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禁欲的な義息子の独占愛は、夜ごと私を溶かす の小説カバー

禁欲的な義息子の独占愛は、夜ごと私を溶かす

長年連れ添った夫がこの世を去り、中川幸子は子供もいないまま未亡人となった。しかし、葬儀の当日に家を追われる窮地に立たされる。自らの財産と居場所を守り抜くため、彼女は他人の子を身ごもるという大胆な賭けに出る。標的に選んだのは、海外から帰国したばかりの義理の息子だった。禁欲的で冷徹な彼は、誘惑を試みる幸子を蔑みの眼差しで突き放す。「父上とは違う。あなたの涙も小細工も、俺には一切通用しない」と言い放たれ、幸子の計画は行き詰まってしまう。どれほど手を尽くしても彼を落とせず、心身ともに疲れ果てた彼女は、ついに別の男を探そうと決意する。ところがその矢先、冷酷だったはずの義息子の態度が豹変した。夜の暗闇の中、逃げ場を塞ぐように彼女を壁へと押し込み、荒々しく独占欲を露わにする。「何が欲しい?俺に乞え。義母さん、あんたは父が遺した最高級の遺産だ。誰にも渡さない、俺だけのものだ」密やかな夜とともに、二人の歪な関係は激しく燃え上がり、彼女を甘く溶かしていく。
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2

吹きすさぶ風雪の中、舞い散る白が中川幸子の裾を覆う。その正面に立つ男は、風雪よりなお冷たく厳しかった。

満場がどよめいた。

「この男は高遠大旦那様が外で作った隠し子なのか? 大旦那様には子がいなかったから、本来ならこの子を迎えていれ、大事に育てるつもりだったらしい」

「それで……その後は?」

「ふっ……その後は 高遠大旦那様は幸子に骨抜きにされてしまったんだ。幸子が隠し子を高遠家に入れることを許さなかったため、高遠大旦那様は本当に彼を追い払ってしまったんだってさ!

「へへ……どうやら今日は、この隠し子が財産分けに戻ってきたってわけか?」

「さあ、どうでしょうね!もしかすると……幸子に復讐しに来たのかもしれない。」 「もしあの頃、幸子がいなければ、高遠瑛様は、きっと大きな名を成していたかもしれんのに!」

「はっはっは!これも因果応報というものだ!高遠家に嫁いで何年も経ったのに、とうとう子を一人も残さなかった。きっと、もうすぐ追い出されてしまうだろうさ!」

「これほどの美婦なら……弄ぶだけでも悪くはない……」

「……」

吹き荒ぶ風雪は、卑しい囁きをかき消していった。幸子はそのただ中に立ち、手にした絹のハンカチを握りしめ、棺が納められるのを見つめている。泣き濡れた姿は梨の花に雨を宿したようで、紅く縁取られた瞳が痛々しい。

誰もが口をそろえて言うだろう。幸子奥様は高遠大旦那様を心底深く愛しており、その愛は揺るぎないものだと。

……

窓の外では雪が荒れ狂い、別邸の中では炉火が温もりを放ち、明るく燃えている。

葬式が終わり、弔問客を見送った後も、幸子と瑛は別邸に留まっている。

これが幸子にとって瑛との初対面だ。彼女は必死に夫を亡くしたばかりの哀れで青ざめた姿を装いながらも、涙に濡れた瞳で時折、瑛を盗み見ている。

このとき瑛は脇の革張りのソファに腰掛け、脚を組み、悠然とした面持ちをしている。

幸子よりも、むしろ彼のほうがこの屋敷の主に見えた。

瑛の視線に気づいた幸子は、時機を計ったようにかすかな憔悴の笑みを浮かべた。「あなたの父は、よくあなたのことを話してくれた」

彼女は瑛が鼻先で嘲るように、かすかに笑い声を漏らしたのを聞いた。

その目は、亡くなった夫のものとは異なっている。冷たく淡々としており、幸子に向けられた眼差しは、隠しようもないほどの嫌悪に満ちている。

「義母さん、まさか嘘をつくことが癖になっているんじゃないでしょうね?」

幸子は、ハンカチを握りしめた手の指が微かに震えるのを感じ、表情が一瞬止まった。

手強いね!

視線をさまよわせ、幸子は素早く愕然とした表情に切り替えた。真珠のような大粒の涙が、ポロポロとこぼれ落ちた。

「あなた、どうして……」

「その安っぽい涙はもうやめなさい、義母さん」瑛は冷笑を浮かべて言った。「その手は、愚かで役立たずだった父にしか効かないから」

幸子は表情を素早く変え、うつむきながら次の手を考えている時、階段の方から足音が聞こえてきた。

吉田執事は階下にいる二人に軽くお辞儀をしながら、「夫人、若様、御前様がお二人とお話になりたいそうです」と伝えた。

「来るべきものは、いずれ来る」幸子はか弱げにこくりと頷くと、吉田執事について二階の書斎へと向かった。

書斎の中。

四方の壁には書画が並び、室内では炉火が燃えている。天井には巨大なシャンデリアが高々と吊り下げられ、その光景はまるで一振りの利剣のように、幸子の胸に突きつけられているかのごとく見えた。

上座には高遠御前様が座っている。黒のドレスを身にまとい、頭には黒いレースのハットを被っている。その顔にはやや憔悴の色を漂わせながらも、威厳と厳粛さは少しも揺らいでいなかった。

高遠御前様に加え、亡き夫の実の弟である高遠家の次男、幸子にとっては名ばかりの義理の叔父もまた、そこに同席している。

高遠時弥は、高遠御前様の背後に、すらりと真っ直ぐな姿勢で立っている。その立ち居振る舞いは、気品に満ち、内に秘めた落ち着きを湛えている。

時弥は亡き夫の弟にあたるが、彼より二十数歳も年下だった。今年わずか三十歳のその男は、年齢の割に成熟していて落ち着きがあり、身につけたスーツはぴしりと決まっている。

幸子はかねてからこの義理の叔父を恐れていたが、高遠御前様のことはそれ以上に恐れていた。その二人が目の前に現れたことで、幸子は頭の皮が粟立つ思いだ。

瑛はすぐに後を追い、幸子の傍らに並んだ。

「御前様、時弥叔父様」

澄んだ冷ややかな声が響き、高遠御前様と時弥の視線を引き寄せた。

常に厳格で威厳を失わない御前様も、「御前様」と呼ぶ瑛の言葉を耳にすると、その硬い表情をわずかに和らげた。

「瑛……外で長い間苦労をかけたね」

瑛は軽く頭を垂れ、素直で真摯な調子で応じた。「おばあさま、もう過ぎたことです」

御前様もまた頷き、「安心なさい。おまえがこうして帰ってきた以上、誰であろうと二度とおまえを追い出すことは許さない」と言った。

その言葉とともに、高遠御前様の視線は、思わず幸子の上に落ちた。

幸子は頭の皮が粟立つ思いで、うつむいて何も言えずにいた。

彼女はこれで察しないはずがない。

今日、亡き夫の葬式に合わせて瑛が戻ったのは、高遠御前様と時弥が黙認し、むしろ取り計らったことだのだ。

当時、彼女は夫を巧みに言いくるめ、甘えたりわざと怒ったりして、瑛を戻そうとしなかったのだ。高遠御前様はもともと彼女に対し怨みと怒りを抱いていたが、当時は夫が盾となって彼女を庇っていたため、高遠御前様がどんなに不満を募らせても、彼女に手出しはできなかったのだ。

だが今は……

彼らが狙っているのは、間違いなく彼女を高遠家から追い出すことなのだ。

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