にこの剣は扱えない

でも、やるしかない、ここで、やらなきゃ...

―――やれなきゃダサい...

走る足を止め剣をクモに向け構える、剣なんて振ったこともないけど何故か剣に重さを感じなかった

剣を上段に構えクモが来るタイミングで振り下ろした。

ズバァァァァァァァァァン!!!

爆発というより何か隕石でも落ちてきたのかと思う程の音が聞こえた

土煙がモクモクと空に上る

「貴方、いったい何者?」

正直俺が聞きたい、土煙が消えた後に残っていたものは...いや、何も残ってはいなかった、辺りに生い茂っていた森もあんなにたくさんいたクモ達も....何も残ってはいなかった

「こんなことって...」

正直、今もなお俺の手は震えていた、自分の攻撃が何をもたらしたかを理解して。

どうやら俺は、ほんとにとてつもない力を手に入れたようだ

あれから5年エミールと共に旅をした。

そして俺たちの冒険は5年で幕を下ろす結果となった

――――彼女が命を落とした。

それも、俺の不注意が原因で...

俺の心は壊れてしまった。

もう、何もかもがどうでもよく思えて仕方がなかった

―――それから3年の間、エミールを蘇らせるスキル探して回った

1年目は天使の見た目をした人造人間を作り出した。どこかエミールに似てしまっている気がする

―――ただの未練なのかもしれない

2年目はその子を連れて魔界に行き魔王達を殺して回った。が蘇らせるスキルは手に入らなかった。その結果

―――魔界は滅びた

3年目人造人間を199人増やした、全部で200人だ。その子達を連れて神界に向かい神々を殺して回った、が蘇らせるスキルは手に入らなかった

―――神界に住まう神達は残り3人

蘇らせるスキルは見つからなかったが、エミールに会える方法が見つかった

―――転移門、修羅の世界と通常の世界を繋ぐ門だ、それは神々の王、最高神ゼウスの持つスキルだった

修羅の世界は言わば裏の世界裏にエミールが居る以上表にもエミールは存在する

今すぐにでも行きたかった。

だが、世界は乱れてしまった、魔界は滅び大概の神は死に絶えた、せめてこの世界を平和にしてから会いに行こう

あれから2年、俺達は世界の為に動いた、その甲斐あって世界から争いは減った、天使も悪魔も獣人も亜人も手を取り合い共に暮らしている

修羅の世界に転生してから10年...様々なことが起きた

覇王城の玉座に座りながらふと、昔の事を思い返していた、ようやく約束が果たせる

玉座の横には4年前に作り出した人造人間、もといフリューゲルの『ゼルセラ』と『ルノアール』が玉座の傍に控えていた

「ゼル、俺はそろそろ行こうと思う」

「ご主人様...我々はどうすればよいのでしょうか?」

「お前の明晰な頭脳ならもうわかるだろう、この平和な世界に俺の力は必要ない、それに安心しろ、必ず迎えに来る」

「はい、お待ちしております」

玉座から立ち上がり階段を下りる、そこには総勢199人のフリューゲルがひれ伏していた

「「いってらっしゃいませご主人様」」

フリューゲル達の間をゆっくりと歩いていく

「あぁ、行って来る『|転移門《ゲート》』」

門を潜る直前、いまだに玉座の傍で膝をつくゼルセラに視線を送る、ゼルセラは目に涙をためていた

「ご主人様、ご無事をお祈りしています...」

涙は目からあふれ出し、肩をひくひくとさせてる

ゼルの泣き顔を見るのは―――辛いな...

「安心しろ、しばしの別れだ」

決意を固め門を潜った

『生まれ変わったらもう一度君を好きになるよ』

最後にエミールの言った言葉だ。本当かどうかもう一度出会ってみよう

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