
アルファの望まぬオメガの妙薬
章 2
セラフィナ視点:
「月女神の涙」が砕け散る音は、広大なロビーに響き渡った。
その一つ一つの小さな亀裂が、私自身の砕け散った心を映し出しているようだった。
あの彫刻はただのガラスじゃない。
私の長年の献身、女神への祈り、そして私を機能以上のものとして見てくれない群れの中で得た、たった一つの承認の証だった。
「あら、女神様、ごめんなさい!」
リラは完璧なまでに狼狽を装った声で叫んだ。
彼女は跪き、優雅で繊細な動きで大きな破片を集めるふりをする。
「私って本当に不器用」
彼女が特に鋭い破片に手を伸ばしたとき、小さく、芝居がかった悲鳴を上げた。
彼女の指先に、一滴の深紅が滲む。
「痛っ」
「リラ!」
カイレンは一瞬で彼女のそばに駆け寄った。
その顔は必死の形相だ。
彼は優しく彼女の手を取り、まるで致命傷であるかのように、そのごく小さな切り傷を調べた。
「大丈夫か?痛むか?」
彼はハンカチを取り出し、慎重に血を拭う。
その手つきは限りなく優しい。
彼は私を一瞥すらしなかった。
床に散らばった私の栄光の残骸にも。
私の痛みは、彼には見えない。
彼に見えるのは、彼女の演技だけだった。
悲しみを突き破り、白熱した怒りが燃え上がった。
子羊の皮を被った捕食者――彼女の正体が見えた。
「わざとやったでしょう」
私の声は低く、震えていた。
リラの目は大きく見開かれ、ワニの涙で満たされた。
「え?そんな、まさか――」
「防犯記録を見せて」
私は声を強めて要求した。
「ロビーには魔法の監視晶石があるはず。それを見れば全部わかるわ」
カイレンの頭がさっと上がり、その目は怒りで燃え上がっていた。
彼はすっくと立ち上がった。
彼のアルファとしての圧倒的な存在感が私にのしかかり、空気が濃く、息苦しくなる。
「もういい」
彼は唸った。
その音は私の胸に響いた。
完全なアルファ・コマンドではなかったが、それに近い、私の内なる狼を怯えさせ、耳を伏せさせるほどの警告だった。
「リラに謝れ。今すぐだ」
「私に謝ることは何もないわ」
私自身の反抗心に驚きながら、私は言い返した。
「彼女は君の未来のルナだ!それを、こんなガラクタ一つのために、悪意があると非難するのか?」
彼は砕けたクリスタルを軽蔑的に指差した。
「君は昔から嫉妬深く、意地の悪いオメガだったな、セラフィナ」
彼はリラの方へ向き直り、その表情は瞬時に和らいだ。
彼は彼女の顔を両手で包み込み、親指で頬を撫でる。
「泣かないで、愛しい人。彼女に君を悲しませたりはしない」
そして彼は私を振り返り、その顔は怒りで歪んだ。
彼は手を上げた。
恐ろしい一瞬、私は彼が私を殴るのだと思った。
彼は寸前で自分を制し、その手はわずかに震えていた。
だが、その意図は、床の割れたガラスのように醜く、鋭く、私たちの間に漂っていた。
「出ていけ」
彼は唸るように言った。
その声は低く、危険な命令だった。
「俺のビルから出ていけ。俺の縄張りから出ていけ。そして二度と俺の前に顔を見せるな」
彼の言葉の決定的な響きは、物理的な打撃だった。
私たちが共有していると思っていた、私が何年も育んできた見えない絆が、ぷつりと切れた。
どんな肉体的な傷よりも激しい痛みが、私の魂を引き裂いた。
私は背を向け、砕けた過去の破片を一つも拾わずに歩き出した。
重いガラスのドアを押し開け、土砂降りの雨の中へ出る。
冷たい雨粒が、頬を伝う熱い涙と混じり合った。
街の灯りが意味のない水彩画のように滲む中を歩いていると、ある記憶が蘇った。
十四歳の頃。
年上の戦士たちが私をからかい、私が彫った小さな木製の訓練用の彫刻を壊した。
すでに権威を放っていたカイレンが、泣いている私を見つけた。
彼は彼らを追い払い、その後、何時間もかけて、私の小さな木彫りの狼の壊れた破片を丹念に接着剤でくっつけてくれた。
あの時、彼は壊れたものを直してくれた。
今は、彼自身が壊す側になっている。
ようやく群れの土地の端にある、オメガ用の小さなコテージにたどり着いた。
ずぶ濡れで、震えが止まらない。
拒絶の痛み、冷たい雨、そして極度の精神的疲労――そのすべてが私に襲いかかった。
熱が出て、体は一瞬燃えるように熱くなったかと思うと、次の瞬間には凍えるように寒くなった。
病気と悲惨さの靄の中を漂い、時間の感覚を失った。
二日後だったかもしれない。
私の部屋のドアが、耳をつんざくような轟音と共に蹴破られたのは。
私はベッドから飛び起きた。
頭がくらくらする。
アルファ・カイレンが戸口に立っていた。
その体躯が戸口を完全に塞いでいる。
髪からは雨が滴り、その目は恐ろしい怒りで荒れ狂い、彼のアルファのオーラは純粋な脅威の息苦しい波となって押し寄せてきた。
彼は私のベッドにずかずかと歩み寄り、私の喉を掴み、枕から引きずり上げた。
その握力は鉄のようで、私の息を止めた。
彼は顔を近づけ、その声は低く、恐ろしい唸り声だった。
それは純粋なアルファ・コマンドで、返事を強要し、私の魂の奥底から真実を引き裂き出す力を持っていた。
「彼女をどこへやった?」
彼は唸った。
その熱い息が私の顔にかかる。
「リラをどこへ隠した?」
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